来場者はPS Vitaの新機能を堪能

ソニーブースの注目株は、やはり北米で発売間近のPS Vita【CES 2012】_08

 2012年1月10日~13日(現地時間)、世界最大規模の家電見本市2012 International CESが、アメリカ・ラスベガスにて開催。今年ソニーは、ブースのいちばん目立つところにゲーム関連の展示を展開。理由は明確で、プレイステーション Vita(以下、PS Vita)の発売を間近に控えているから。北米では、2012年2月22日に発売を控えているPS Vitaだが、会場ではハードのデモンストレーション用とソフトのデモプレイ用をあわせて16台以上の試遊台を展開。力の入ったところを見せていた。試遊台の近くに立っていた関係者の方に話しを聞いてみると、「PS Vita本体と同時に25タイトルの発売を予定しているよ。まあ、PSPのタイトルもダウンロード可能なので、本体発売日にはもっとたくさんのタイトルで遊べるようになるね。このほかにも100タイトル以上が開発中で、順次投入されることになる」と豊富なタイトルラインアップを強調する。北米におけるPS Vitaの発売時は、日本に負けず劣らず充実したタイトルが出揃いそうだ。会場では、そんな本体と同時発売タイトルを中心に、『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』や、『Resistance: Burning Skies』、日本でも発表されたばかりの『Unit 13』、『みんなのGOLF』など10タイトル以上が出展されていた。なかでもひときわ異彩を放っていたのが、『GRAVITY DAZE/重力的眩暈: 上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』(英語名は『GRAVITY RUSH』)。2011年末に体験版が配信されたことからすでにプレイされた方も多いかと思うが、PS Vitaのジャイロ機能を駆使して、重力を操作しての浮遊感覚が味わえるアクション。PS Vitaを上へ下へと動かして遊ぶ来場者の姿が印象的だった。ちなみに、PS Vitaをプレイした2~3の人に話しを聞いてみたところ「いろいろ遊んでみたのですが、とてもすばらしいと思いました。表裏のタッチ操作やジャイロ機能など、全体的に新しい技術が取り入れられているのがいいですね」との声に代表されるように、やはりPS Vitaの新技術に注目している人が多かった。

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▲さすがに注目度が高かったPS Vita。担当者に真剣なまなざしで質問する方や、熱心に新機能の確認に打ち興じる方の姿が見られた。

 プレイステーション3用タイトルとしては、2011年12月に日本での発売が決定したばかりの三人称視点のアクションゲーム『スターホーク』やアクションRPGの『Sorcery(仮題)』、『Twisted Metal』(日本発売未定)、『MLB The Show』(日本発売未定)の4タイトルが出展された。とくに注目は『MLB 12 The Show』で、3D立体視がふたつの画面をちょっとずらして表示していることを応用した同作は、3Dメガネをかけることで、ひとつの画面で攻撃側と守備側の視点が同時に表示されるというスグレモノ。当然3Dで見ることはできないが、3D立体視にもこういう使い道があるんだ……ということを実感させるテクノロジーだった。

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▲ファミ通.comの海外担当も注目する、凶悪に武装したクルマが爆走しまくる超暴力的世紀末レーシングゲームの『Twisted Metal』。残念ながら日本での発売は未定。
▲ふたつの画面が同時に表示されているで写真泣かせだが、3Dメガネをかけることで、別々の画面を見ることができる『MLB 12 The Show』。
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 さて、ソニーブースではさらに印象的な展示が見られた。会場のいちばん奥には、まるでここが“本陣”とばかりに大きなスペースが取られ、“Play”、“Watch”、“Listen”、“Share”とのタイトルのもとに、複数のソニー製品をつなげての今後のライフスタイルの提案が行われていたのだ。たとえば“Watch(見る)”では、テレビとPC、タブレット端末、スマートフォン、PS Vitaなどで一括管理した画像を見るという具合だ。先日のキーノートでもお伝えした通り(⇒記事はこちら)、マイクロソフトはテレビとPC、携帯端末をつなぐ“スリースクリーン”を重視しているが、さしずめソニーはそれにPS Vitaを加えた“フォースクリーン”といったところだろうか。“Play(遊ぶ)”の提案では、今秋発売予定の『Warrior’s LAIR』を例に、プレイステーション3で途中まで遊んだデータをクラウドサーバーにアップロードし続きをPS Vitaで遊ぶことができる、といった“クラウドセーブ”の提案などが行われていた。『Warrior’s LAIR』はタブレット端末でも発売予定とのことだ。さらには、PlayStation Suite構想の一環として、PlayStation Storeで購入したソフトは、タブレット端末でも、Xperiaに代表されるスマートフォンでも、さらにはPS Vitaでも楽しめるようになるというビジョンが提案された。そうなるとハード間の垣根はなお一層低くなる印象だ。急成長するスマートフォンやタブレット端末との連携も含めて、今後ゲーム機のありかたも何かと問われることになりそうだ。

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▲PCやタブレット端末、スマートフォンといかに連携するかも、今後のゲーム機普及のカギを握る。

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