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ソフトバンク金子雄喜氏を直撃。6月のサービス開始が決定し、利用料金やユーザーに向けた特典、今後の展開はどうなる?

正式サービスが6月より開始されることや月額料金が1800円となることが発表されたGeForce NOW Powered by SoftBank。その発表を受けて、ソフトバンクの新規事業推進部部長である金子雄喜氏にインタビューを実施した。
文・取材:山村智美

公開日時:2020-04-08 19:15:00

 “SoftBank 5G 新商品・新サービス発表会”にて、正式サービスが6月より開始されることや月額料金が1800円となることが発表されたGeForce NOW Powered by SoftBank(以下、GeForce NOW)。

 この発表を受けて、ソフトバンクの新規事業推進部部長である金子雄喜氏にインタビューを行った。現在も行われているベータテストやプレサービスでの感触、正式サービスでの取り組み、利用料金や特典について、詳しく答えてもらった。

※取材日2020年3月13日

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金子雄喜氏

ソフトバンク
コンシューマ事業統括
新規事業開発室
新規事業推進部 部長

ベータテストはスマホでプレイするユーザーも想定より多かった

――まずは、GeForce NOWのこれまでの取り組みについてお伺いします。ベータテストはどのような推移で進められたのか、おおまかな流れを改めて教えていただけますか。

金子 昨年(2019年)の9月19日にGeForce NOW Powered by SoftBankの発表を行って、12月17日からは1万人の参加者を対象にした1次ベータテストを開始しました。今年に入って2月からは2次ベータテストを行って、新たに参加者を3万人増やしましたので、合計4万人にベータテストをご招待したという流れですね。

 ただ、当然のことながら当選された人でもメールアドレスの間違いなどがあって届かなかったり、当選しているもののその後の登録やプレイはされないという人もいらっしゃいますので、4万人のうち6~7割の人に体験いただいたというところですね。

 そして、3月からはベータテストをそのまま延長して“無料プレサービス”を実施しています。ベータテスト参加者はそのままGeForce NOWを利用できますし、これまでテストに当選していなかった人にも順次追加の招待を送っています。

――Twitterの公式アカウントでも、7500名の追加招待を行ったというアナウンスを何度もされていますよね。あの追加枠はどういう判断で決められているのでしょう?

金子 クラウドサーバーの許容量がポイントになります。やはり快適にゲームをプレイしていただけないと意味がありませんので、サーバーの状況を見ながら問題ない範囲で増やしていますね。

 あと、これは改善点として認識していて、正式サービスに向けて刷新予定なのですが、最初のアカウント登録のユーザビリティがあまりよくないんです。その登録周りについてユーザー様からお問い合わせをいただくこともかなりありました。弊社のカスタマーサポートのバランスを見つつ、7500名ずつに区切って追加招待しています。

――なるほど、サポートのバランスも考慮しつつの案内になっているのですね。追加招待を含めて、現在のところ総計でどれぐらいのユーザーが参加しているのでしょう?

金子 招待を送った数で言うと、2月末までのベータテストと3月からの無料プレサービスを合わせて約7万人ですね。

――なるほど。現状のサーバー規模やサポート体制だと最大でどれぐらいの人数がサービスを利用できるのでしょうか?

金子 ベータテストでの利用率などからすると、いまの規模では10万人以上のユーザー様が安定して利用できるだろうと判断しています。ただ、これから有料サービスに入っていくと、ユーザー様の利用頻度がどう変わっていくかはまだ分からないので、今後も安定性を重視して安全に運営していきたいと考えています。

――やはり運用の軸にあるのは当然ながら、“安定してプレイしてもらえること”を第一にされているんですね。

金子 そうですね。遊んでくださったのに満足していただけないクオリティーになってはいけないですし、それだと意味がないと思えますので。そこを強く重視しています。

――ベータテストでのユーザーさんのアクティブ率や利用の傾向というのはいかがでしたか?

金子 やはり人それぞれにかなり違っていて、毎日のように利用されているアクティブ率の高いユーザーさんがかなりいらっしゃいますし、一定量使っていただけているという印象です。一方で、逆に1回だけ試しに使ってみたという方もいますね。PCに精通されている方で興味を持っていただいてお試しいただいたものの、とりあえず家にはゲーミングPCあるから困らないという方もいらっしゃるのだろうなと思います。ある程度、想定した通りですね。

 これはNVIDIAさんとも話したのですが、ユーザー様の傾向はピラミッド型だろうと想定しています。トップティアには家に最新のグラフィックボードを積んだゲーミングPCがある方がいらっしゃるでしょうし、そういう方々がこのGeForce NOWを体験すると、「すごい!」と思っていただけるものの、ご自身のゲーミングPCがあるので、やはりそちらでプレイされますよね。早い段階からベータテストに応募いただいたアーリーアダプターの方は、そういう傾向が強いだろうと思っています。

