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『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』息もつかせぬ怒濤の展開、壮大な遺跡の謎解きの数々……最終章は圧巻の完成度――発売記念レビュー
公開日時:2018-09-14 00:00:00
ついに発売日を迎えたリブート版3部作の最終章『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』。本稿では発売を記念し、同作のレビューをお届け。
文:堤教授
発売直前ということで、かなりたっぷりと遊んだうえでのインプレッションを改めてご紹介。前回のインプレッションでは、基本的な要素についての動画も掲載しているので、そちらも合わせてご覧ください。
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前回の記事でも書きましたが、私は本作が初めての『トゥームレイダー』。本作は3部作の最終章ですが、前作からの登場人物は相棒のジョナくらい。途中では幼少期のララを操作する場面もあり、“父の仇”であるトリニティという組織に執着せずにはいられないララの気持ちも理解できました。しかも、オープニングシークエンスから、クライマックス感満載の怒濤の危機また危機が展開されるので、すぐに本作にのめり込めました。
つぎに、『トゥームレイダー』シリーズの醍醐味であるアクションについて。ピッケルを使って断崖絶壁を上り、道なき道を進む、映画のようなダイナミックなアクションは、動かしているだけでもかなりの気持ちよさ。さらに、崖につかまった状態からロープでするすると下りられる“ラペリング”が本作から新たに追加。高所から安全に下りられるだけでなく、振り子のように反動をつければ、遠く離れた足場に飛び移ることもでき、一見行くのがムリそうに思える場所に到達できたときの「してやった感」は格別です。また、ロープアロー(矢に縄をくくりつけて発射)でロープを張り、綱渡りができるようになる場所もあり、冒険家としてじっくりとまわりの状況を把握する観察眼が試されます。
シンプルな操作ながら、多彩な動きで魅せてくれるララ。難易度がノーマル以下なら、手がかけられる出っ張りや飛びつける壁などに、白いラインが表示されるので道にも迷いにくいです。 |
奥に進むには、仕掛けを利用する必要がある場面も少なくありません。解法がわかったときの充実感、達成感は本作ならでは。 |
ララは、探索にとても役に立つ“インスティンクト”という能力が使用可能。インスティンクトを発動すると、調べられる物や拾えるアイテム、敵の位置などが見やすいようにハイライトされます。といっても、インスティンクトも万能ではなく、最初は遺物やトラップなどを看破できません。対応するスキルを習得すれば、インスティンクトの性能が上がり、ほぼすべてのオブジェクトを見通せるようになります。私はどんな細かいアイテムでも見落としなくない性格なので、インスティンクト関連のスキルは最優先で習得しました。
初めて通る道ではとりあえずインスティンクトを使いまくるのが、自分流の遊びかた。使用回数に制限はないので、好きなだけ使えます。 |
本作では、水中でのアクションもパワーアップ。深くまで潜水し、行動できるようになっています。ただ、息がずっと続くわけではないので、水中での探索はいつも死と隣合わせ。光が届いていない場所も多く、窒息の恐怖に加え、ウツボやピラニアに襲われるハラハラ感もあり、緊迫感を味わうことができます。
水中にはエアポケット(息継ぎができる場所)があり、酸素を補給できます。水中である程度行動すると「そろそろ空気を吸わないと……」という焦りが募ってきます。 |
ララと敵対する組織、トリニティの傭兵が配備されている場所では、気取られないように注意しながら暗殺を試みるステルスアクション、弓や銃を使って相手と渡り合うアクションシューターとしての顔をのぞかせる本作。実際に戦ってみるとわかりますが、ララは打たれ弱く、複数の敵に狙われるとすぐに力尽きてしまいます。シューティングの腕前に自信があれば、正面から暴れまくるのもいいですが、個人的にはひとりずつ暗殺していくスタイルがお気に入り。茂みに隠れたり、泥をまとって壁に張り付いて気配を消したり、空き缶を投げて敵兵の配置を乱したりと、さまざまなアプローチで敵がいるシチュエーションを切り抜けられます。
AIも強化されて、樹上から奇襲して敵を吊るし上げると、ほかの敵がそれを見て混乱するような人間らしい様子を見ることもできる。特定のスキルを習得すれば、敵を混乱させる矢を作成できるようにもなります。 |
