『バトルフィールド 1 Incursions』のプロデューサーを務めるEA Digital Illusions CE(DICE) デビット・サロン氏へのインタビューの模様をお届けしよう。

●eスポーツでの展開も視野に

 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017が開催。ここでは、『バトルフィールド 1 Incursions』のプロデューサーを務めるEA Digital Illusions CE(DICE) デビット・サロン氏へのインタビューの模様をお届けしよう。昨年の発売以降さまざまなコンテンツを追加して、その内容を充実させている『バトルフィールド 1』だが、“Incursions”は、この9月にPC版のアルファテストが行われる5対5によるPvP。気になる内容について聞いてみた。

――まずは、『バトルフィールド 1』が発売されてからの反応を教えてください。

デビッド すばらしい反響で、多くのプレイヤーさんが遊んでくれています。先日行われた“Opening Showcase”でもアナウンスさせていただきましたが、新しいコンテンツを追加することで、ますます内容を充実させていく予定です。

――この9月に配信される第2弾拡張パック“In The Name of The Tsar”の魅力を教えてください。

デビッド ロシア東部前線にスポットを当てていて、ロシア革命も含まれています。ロシア革命は第一次世界大戦に大きな影響を与えたこともあり、外すわけにはいきませんでした。本作には“婦人決死隊”が登場します。ロシアには実際に女性の精鋭部隊が存在し、怖いもの知らずということで恐れられていました。“In The Name of The Tsar”は、史上最大規模の拡張パックとなっています。

――では、“Incursions”について聞かせてください。なぜ、“Incursions”を導入することにしたのですか?

デビット 多くのプレイヤーの方が『バトルフィールド 1』をプレイしてくださっていますが、競争する場所があまりありませんでした。しっかりとコントロールされた環境で対戦相手に勝つためにプレイしたいという方のご要望にお応えするために、“Incursions”を提供することにしました。

――5vs5を導入するプランは、『バトルフィールド 1』が発売される前からあったのですか?

デビット 5vs5のアイデアは、私が『バトルフィールド2』を開発していたときから、何らかの形で出ていました。少人数のコンペティティブ・モードですね。少人数であれば、それだけマッチメイキングの時間が短縮されるというメリットもあります。eスポーツやライブイベントでは、少人数のほうが受けはいいですね。

――5対5という人数にしたのは?

デビッド 分隊の人数が5人だからです。分隊対分隊ということですね。まあ、コンペティティブ・ゲーミングでのスタンダードでもあります。4対4、6対6ももちろんありますが、5対5はちょうどその中間です。

――分隊の5人は、それぞれ異なる役割を果たすことになるのですか?

デビッド 現状の設定では、ゲームが始まる前にドラフトの段階があり、キットを選べるようになっています。キットはレギュラーゲームの中のクラスのサブセットで、非常に数が限られています。限定された、明確な役割ですね。ふつうはガジェットを中心に設定されていて、注射器はその一例です。チームをリバイブするプレイヤーを中心にキットができています。ほかの部分に限界があるので、ほかのチームメイトがサポートします。もちろん、そのうえでビークルがあります。

――マップの数はどれくらいに?

デビッド 9月初旬にPCで行うクローズドアルファでは、マップはひとつです。これは、ベースとなるマップを基礎として、何度も改善を加えてきたものです。ほかのマップを入れる前に、まずはこのマップを非常に質の高い、コンペティティブなものにしたいと思っています。すべての“コンペティティブな要素”をきっちりさせたいと考えています。

――その後、さらにマップを導入する予定ですか?

デビッド その予定です。たぶん、従来のマップに大きく手を加えたものになるでしょう。満足のいくクオリティーにするには時間がかかります。

――5vs5ということで、サイズもある程度小さくなりますかね。

デビッド そうですね。歩兵や乗物のエリアなど、バランスを考えて作らなくてはいけません。サイズから見て、うまくいくと思われるエリアを選び出して、いろいろなものを動かしてチェックをしたうえで、作り上げていきます。下草をどかして、見渡せるようにしたりもしましたよ。

――5vs5を実現するにあたり、とくにたいへんだったことは?

デビッド 5v5で乗物があるのは、大きなチャレンジでした。乗物がパワフル過ぎると、バランスが傾いてしまいます。これは、ゲーム内のプログレッションで解決しました。キットと乗物は、ゲームを進めるとランクアップするようになっています。とくに、戦車は最初に撃ってもリロード時間が長くかかり、かなり弱い設定にしています。ランクアップしていくと、マッチの最後にはフルに力を発揮できるようになります。でも、戦車に対抗するものにも同じことが起きて、それぞれ特定の役割で上達していきます。一般的には、戦車を倒すにはふたり必要です。キットのペアを作るんです。

――さきほどeスポーツの話がでていましたが、実際に予定などはあるのですか?

デビッド 準備ができたら……といったところですね。コミュニティーが何をやりたいかがわかってからです。そういう意味では、充分な数のプレイヤーの方がプレイしてくださらないとできません。安定したグラウンドができて初めて構築できるんです。いまはその土台を作っている段階ですね。eスポーツはその一部で、ピラミッドの頂点にあるわけですが、現段階ではコミュニティーが育って、ゲームがそれに見合うようなクオリティーに達することを目指しています。

――今後第3弾、第4弾の拡張パックを予定していますが、現時点で話していただけることはありますか?

デビッド 第3弾は年末よりも少し早くリリースされます。第4弾は2018年始めの配信を予定していあす。「サプライズがあるといいな」ということは言えると思います。さらにその先は……長期的な目で作られたゲームの開発に関わってきましたが、コンペティティブ・モードは長いあいだ続けていく必要があると認識しています。

――それにしてもエレクトロニック・アーツは『バトルフィールド 1』に相当注力していくようですね。

デビッド もちろんそうです。プレイヤーさんを長く引きつけておくためには、彼らにハッピーになっていただけるようにするのがよいと、多くのゲーム企業が理解するようになってきています。デベロッパーとして、自分は自分の作ったゲームを長く遊んでほしいと願っています。フィードバックをいただいて、さらによいゲームを作れるからです。全体的に、プロダクトよりもサービスモデルにスライドしているとは言えるかもしれません。

――最後に、今後の『バトルフィールド 1』の展開を楽しみにしているファンに向けてひと言お願いします。

デビッド 『バトルフィールド4』のときに“サムライドッグタグ”を作ったのを覚えています(日本のファンに感謝してのドッグタグ)。日本のゲームファンの皆さんはとても喜んでいただきました。日本のゲームファンの皆さんにも、ぜひ“Incursions”を遊んでいただけることを願っています。最初はリージョンが限定されているので、アクセスできませんが、できるだけ早くプレイしていただきたいと思っています。“Incursions”を気に入っていただけるとうれしいです。