『キングダム ハーツ』オーケストラコンサートツアーもついにファイナル! 野村氏、下村氏のコメントもあり

『キングダム ハーツ』シリーズ生誕15周年を迎えた今年、3月の日本公演(東京)を皮切りに、欧州、アジア、北米とワールドツアーが展開されたオーケストラコンサートツアーも、この日の大阪公演でついにファイナル

●3月からスタートしたワールドツアーもついに終演

 2017年7月8日、大阪市西区にあるオリックス劇場にて、『キングダム ハーツ』のオーケストラコンサートツアー“KINGDOM HEARTS Orchestra -World Tour-”の大阪公演が開催。『キングダム ハーツ』シリーズ生誕15周年を迎えた今年、3月の日本公演(東京)を皮切りに、欧州、アジア、北米とワールドツアーが展開されたオーケストラコンサートツアーも、この日の大阪公演でついにファイナルを迎えた。


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▲会場ロビーには、『キングダム ハーツ』ファン有志一同からの祝花が。キーブレードのクオリティー高い!

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▲ファンの方が持参していた、ソラとリクの衣装を着せたぬいぐるみを撮影させていただきました。真ん中はナミネ?

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▲ツアー最終日ということもあって、ツアーグッズショップ前には長蛇の列が。

■オーケストラ、映像、朗読劇……『KH』の世界にどっぷり

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 『キングダム ハーツ』シリーズの物語の本筋はシリアステイストだけれど、物語を彩るさまざまなディズニー作品でのエピソードはコミカルなものもあったり。そうした緩急やバラエティー感は楽曲にも表れていて、一時の清涼剤のようなしっとり聴ける『Dearly Beloved』、PVなどでお馴染みでKHファンなら燃えずにいられない『Destati』、ホッとさせられる『Twinkle Twinkle Holidays』や『The World of KINGDOM HEARTS』、謎めいた雰囲気とアンニュイな感じがたまらない『Organization XIII』、壮絶な戦いが思い出される『Fate of the Unknown』、切なすぎる『The Other Promise』……。15年分の楽曲の中から選りすぐられた名曲たちが迫力あるオーケストラで、しかも映像付きで奏でられるのだから、感動しないわけがない!


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▲コンサート序盤、観客に挨拶をする下村さん。

 ステージのスクリーンに映し出された名シーンの数々から、改めて『キングダム ハーツ』シリーズの物語の壮大さを再認識。東京公演同様、朗読劇ではカイリ、シオン役の内田莉紗さん、アクア役の豊口めぐみさんが登場した。内田さん演じるカイリの朗読劇では、アクセルとともにキーブレード使いになるための修行の様子が、シオンではロクサスやアクセルとの思い出やふたりへの感謝が語られ、豊口さん演じるアクアでは、つねに凜としている彼女が、長く闇の世界を彷徨ううち、親友であるテラやヴェン(の幻影)だけには、くじけそうなる弱さも垣間見せる。野村哲也氏が本コンサートツアーの朗読劇のために書き下ろしたエピソードは、コンサートホールの静寂の中での生朗読ということもあり、ダイレクトに心に響く……。と同時に『キングダム ハーツIII』で彼女たちが救われてほしい! という想いも。


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▲内田莉紗さん

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▲豊口めぐみさん

■アンコール曲は『KHII』のスタッフロールで使われた、あの名曲

 コンサートは、第二部の『Passion - KINGDOM Orchestra Instrumental Version』が終わると、いよいよ残すはアンコール曲のみとなる。ツアー最終日も、いよいよオーラスだ。そのアンコール曲の前に、カイリ、シオン役の内田さん、アクア役の豊口さん、そしてシリーズのディレクターを務める野村哲也氏が登壇し、ひとりずつツアーファイナルの挨拶を行った。

内田 この夜公演がツアーの最後ということで、寂しい気持ちですが、この場に参加させていただけたこと、皆さんとこの場で同じ時間を過ごさせていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!

