咄嗟の閃きとコントロールテクニックがものをいうアクティブなゲームたち

 2018年5月12日、13日に京都勧業館 みやこめっせにて開催された、インディーゲームの一大祭典BitSummit Volume 6。今回は、記者が会場でプレイした出展タイトルの中から、短時間で思いきり遊べる、シンプルかつ奥の深いインディータイトルを紹介する。

The VideoKid / コーラス・ワールドワイド

 コーラス・ワールドワイドがパブリッシングする、ななめ見下ろし視点のアクションゲーム。プレイヤーはスケボーに乗ってノンストップで滑走する少年となって、とにかく障害物をかわしながら、ひたすらビデオを民家に投げまくる(配達人なので)。
 古参ゲーマーが画面を見れば、本作が『ペーパーボーイ』(※1984年にアタリがリリースしたアーケードゲーム)のパロディであることは一目瞭然。ゲーム中に登場するキャラクターたちもツッコミどころ満載だが、そういった知識が一切なくても“短時間で決着がつく一発勝負のミニゲーム”として存分に楽しめるのが、最大の魅力だ。
 オリジナルのSteam版は2017年にリリース済み。日本語ローカライズ版は、Xbox One/Windows 10版以外も、さまざまなプラットフォーム用にリリース予定とのことだ。

※『The VideoKid』公式サイト

BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_02
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_01
かわいいボクセルグラフィックで描けば何でも許されるとばかりに(?)、1980年代のあらゆるカルチャーのエッセンスが詰め込まれている『The Videokid』。この画面では、プレイヤーに激突した自転車が謎の力によって空を飛ぼうとしています……。
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_03
プレイするごとに累積されていくポイントで、新たなアバターの解放やパワーアップも可能。継続すればするほど新しい世界が見られるようになっているのだ。BitSummitではマイクロソフトブースで出展。

Pocket Rumble / DANGEN Entertainment

 2016年にSteamでアーリーアクセス版がリリースされている、Cardboard Robot Games開発の対戦格闘ゲーム。かつてSNKがリリースした携帯ゲーム機“ネオジオポケット(カラー)”用タイトル『King of Fighters R-2』(1999年)の雰囲気をかなり忠実に再現した作りで、方向キー+2ボタンでさまざまな必殺技を出せるのが特徴だ。
 DANGEN Entertainmentが日本語ローカライズ&パブリッシングを手掛けるNintendo Switch版のリリース時期は未定。オリジナルのSteam版が正式にリリースされないことには、さすがにどうにもならないようだ。

※『Pocket Rumble』公式サイト

BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_04
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_05
1日目にはEVO2015『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』の世界王者のプレイヤー・KaneBlueRiver氏が来場して本作をプレイするなど、プロモーションにも気合いが入っていた。

ウラロジQQQ / (中)Maruchu

※(中)は○の中に中の字

 2016年に無料アプリとしてPLAYISMでリリースされた『ウラロジQ』。大きさや形状が異なるピースを動かして、分断されているラインを繋ぐ……というシンプルなパズルゲームのパワーアップ版にあたる『ウラロジQQQ』が、プレイヤブル展示されていた。
 プラットフォームをスマートフォンにも対応させるため、ゲーム開発環境をUnityに本格移行。単なる移植にとどまらず、新たな操作スタイルや新ギミックが導入された本作は、2018年中のリリースが予定されている。

※(中)Maruchu公式サイト

BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_06
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_07
2000年以降、1年に1タイトルのペースでオリジナル作品(パズルゲーム)をリリースしている㊥maruchu氏。本業のゲーム開発のかたわら継続する姿勢に頭が下がる。

samuraiJET / Game or Die

 昨年、ハイスピードアクションシューティング『Missileman』でインディーゲーム界にデビューしたGame or Dieが開発中の剣撃アクション。前作とは打って変わった渋めのビジュアル世界で、一瞬の間合いの判断がものをいうバトルを楽しめる。
 ゲームデザイナー・プログラマーの大橋伸乃介氏によれば、当初はスマートフォンベースで開発していたが、繊細なコントロールがものをいうゲーム性を尊重するため、ゲーミングパッドを使えるWindows PC版をメインにしたとのこと。今回の出展バージョンは、基本的な戦闘システムが入っているだけの状態ということで、今後はレベルデザインなどの調整をみっちり行っていくという。

※samuraiJET公式サイト

BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_08
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_09
特殊攻撃を発動すると画面がフラッシュし、爽快感がぐっと盛り上がる。プレイヤーキャラの操作に慣れてくると、かなりアクロバティックな軌道で敵を連続攻撃できるようになるのも魅力だ。
BitSummit会場で見かけた、短時間で盛り上がれるシンプルなタイトル4選【BitSummit Volume 6】_10
ステージ間では獲得したポイントを使ってプレイヤーキャラの性能をパワーアップさせられる。プレイするごとに、好きな方針で強化していけるお手軽さも。