2018年9月20日~23日の期間で開催された東京ゲームショウ2018。バンダイナムコエンターテインメントのブースでは、最終日となる23日に『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』スペシャルステージが行われた。

 2018年9月20日~23日の期間で開催されている東京ゲームショウ2018。バンダイナムコエンターテインメントのブースでは、最終日となる23日にフライトシューティング最新作『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』(以下、『ACE7』)のスペシャルステージが行われた。その模様をリポートする。

 まずは『エースコンバット』シリーズ ブランドディレクターの河野一聡氏と、本作のプロデューサーを務める下元 学氏が登壇。続いて、本作の脚本を担当する片渕須直監督が登場し、観覧スペースに押し寄せていたファンから歓声が上がった。片渕氏は『エースコンバット04 シャッタードスカイ』や『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』のシナリオを手掛けている。2018年12月にはアニメ映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開を控え、非常に多忙なところを『エースコンバット』ファンのために駆けつけたそうだ。(公式サイトはこちら

河野氏
下元氏
片渕須直監督

「ACE COMBAT(TM) 7: SKIES UNKNOWN」ストーリーTRAILER(Dark Blue) 日本語音声版

 ステージのスクリーンでは、日本語音声のトレーラーが上映され、日本語キャストである、ゆきのさつきさん(エイブリル・ミード役)が登壇。ゆきのさんは「短い時間ですが、私も『ACE7』の世界を皆さんとともに楽しんでいきたい」とコメント。続いて潘めぐみさん(ローザ・コゼット・ド・エルーゼ役)は「皆さん、聞こえますか?」と、トレーラー内のコゼットのセリフで挨拶するサービスとともに登場した。じつは潘さんは、2016年に公開された片渕監督の作品『この世界の片隅に』の浦野すみ役でも活躍しているのだが、収録は『ACE7』の収録が先に行われていたとのこと。

ゆきのさつきさん
潘めぐみさん

 ゲストが揃ってきたところで、『ACE7』の既出情報おさらいとして河野BDと下元Pが解説。本作はシリーズ20周年記念作品として立ち上がったプロジェクトで、ナンバリングタイトルとしては『ACE6』以来12年ぶりの新作となる。『ACE7』のテーマは“空の革新”。現世代機のスペックにより、雲、降雨、霧、気流、そして太陽光や気流など、さまざまな空の表現ができるようになった。見た目だけでなく、ゲーム的な要素としても一役買っている。また、片渕監督が描く物語も魅力のひとつ。もともと、片渕監督には「どなたか脚本を作れる方を(監督から)ご紹介いただけませんか?」という形でオファーが来ていたのだが、当時監督は誰も紹介しなかった(誰も紹介したくなかった)と、片渕氏みずからが今回も脚本を引き受けたそうだ。

 脚本の話が落ち着いたところで、もうひとりのゲストが登場。作曲家であり、『ACE7』のメインコンポーザーを務める小林啓樹氏だ。もともとバンダイナムコエンターテインメントに所属して多数のシリーズ作でサウンドを手掛け、現在は独立している小林氏だが、作品のクオリティーを高めるためにギリギリまで収録をしていたとのこと。

小林啓樹氏

 続いて声に関するコーナー。ゆきのさん演じるエイブリルは、「役をつかむのにこれまででいちばん苦労した」キャラクター。大人の女性であり、運悪く懲罰部隊に入れられるという立場にいながら、そこでクサらずに己を信じて前向きに生きているところが魅力だと、ゆきのさんは語る。片渕監督いわく、脚本はエイブリルのストーリーから書き始めたところ、彼女の性格に合う声の主をイメージしたら、ゆきのさんが浮かんだそうだ。また、ゆきのさんはエイブリルの役作りで、自分の中の引き出しがひとつ作れたとコメントした。
 潘さん演じるコゼットは、若さからくる不安定さ、そして王女としての芯の強さを持ち合わせたキャラクター。そのふたつをバランスよく演じるのが難しかったと潘さんは語った。片渕監督はコゼットについて、王女としての表の顔のほかに、王女の顔を作っている少女という一面も考えて脚本を書いており、潘さんの演技についても「裏側の一面をイメージされた、いい演技だった」とコメント。なお、『この世界の片隅に』のキャスティングで悩んでいたとき、潘さんの声を聴いて、すみ役をオファーするきっかけにもなったとか。

