『キングダム ハーツ』の熱狂に包まれたハリウッドの夜
2017年6月10日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのハリウッドにあるドルビー・シアターにて、『キングダム ハーツ』のオーケストラコンサートツアー“KINGDOM HEARTS Orchestra -World Tour-”のロス公演がスタート!
というわけで、そのロス公演初日の模様をリポートします。
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会場となったドルビー・シアターは、世界最高峰のサウンドシステムを有し、アカデミー賞の受賞式なども行われていることで知られています。そんな、ハリウッドの名所ともいえるホールは、『キングダム ハーツ』ファンの男女(割合は半々くらい)で満員御礼。熱気溢れるロス公演初日ということもあり、コンサートが始まって、登壇したコンポーザーの下村陽子氏も「今回の公演は、私自身も待ちに待った、夢にまで見た公演になります。たくさんのファンの方々に支えられて、この日を迎えることができました。本当にありがとうございます」と感激の面持ちで挨拶していました。
コンサートでは、『Dearly Beloved - KINGDOM HEARTS II Ver.』や『Destati』、『Fate of the Unknown』など、東京公演同様の名曲の数々が演奏。観客は、1曲目の『Hikari -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-』から、すでに拍手だけではなく大歓声で、オーケストラコンサートなのに会場はロックコンサートさながらの異様な盛り上がり!
と、書いてもあまり伝わらないかもしれませんが、スクリーンに流される映像に登場するテラやクラウドに歓声が挙がり、ドナルドやグーフィーのコミカルなやりとりにドッと笑いが起きる。さらに言えば、ヘラクレスやゼペットじいさんにすら(失礼)歓声が。『Organization XIII』が演奏されると、「ふおおおお」といった声にならないどよめき(海外のファンはXIII機関がお好き?)、『キングダム ハーツIII』のソラ(正確には『KH0.2』のソラ)が登場すると「YEAHHHHH!!」、ドリームイーターや『キングダム ハーツ ユニオンクロス』のカワイらしさにキャッキャする。もちろん、映像はこれまでゲームの中で使われたもので、コンサートに来るファンならみんな知ってるでしょ? というものばかり。でも、皆さん、沸きに沸く。さすがロサンゼルス、これがエンターテインメントの街ハリウッドか。みんなこのコンサートを楽しみにしていて、待ちに待っていた、というパワーが溢れ出ていました。1曲1曲がまさにそんなノリで、自分も終始、鳥肌が立ちまくり。当然、終盤の曲ではスタンディングオベーションの連続。盛り上がり必至のアンコールの曲(下村さんがピアノを演奏。曲名は書けません)が終わると、しばらく万雷の拍手は鳴り止みませんでした。
「この雰囲気で『キングダム ハーツ』の名曲を聴けてよかった……」と感動に打ち震えながら下村さんのファンに向けてのお礼の言葉を脱力して聴いていると、最後にサプライズ! なんとスペシャルゲストとして、『キングダム ハーツ』シリーズのディレクター・野村哲也氏が登壇! このときの歓声がまたすごかった。
野村さんは、アンコール曲の下村さんのピアノ演奏と、さらに下村さんの英語のスピーチ(この日、下村さんは一部を英語でスピーチ)が「とても心配だった」とコメントし、会場の笑いを誘いつつ、「演奏と映像のタイミングがほぼ完璧で、とても満足しています。お越しいただいてありがとうございました」と挨拶。下村さんと、指揮者のとともに一礼して降壇となりました。
数分後、興奮冷めやらぬ観客のカーテンコールに促されて、野村氏が再び登壇。何かを期待する観客に向けて、野村氏が「もうすぐE3が開催されますが、自分はE3のためではなく、今回のコンサートのためにロサンゼルスに来ました。そういうわけで、『キングダム ハーツIII』の最新情報も、E3ではなく、この場で公開します」と告げると、会場は悲鳴に近い大歓声!(正確には、野村氏が『キングダム ハーツIII』と言った瞬間から収集がつかないほどの大歓声)。そんな流れで、最新PVが会場で世界初公開となったわけです。しかも会場では、PVの楽曲はオーケストラで生演奏という粋な計らい!!
