『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)』を手掛けるGuerrilla Gamesのマネージングディレクター、ハーマン・ハルスト氏にインタビュー。また、メディア向けに開催された、『Horizon』のユニークなパーティーの模様もリポート。

●6年以上の時間をかけたGuerrilla Games初のRPG

 機械で構成されている獣、"機械獣"を“狩る”というアクションを堪能できる、プレイステーション4用オープンワールドRPG『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)』が2017年3月2日にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売される。

 本作は、『キルゾーン』シリーズを手掛けたGuerrilla Gamesが開発を担当した新規IP。“大災害”により人類が滅亡してから1000年後の世界を舞台に、機械獣が支配する大地で生きる女性ハンターのアーロイが、自身の出生や、世界の謎を解き明かす物語が展開する。

 発売に先駆けて、2017年1月23日(現地時間)、オランダ・アムステルダムのGuerrilla Gamesにてメディア向けのオフィスツアーと体験会が実施された。本記事では、マネージングディレクターのハーマン・ハルスト氏へのインタビューと、体験会後に開催されたパーティーの様子をお届けする。
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Guerrilla Games
マネージングディレクター
ハーマン・ハルスト氏(文中はハーマン)

──本作の開発期間はどのくらいでしょうか?
ハーマン 『KILLZONE SHADOW FALL』より以前から企画は始まっていたので、6年以上前からになります。最初は20名程度のチームでスタートして、『KILLZONE SHADOW FALL』制作終了後にどんどんチームメンバーを増やしていきました。

──『キルゾーン』シリーズとはまったく違うジャンルのゲームを開発するうえで、どのようなチャレンジがありましたか?
ハーマン 技術面からして、FPSとは違うものなので、そこが最初の壁でした。RPGのゲームを作るのは初めてだったので、デザインをどのように変えていけばよいのかという研究もしっかりしなければなりませんでした。また、RPGはストーリーがキーポイントだと思い、ストーリーをメインとした、いままでにはなかった新しいチームも立ち上げました。

──とくにこだわった部分、ここを見てほしいという部分はありますか?
ハーマン 実写に見えるくらい美しいグラフィックを作ることです。Guerrilla Gamesはグラフィックにこだわっている会社なので、やはりそこに力を入れています。技術面では、AIがどれだけ柔軟であるということ。オープンワールドに見合った技術を研究したので、ぜひ見てほしいです。

──そもそも、なぜストーリー性を重視したゲームを作ろうと思ったのでしょうか。
ハーマン 個人的にストーリーベースのゲームが好きで、会社としても、ストーリーを伝えられるようなゲームを作りたいと思ったんです。『キルゾーン』シリーズは、グラフィックはいいものを作れたと思っているのですが、一方、ストーリーについては厳しいご意見をいただきました。そこで、『キルゾーン』で培った長所は活かしつつ、短所を克服していきたいと思い、『Horizon』の企画を立てたのです。

──本作のストーリーの魅力を教えてください。
ハーマン 『Horizon』は、1000年後の世界が舞台になっている、SF的な作品です。とはいえ、そこに生きる人に対して、皆さんには親しみを持ってほしいと思っています。アーロイは1000年後に生きる人間ですが、自分の過去のことを気にしていたり、弱みも見せます。そこに皆さんには親近感を抱いてほしいし、ストーリーに没頭してほしいと思っています。

──『Horizon』の世界は、機械獣によって支配されていますが、そういった世界設定の根底には、いまの世界のIT化の進行に対する恐れなどがあるのでしょうか?
ハーマン とてもいい質問ですね! 『Horizon』では、現代社会への注意を喚起したいというわけではないのですが、いまの時代にあるもの――たとえば無人の兵器が、意思を持って人間を滅ぼす可能性もあるかもしれないという、エクストリームな物語として味わっていただければと思います。

──機械を物語の主軸に据えることは、最初から考えていた?
ハーマン はい。当初考えたキーポイントは3つです。ひとつ目は、非常にきれいな大自然。ふたつ目は、機械のエコロジー。そして3つ目が、女性ハンターのアーロイです。

──その3つのポイントは、どのように考えついたのでしょうか。インスパイアを受けたものはありますか?
ハーマン BBCで放送されている『プラネットアース』という番組には影響を受けました。先ほどお話ししたように、無人機を使う戦争の存在からも着想を得ています。最後に、『ゲーム・オブ・スローンズ』などのテレビ番組。以前は、『Horizon』のような、いろいろな文化が混ざったゲームを作ったとしてもきっと受け入れられなかったでしょう。しかし、ユーザーがテレビ番組による影響などで慣れてきたので、いまなら受け入れてもらえると考えました。

