オンラインでサバイバれ!【第6回】

公開日時:2017-11-17 18:25:00

オンラインの世界をチラ見する!

 発売を迎えてから、そろそろ3週間。皆様は元気にサバイバっておられるだろうか。

 この連載も6回目を迎えたわけだが、発売を迎えたことで大きく変わるのは、やはりオンライン。これまでの記事は開発中のロムをお借りして書いていたので、オンラインには触れていなかったが、今回は製品版でオンラインの世界へに突撃してみたい。「オフラインでの遊び方はだいたい分かったけれど、オンラインだと、どんな感じなのけ? オラ、ずっと島でひとりで遊んでたから、怖くて踏み出せねぇだ……」という人も、これを読んでオンラインデビューの準備を整えて頂きたい!

各種サーバーの種類

 サーバーにはいろいろな種類があるが、パッと見では何が何やら分かりづらい。以下にカンタンな説明を載せてみたので、自分のプレイスタイルに合わせて選んでみてほしい。

●公式専用ARK
 ARKの開発会社であるStudio Wildcardが用意したもっともベーシックなサーバーで、1つのサーバーにつき最大70人がログインできる。オフラインだといじれた各種設定は一切いじれず、不特定多数のプレイヤーが接続するため、MMORPG的にオンラインを楽しめる。

●プレイヤー専用ARK
 プレイヤーが立てているサーバーで、最大50人まで同時にログインすることができる。オフライン同様、テイム速度やダメージ倍率といった項目を細かくいじって設定することができるので、パスワードをかけて、フレンドと一緒に小規模に遊んだりする場合は便利なサーバー。

 ただ、注意点として、PS4本体を丸々1つサーバーにするため、ホスト側のプレイヤーは、サーバーにするPS4本体と、自分がログインして遊ぶためのPS4本体の計2台を用意する必要がある。

●非専用サーバー
 「プレイヤー専用ARK」と同様、プレイヤーがサーバーを立てているものだが、こちらはホスト側がプレイしながらサーバーを兼ねている。つまり、これだとPS4本体を2台用意する必要はない。

 「じゃあ、こっちのが断然いいじゃん!」と思いがちだが、ゲストプレイヤーはホストプレイヤーから一定距離以上は離れられないという距離制限がある。そして同時に遊べる人数は最大8人まで。また、ホスト側がログアウトすると、サーバーが落ちたことといっしょになるため、ゲスト側はサーバーに入ることができない。

●非公式PCセッション
 プレイヤーがレンタルサーバーを有料で借りて、『ARK』のサーバーとしているもの。
 「プレイヤー専用ARK」や「非専用サーバー」のデメリットである、「ホストプレイヤーからの距離制限」や「PS4本体をもう1台用意しなければならない」といった心配がないのがポイント。

 一例としては海外のこういったサイトで借りられるようだが、初心者にはちょっとハードルが高いので、現時点では、これは考慮しないほうがいいかもしれない。

 なお、スパイク・チュンソフトが独自に用意したサーバーも、ここに含まれている。「非公式PCセッション」を選んだあと、「ネームフィルター」のところに「spike」と入れると、スパイク・チュンソフトが用意したサーバー「Spike Chunsoft Test Server」がすべてリストアップされる。

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「PING」の値が少ないところを選ぶと、ラグが少ない。

 なお、ゲームモードに「PvP」と「PvE」というのがあるが、「PvP」は危険。これはプレイヤー同士の交戦を認めているサーバーで、ログインした途端に高レベルプレイヤーに殺されたとしても文句が言えない、ホンマモンの弱肉強食サーバー。『ARK』熟練者が腕試しに挑戦するか、オンラインの世界でほかのプレイヤーを蹴散らしてテッペンをとるくらいのつもりでいる喧嘩上等プレイヤーのためのサーバーといってもいい。

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画面右上の「ゲームモード」にて。「PvE」のみで検索するといいだろう。

 一方、「PvE」はプレイヤー同士の交戦はできず、あくまで「プレイヤー」対「野生の恐竜」の構図が守られているので、まずは「PvE」でオンラインの世界に慣れるのが無難だ。

 まとめとしては、「知らない人はノーサンキュー! フレンドとだけ遊びたいんだ!」という人は「プレイヤー専用ARK」または「非専用サーバー」を選んでパスワードをかける。「いろんな人と接触しつつ遊びたいぜ!」という人は「公式専用ARK」か、「非公式PCセッション」のスパイク・チュンソフトのサーバーに入る。……という感じだ。

 というわけで、サーバーの基本知識も身に着けたところで、チョロッとオンラインの世界にお邪魔してみることに。

突撃! 隣のオンライン

 サーバーにログインすると、早速、プレイヤーたちが作った建造物がいろいろと視界に入ってくる。

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おっ、水辺に家が……。

 気合の入った砦のようになっているものから、どう見ても作りかけな感じのハウスまで、さまざま。場所によっては、数名のプレイヤーの家が近距離に固まっていて、ちょっとした集落のようになっているのもおもしろい。