豊口 東京公演から数ヵ月経って、今日、ファイナルということで、改めてステキなオーケストラの皆さんといっしょにコンサートの一部になれたことをすごくうれしく思います。私の出番がシオンからの流れからで、袖で観ていて泣きそうになって、自分を保つことに精一杯だったんですけど、そんな流れで登場することができて、すごくうれしかったです。ありがとうございました。

野村 昼公演で、7日後(現地時間7月15日、アメリカ・アナハイムで開催されるディズニーのファンイベント“D23”で)、「とんでもない情報が出ますよ」とお伝えして、「でもハードルを上げすぎないように」とも言ったんですが、ハードルが上がった形で拡散されてしまい、いまそのハードルがすごく高くなりすぎて困ったな、という話を楽屋でスタッフと話して(苦笑)。なので7日後は……ふつうの情報が出ます(会場から笑い)。

下村 あの……コンサートの感想も聞いていいですか?(会場からまた笑い)

野村 ああ、コンサート? コンサートの感想はですね……。昼公演が終わって、下村とも話したんですが、ここでは言えないです(笑)。

豊口 逆に気になりますね(笑)。

下村 最終的にはですね、(『キングダム ハーツIII』の)曲を早く書けよ、ということをかなり言われまして(笑)。来週からはずっと曲を書きます!(会場から大きな拍手。『Wave of Darkness』以外の新曲も早く聴きたい!)


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また、この公演の主催者、La Fee Sauvageのジュリアン・モンベル氏もステージに。ジュリアン氏は、「関係者の皆さん、ファンの皆さん、本当にありがとうございました。このようなすばらしいコンサートが今後もできるようにがんばります」と挨拶。

 アンコール曲は、ラストを飾るにふさわしい名曲で、下村さんもピアノ演奏で参加する『Fantasia alla marcia for piano,chorus and orchestra』! 『キングダム ハーツII』のスタッフロールで使われたこの曲のスクリーン映像は、本コンサートツアーのスタッフロールになっていて、まさにゲームを追体験するかのような演出。コンサートの満足感と、そのコンサートが終わってしまう寂しさが入り交じり、思わず目頭が熱くなってしまったのは筆者だけではないはず。


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 演奏が終わり、下村さんや指揮者の和田薫氏、そして野村哲也氏、豊口めぐみさん、内田莉紗さんが客席に向けて一礼すると、観客からはスタンディングオベーションが贈られた。カーテンコールも数回行われ、ワールドツアーの千秋楽は熱狂のうちに幕を閉じた。

 そして来週はアメリカ・アナハイムで開催される“D23”にて、『キングダム ハーツIII』の新しいワールドの発表などが行われる。こちらも要チェックだ。


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■つぎのコンサートをやるなら『KHIII』の曲を書き終えてから?

 公演終了直後、下村さんと野村氏に、本コンサートツアーを振り返っていただいた。


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▲公演終了後の下村さんと野村さん(の手)。

――まずは、全公演を終えられたご感想をお聞かせいただければ。

下村 これまで本当にいろいろな国で、ホールの設備、PA(ミキシング等の音響)、指揮者、楽団の異なるコンサートをしてきて、その時だけの、それぞれの演奏がありました。同じ曲や構成でコンサートをしているのにこれだけの違いが出るんだと、とても勉強になりましたね。お客さんの反応にも違いがあって、新鮮でした。最終公演はスタンディングオベーションで、会場のほとんどの方が立ってくださって、それはとてもうれしかったです。

――ツアーでは、海外を何か所も回られましたが、とくに印象深い公演はありますか?

下村 どれも思い出があって印象深いのですが、強いて1ヵ所挙げるなら、ロスの公演です。熱量がすごかったんですよ。映像でキャラクターが出るたびに「きゃー!」みたいな(笑)。

野村 日本だと演奏中は静かに観ていることがほとんどですが、海外の方は演奏中にも感情を出しますね。

下村 そこで笑うの? と、思ってもみない反応があったり(笑)。海外公演では文化の違いを感じられて興味深かったです。

――下村さんは全公演、最後の曲でピアノを弾かれましたね。

野村 各国、各地域で演奏者が異なる中、下村だけが全公演通じて演奏していますから、うまくなっているはずなんです。……が、今日、ちょっとやらかさなかった?

下村 大やらかしはしていない……! 私、ピアノは素人も同然で、オケや指揮者に合わせてやったこともなかったですし、お耳汚しだったかと思いますが、曲を壊さない程度にはがんばれたのではないかと!

――最終公演の舞台となった大阪は下村さんの出身地ですが、特別な思いなどはあったでしょうか。

下村 じつは今日、高校や大学の同級生、地元の友達、それから両親、いとこまで来てくれたんですよ。東京でのコンサートだと、なかなかそんなことはないですし、久々に会えた人もいて感慨深かったです。

――それは思い出深い最終公演になりましたね。そういえば、昼公演と夜公演のあいだに、おふたりで話していたことがあったそうですが。いったい何を?

