日本では初めての映画PRのインタビューを実施!
2017年3月3日より全国ロードショーが開始される映画『アサシン クリード』。本作で、主演と製作を務めるハリウッドスターのマイケル・ファスベンダーが2017年2月に、映画PRとして初来日を果たした。2月15日に東京・六本木ヒルズで開催されたスペシャルイベントに続き、2月16日にインタビューが行われた。
マイケル・ファスベンダーといえば、日本では『X-MEN』シリーズの若きマグニートー役や、『プロメテウス』でアンドロイドのデイヴィッド役などが有名だが、アメリカの奴隷問題を描いた『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演男優賞に、Apple創業者の半生を描いた『スティーブ・ジョブズ』で主演男優賞にノミネートされるなど、人気・実力ともにお墨付き。さらに、アメリカの映画レビューサイト“TCCandler.com”が毎年発表する“世界で最も美しい顔100人”の1位に輝いたことがあるなど、名実ともにハリウッドのトップスターのひとりである。
そんなマイケル・ファスベンダーの新作として公開される映画が、ユービーアイソフトが送る人気アクションゲームシリーズ『アサシン クリード』の実写版ということで、映画ファンでもゲームファンでもある筆者は公開前から気になってしょうがなかったところ、幸運にも直接インタビューが行える機会に遭遇。
日本では初めてとなる貴重なインタビューをここで紹介していこう。
−−今作はゲームが原作の作品ですが、その世界観を再現するにあたり、どのように取り組まれてきたのでしょうか。
マイケル・ファスベンダー(以下:マイケル) 『アサシン クリード』というゲームの世界観は非常に洗練されており、とても映画的です。この世界観をさらにリアルに表現するために、DNAに刻まれた記憶という要素を盛り込みました。これは、現実に再現できるのではと思えるものです。また、テンプル騎士団やアサシン教団といった異なる思想を持つ、ふたつの組織の対立も、優れたドラマを生み出せると思いました。
−−今回のストーリーのテーマで、スペインの異端審問を選んだ理由を教えてください。
マイケル ユービーアイソフトといっしょにおもしろい時代はどこだろうと話をしている中で、ゲームでは取り扱っていない歴史的なものとして思いつきました。スペイン異端審問をテーマにすれば、政治的な要素も絡めやすいですからね。
−−今作では、アギラールの記憶を追体験するカラム・リンチが、精神・肉体ともに変化していく部分が、見どころのひとつだと思います。このふたりを演じるにあたり、どのような演技プランで挑まれたのでしょうか。
マイケル アギラールは口数が少なく、身体で表現することが多いキャラクターです。自分の方向性もハッキリとしていますし、組織のためなら、自分の命をも厭わない。そういったところから、西部劇のキャラクターをイメージして挑みました。ゲームで出てくる戦い方や象徴的なポーズなども、徹底的に研究しています。カラムはどこにも所属していないひとりの男で、自分の道もわからなく、迷っている存在です。子どもの頃から施設で育ち、自分自身のためだけに戦ってきた人間ですが、アニムスを通じてアギラールの記憶を追体験することで、自分以上の存在や、戦うべきものに気がつくという、人間としての成長を考えて取り組みました。
−−今作は激しいアクションシーンが多いですが、どのようなトレーニングを行いましたか?
マイケル 撮影に入ったとき僕は38歳でしたので、身体作り、体力作りといった、肉体を鍛えることから始めました。それから、スタントチームといっしょに殺陣の動きに取り組んだり、敵役のキャストといっしょになって格闘シーンの練習など、毎日ハードに行っていました。
−−映画の中では、さまざまな武器を使われていますが、どの武器が印象に残っていますか?