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石造りのしっかりとした門……だけが建っていた。門を作った時点で力尽きたのかもしれない……。

 本格的にオンラインの世界で遊ぶつもりがない人でも、「ほかの人たちは、どういう拠点作りをしているのか?」と、建築の参考にもなるので、一度オンラインを体験してみるのをオススメする。

 それはそうと、すぐ近くに紫色の光の柱が見えていたので、「お、川の中に供給品クレートが……」と近付いたが、サバイバーレベルが足りず、ガックリ。まあ、さすがにまだレベル1から始まったところだし仕方ないか……と思った瞬間、背後からダメージ! 周囲に恐竜はいなかったはずだし、何だ……? と思って振り向くと……。

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ピ、ピラニアー!?

 こんな浅い川にもピラニアがいるのか……。ていうか、ほぼ陸まで上がってきていて驚愕。進化しすぎである。

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体の下のほうしか水に浸かっていない。新たなエラ呼吸を生み出したのだろうか……。

 さて、第5回までの記事でホームグラウンドと化したあの海岸は、オンラインだとどうなっているのだろうか……と、ちょっと気になったので行ってみることに。ピラニアが怖いので、水辺を避けて陸地を進んでいると、赤いオーラをまとった恐竜を発見。

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つ、つよそう……。

 これは「アルファ個体」と呼ばれるもので、通常の恐竜より遥かに強い。その分、倒したときの経験値やアイテムには期待できるようだが、よほど準備が整っていないとスゴい勢いで殺されるだけなので、遠巻きに見つつ、コソコソと立ち去ろう。

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あっ……。

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ただでさえ強いのに、レベル48かよ……。

 そんな見慣れた殺戮を経て、海岸沿いを歩いていると、プレイヤーが作ったらしき家のレベルも上がってきた。

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おおっ!

 ガラスだ! 文明だ! ガラス越しに振り注ぐ太陽の光が神々しい……。菜園らしきものも見えるので、温室として使われているのだろう。うーん、いいなぁ。

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チラッ……。

 こちらは、たまたま扉が開いていた大型拠点。危機意識から、大抵どこも扉が閉め切られているので、開けっ放しは珍しかった。

 ちょっとお邪魔しようかな……と思ったが、ここの住人と出くわして不審者と思われたらイヤなので、豪邸の前を通り過ぎる一般人の如く、中をチラチラと見ながら立ち去るのであった。

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……!?

 また少し進むと、変わった形の家が。土台が……ない? 不思議に思い、裏側に回ってみると……。

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なるほど……。

 土台は、ここ1つだけ。つまり、この程度の壁と屋根であれば、土台1つで支え切れているということだ。足元が見えているというのが新鮮で、なんだか海水浴場の更衣室みたいなのがイイ!

 地形的に、そろそろあの海岸の近くではないか……という辺りまでやって来たが、何やら巨大な壁で仕切られており、なかなか向こう側へ回れない。

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ぬう……。

 仕方なく大回りでガケの上へ行き、迂回。ずっと走っていたので喉が渇いてきてしまう。ぐぬぬ、ガケの下なら水が飲み放題なのに……と思っていると、何やら配管が。

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これは……?

 もしや、水を引いているのでは……と思い、たどっていくと……。

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あった!

 ほかのプレイヤーが作ったものなので、使えるのかな……と思いつつ近付いてみると、「△ 水を飲む」の表示が。無事にゴクゴクと飲むことができた。ありがとう、作った人!

 少し進むと、こんなものもあった。

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これは……。

 石の柵の土台……の、作りかけ。まだ作っている最中なのか、もうあきらめてしまったのかは分からないが、こうして見ると、ストーンサークルみたいでおもしろい。実際の遺跡も、こんな感じで何かを作ろうとしていた途中の痕跡なのかもしれない……。

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突然の箱!

 こちらは、浜辺に無造作に置かれていた収納ボックス。RPGの宝箱みたいだなオイ、と思って近付くと「暗証番号設定済み」の表示。オンラインだと、これを設定しておかないと、ほかのプレイヤーに中身を盗まれてしまうのだ。しかし、暗証番号を設定するほど大事な物を入れておくなら、こんなところに置いておくのもいかがなものか……と思いつつ、立ち去るのであった。

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これがホントの、ガケの上の……。

 見慣れた景色が近付いてきたが、ふと上を見ると、スゴい所に家が建っていた。せり出しているし、しかも恐竜の待機場所らしい。「なぜ、よりによって、そこに……」と思っていると、もうひとつ、驚きの物件が。

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これは大作。

 ガケの上と下を行き来できるように作られた大階段。正直これは「その手があったか!」と目からウロコだった。

 以前、材木集めのために走り回っていたとき、周囲の木を伐り尽くしてしまったので、ガケの上まで足をのばしていたことがあった。これが、坂になっている所を見つけて迂回して上がらなくてはいけなかったので、なかなかに面倒だったものだ。「こうすれば良かったんだ……」と感心するやら、「でも、これ作るほうが大変だよな……」と思うやらだったが、少なくとも、この辺りに住んでいる人は、これを作った人に感謝すると思う。グッジョブ、作った人!

