発売初日に「どこにも置いていなかった」

 2015年1月31日~2月1日、千葉・幕張メッセにて開催中の“闘会議2015”。ゲーム実況ストリートのソニーコンピュータエンタテインメントブースでは、“SCE JAPAN スタジオチャンネル”の出張版として、女優の結さんとSCE PR担当の北尾泰大氏をMCに公開生放送を実施。プレイステーション20周年記念のスペシャル企画として、2日間にわたり、SCEの人気タイトルを紹介している。1日目の最初に取り上げられたのが、2000年に第1作目が発売された『ぼくのなつやすみ』シリーズだ。

『ぼくのなつやすみ』には雪山をそりで滑る冬休みバージョンが存在した!?【闘会議2015】_01
▲左からゲストの綾部和氏、MCの結さんと北尾泰大氏。

 ゲストとして登場したのは、ミレニアムキッチン代表で、“ぼくなつ”シリーズ監督の綾部和氏。スクリーンには、1作目制作当時の写真として、益子焼で有名な栃木の益子町の陶芸家宅で撮影された1枚が映し出された。1作目の取材のために訪問したそうだが、「ソニーにプレゼンして、(“ぼくなつ”の)企画が通ってから3日後くらい」のことだったという。

 つぎに、山梨の道志村での音の取材風景も紹介された。録音と同時に、風景の撮影やスケッチも行われたそうで、「たとえば、川にかかっている小さな木の橋は、おじちゃんの家の前にある橋のモチーフになっている」など、いろいろとゲームにも反映されていることを綾部氏は明かした。

『ぼくのなつやすみ』には雪山をそりで滑る冬休みバージョンが存在した!?【闘会議2015】_02
『ぼくのなつやすみ』には雪山をそりで滑る冬休みバージョンが存在した!?【闘会議2015】_03

 続いて、スクリーンにはシリーズ作品のパッケージが。「夏休みというテーマでこれだけ作り続けるのは難しいのでは?」という北尾氏の質問に対し、綾部氏は「作っているうちに時間が経ち、ユーザーの世代も変わってきて。それぞれの世代で経験していることが違いますし、また、ハードウェアの進化に助けられているところもあり、意外とネタはなくならないですね」と回答。

 ただ、“夏休みシミュレータ”という前例のないゲームだけに、最初は売れるかどうかまったく予測がつかなかったという。そこで発売初日にお店を何軒か回ってみたところ、どこにも置いていなかったのだとか。どういう状況なのか理解できずにいたところ、ポスターが貼ってあるのが目に入ってきて、売り切れであることがわかり、自分たちの想像以上に需要があったことが嬉しかった、と想い出を語った。

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『ぼくのなつやすみ』には雪山をそりで滑る冬休みバージョンが存在した!?【闘会議2015】_05

原田知世さんが“ぼくなつ”でタイムアタック!?

 さて、独創的な作品ということで、遊び方もひとそれぞれという“ぼくなつ”。たとえば、4作目で声優を務めた原田知世さんは、PSP版の1作目をプレイしていて、てっぺん山に登るのにタイムアタック的な遊び方をしていると、綾部さんに話したそうだ。

 そんな話の流れで、ステージでもプレイしてみようということになり、北尾氏のデータで結さんが3作目に挑戦。結さんお気に入りの要素として、草すべりと俳句とが紹介された。結さんが即興で詠んだ「太陽に 羽を焼かれて ジンギスカン」という俳句は、50点というビミョ~な点に……。綾部氏によると、採点は韻を踏んでいるかどうかや、スタッフがおもしろいと思う組み合わせかどうかなどが影響しているとのこと。

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 ここで次回作について、ニコ生視聴者からの「“冬休み”も作って欲しい」というコメントを、北尾氏が紹介。綾部氏は「じつは、『3』を作ったときに、冬休みも作れるようにしてあるんですよ。女の子が主人公で、そりで雪山を滑れるように。でも、なにも決まっていませんので、5%くらいの期待をしていただければ……」と語った。また、綾部氏自身は「そろそろ未来の話も作ってみたいんですよ。私の出す企画は、昔の話のほうが通りやすいんですけどね(笑)」とも考えているそうだ。

 最後に、綾部氏から宣伝とメッセージが。宣伝したのは、自身がオーナーを務める東京・西池袋の“火星カレー”というお店だ。約20年間、友人とのパーティーで、カレーを作り続けてきたという綾部氏。しかし、当初は作り方がわからず、調味料を瓶ごと入れていたところ、まったく新しい料理ができあがったという。それまで地球上になかった味ということで“火星カレー”とネーミングしたのだとか。すでに行ってきたという結さんは「鹿カレーがおいしい」とコメントしていた。

 そして、ファンに向けてのメッセージとして、“ボク”のイラストとともに色紙に記したのは、「毎日がなつやすみ」という言葉だった。

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【2015年2月2日14時30分追記:記事中に誤りがあったため修正しました。関係者、および読者の皆様にお詫び申し上げます】


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