──では、機械を動物の形にしたのはなぜですか?
ハーマン ユーザーの皆さんが見たことがある動物ならば、理解しやすいと思ったからです。たとえばワニの形をした“スナップボーン”は凶暴そうなので近寄りがたい、鹿の形をした“グレイザー”は走ると逃げて行ってしまう。このあたりは、直感的にわかるでしょう。あとは……超かっこいいから!(笑)

──機械獣には、感情はあるのでしょうか。
ハーマン 機械獣に感情があるというわけではありませんが、周囲の人間は「機械だから感情がない」という認識は持っていません。本作の世界では、機械が当たり前に存在しており、大自然の一部となっていますから。アーロイの機械に対する感情も、動物に対するものと変わりません。トレーラーでは、アーロイが倒さなければならない機械獣に対して、謝るという描写もあります。

──ちなみに、本作にオンライン要素はありますか?
ハーマン 『Horizon』は、完全オフラインのひとり用ゲームです。今回はアーロイのストーリーをしっかり楽しんでほしいと思っています。アーロイは、プレイヤーの皆さんがゲームの世界観を楽しむための人物です。彼女として生きることで、世界観や部族への理解が深まるでしょう。きれいなグラフィックはもちろん、その裏側に存在する謎を味わうことができます。アーロイは強く、素早く、たくましい。そんな彼女の長所を生かして、皆さんには思いっきり楽しんでほしいですね。

──ところで、小島秀夫監督が手掛ける『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』に、Guerrilla Gamesとコジマプロダクションが共同開発したエンジン“DECIMA(デシマ)”が使われていると発表されましたが、コジマプロダクションから、『Horizon』に対するフィードバックなどはあったのでしょうか?
ハーマン エンジンに対するフィードバックはいただいていますが、『Horizon』に対してはありません。
[“DECIMA”エンジンの関連記事]小島監督も登壇した『DEATH STRANDING』パネルリポート 「トレーラーについて討論したり想像するのもゲームの一部」【PSX 2016】

──気が早い質問ですが、これだけ作り込まれた世界観であれば、続編も作れるのでは……?
ハーマン まずはひと休みさせてもらいたいですね(笑)。

──6年以上かけた開発が、ようやく終わるところですからね(笑)。今後、Guerrilla GamesはオープンワールドRPGを作っていくのでしょうか、それともまた新しいジャンルにチャレンジするのでしょうか?
ハーマン つぎはパズルゲームだね!(笑) それは冗談として、Guerrilla Gamesは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントを代表するAAAタイトルを作っていくべきだと思っています。そこにグラフィックへのこだわりをプラスして、またゲームを作っていけたらと思います。

▲機械獣“サンダージョー”とハルスト氏。
▲体験会の最中、メディアの面々に混ざって楽しそうにプレイをするハルスト氏。横で見ていた筆者にも、フランクに話しかけてくれました。

●ゲームの世界を再現した『Horizon』パーティーに大興奮!

 週刊ファミ通編集部・新人編集者ゆーみん17です! 体験会の後にはオランダ・アムステルダムのSugarCityという会場にて、『Horizon』のパーティーが開催されました。ここからは、そのパーティーのリポートをお届けしたいと思います。

 事前に、ハルスト氏から「(会場では)アーロイのように矢を射ったりできるかもね」という話を聞いていたため、わくわくしながら参加しました。

 たどりついた会場は、外見はまるで倉庫のよう。でも中に入ってみると……

 本作をイメージしたような、自然がたっぷりな会場になっていました。壁に映し出された『Horizon Zero Dawn』のロゴがカッコイイ!

 会場にはアーロイのコスプレをした方が4名いらっしゃいました。本物かと見紛う、すばらしいクオリティーにビックリ! ポーズや構図もばっちりです。

 少しすると、何やら大きな音がしてきました。あっという間にできる人だかりのほうを見てみると……イケてるお兄さんたちによる和太鼓の演奏が始まったようです! 迫力満点の演奏に、会場も大盛り上がりでした!!

 そして演奏の後には、音楽とともになんと……機械獣ウォッチャーの姿が! 突然現れた機械獣に、会場はもちろん、アーロイたちも大興奮!! ウォッチャーを狩ろうと(?)追いかけていきます。会場を歩き回るウォッチャーとアーロイたち、会場の雰囲気も相まって、まるで本当にゲームの中に入ったような感覚になりました。

▲アーロイのコスプレイヤーさんたちが集まったところを激写!

 また、会場にはアーチェリーの体験ができるブースも。アーロイになった気分で自分も挑戦! 「真ん中に当てるぞ!」と意気込むも、1発目は真下に……。やさしいお兄さんにやりかたを教えていただき、なんとか的に当たるようになりました。アーロイは命がけでこれを動く敵に当てるんだなぁと思ったら、尊敬の念が沸いてきちゃいましたね。

▲最後に、アーロイといっしょに撮った写真を! アーロイさんたちは、みんなフランクに接してくれました。