「ああ、◎◎タイプのゲームね」と素通りできない魅力を持ったタイトル
2018年5月12日、13日に京都勧業館 みやこめっせにて開催された、インディーゲームの一大祭典BitSummit Volume 6。今回は、記者が会場でプレイした出展タイトルの中から、古典的なゲームのスタイルを踏襲しつつ独自のこだわりを発揮するインディータイトルを紹介する。
The Messenger / Devolver Digital
カナダの独立系ゲームスタジオSabotage Studioが6人のスタッフで開発する2Dスクロールアクションゲーム。ファミコン版『忍者龍剣伝』(海外タイトルは『Ninja Gaiden』)が好きでしょうがない感じがストレートに表現された操作感覚とグラフィック・テイストもさることながら、“忍者が活躍する(若干インチキくさい)伝奇ファンタジー世界”を作り込んでいる点が目を引いた。
現在はSteam版を2018年秋のリリースに向けて鋭意制作中。出展バージョンをプレイした限り、日本語ローカライズも問題なく実装されていた。
infectionator3:APOCALYPSE / Toge Productions
インドネシアのゲームスタジオArmor Games Studiosが2009年から展開しているゾンビゲー『infectionator』シリーズの最新作。今回のBitSummit開催直前にSteam、GOG.comでリリースが開始された。
本作の目的は、研究施設で培養・強化したゾンビを世界各地の都市に放ち、地球をゾンビの支配下に治めること。リアルタイムストラテジータイプのゲームが好きな人なら、より少ないコストでいかに効率よく人間を始末していくかに熱中できるはずだ。きっちり日本語ローカライズもされているのも嬉しい。
The TakeOver / DANGEN Entertainment
カナダのゲームスタジオAntonis Pelikanosが開発中のプレイステーション4/Nintendo Switch用アクションゲーム。1980年代終盤から1990年代前半にかけて隆盛を極めたベルトスクロール格闘アクションを高解像度プリレンダリング映像によって再現しつつ、ゲームプレイを独自のバランス感覚で進化・発展させている。
とりわけ『ベアナックル』シリーズへの愛情に満ちている本作は、キャラクターの攻撃モーションやステージ展開、BGMといったさまざまな部分から、“元ネタ”へのリスペクトが感じられる。リリース時期はまだ確定していないが、自身のおっさんゲーマーぶり(?)に自信がある人は、密かに期待しておこう。
ProjectCircle / bluffman
#gamedev #project_circle ゲーム画面!Q:どんなゲームですか?A:ブレスオブザワ(ry木を叩いてリンゴを集めるゲームです!グラフィック&アニメーションは@ameo_gameさん!あとまだ音楽がないんです。ど… https://t.co/wJsC4t24lQ
— bluffman (@bluffman)
2018-05-06 21:51:30
レトロ(ゲームボーイカラー相当)の2Dドットグラフィックと、フリーシナリオ構成が特徴のRPG『ARTIFACT ADVENTURE』シリーズを制作したbluffmanの新作。昼夜がリアルタイムで変化する広大な3Dフィールドを歩き回って、物語を進めていく。開発に本格的に着手してから間もない状態とのことで、出展バージョンではフィールドの一部の移動と、仮配置の敵(赤い球体)との簡易戦闘を体験できた。
サムライ地獄〜九天魔城の謎〜 / スカシウマラボ
ハック&スラッシュ要素のあるタクティカルシミュレーションゲーム。前回のBitSummitに出展されたときはスマートフォンアプリベースで開発されていたが、ローカルマルチプレイに対応すべくPC・コンソールでの展開を念頭においた作りになっていた。
記者は出展バージョンを4人同時プレイで体験。ひとり1キャラを受け持って、自分の番が来たら移動や攻撃などの指示を出すのだが、攻撃力が高く機動性に欠けるキャラを選択してしまったため、道中はつねに置いてけぼりのミソッカス扱いに。しかし、耐久力の高いボスとの対決シーンでは、スキルをバシバシ決めてそこそこ貢献できたような気がした。
ふたりで開発しているという本作、それぞれが本業の合間を縫っての作業ということで、リリースはまだまだ先になるとのこと。
RISING HELL / Toge Productions
インドネシアのデベロッパーTahoe Gamesが開発する2Dアクション。地獄の底からひたすら這い上がっていくという下→上方向スクロールのアクションゲームで、ボス戦直前のアイテム補給で、プレイヤーキャラがさまざまな成長を遂げるローグライクなシステムが採用されている。
実際にプレイしてみると、ジャンプ移動に思いのほか引っかかりを感じ、テンポよく移動するには相応の慣れが必要な印象を受けた。とはいえ、ドットグラフィックによって執拗に描かれる地獄のビジュアル世界は魅力的。ゲーム自体はほぼ完成しているとのことで、正式なリリース日発表が待たれる。プラットフォームはSteam、iOS、Andreid。