 つぎは、下元Pの操作によるミッション7の実演プレイ。ハンガーでは自機や特殊兵装を好きな角度で眺めた後に選んだのはF-35Cと8AGM(対地用の特殊兵装)という組み合わせ。雲の中や渓谷のあいだを飛び、つぎつぎとターゲットの敵地上施設を破壊していく。後半パートでは敵の戦闘機とドッグファイトを行うのだが、運悪く(?)機体に落雷が直撃! HUD表示が歪む様子に、来場者から拍手が起こった。計器に頼れない状態で飛ぶことになるので、かなり厄介なはずだが、目視だけを頼りな飛行も緊張感があって楽しそうだ。

 ここで初回限定生産版の紹介。プレイステーション4版の『コレクターズエディション』は非常に豪華だが、なかでも注目すべきはブックレット“ACES at WAR A HISTRY 2019”。文中148ページの大ボリュームで、幸田和磨氏によるコンセプトアートが堪能できる。

 さらに、3つの対談企画があり、読み応え十分の内容になっているそうだ。

青木義男氏の肩書に注目。『ACE7』でも重要な役割を果たす宇宙エレベーターの識者ということは、実際に宇宙エレベーターが建設されたらどうなるのか……といったお話だろうか? これは読みたい!

 そして極めつけはコレ。片渕監督による『エースコンバット』シリーズ短編小説が4篇も収録されているのだとか。気になるタイトルと内容は、片渕監督の口から以下のように発表された。それぞれ題名に色を入れて、シリーズに登場する各キャラクターのサイドストーリーを描いたという。

青い鳩

ACE5』ケイ・ナガセのアフターストーリー。

緑の丘

同じく『ACE5』より、アンダーセン艦長の物語。河野BDと下元Pいわく、「これを読んで泣いた」そうだ。

白いノート

ACE04』に登場する“黄色の13”の若き日の物語。彼もまたシリーズファンに人気のキャラクターだが、なんと最新作『ACE7』に絡み、つながってくるとか!?

ローズ

こちらは『ACE7』の王女コゼットがなぜ“あの場所”に立ったか……という物語になるそうだが?

 ちなみに、本作の脚本を書くにあたり、片渕監督は設定を書き溜めているうちに、エイブリルの設定が上記の短編小説と同じくらいの密度になったため、“ダークブルー”というタイトルで公式サイトにて無料で閲覧できるようにする予定だそうだ。ただ、プレイの前に読むとネタバレになるため、製品版を最後までプレイしてから読んだほうがいいとのこと。

 続いて、早期購入特典の内容も紹介。プレイステーション4版には『ACE5』の移植版、Xbox One版には『ACE6』の下位互換版がまるまるついてくるという豪華すぎる内容。こちらは既出の情報だが、太っ腹すぎる内容に、来場者から大きな拍手が巻き起こった。

 ステージの最後は、登壇者からひと言ずつファンに向けてのコメントが。

ゆきのさん「あっという間のステージでしたが、私自身本作の発売をワクワクしています。どうか皆さん“ダークブルー”の世界を楽しんでください」

潘さん「ファン待望のナンバリングタイトルということで、皆さんがワッと盛り上がるたびに、私もすごくうれしくなります。12年間待ってよかったと感じられるものを皆さんに届くと思うと、いまから胸がときめきます。聞こえますか? 1月17日発売とのことなので、ぜひ手に取ってください」

小林氏「かれこれ十年以上お待たせしております。ファンの皆様の期待に応えられるタイトルになっているのだろうと、実感しています。いい音楽を詰め込みましたので、楽しみにお待ちください」

片渕監督「脚本を書いていた2015年は映画の製作中でしたが、スタッフの方々には僕の仕事場のそばまで来ていただき、何度も打ち合わせているうちに互いの世界が近づいていき、ひとつの世界ができました。3年前の幻のような思い出が明確な感情を持った形になり、完成した映像を観たときに泣きました。この感情が、2019年1月の皆さんに共有していただけるんだな、と思うとまたすばらしい気持ちになります」

下元氏「ファンの皆様、お待たせしました! 皆様のご期待に応えられる内容になっていると、自信を持って断言できます。また、『エースコンバット』シリーズ未経験の方も、『ACE7』からでも十分楽しめる内容になっていますので、ぜひプレイしてください」

河野氏「本日、このときを迎えるまで『エースコンバット』のステージなんて成立するのか不安がありました。ですが、ゲストの方々、そしてこのステージを見てくださった皆様が支えてくださったおかげで、無事に本作を発売することができます。とても感謝しています。ありがとうございます」