“杉山流”の腕前は今なお健在!

 2015年1月31日~2月1日、千葉・幕張メッセにて開催された、ゲーム実況とゲーム大会の祭典“闘会議2015”。ソニー・コンピュータエンタテインメントブースでは、“SCE JAPAN スタジオチャンネル”出張版が2日間にわたって展開された。ここでは、2日目に行われたパズルゲーム『XI[sai]』トークイベントの詳細をリポートする。

 イベントには、特別ゲストとして『XI[sai]』開発者であるシフト代表取締役の杉山雄一氏が登場。開発秘話をたっぷりと語ってくれたのだ。

▲写真左より、ゲストの杉山氏、番組MCの結さん、同じくMCの北尾泰大氏。
▲杉山氏の懐かしい写真も公開。赤色は氏のトレードマークだそうで、当時より赤のキャップを愛用していたらしい。

 最初のトークテーマは、開発の経緯について。初代『XI[sai]』は1998年6月18日に、初代プレイステーション用パズルゲームとして発売された。当時ソニー・コンピュータエンタテインメントが開催していたゲームクリエイター発掘企画の“ゲームやろうぜ!”から生まれたタイトルだ。

 杉山氏は当時大学生で、「ゼミや研究会の同級生、サークルの友だちなどの仲間4人で作り上げた」と振り返る。開発中はもちろん、ゲーム発売時もまだ在学中だったという。

 ちなみに最初から本作を作ろう、と行動したのではなく、「最初は10本以上企画を出した」と杉山氏。分厚い企画書を作って提出したが、ペラペラとめくられて「ダメだね」とNGになることが続き、やがて手を抜いて企画書はたったの紙1枚になったそうだ。そうした状況でふたつの企画書を持っていき、「自分の中では2番手だった『XI[sai]』が採用された」と杉山氏は当時を振り返る。なお企画書は紙1枚だったが、段ボールや実際のサイコロで作った、いわばアナログゲームのプロトタイプ版を一緒に見せて解説したとのこと。開発は企画書に1年、実際の制作にはさらに1年の、計2年かかったという。

 「開発中に苦労したことは?」という質問には、「産みの苦しみはあったが、開発中はスタッフとスコアを競い合うのがとても楽しく、楽しいまま発売にこぎつけられた」(杉山氏)と、楽しみながら本作を開発していたことをコメント。もめごともなく、みんなで仲良く作っていたそうだ。

 またサイコロを操るキャラクター“アクイ”が生まれた経緯も明かされた。最初は杉山氏が自分でデザインを考えていたそうだが、どうにもうまくいかず、ほかのチームにデザインをお願いしたそうだ。このときデザインを担当したのが出浦美和氏で、その後にシフトへ入社し、『フリーダムウォーズ』の“プロパくん”をデザインしているというから、何かの縁を感じずにはいられない。

 ご存じの通り『XI[sai]』は大ヒットし、シリーズ化もされた。杉山氏は「ゲームには新しさを期待されているが、パズルゲームの続編は要素の付け足しになり、結果複雑になってしまう」と、パズルゲームで続編を作る難しさについて語る。

 続いて、本作の実演プレイに。開発者である杉山氏はそのプレイの腕前も超一流。当時のCMで“杉山流”としてそのテクニックを披露していたが、そのスーパープレイを18年ぶりに公の場で実演してくれた。

 杉山氏がまず行ったのは、サイコロの1の面を上にして並べていくこと。だがこれは、いわゆる“仕込み”の段階。綺麗に並べられるサイコロを、固唾をのんで見守る来場者たち。そして画面の3分の1がサイコロの1で埋まろうとしたとき、とうとう杉山氏が動いた。1の山から2マス離れた場所で6を6つならべ、6を消したのだ。あとは、さきほど仕込んだ1のサイコロを、6にくっつけるように転がすと、6の数字同士がくっついてチェーンとなる。これをつぎつぎと繰り返し、1の山を6の山に変えていく杉山氏。最終的には17チェーンまでつなげるというスーパーテクニックを披露し、18年経過していても、その腕前はいまだ健在なことを証明してくれた。

▲まずは仕込みを行う杉山氏。1の面を上にしてつぎつぎと並べていく。
▲準備が整ったら、6を消してチェーンスタート! あとは仕込んだサイコロを転がし、6の面を増やしてチェーン数を稼いでいくのだ。

 続いてのトークテーマは、若きクリエイターへのアドバイス。「現在は、スマホなどで簡単にゲームが作れる時代。まずはどんどん作り、友だちに見せて感想をもらえば、磨きがかかる。アナログでできることは先にやってしまうといいですね」(杉山氏)と、実体験を交えた貴重なコメントを贈ってくれた。

 そんな『XI[sai]』シリーズは、現在ゲームアーカイブスで配信中。未体験の人は、ぜひこの機会にプレイして、そのヤミツキ具合を体験してみてはいかがだろうか。

▲『XI[sai]』と続編である『XI[sai] JUMBO』は、ゲームアーカイブスで購入可能だ。
▲番組恒例である色紙の執筆も行われた。

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