最後に野村氏は「PVの最後に出ていましたが、1ヵ月後(D23 Expo 2017で)、もっとすごい情報を持って帰ってきますので、お待ちください」と挨拶し、大歓声のスタンディングオベーションのなか、ロス公演初日は終了しました。
映像は、最新のバトル映像やロクサスの復活という気になる言葉、マレフィセントとピートが『キングダム ハーツ χ(キー) バックカバー』に出てきた黒い箱を探していたり、ゼアノートとアンセムふたりがソラたちと対峙しているシーンなど、気になるシーンが満載。会場ではPVのインパクトに「オーマイガッ」を連発する人たちが多数いました(笑)。本当に、熱狂的な盛り上がりとなったロス公演初日。世界での『キングダム ハーツ』シリーズの人気を改めて感じさせてくれるコンサートでした。
そしてPVの最後にあるように、1ヵ月後に開催されるディズニーのファンイベント・D23 Expo 2017にて、2017年7月15日(現地時間)に発表されるという新ワールドと新PVにも目が離せませんね。コンサート終了後、野村さんに少しコメントをいただいたので、以下にまとめました。
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PVは日本語版と北米版を見比べるべし
――コンサート、すごい盛り上がりでしたね。舞台袖で観ていて、いかがでしたか?
野村 舞台上でも言いましたけど、映像と演奏は、シーン転換にも音を合わせるように作っていたので、それがほぼ完璧ですごいな、と思いながら観てました。あと、ロスまでに各国で演奏したこともあって、下村さんのピアノが上手くなっていましたね(笑)。最終公演の大阪では完璧になるじゃないですか?(笑)
――下村さんにプレッシャー(笑)。野村さんの登壇したときは、一段と歓声が高まりましたね。
野村 ステージでは『キングダム ハーツ HD 1.5+2.5リミックス』の修正パッチと追加パッチのふたつが配信されることも言うつもりだったんですけど、あまりの歓声に圧倒されて、飛んじゃいました(苦笑)。
日本時間6月12日14時頃に『KH1.5+2.5』の修正パッチと追加パッチの2つが配信されます。各国、日本の配信時間と同タイミングに配信されます。 #_KH
— キングダム ハーツ (@_KINGDOMHEARTS)
2017-06-11 14:31:41
――追加パッチの内容は?
野村 『KH』のシアター機能の追加と、『KH 358/2Days』にカットシーンが少し追加されます。これらは前から作業を進めていたんですが、ちょっと作業に時間が必要な内容だったので、このタイミングになりました。
――そして公開された新PVの反応もすごかったですね。今年のE3のカンファレンスでは『キングダム ハーツIII』のPV公開やアナウンスはないようですが、その前に『キングダム ハーツ』ファンへ向けて、うれしいサプライズでした。
野村 みなさん誤解が多いですが、各プラットフォームのカンファレンスで情報を出す出さないは、プラットフォーマーの意向によりますし、今回はロスのコンサートもこのタイミングでしたので、コンサートでお披露目することにしました。
――さまざまな情報が矢継ぎ早に発表されるカンファレンスより、ファンにとってはベストなお披露目だったと思います。バトルシーンは、これまで以上にキーブレードの変形やアクションシーンが満載で、ワールドのイメージもバリエーションに富んでいる感じがしました。
野村 でも、今回のバトルシーンは、ヘラクレスのワールドだけなんですよ。
――あ、そうなんですね? 見た目が変化に富んでいたので、いろいろなワールドからのシーンかと思っちゃいました。
野村 あと、今回のPVは、日本版と北米版の2種類があるんですが、バトルシーンはそれぞれ実際にプレイ動画を切り取ってるので、同じものが撮れないんです。似せたシーンにはしていますが、見比べると、違いがわかっていただけると思うので、コアなファンの方は両方観ていただけると。
――そして、いよいよ来月はD23 Expo 2017ですね。
野村 D23で公開する映像は、すでに仮編集は終わっているんですが、映像の尺は今回のPVよりもさらに長くなっているうえ、ほぼ新しい要素で構成されているので、ご期待いただければと思います。
最後に野村さんからD23でお披露目される情報の話も少し伺うことができたんですが、「マジですか!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と、深夜のハリウッドで大興奮してしまいました……。ヤバイです。マジヤバイです! パネェっす!! はい、神ゲー決定。もったいぶってすみませんが、当然ながらここで書くわけにはいきません。ただ、リアクションだけなら書いてもいい、という許可をいただいたので書かせていただきました! かえってモヤモヤさせてスミマセンが、D23の『キングダム ハーツIII』の情報は、大注目していただいて間違いないです!! 発表時には、ファミ通ドットコムでももちろん速報しますし、詳細は、公開後の間に合うタイミングで週刊ファミ通にも掲載予定ですので、お楽しみに!