2018年9月20日から23日まで開催中の東京ゲームショウ2018(20日、21日はビジネスデイ)。一般日初日となる22日にカプコンブースにて行われた『デビル メイ クライ5』の模様をリポートする。

ステージが始まり、岡部眞輝プロデューサー、マシュー・ウォーカープロデューサー、伊津野英昭ディレクターが揃って登壇。まずは、前日公開になったばかりの最新PVを鑑賞した。


さらに、PVの最後には新たに映像が追加されている。腕利きのブラックスミス(武器鍛冶屋)であるニコが取り出したのは……?








……と、『ロックマン11 運命の歯車!!』とのコラボについて、かなり詳しく紹介された。コラボのきっかけについて聞かれた伊津野ディレクターは、
「今回、ネロのデビルブレイカーは、壊して付け替える壊して付け替える……『ロックマン』やん! と思いつきまして(笑)、ちょうど『ロックマン11』もあることだし、タイアップをして“ロックバスター”を実装できることになりました。いまの映像は宣伝のために誇張されているところも多いんですけど、でもジャンプしたときこのポーズになるところは本当です」
と、説明した。

そのほか、ロックバスター装備時には、避けの動作がスライディングになるところもポイント。
「(ゲーム本編が)仕上がってへんこの時期に、どこを作り込んでんねん! という声も出てしまうかもしれませんが(笑)」と、伊津野ディレクターは自嘲ぎみに笑ったが、カプコンならではのこのコラボ、その完成度はとても期待できそうだ。
岡部プロデューサーが指し示すトリッシュの見どころポイントとは
最新情報コーナーへでは、過去作にも登場していた人気キャラクターのトリッシュが初公開された。
各キャラクターは、実際の人物を3Dスキャンして制作されており、キャラクターが着ている衣装も実際に作っているそうだ。トリッシュはヨーロッパのモデルさんを3Dスキャンしたとのこと。また、両手を上げたこのポーズは『デビルメイクライ』のロゴにあるシルエットを意識したポージングだという。
岡部 見どころは……ここですね(みずからのワキを指差す)。きれいでしょ。





まずは実機映像が初公開!

実機プレイの前に流された実機映像では、左上にスタイルが表示されていたり、両手足に赤い光をまとう新しい武器“バルログ”など、新たな情報が開示された。
バルログはボクサータイプとカポエラタイプを切り替えながら戦う新しい武器で、連続で攻撃を当てていくと、赤く光る“イグニッション”状態に。いろいろと気になる新武器、早く触ってみたい!ちなみに武器・スタイルはいつでも変えることができ、戦闘アクションはかなり自由に楽しめそうだ。
未発表のものも含め、ダンテの武器はかなり多く用意されているとのこと。ステージに持ち込む武器の数や選択に出てくる順は自分で選べるので、多すぎて選ぶのが大変な人は少なめに持っていくなど、自分好みのプレイフィールにカスタマイズできる。
「コートの揺れとか髪の毛とかも表現できているので、細かいところにも注目してほしい」(岡部プロデューサー)。
映像に映し出されたのは、素早く連打される細かな攻撃、大攻撃の前の一瞬の“タメ”、そして放たれる強力な打撃! 一連の流れを見たマシュー氏が思わず「Feel so good!」と叫んでいたように、見ているだけでもこのゲームならではの気持ちよさが伝わってくるようだ。
いよいよ実機プレイ!





ボスとの戦闘中に会話が入る演出も加えられている。『デビル メイ クライ』らしいセリフ回しがまたかっこいい! キャバリエーレアンジェロと激闘を続ける吉田氏は、ダンテを魔人化、今回魔人化中は、ジャンプした位置からゆっくり滑空するアクションが追加された。
「ダンテ担当者から“絶対に羽ばたいてこい”と言われている(笑)」と吉田氏。

