ドイツ・ケルンにて行われている欧州最大規模のゲームイベントgamescom 2018に先駆けて行われたメディア向けイベントと、gamescom期間中に行った開発スタッフへのインタビューから判明した『Life is Strange 2』の概要を紹介。

 海外では、2018年9月27日にエピソード1が配信となる『Life is Strange 2』。本稿では、ドイツ・ケルンにて行われている欧州最大規模のゲームイベントgamescom 2018に先駆けて行われたメディア向けイベントと、gamescom期間中に行った開発スタッフへのインタビューから判明した『Life is Strange 2』の情報を紹介する。

※以下、『Life is Strange 2』を含むシリーズに関するネタバレが含まれます。ご注意ください。

 まず、メディア向けイベントでは、開発会社DONTNOD EntertainmentからクリエイティブディレクターのMichel Koch氏とRaoul Barbet氏が登壇。『Life is Strange 2』の開発は、前作『Life is Strange』の反響が大きかったためプレッシャーはあったというが、前作とは違う新しいキャラクター、ストーリーのものを描くというコンセプトで開発が進められている。それでも、アートやシネマトグラフィー(映画的な撮影術)、ストーリーテリング、音楽にこだわりを持っており、『Life is Strange』らしさを感じ取ってもらえるだろうとのこと。

イベントはケルンにある映画館で行われた。ちなみに、イベント中は撮影禁止だったため、外観だけ。

 『Life is Strange 2』の主人公は、ワシントン州シアトルに住むふたりの兄弟、ショーン(16歳)とダニエル(9歳)。ある日、ショーンは近所の悪ガキにダニエルがいじめられているところを目撃。ダニエルと悪ガキのあいだに割って入ったショーンだが、不可抗力で悪ガキを傷つけてしまう。そこをパトロールしていた警官に目撃され、有無を言わさず銃を突きつけられるショーン。騒動を聞きつけた父親も家を出てきて、ひと悶着が起こり、警官が父親に発砲してしまう。それを見た瞬間、ダニエルの叫びとともに力が暴走し、まわりは爆発が起きたかのような大惨事に見舞われる――。

ショーン(右)とダニエル(左)
ショーンの友だちのレイラ(左)は今後、登場するのだろうか……。

 ちなみに、予告映像として公開されていた映像は、パトロールしていた警官のパトカーの車載映像だった、というワケだ。

 「ふたりの人生を変える悲劇的な出来事が起こり、警察にも追われ、ショーンは弟のダニエルを連れて、メキシコのプエルト・ロボスに向かうことになります。(アメリカの西海岸を縦断する)この長い旅が本作のコアとなっています。さまざまな場所を訪ね、旅の途中ではいろいろな人物たちに出会い、ふたりはともに生きていくことがどれだけたいへんなことかを理解することになります」(Raoul氏)。

 プレイヤーはショーンの視点で物語を進めていくことになるが、柱のひとつになっているのは、ダニエルの父親代わりになって彼を教育すること。イベントでは、その例として事件から二日後、旅を始めたばかりのふたりが美しい森林(キービジュアルにもなっている場所)を歩き、今夜過ごす場所を探しているシーンが公開された。

 道沿いに停車(放置?)されたクルマを発見するふたり。車内のダッシュボードにはチョコバーが置かれている。ダニエルがそれを欲しがるが、クルマのドアをこじ開け、それを取るか持っていくか否か、ショーンは選択を迫られる(他人のものを断りなく取ることになるその行為は教育上よろしくない)。ショーンのすべての行動、言動がその後のダニエルに影響する可能性があり、クルマの中からお菓子を盗むという、いまは大したことではないと思える行動でも、ダニエルは「盗みをしてもいい」と思うようになり、自分で勝手に盗みを働くことにつながるかもしれないとのこと。

 「このゲームでもっともたいへんだったことのひとつは、ダニエルのAIを作ることでした。共感でき、賢明で、ときにはものすごくかわいい。ダニエルは兄のまわりを動き回り、他の人にはない見方をするという一面もあります」(Michel氏)。

美しい森林を実現するために、リサーチを行ったという。ゲームエンジンもUnreal Engine3からUnreal Engine4に変更したため、枝葉の表現もさらにリアルに、人物モデルにはリップシンクなども採り入れ、ビジュアル・クオリティはレベルアップしている。

 イベントでは以上のように主人公や物語の序盤が紹介された。gamescom期間中には、クリエイティブディレクターのMichel Koch氏とRaoul Barbet氏に加え、シナリオライターのJean-Luc Cano氏の3人に他メディアとの合同インタビューという形式で話を聞くことができたので、Q&A形式でお届け。

写真左からクリエイティブディレクターのRaoul Barbet氏、シナリオライターのJean-Luc Cano氏、クリエイティブディレクターのMichel Koch氏。

Q.シアトルでの事件では、弟ダニエルの隠された力が露わになった瞬間が描かれていましたが、あの力はダニエル自身も制御できない、プレイヤーはコントロールできないものですか?