 大階段を利用させてもらい、ガケの上に上がってウロウロしていると、ものすごく見覚えのある景色が眼下に広がった。

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こっ、ここは……!

 間違いなく、洞窟で迷子になりかかった、あそこである。ここから左手へ向かえば、我が愛しのホームグラウンドである浜辺に着くのだ。

 そしてガケを下りて、いよいよ「たしか、この辺りだったな、マイファーストハウスを作ったのは……」という場所までやって来ることができたが、そこには、トゲトゲの壁に囲まれた砦ができていた。

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まさに、最後の砦……。

 この向こう側に行きたいのだが、迂回しようにも、左手はガケ。うーむ、こうなったら右に回って海を泳いでいくしかないのか……? と思っていると……。

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おや……。

 壁の端っこに通用口を発見。なるほど、作った人も不便だもんな、これじゃ……と、くぐらせて頂く。くぐったところに看板があったので見てみると……。

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な、なるほど……。

「SORRY ALPHA GUARD WALL」。なるほど!

 先程、赤いオーラをまとった「アルファ個体」について説明したが、アイツらから拠点を守るための、やむを得ずの壁らしい。通用口の用意だけでなく、わざわざこんな注意書きを残しておいてくれるなんて……。ナイス気遣い。

 そんなこんなで長い旅路の末にホームグラウンドに戻って来た筆者は、記念に家を建てておくことに。

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デデーン!

 今回はちゃんと屋根を斜めにして、成長した感をアピール。先程のトゲトゲ砦とは距離が近いので、看板でも立てて「よろしく」とでも書いておくか……。

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よろし……く……っと。

 よろしく……哀愁、と入力して完了。若い人に通用しない気もするが、郷ひろみ10枚目のシングルだ。これ以外だと「よろしくメカドック」くらいしかないが、これはこれで若い人に通用しない。

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会えない時間が……愛育てるのさ……。

 いざ設置してみると、この字体がなんともいえない。哀愁がある。トゲトゲ砦の人にしてみれば「お隣に変な人来ちゃったなぁ」という感じかもしれないが、まあそのへんもオンラインの醍醐味ということで、勘弁して頂こう。

 今回はオンラインワールドに入ってみて、以前のホームグラウンド地点まで移動しただけなのだが、道中、予想以上にいろんなものが建っていたので、楽しめた。自分の拠点周辺にしても、日々、プレイヤーたちによって変化があるので、毎日ログインしていると、その変化も楽しみになりそうだ。

 なお、ログアウトしている間、そのプレイヤーの体は眠っていることになっており、ほかのプレイヤーからも確認ができるはずなのだが、皆、厳重にセキュリティを固めた場所で眠っているのか、ひとりも見かけることがなかった。筆者がログインしたのが明け方だったというのもあるだろう。まあ、そのへんで寝転がっていたら、ほかのプレイヤーどころか恐竜に殺されるしね……。

 ちなみに、×ボタンを長押しで出るメニューに「エモート」というのがあり、全10種の意思表示をすることができる。もしオンライン上で誰かとすれ違ったりしたら、「手を振る」「敬礼」「応援」などでコミュニケーションをとってみよう。

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三人称視点でないと、自分がどんな動きをしているか分かりづらい。三人称視点にするには、タッチパッドを長押しすると出てくるメニューで切り替えが可能だ。

 オフラインで誰にも邪魔されず、自分の好みの設定にいじってコツコツやるのもいいが、こっちはこっちで、おもしろハプニングが多発しそうな魅力がある。現在オフラインで遊んでいる人も、オンラインはオンラインで遊んでみてはいかがだろうか。

この記事の個別URL

『ARK: Survival Evolved(アーク:サバイバル エボルブド)』公式サイト

●GAME SPEC

タイトル:ARK: Survival Evolved(アーク:サバイバル エボルブド)
ハード:プレイステーション4
メーカー:スパイク・チュンソフト
発売日:2017年10月26日(木)発売予定
価格:6800円[税抜](7344円[税込])
ジャンル:オープンワールド恐竜サバイバルアクション
CERO:17歳以上対象
開発:Studio Wildcard

©2017 Studio Wildcard. ARK: Survival Evolved is a trademark of Studio Wildcard. Created and developed by Studio Wildcard, Snail Games, Efecto Studios, Instinct Games, and Virtual Basement..