伊津野ディレクターが「細かい演出がいろいろと加えられているので、細部までじっくり見てほしい」と語る通り、ダンテの攻撃も、回避も、魔人化も、とにかくメチャクチャかっこいい。そして、爽快だ。観客は息もつかせぬスタイリッシュアクションに見惚れ、息を呑んで見つめていた。
最後は、バイク攻撃で撃破! 短い時間のプレイを見ているだけでも、スピーディーでキレのあるアクション、派手なエフェクト、ケレン味たっぷりの演出など本作ならではの魅力がたっぷりと伝わってきた。
実機プレイを見ると、やっぱり、自分で遊びたくなる。たとえば友達の家で遊んでいるのをただ見ているだけでも、「ちょっとやらせてよ!」と言いたくなるあの感覚。見ていてすごく心惹かれる魅力、魔力を持っている。あえてシンプルに表現すると、すげえ気持ちよさそうで、おもしろそう。思わずコントローラーに手を伸ばしたくなる、アクションゲームの原初的な魅力に溢れているのだ。
ああ、遊んでみたい(でも、本作の試遊台はすぐに配布終了になるくらい人気なんだよねえ……)。
各キャラクターの声優が発表!
続いて、日本語版の声優についても発表が行われた。








ネロ:石川界人
ニコ:Lynn
ダンテ:森川智之
V:内山昂輝
トリッシュ:田中敦子
レディ:折笠富美子
モリソン:大塚明夫
キリエ:早見沙織
ニコ役のLynnさんが登場!


ここから、スペシャルゲストとしてニコを演じるLynnさんが登壇し、伊津野ディレクターがLynnさんにいろいろと質問していく形でトークショウがスタート。

伊津野 じつはLynnさんをオファーしたのは、とある作品でLynnさんが不良少女の役をやられていて、それがとてもよかったんです。そこで「誰がやっているんだろう」と調べて、オファーさせていただきました。
Lynn ひょっとしたら見ている皆さんの中にも思い浮かんでいるキャラクターがいるかもしれないんですけど、「あの感じでやってください」と言われましたね。ニコは強烈なキャラクターで、ヒロインというか“よき相棒”という感じですしね。
伊津野 海外のインタビューで「ニコは日本人の作るヒロインキャラクターじゃないみたい」とよく言われましたね。タバコ吸いまくるし、タトゥーだらけやし(笑)。
Lynn ニコも、実際のモデルさんがいるんですか?
伊津野 はい。じつは有名な方で、世界的なメーカーさんのCMにも出ているんです。
岡部 僕らもCMを見て「あ!ニコが出てる!!」って思っていたんですけど、発表される前で、言えなかったんですよね(笑)。
マシュー 僕は英語版の声を最初に見て、その後Lynnさんの日本語ボイスを聞いたら、日本版のほうがすごく好きになったんですけど、Lynnさんはどのように収録に臨みましたか? 英語版を参考にされたりしたのですか?
Lynn わぁ、ありがとうございます! 私は原音を大切にしたいと思っているので、今回も声の高さなどを参考にしました。
伊津野 ニコは新キャラクターだし、クセの強いキャラなので、僕は1時間でも2時間でも現場で説明するくらいの覚悟だったんです。でもLynnさんはすごく予習もされて、キャラクターをつかんでくださっていて、収録もほとんど1発か2発でオーケーでしたよね。
Lynn でも、「ちょっと変態……変人感を強めてくれ」ってディレクションはありましたよ(笑)。あとすこし苦労したのは、彼女がタバコをずっと吸っているんですよ。その吸うタイミングというか、吸う音、穿く音というのはどうしたらいいんだろうと思うのはありましたね。そこも原音を頼りに演じましたけど。
伊津野 じつは英語版を演じた方もタバコを吸わない人で、さらに言うと(ムービーを作るもとの)ビデオコンテを演じた日本人の方も吸わない人だったんです。だから「タバコはこうやって吸うねん」っていうタバコの吸いかたの演技指導もありましたね。
Lynn 私の演技も不自然さが出ていないといいんですけど(笑)。
伊津野 それがぜんぜん不自然じゃなかったから、「あれ? 吸ってはったん?」って思っちゃいました。
Lynn 吸ってないです(笑)。