野村 「『KHIII』の曲書いて」と。つぎのコンサートをやるんだったら、曲を書いてからじゃないと行けないよ、と(笑)。

――それは確かに書いていただきたいところで……下村さん、『KHIII』の楽曲制作はいかがですか?

下村 ええ……(笑)。書かないとですよね。

野村 1、2曲じゃダメだよ? 全部書き終わらないと。700曲くらい(笑)。

下村 ちょっと、私がいままで書いた『KH』の曲全部より多いじゃないの!(笑)。毎週毎週ね、香港だロスだと、飛び回っていたわけですよ。でもようやく落ち着いたのでそろそろ……でもコンサートが終わって抜け殻になっているかもしれない。

――下村さんの曲が乗ったPVを楽しみにしています(笑)。それと野村さんは、昼公演で来週発表予定の情報について、ご自身でハードルを上げたとか?

野村 昼公演で、「とんでもない情報が出ますよ。あ、そんなにハードル上げないほうがいいか……でも、喜んでもらえる情報をお出しできると思います」といった感じで冗談交じりにコメントしたんです。そうしたら、「とんでもない情報が出る」の部分のみが広まってしまったようで(苦笑)。

――情報が来る、となったらファンは期待しちゃいますからね(笑)。

野村 いや、来週出るのは普通の情報です(笑)。

下村 でもその新ワールドはすごいよね。私は「わ~っ!」て、テンション上がりました。

――真相は来週までお楽しみに、ということで……。ワールドツアーはこれで幕を閉じますが、今後やってみたいコンサートはありますか?

下村 PAを通さない、生音のコンサートです。本当のオーケストラの音の響きをお届けしたいですね。『KH』のツアーでオーケストラコンサート自体初めて来ました、という方がいて、すごく楽しんでくださったようなんです。そういう方に、生音のオケも聴いてほしい。こういうことって、言わないと叶わないんですよね。このコンサート自体も、やりたいやりたいと以前から言っていて叶ったから、まず言うところから始めたいと思います。

野村 コンサートの開催については、自分もだいぶ前から言っていたんですが、なかなか実現できずにいて。でもやると決まってからは、準備が追いつかない早さで実現に向けて動いていきました。

下村 最初に言い出してからだいぶ経ったけど、いまやれたのは、いいタイミングだったかもしれません。『KHIII』が佳境だったら、きっと手をつけられないですから。

――最終公演を終えて、ここから『KHIII』の楽曲制作が本格化したり、先々次回のコンサートへの動きも期待されるわけですが、ここで改めて、“『KH』の曲とは何か”を、野村さんにおうかがいできればと。

野村 以前、“下村が書くもの”ですって言ったそうですが憶えていないです(笑)。でも、それで合ってると思います。

下村 哲さん、去年「自分は名曲しか発注しない」って言ってくれたんですよ。

野村 それ、いいエピソードみたいになってるけど違うからね? あれは、名曲しかOKを出さないってことで。裏を返せば、世に出ないものが闇に飲まれているわけ。

下村 ええ~!?

野村 下村は甘やかすとダメなタイプなんです。誰かが追い詰めてあげないと本領を発揮しない。

下村 褒められて伸びるタイプだよ!

野村 ダメ出しされても、それを乗り越えていいものを作ろうとするガッツがあるタイプってことだよ。

――おふたりの関係性がよくわかるお話しでした(笑)。

下村 これからも楽しみつつ、こんな風に追い詰められつつ、たまには褒められつつ、がんばりたいと思います。ツアーはこれで幕を閉じますが、昨年のブラスバンドコンサートのCD、『KINGDOM HEARTS Concert -First Breath- Album』が7月26日に発売されます。オーケストラコンサートのプログラムと対になっていますので、こちらも聴いていただければうれしいです。また、今回のオーケストラコンサートの楽曲を収録したCD『KINGDOM HEARTS Orchestra -World Tour- Album』もスクウェア・エニックスのe-STORE限定で販売されているので、そちらもあわせてお楽しみください。

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野村 ブラスバンドコンサートは、会場のキャパシティー的に来られなかった方も多いと思うので、CDで少しでも多くの方に体験を共有できればうれしいですね。こちらのCDを聴きながら、下村が曲を書く『KHIII』も楽しみにお待ちいただければと思います。




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