マイケル 印象に残っているというと、やはりアサシンブレードですね。標的に接近して戦うという、独特の戦闘スタイルも気に入っています。それから、子ども時代は竹製の弓矢を持っていて、成長してからもファイバーグラス製の弓矢を所持していたので、弓矢もお気に入りの武器です。
−−映画に登場するアニムスですが、ゲームとはかなり違っていて驚きました。このアイデアは、どこから生まれたのでしょうか。
マイケル あのアニムスのアイデアは、美術部にいるアートディレクターの手によるものです。アギラールの記憶を追体験するにあたり、カラムがただ椅子に座っているだけでは視覚的におもしろくないですよね。アギラールが戦っているところにあわせて、アニムスに動きが盛り込めないかといろいろ考えていたところ、美術部がアームのアイデアを持ち込んだというわけです。
−−ゲームの『アサシン クリード』は過去のさまざまな事件や出来事を再現するという設定で、これまで多くのゲームシリーズが作られてきました。映画のほうでも、シリーズ化について現時点で何か考えられていますか。
マイケル もちろん考えてます。ですが、いまはこれ以上は言えないです。ごめんなさい。
−−それでは、今度はゲームの話を少し聞かせてください。普段はゲームを遊ばれたりするのでしょうか。好きなゲームなどあれば、ぜひ教えてください。
マイケル 私の最初のゲーム体験は、子どもの頃に触ったアタリ製のゲーム機でした。これは友だちの家にいって、いつも遊ばせてもらっていましたね。それからしばらくして、アーケードでは『Ghouls 'n Ghosts』(大魔界村)や『ストリートファイター』をよく遊んでいたし、プレイステーション登場後はおもにレースゲームをよく遊んでいました。ただ、22歳頃にゲームからは遠ざかってます。これは、その頃からよく引越をするようになり、テレビのない生活を送ったりしていたからです。当然、最近のコンソール機も持っていなかったので、『アサシン クリード』も、今回の映画の話が出るまでプレイしたことはありませんでした。でも、映画が決まってからはユービーアイソフトとじっくりと話をして、またキャラクターの動き方やポーズを研究するために、一生懸命プレイしました。
−−『アサシン クリード』はたくさんのゲームファンがいる作品です。今回の作品で、そういったゲームファンに見てほしいポイントがあれば教えてください。
マイケル 作中では、さまざまな武器が登場しますが、ゲームファンの方ならすぐにわかってもらえると思います。また、アニムスがゲームとはまったく違ったイメージで描かれているので、ここもぜひゲームファンの方に見てもらいたいですね。実際に、ユービーアイソフトもこの映画版のアニムスが気に入ったようで、ゲームに採り入れるといった話も聞いています。このアニムスがゲームに入ったらどうなるのか。そういったところも考えながら見てもらえれば、楽しんでもらえると思います。
−−反対にゲームを知らない人に、本作の見どころを教えてください。
マイケル 自分自身も製作に入るまで、まったくゲームを知らないひとりでしたが、ユービーアイソフトと話を進めていくうちに、DNAに刻まれた記憶であったり、テンプル騎士団とアサシン教団の関係など、現代を反映しているかのような設定を見て取ることができました。そういった、ファンタジーの中にあるリアルな部分に着目しながら楽しんでください。
映画『アサシン クリード』ストーリー
アダムとイブの“エデンの果実”には、人間の自由意思をコントロールする秘密が隠されていると考えられてきた。2016年、記憶をなくした死刑囚のカラム・リンチは信じがたい運命に導かれる。遺伝子操作(アニムス)によってDNAに眠る祖先の記憶を呼び覚まされた彼は、その経験を追体験することになる。そして、彼は、自分の祖先はルネサンス期スペインで、テンプル騎士団から“エデンの果実”の秘密を守るアサシン教団の伝説のアサシン:アギラールだったことを知る。アニムスを使って何度もアギラールの視点に入り込むカラム。肉体の限界が近づくと同時に、彼の精神はどんどんアギラールとシンクロしていく。しかし、“エデンの果実”にたどり着くことは、テンプル騎士団の思惑どおりになることを意味する。果たして、アサシンの子孫に託された真実とは?
現在と過去を行き来して、歴史の裏に隠された多くのミステリー=謎と格闘しながら、祖先の持つ、アサシンとしての能力を手に入れていくカラム。“エデンの果実”の秘密を求める彼は、自分の遺伝子に隠された、人類の未来を変える<禁断の秘密>を知ることになる。
『アサシン クリード』
3月3日(金) 3D/2D全国ロードショー!
配給:20世紀フォックス映画
(C)2016 Twentieth Century Fox and Ubisoft Motion Pictures. All Rights Reserved.
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