野村哲也氏に訊くMAGIC 2017での『キングダム ハーツIII』&『ファイナルファンタジーVII リメイク』の発表内容【MAGIC 2017】

モナコのグリマルディ・フォーラムにて、2017年2月18日(現地時間)、ゲームやアニメを中心とするエンターテインメントのイベント“MAGIC 2017”が開催され、スクウェア・エニックスの野村哲也氏が出演。閉会後、野村氏にお話を聞くことができたので、その模様をお届けしよう。

●注目タイトルを開発中の野村哲也氏にインタビュー

 モナコのグリマルディ・フォーラムにて、2017年2月18日(現地時間)、ゲームやアニメを中心とするエンターテインメントのイベント“MAGIC 2017”が開催。同イベントにスクウェア・エニックスの野村哲也氏が出演し、トークイベントやサイン会を行った。MAGIC 2017閉会後、野村氏にお話を聞くことができたので、その模様をお届けしよう。
 
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▲野村哲也氏。現在、『キングダム ハーツIII』や『ファイナルファンタジーVII リメイク』を開発中。

――MAGICには以前、橋本(真司)さんが来られたことがあるそうですが、野村さんは今回が初の参加となります。モナコに来られるのも初めてですよね。

野村 はい。スケジュールがけっこうビッシリ入っていてあまり余裕がなく、それほど見て回れてはいないのですが、キレイな国ですね。

――野村さんのほかにも豪華ゲストが参加されていましたね。交流されたりはしましたか?

野村 マイク・ミニョーラさんの『ヘルボーイ』が好きで、彼と同じ檀上に立てたことはうれしかったです。MAGIC前日には、ご挨拶もさせていただきました。じつは数年前に、知人経由でサイン色紙をいただいて、そこに「いつか一緒に仕事ができるといいね」と書いてくださっていて。今回、このような形で御一緒できて感慨深かったです。

――海外メディアの取材も受けられていましたが?

野村 日本のゲーム業界について聞かれる方が多かった印象です。現在、日本ではHDタイトルを開発できる人員が足りず、その点に利がある海外タイトルの勢いを感じることが多くなった、といったことを答えました。

――なるほど。現地のファンも熱かったですね。トークイベントでは野村さんをスタンディングオベーションで迎え、サイン会には長蛇の列ができたりもしました。

野村 自分はヨーロッパにあまり来ていないこともあり、ファンの方には熱をもって迎えていただいた印象です。今回は通訳が専門の方ではなく、誤訳が伝わっている可能性があったり、ファンの方とお話しをすることがあまりできなかったりもしたのですが、サイン会ではレアなグッズを持ってきてくれている方もたくさんいて、うれしかったですね。

――クラウドのデザインには大きく分けて5つの段階があり、幻の6段階目もあったなど、トークイベントではさまざまな裏話も飛び出しました。

野村 せっかくの機会なので、いろいろとお話しさせていただこうと。クラウドの幻の6段階目は、もう少しリアル寄りにしていて、剣が西洋剣に近いディテールになっていたりもしました。頭身も上げていて、おもに体、筋肉をディテールまで描き込み、ムキムキでしたね(笑)。いまはとにかく時間がなくて、トークイベントで話す内容はすべて前日の深夜から書き始めたんですが、まだ話す内容も固めていない段階から、イメージだけでマーケティング部にスライドの制作を手伝ってもらい……準備が当日の朝までかかったのがたいへんでした(苦笑)。

――その甲斐あって、皆さん楽しまれていた印象です。野村さんみずからキャラクターデザインについてたっぷり語られたほか、新規画像の公開などもあって。

野村 あまり自分がしゃべるほうではないというイメージがあるのか、驚かれましたね。皆さんに喜んでいただきたいという気持ちも大きく、PV制作についてなど、これまであまり触れなかったことなどもお話しさせていただきました。