A.ネタバレになるのは避けたいので話せる範囲でお答えしますと、『Life is Strange』にとって超自然現象は大切な要素です。物語を進めてプレイヤー自身で解釈してほしいと思います。

Q.前作の時間を巻き戻す要素から変えた理由は?

A.時間を巻き戻す力については、マックス自身のストーリーにつながっていました。彼女は成長したくなかったのです。そうした物語から能力を検討したのですが、そのアプローチは今回も同じです。本作ではまず、この兄弟でどんなストーリーを語りたいか、どんなテーマに取り組みたいかを検討しました。そして、ストーリーを作るに当たって、どの超自然要素を採用するかという順番で考えていきました。本作でのパワーはゲームのメインテーマである教育と直接つながっています。もちろん、前作とは違うものをやりたかったというのも理由のひとつです。

Q.兄弟は『CAPTAIN SPIRIT』にもチラッと出てきましたが、逆に、本作に『CAPTAIN SPIRIT』の主人公であるクリスは登場しますか?

A.はい、クリスは登場しますし、『CAPTAIN SPIRIT』のときより、クリスのことをより理解できると思います。

Q.本作の時系列は?

A.ゲームの中でわかりますが、シアトルの事件は2016年の10月に起こります。本作は、それからの数ヵ月間を描いています。

Q.選択肢に関する新しい要素は?

A.ショーンは何かを決断し、それがショーンのストーリーに影響するというのは同じですが、今回は弟ダニエルにも影響します。ここがマックスのストーリーとは異なるところです。プレイヤーの選択は兄だけでなく、兄を見ている弟にも影響するのです。兄が何かを盗んだり、悪い言葉を使ったりするのを見れば弟は同じことをやってもいいと思うでしょう。何でもないように思える選択が、後々、大きなインパクトをもたらすのです。

Q.ここで教育といっているのは生きていくための知恵?

A.その通りです。両親は子どもに盗みはいけない、嘘をついてはいけないと教えます。しかし、弟とふたりきりで寒くてお腹が空いていたらルールに反したこともやらなくてはいけなくなります。物事には白か黒ではなく、グレーの部分もあります。

Q.弟に教育すれば彼のパワーにも変化が?

A.そうかもしれません。想像に任せます。

Q.そもそも兄弟の話にした理由は?

A.描きたかった物語のためですが、父と娘、父と息子というケースも考えました。ショーンは16歳ですが、ふつうなら友だちと楽しく過ごしたり、パーティーに行って酒を飲んだり、ガールフレンドがいたりするでしょう。弟の面倒など見たくないでしょうし、大人になりたいとも思わないでしょう。ただ楽しくやりたいだけです。でも、状況がそれを許してくれなくなってしまい、ティーンエージャーの苦悩や成長も『Life is Strange』らしい要素のひとつだと思いました。

Q.マックスとクロエの人気が高いだけに、(主人公を変えることは)商業的には英断だったのでは?

A.スクウェア・エニックスは我々にマックスとクロエの物語をファンに提供するように言うのではなく、自由を与えてくれました。ストーリーも気に入ってもらい、合意していただきました。

Q.マックスとクロエは『Life is Strange 2』に登場するのですか?

A.本作は新しいストーリーです。それ以上はご想像にお任せします。

Q.マックスの日記のような要素は本作でもありますか?

A.はい、あります。ショーンは絵を描くのが好きな青年です。

Q.最後にメッセージを。

A.前作ではファンやプレイヤーからたくさんの手紙やフィードバックをもらい、感激しました。私たちはストーリーに共感してもらい、何か大事なことについて考えてもらえればとてもうれしいです。ストーリーとキャラクターを楽しんでもらい、大事なことについて考えてもらう、これは私たちにとってとても大事なことです。