マイクロソフトブースはKinect対応タイトルが花盛り
2012年1月10日~13日(現地時間)、世界最大規模の家電見本市2012 International CESが、アメリカ・ラスベガスにて開催。前夜のマイクロソフトによるキーノートを経て(⇒記事はこちら)、1月10日についにCESが開幕した。スマートフォンやタブレット端末、大型テレビなど、何かと見所の多いCESではあるが、ファミ通.comとしてはやはり何よりもゲーム。CESでは例年ソニーとマイクロソフトという2大ハードメーカーが出展しているが、まずは今年でCES最後の出展になるマイクロソフトブースに足を運んでみた。
先日CEOのスティーブ・バルマー氏により行われたキーノートそのままに、Windows Phone、Windows、Xbox 360が3当分に展示されていたマイクロソフトブース。CESでは年々ゲームの存在感が高まっているなあ、というのが率直な印象だが、Xbox 360関連では、今後発売予定のタイトルからすでに発売中の人気作まで16タイトルあまりを出展し、大きな注目を浴びていた。もっとも多く来場者を集めていたのはKinect対応ゲームだったようだ。会場では、3台の試遊台で8作品を随時お披露目するというスタイルで出展され、来場者は思い思いのゲームにうち興じていた。たとえば、すでに発売済みの『Dance Central 2』などが、イベントならではの鉄板の人気ぶりを誇っているのが印象的だった。Kinect関連の未発売タイトルで出展されていたのは、『Kinect スター・ウォーズ』、『Kinect Rush: A Disney・Pixar Adventure』、そして『Double Fine Happy Action Theater』の3タイトル。幸い3タイトルとも遊ぶことができたので、そのリポートをお届けしよう。
2010年のE3でKinect向けタイトルとして開発が表明されてから、昨年のE3や東京ゲームショウなどで、折に触れてプレイアブル出展されてきた『Kinect スター・ウォーズ』。CESの会場で明らかにされたのは、3D立体視への対応。『Kinect スター・ウォーズ』の3D立体視への対応は、開発スタート時から念頭に置かれていたようで、ここへきての満を持しての発表となった。同作を3D立体視にした理由については、「作品的に、3Dにすることで臨場感が増すことを期待しました」とは、マイクロソフトの『Kinect スター・ウォーズ』のマーケティング担当、グレン・グレゴリー氏。折よく、3D映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D』がこの春に公開されるが、その存在もゲームの3D立体視対応に大きく影響を及ぼしたようだ。3D立体視化に関しては、フレームレートが落ちないように苦労したのだという。
CESの会場で体験できたのは『スター・ウォーズ エピソード エピソード1/ファントム・メナス』でもおなじみの“ポッドレースモード”。ポッドレースに関しては、記者は2011年夏に行われた“Xbox 360 Summer Showcase 2011”で体験済みだが(⇒記事はこちら)、両腕を前に突き出すとポッドレースがスタートし、右腕を手前に引くと右に、左腕を引くと左に曲がるという、ポッドレースの動きを見事に操作感に落とし込んでいるのが特徴。レースということで、3D立体視との相性もばっちりといったところだが、臨場感のあるプレイを堪能できた。なおせっかくの機会なのでグレゴリー氏に聞いてみたところ、“ポッドレースモード”ではコースとなる8つの惑星が用意されており、いずれも映画に沿った舞台になるとのこと。ちなみに、CESでプレイできたのは、アナキンのふるさとタトゥイーンであった。『Kinect スター・ウォーズ』の発売日は未定だが、いち早い発売を期待したい。
おつぎは『Kinect Rush: A Disney・Pixar Adventure』。2011年12月8日に行われた『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』の発売記念イベントに合わせて『RUSH』(コードネーム)として発表された同作は(⇒記事はこちら)、ディズニー/ピクサーの5作品『カーズ』、『トイ・ストーリー』、『Mr.インクレディブル』、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『レミーのおいしいレストラン』のゲームが楽しめるKinect専用アドベンチャー。プレイヤーはキャラクターメイキングを経て“ピクサー風アバター”となって、ゲームの世界に没入。それぞれの作品をモチーフにしたゲームを楽しむことになる。今回記者が体験したのは『トイ・ストーリー』と『カーズ』。『トイ・ストーリー』ではロボットのおもちゃとなって庭を駆けまわってコインを集めるゲームが、『カーズ』ではレースがそれぞれ楽しめた。会場で楽しめたのは、ほんのさわりの部分だけだったが、5作品はそれぞれ複数の異なるゲームが用意されているとのことで、それぞれの映画のファンにとってはうれしいゲームとなりそうだ。『Kinect Rush: A Disney・Pixar Adventure』は、北米では2012年3月20日発売予定。
Kinectで最後に体験させてもらったのが、『Double Fine Happy Action Theater』。Double Fineといえば、名物社長のティム・シェーファー氏が率いる開発会社で、最近だとKinect専用タイトル『Sesame Street: Once Upon A Monster』(日本未発売)やXbox LIVEアーケードの『Trenched』などでおなじみ。『Double Fine Happy Action Theater』は、シェーファー氏が3歳の子どもと気軽に遊べるように……との発想から作られたKinect専用ソフトだ。同作では、手足を振り回すことで画面上に現れる建物を破壊したり、手を振ることで相手を攻撃したり、万華鏡のような楽しみかたをしたり……とちょっぴり馬鹿らしくも楽しい18のアクティビティーを収録。最大6人が参加できる、まさにわいわい騒ぎながら楽しむのに最適のソフトなのだ。「それぞれのゲームの目的は何ですか?」と聞いたところ、「とくにないんです。強いて言えば、プレイヤーの笑顔を見ることかな(笑)」とはマイクロソフトスタジオのキッズ&ファミリー担当のロス・E・ペレス氏のお言葉。けだし名言かもしれない。『Double Fine Happy Action Theater』は2012年にXbox LIVE アーケードで配信予定だ。
そうそう、Kinect関連では、マイクロソフトリサーチによる“KinectFusion”も出展されていた。マイクロソフトリサーチとは、将来のためのテクノロジーを研究するための部署のようで、この“KinectFusion”は、Kinectの深度センサーなどを使って、3Dモデルを再現するというテクノロジー(⇒詳細はこちら・英文)。「将来はゲーム開発などにも役立てられるのではないでしょうか?」と、プレゼンをしてくれた担当者さん。新しいゲームから新テクノロジーまで、Kinectの可能性が広がる!
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