――ファンの方から、野村さんの手掛けるPVについて制作の秘訣を聞かれていましたね。

野村 自分がPVを手掛ける際は、何パターンもの感情で映像を観ます。初めて観る人の気持ちで、コアなファンの気持ちで、無関心な人の気持ちで、といった具合に感情を変えて何度も何度も見直します。とくに、初めてそのPVを観る人の気持ちで観る、ということをくり返すんです。PVもゲームと同じ作品の一部だと思っているので、考え方は同じです。

――実際は何度も観ていながら、初見のつもりで観るというのは、やれと言われても真似できそうにないです(笑)。では、公開された新規画像についてもおうかがいできれば。『キングダム ハーツIII』では、オリンポスのテーベの街でのバトルシーンが公開されました。巨大なハートレスが相手でしたが、あれはボス戦ですか?

野村 ロックトロールとのバトルシーンですね。中ボスの扱いになります。

――キーブレードが2パターンに変形するというお話しでしたが、それはどのキーブレードも?

野村 現在作っているキーブレードは、2パターンに変形します。なお、今回お見せした戦車と盾に変形するキーブレードのように、必ずしも攻撃と防御という区分があるわけではありません。以前のPVに出ていたキーブレードは、両手それぞれで持つ2挺のボウガンとバズーカに変形します。変形の方向性は、キーブレードによって異なっています。

――それらを使い分けて立ち回ると。コマンド部分にある“リンク”という表示は……。

野村 そのあたりは、今後の情報出しに合わせて解説しますので(笑)。

――『ファイナルファンタジーVII リメイク』についても少し。画面写真では、クラウドがカバーアクションを取っていました。

野村 ストーリー上、潜入するというシチュエーションで、道の真ん中を進んでいくわけにはいかないですからね。オリジナル版はランダムエンカウントで、そうした部分は想像の範疇でしたが、今作はシームレスで潜入の経過が目に入るわけですから、リアリティーの面で必要だと判断しました。物陰に隠れて兵士をやり過ごしたり、そこから手りゅう弾を投げ込んで敵を殲滅する、といった利用の仕方ができます。もちろん、面倒だという方は突っ込んで戦えますよ。

――バレットもカバーアクションが可能なのでしょうか。

野村 できます。ただ、詳細はまだ言えないのですが、ガンナーはガンナーで特殊な要素があります。

――そうなんですね。ガードスコーピオン戦でのバレットとの共闘シーンもインパクトがありました。

野村 あの足場のところだけで完結するのではなく、空間を広く使った、マップの特徴を活かしたバトルが展開し、クラウドとバレットを切り換えながら戦うことになります。たとえば、クラウドの剣では届かない位置にいる敵は、バレットに切り替えたほうが効果的なわけで、そのあたりも戦略性があるものになっています。ガードスコーピオンは途中でモードが変化して、オリジナル版にはなかった挙動を取り出します。今回のスクリーンショットも、ミサイルが落ちてきている様子などがわかるはずです。かなり派手なバトルになっていますよ。

▲ガードスコーピオン戦ではミサイルが降ってきている様子が確認できるほか、その着弾地点が赤い円で表示されていたりも。

――本当ですね。バトルがアクションになることで、オリジナル版とは違った遊びが体験できそうです。

野村 マップやオブジェクトの破壊も起こりますし、ガードスコーピオンの脚を壊すといった部位破壊の要素もあります。

――UI部分は完成はしていないとのことですが、ATBゲージが3つストックできそうな表示と、“Lv.1 烈攻斬り”という技名とレベルらしきものも確認できます。“マテリア”の表示も気になりますが……。

野村 ATBや技についてはまた改めて。マテリアは、スキルのようなものと言えるでしょうか。魔法とは別で、バトルで使える効果を持つマテリアをセットしている場合に使えます。

――『キングダム ハーツIII』と『ファイナルファンタジーVII リメイク』、両タイトルの情報のアップデートが待ち遠しいです。

野村 今回はMAGICという場のために、新規素材をご用意させていただきました。両タイトルともに宣伝プランなどが決まっているため、いまはお伝えできることは少ないのですが、体制を強化して順調に制作を進めていますので、いましばらくお待ちいただければと思います。