伊津野 少しキャラクターの話をしますと、ニコっていう人物は……ゲームが進むにつれて……ああ、絶対エンディングのことは言わないんですけど……
司会 え? それはフリですか?
伊津野 いやいやいや(笑)、ニコというキャラクターは、態度が大きいし口も悪いんですが、ゲームを最後まで遊ぶときっと好きになっちゃうキャラクターだと思います。
Lynn 彼女は武器を作る腕は確かだし、いざというとき助けてくれるいいパートナーなので、だんだん愛着が湧いてくると思います。
岡部 私、まさにそれでハマりましたね。プレイして次第に好きになって、そして、エンディングを見たときに……
伊津野 おっとっと!
岡部 ハハハ(笑)。
Lynnさんがニコのセリフを生実演! 伊津野Dが言ってほしいセリフとは……?
伊津野 じつはここでLynnさんに言ってほしいセリフがあるんです。そもそもどうしてニコを、そういう上から目線のセリフばかりなキャラクターにしたかという話でもあって。男の子の気持ちかわからない部分はあるんですが、少年というのは、不良の女の子を、苦手なんだけど話をしたいんですよ!
Lynn おぉ~……?(苦笑) ほうほう。
伊津野 そのロマンをニコには詰め込んだつもりなので、言ってほしいセリフというのがあり、ニコを作った理由がここに詰まっていると言ってもいいんですけど……(台本を見せる)。

伊津野 このセリフを言わせたいがためにニコというキャラクターが出来上あがったくらいなので(笑)。シチュエーションとしては、ネロがデビルブレイカーを壊した後のセリフになります。


Lynn 「お前が攻撃をくらわなきゃいいだけだろうが!」(ドスの利いたボイス)……これ、大丈夫なんですかね? 皆さん「はぁ?」ってならないかな。
伊津野 いや、こういう人に偉そうに言ってもらいたい願望は、あるんですよね。ね、ね?
Lynn 一部の方にそういう需要が……(笑)。
ネロ役の石川界人さん、ダンテ役の森川智之さんからビデオメッセージが到着!'
諸事情により会場に来られなかった、石川界人さんと森川智之さんからもビデオでメッセージが届いた。


『デビル メイ クライ 5』の発表はネットニュースで知り、「ネロもこれまでと違いゴツくなっていて、あれ、オファーされるのかな……?」とすこし不安になっていたという石川さん。「実際にオファーが来たときはマジでうれしかったです! 超テンション上がりました。『デビル メイ クライ』は演じるのがたいへんなお仕事でもあるのですが、それでも演じていると楽しくなっちゃうのがネロという役柄なんですよね」と熱く感想を述べた。
続いて、ダンテ役の森川智之さんは、

「ダンテはこれまで長くやらせていただいているキャラクターですし、ボイスアクターとしてこれからも演じ続けていきたい役柄ですから、オファーをいただいたときは本当にうれしかったです」とコメント。
さらに、“お気に入りのセリフを教えてとください”という質問に対して、
「もしかしたら皆さん、日本語のボイスが収録されると聞いた時点で、“ひょっとしたらキャストは?”と思ったこともあるかと思いますので、そういうところも含めて……」

「大当たりだ! ……ビンゴでしょ? なんつって(笑)」。
ビデオメッセージを送ってくれたおふたりを始めとした、そうそうたるメンバーとの共演を聞かれたLynnさんは
Lynn キャスト表を見て、おそれおののいていました(笑)。長く演じられている方々といっしょにやれることはとても光栄でしたね。
伊津野 憂鬱になっていたのはあれだよね、電話帳2冊ぶんくらいの台本が届いたんだよね。
Lynn そう! 台本がすごい分厚くて「終わるのかなこれ……」と思いました!(笑)
と、収録時の思い出を語りつつ、トークショウの最後には、発売を待つ『DMC』ファンに向けて
Lynn 発売は来年の3月ですが、楽しみに待っていてほしいと思います。絶対に、かっこよくて熱くって激しくってステキなゲームになっていると思います! 今日はありがとうございました!!
メッセージを送り、盛大な拍手の中でステージは終幕となった。