広大なジャングルも冒険の舞台のひとつ。ジャングル内では、あちこちでカスタマイズの素材が採取できるほか、さまざまな動物を狩って素材を集めることも可能。ときには、獰猛なジャガーが襲いかかってくる場面もあり、油断はできません。ちなみに、ジャングルや遺跡にはベースキャンプという休める場所があちこちにあり、発見したベースキャンプ間はファストトラベルで瞬時に移動できます。特定のアイテムがないと進めない場所も多いので、ファストトラベルの機能はとても助かりました。
多くの動物はララに関心を示さず、攻撃を受けると逃げ出します。逆に、ジャガーのような攻撃的な動物は、ララを見るやいなや襲いかかってきます。 |
ベースキャンプでは、ファストトラベルのほか、スキルの習得や装備品のカスタマイズも可能。素材は持ちきれなくなることも多かったので、装備品のカスタマイズは積極的に行うようにしていました。 |
本作の目玉のひとつでもある巨大な拠点“パイティティ”は、事前情報で聞いていた以上の広大さ。未開の地での人々の営みは見ているだけでも楽しく、異邦人であるララに対する接しかたもさまざま。ちなみに、着ている衣装をチェンジして現地の人々に変装すると、対応が変わることも。また、あちこちに埋蔵品やトーテム(解読するとお宝が入手できる)などもあり、じっくりと練り歩きたくなります。音声を現地の言語のものに切り換えると、より異国の地に来た感覚が味わえます。
拠点では買い物も楽しみのひとつ。パイティティにはたくさんの商人がいて、相手によって買える物品は異なります。購入できるのは、レトロな弓や銃のほか、衣装やカスタマイズに必要な素材など。武器は細部にわたってカスタマイズもでき、威力や精度を上げたり、装弾数を増やしたりと強化できます。上半身、下半身で分かれている衣装は、レシピを入手した後に作成が可能。着ると、敵に見つかりにくくなったり、素材を拾ったときの入手数が増えたりなどの効果も得られる楽しみもあります。本作はアクションアドベンチャーではありますが、装備を強くしていくRPG的な楽しみかたができるんです。
パネル形式で習得していくスキルは、どの順番で覚えるかの自由度が高く、個性が出るところ。スキルはアイテム収集、探索、コンバットといった3つのタイプに大別されているので、プレイヤーが重視しているスキルを習得・強化できます。スキルの習得・強化に必要なスキルポイントは、ストーリーを進めたときやアイテムを拾ったとき、動物を狩ったときなどに得られる経験値が一定値貯まるごとに入手。私は、念入りに探索するプレイスタイルだったので、かなりの頻度でスキルポイントは手に入りました。以下に、私がプレイしたときに便利だったオススメのスキルを紹介します。
<オススメのスキル>
カイマンスピード
水中での移動スピードが上昇。水中で探索することが多い本作では、ほぼ必須とも言えるスキルです。
カイマンブレス
水中で息が長く続くようになります。カイマンスピードと合わせて習得しておけば、より長時間、安全に水中を探索できます
イーグルサイト
インスティンクトの性能が上昇。埋蔵品、モノリス、宝箱、書庫管理マップ、探検家のバックパックを発見できるようになります
クロウチャーム
商人から安くアイテムを買えるようになる。商人はゲームを通して長く利用することになるので、早めの習得をオススメします
一部のスキルは、“チャレンジトゥーム”という腕試し用の遺跡をクリアーすると習得できます。チャレンジトゥームは、そもそも入り口が見つけにくいところにあることが多く(入り口付近には黄色い目印があります)、いろいろな面で冒険家としての腕前が問われます。チャレンジトゥーム内は、どこも目玉となる大きな仕掛けが用意されていて、ひと筋縄ではクリアーできません。鈍い私は、1時間以上立ち往生してしまう場所もありましたが、進みかたがわかったときの達成感は格別でした。以下で、チャレンジトゥームと仕掛けの特徴をいくつかご紹介します。
乗り上げた巨大な船が舞台のトゥーム。帆の傾きを操作するスイッチが攻略のカギ!? |
炎と風にまつわるトゥーム。突風を吹かせるスイッチを利用して、奥への道を切り開こう。 |
光を当てると起動する仕掛けが用意されたトゥーム。鏡をどの角度にするかで行ける場所が変化します。 |
チャレンジトゥーム以外にも、“墓室”と呼ばれる小さな遺跡もあちこちに点在。こちらは、最奥にある棺の中で、衣装のレシピなどのアイテムが入手できます。メインのストーリーだけでなく、チャレンジトゥームや墓室といった寄り道要素が充実しているのは、凝り性の私にはたまらないところでした。落ちている埋蔵品や文書集めや宝箱探しも遊びごたえ満点で、ララがきっかけで本作に興味を持ったプレイヤーも、アクションの奥深さや細やかな世界の作り込みの虜になってしまうこと間違いなし!
ついにリブート版トリロジーの最後を迎えてしまう本作をクリアーしてしまうのは、もの悲しいものがありますが、まだ発見していないチャレンジトゥームや墓室もあるので、もう少しこの世界を楽しもうと思います。今回のララの物語にどんな結末が待っているのか、ぜひ皆さんの目で確かめてください!
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