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『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』が数倍楽しくなる!? 舞台となるマヤ遺跡やそれにまつわる逸話について『月刊ムー』三上編集長に直撃
公開日時:2018-09-12 19:00:00
古代マヤ遺跡や、アマゾンのジャングルを舞台としている『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』。マヤ遺跡にまつわる逸話やその周辺の文明などについて知っておくと、同作をもっと深く楽しめるはず! というワケで、日本を代表するスーパーミステリー・マガジン『月刊ムー』(学研プラス)の編集長・三上丈晴氏に話を聞いた。
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『月刊ムー』三上丈晴編集長 |
最新号は2018年10月号。2019年『月刊ムー』は創刊40周年を迎える。 |
■マヤ文明やその遺跡の特徴や人々を魅了している理由†
最近のゲームは映画のような映像で、観ているだけでも満足してしまいそうです(笑)。マヤ文明は中米に栄えた文明ですが、ゲームにも登場するパイティティは、南米はインカ文明の黄金郷です。このインカ文明は古代文明だと言われていますが、日本に置き換えるなら、鎌倉時代くらいのものなので、古代文明といった印象よりも、はるかに現代に近い文明です。
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本作のパイティティは、マヤ、インカ、アステカの文化を混ぜ合わせて創り上げられたという。 |
ちなみに、マヤ文明はその少し前、10世紀くらいに滅んでしまって、その文化はその後のアステカに継承されていきます。北米には、インディアン……いまでいうネイティブ・アメリカンのホピ族が暮らしています。このホピの神話では、南アメリカの先住民族はホピから分かれた部族であり、たもとを分かった理由は、ホピ以外のインカやアステカは戦争などで堕落した“ろくでなし”で、ホピだけが神の教えを守っている種族なのだというのですが、現在の定説としては、この地域はモンゴロイドがベーリング海峡を渡って南下してきて文明を形成したとされています。なので、遺伝子から見ても人種的には同じで、同じ神話や文化を受け継いでいると考えられてきました(寒冷で生きられない寄生虫が存在したことなども研究で判明したため、必ずしも北を渡ってきたものだけではなかったのですが……)。言葉も似ています。ではこの中南米の文明は、比較的歴史が浅いのか、というとそうではなく。マヤの前身となる古代文明が存在していました。オルメカ文明などはさらに古い。最近では紀元前2000年くらいまでさかのぼるピラミッドも発見されているので、南アメリカの文化はもっと古く、別の種族がいたのかもしれない。赤毛で長身の人骨“レッドヘアージャイアンツ”が見つかっています。そのルーツはアトランティスだ、なんていう説もあるくらいです。
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神話も各地で共通しています。ケツアルコアトルやククルカンなど、さまざまな名で呼ばれる創造主が人の姿で降臨し、技術を伝えた後に天に帰るのですが、その際に「また戻ってくる」と言い残した、という内容です。この地の人々は、皆何かしら創造主が「いずれ帰ってくる」と語った言葉を待ち続けているのです。いまをもってなお、2000年以上待っている。ちなみに、これらの神話では、創造主の帰還する時期を周期的に予言しているものもあったのですが、この周期がちょうどコンキスタドールの時期とぴったり重なっていたようです。奇しくも創造主の姿は“白くてひげがある”と伝わっていたことから、コンキスタドールを創造主の帰還と重ねてしまったために、彼らを友好的に受け入れたともいわれています。
中米はアステカのケツアルコアトルの名にある“ケツァール”は、そのままケツァ―ルという名前の緑色の鳥がいます。南米、マヤの創造神ククルカンは“羽毛のある蛇”を意味する名です。
余談ですが、環太平洋の神話では、鳥が創造主と深い関連を持っており、北米の神話はハクトウワシ、カナダインディアンはワタリガラス、そして北海道のアイヌではフクロウ。イースター島も鳥人で有名です。
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古代中米では“雨の神”や“地下世界の神”などと言われるジャガーもマヤ文明と深いつながりがある。 |
■マヤ歴に記された“終末”とは!?†
マヤ文明では天文学が発展していたうえ、文字を持っていたことから暦が発達しました。マヤの終末論が話題になりがちなのは、マヤには文字があり、残された予言を読めたためです。ですが、終末論というのは、何もマヤ特有のものではなく、結局は世界観であり、神話を形成する一要素です。神話に於いては創生と終末はセットで均一的に語られるもの。この世の始まりを語れば終わりも語らなくてはならないわけです。
どのような予言かというと、最初の世界は理想郷で、堕落して火で滅んだ。2番目の世界は理想郷よりは劣る世界だったが、やはり堕落して氷河期の到来で滅んだ。3番目の世界も同様に堕落し、大洪水で滅んだ。そして、いま我々が暮らしているのは4番目の世界だ、というものです。だが4番目の世界も、いずれ堕落して滅ぶ……この4番目の世界の終わりが、マヤ歴の節目に当たる2012年12月23日とリンクして語られるようになったことが、マヤの終末論です。マヤ歴は長期歴なので、12月23日は暦が一区切りとなる大晦日のような日なんですね。2000年ごろにマヤの末裔の人が、終末論について「2012年に世界は滅ぶぞ」とか言っていたくせに、2012年が近くなると「世界が滅ぶ? そんなことはない」と、見事なまでに前言を撤回して、「おいおい」と思ったこともありましたが(笑)。
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『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』では、ララが世界の終末を始めてしまい、各地で異変が発生。一方、宿敵トリニティは世界を作り換えようとする。ゲームでも終末と創生が語られるのだ。 |
とにかく、いまの4番目の世界は滅び、最後の5番目の世界が始まるという世界観は、マヤにもホピにも共通しています。4番目の世界は戦争で滅ぶと予言されているのですが、現代を生きる我々からすると、一笑にふせない部分もあります。回避する方法は、とにかく堕落した生活をしないということ。それができないのであれば、滅びを待つのみ、ということですからね。マヤは戦争と疫病が合わせて襲ったことで滅びました。
■マヤ遺跡には、現在も隠された遺跡などが存在する!?†
遺跡内部に、ゲームや映画のように、それこそ岩が転がってくる、といったような侵入者を撃退する大掛かりで物理的な罠などはなかったと思いますが、“呪い”はかけられていたと思います。実際はさまざまな儀式を行った跡が見つかっています。
どこにあるかわからない伝説のパイティティには、金が大量にある黄金都市だとされているので、金鉱山を牛耳っていた地域にあったのは確実です。実際にコロンビアやベネズエラ、ペルーなどには金の鉱山が数多く分布していますが、当時は貨幣が存在していないので、現地人からすると「金をいったいどうするのか?」というくらいの価値観だったはずです。キレイで錆びないので、王家の象徴や黄金細工には用いたでしょうが、お金としての価値はありませんでした。きっと、スペイン人が黄金を欲する理由もわからなかったのでしょう。
非常に標高の高い南米の山岳では、何万年前の遺跡かわからないほどに古いとされるプナトゥンクの巨石遺構などが見つかっていて、いったいどうやってこんな高所に巨石の遺跡を建設したのか、いまもって謎です。ほかにも、サルを神としてあがめていた文明が発見されたり、いまも南米のジャングルには、多数の埋もれた文明や遺跡が存在しています。ジャングルに埋もれているこうした遺跡群は、近年のレーダースキャンの技術発展で大量に発見され始めています。
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