“イーグルダイブ”はZENにとっての目標

 遺伝子操作によって、アサシンとして活躍した祖先の記憶を呼び覚まされた男が、歴史に隠された真実に挑むミステリー・アクション映画『アサシン クリード』が3月3日(金)に全国公開される。本作は全世界でシリーズ累計9600万本以上を売り上げた世界的に有名なゲームと世界観は共有しているものの、主人公などキャラクターは異なり、新しいストーリーで描く実写作品となっている。
 この度、日本を代表するパルクールアスリートであるZEN氏が、本作で描かれるパルクールアクションについて熱く語ってくれた。

日本を代表するパルクールアスリート・ZENが映画『アサシン クリード』のアクションを語る!_02
ZEN Profile
“パルクールパフォーマー”の名でさまざまなメディアやステージを通じてシーンの魅力や本質を伝える活動を続ける、日本人初のプロトレーサー。15歳の時にパルクールと出会い、16歳で単身渡米。わずか3年で世界大会に出場し、予選を1位通過してファイナリストに名を連ねたことで、その名を世界に示した。CM、モデル、モーションキャプチャー、振り付け・コーディネーターなど活動の幅は広く、近年ではアジア数カ国で放映されたWindows8のテレビCM出演や ハリウッド映画トレーラーの主演など、国内にとどまらない活躍をみせている。

 『アサシン クリード』を実写映画化するにあたり、ジャスティン・カーゼル監督は、最も労力を注いだのはゲームのアクションを現実世界に置き換えることだったといい「アサシンたちの能力を表現するにはパルクールの技が必要不可欠だと判断した」と振り返る。パルクールの国際大会“Red Bull Art of Motion Yokohama”において日本人として初めて国際大会に出場し、さらに5位入賞とその名を世界に知らしめた“日本人初”のプロフェッショナルパルクールアスリートであるZEN氏は、(ゲームの『アサシン クリード』は)プレイはしたことないですが、プレイ映像は見たことがあります。ゲームのモーションキャプチャーはパルクールの世界ですごく有名な方がやられているんですよね。映画のスタントを務められたダミアン・ウォルターズさんもパルクールシーンでもよく知られていますし、スタントのプロフェッショナルですよね」と、映画もゲームも世界のトップクラスのパルクールアーティストが関わっている本格派であることを明かした。

▲こちらは映画『アサシン クリード』でスタントを務めたダミアン・ウォルターズが、朝目覚めてから撮影現場に赴くまでの日常の様子(!?)を描いた動画。

 自身もテレビドラマ『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』を皮切りに、俳優としてもパルクールで演技をしており「ワイヤーCGで撮影されたシーンは重力に反していたり、とても体が耐えられない動きだったりと無理のある動きになりますから、どうしても違和感があります。そういった違和感は、僕ら専門分野の人でなくても直感的にわかってしまうと思うんです」とCGが多様される時代に生身で演じることの意味について語る。「スタントマンや僕らのようなパルクールのプレイヤーは、普段から体のことを考えてトレーニングしています。生のアクションは、観ていて違和感を感じないと思いますし、パルクールの演技を多くの人に観てもらえるというのは、すごく嬉しいです。貴重な機会だと思います。」とリアル且つ、迫力の演技について絶賛する。

 「僕自身、特別運動ができたわけではないですし、才能があったとは思っていません。そこでどううまくなっていくかを考えていくと、スタート地点から少しずつ課題を見つけ続けて、ひとつずつそれをクリアーして理想の動きに近づいていくことにあると思います」と、どことなくゲームのステージをクリアーしていく感覚に近いことを明かした。また、本作で描かれるイーグルダイブについては「まだ人類が見つけられていない着地のテクニックを身につけられれば、もしかしたら無事に着地できるかもしれないですね。ある意味僕らの夢でもあり、ひとつの目標です(笑)。アサシンのようなイーグルダイブが出来るよう、トレーニングを頑張ります!」と本作で描かれるイーグルダイブが現実的でありながら難しいパフォーマンスであることを、自身の目標と合わせて告白した。

 自信作を引っさげ、映画のPRとして初来日を果たしたマイケル・ファスベンダーが、「38歳でのトレーニングは非常に過酷だった」と懐述したが、プロの目からみてもCGに頼らない演技に太鼓判のようだ。公開まであとわずか。ますます期待が高まる。


映画『アサシン クリード』ストーリー
 記憶をなくした死刑囚、カラム・リンチは、遺伝子操作(アニムス)によってDNAに眠る記憶を呼び覚まされ、祖先の記憶を追体験させられることになる。カラムは自分の祖先が、ルネサンス期のスペインでテンプル騎士団に立ち向かうアサシン教団に属する、驚異的な身体能力を持つ伝説のアサシンであったことを知る。また彼の祖先は、禁じられた秘宝“エデンの果実”のありかを知る、歴史上最後の人物でもあった。現在と過去を行き来して、歴史の裏に隠された多くの謎と格闘しながら、祖先の持つアサシンとしての能力を手にしていくカラム。“エデンの果実”の秘密を求める彼は、自分の遺伝子の中に隠された、人類の未来を変える<禁断の秘密>を知ることになる……。

日本を代表するパルクールアスリート・ZENが映画『アサシン クリード』のアクションを語る!_01

『アサシン クリード』
3月3日(金) 3D/2D全国ロードショー!
配給:20世紀フォックス映画
(C)2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.


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