 やはりそういう方は、ご自身のPCでGeForce NOWと同等以上のグラフィックスで遊べますので、GeForce NOWはメリットが薄いとは思います。ただ、そういう方でも、外に出てスマホで試していただけると、「外でスマホでこれだけできるのはすごい!」と思っていただけたりしますし、そういう声もいただいてますね。

――なるほど。アーリーアダプターな人はそうなりますよね。

金子 一方で、PCはあるけどそこまでグラフィックボードなどに費やしていないという人がピラミッドのミドル層になるかと思うのですが、そうした方々から、「グラフィックスすごいね!」とか「ラグがない、しっかりプレイできる!」と言ってもらえているのだと思います。

――ベータテストですし基本的にはアーリーアダプター気質な人が多くはなりますよね。そこが正式サービスになってくると、メイン層も変わってきそうということですね?

金子 そうですね。そこでサポート体制を含めて、正式サービスに向けてはより体制を整えようという段階です。

――そこは難しいですよね。人それぞれですし。じつは私もPCゲームを長年遊んでいてゲーミングPCにお金を費やしているので、いまのお話のアーリーアダプター層だとは思うのですが、どんどんGeForce NOW利用率が高まっているんですよ。

金子 ありがとうございます(笑)。

――GeForce NOWはいまのところ、Windows PC、Mac、Androidスマートフォンでも利用できますが、ベータテストに接続しているデバイスの比率はどのようになっていますか?

金子 もちろんもっとも多いのはPCなのですが、スマートフォンもそれなりに多いですね。ベータテストはアーリーアダプター気質なヘビーユーザーが基本的に多いだろうというのもあって、PC環境にゲームパッド込みでプレイする人が多いだろう、スマートフォンで遊ぶにしてもゲームパッドを使う人が多いんだろうなと思っていたんです。

 でも、SNSなどの反応を見るとスマートフォンにバーチャルパッドでプレイしている写真がけっこうあったりして、「これでもぜんぜん遊べる」と言ってもらえていたり。想像していたよりもスマートフォン単体でバーチャルパッドで遊んでくれている人が多いなと感じましたね。

――それはけっこう意外に思えますね。物理的なコントローラーが必須という層の人が多そうに思えるのですが。

金子 私もそう思っていたのですが、試してみたら「意外といける」と思ってもらえているのかもしれません。私たちが想像しきれていない時代の変化があるのかもしれないですね。

――なるほど。GeForce NOWがPCゲームにこれまでなかったバーチャルパッド操作のムーブメントをもたらす可能性があるということですね。それはおもしろいですね。

金子 まだまだ未知数ですが、あるかもしれませんね。

――ベータテストで見えてきた課題というものはいかがでしょう。

金子 これは弊社だけではなかなか解決が難しいところでもあるのですが、快適にゲームプレイができるかは、当然ながらネットワークの安定度によるところが大きいですよね。たとえば、あるユーザー様が光回線のマンションタイプを使われていて、夜になるとそのマンション全体が遅くなってしまうなど、弊社ではどうしようもない問題があったりします。そういうところはもっとインフラが高まってほしいところですね。

――なるほど。ユーザーさん側の回線環境によるものも当然ありますし、そのあたりのサポートは大変そうなところですね。

金子 そうなんですよね。ですので、ユーザー様には自分の環境で試していただいてから有料サービスに入ってもらえるように、正式サービス後もまずは無料期間を設けることを決定しています。

――まずは試してもらってからということですね。

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利用料金はギリギリの価格で、ユーザーにはなにかしら特典をつけていきたい

――先日の“SoftBank 5G 新商品・新サービス発表会”にて、GeForce NOWの正式サービスも6月からと発表されましたが、これはやはりほかの5G LABの展開に合わせてスケジュールが進められているものなのでしょうか?

金子 そうですね。GeForce NOWは、ソフトバンクが5G時代に提供する5G LABのなかの“GAME SQUARE”のひとつという形になっています。ただ、結果的に6月に正式サービスということでほかの5Gサービスと足並みが揃いましたが、そこに引っぱられているわけではなくて、もともとベータテストでユーザー様の反応を見て、サーバーの増強などもしつつ満足なサービスが提供できる見込みがつくのは夏前ぐらいだろうと考えていたんです。そういう意味で6月に正式サービスインになったのはもともとのGeForce NOWのロードマップ通りでもありますね。

――なるほど。先ほどサーバーのキャパシティなどを考えると「10万人以上のユーザー様が安定して利用できる」ということでしたが、もし仮に、いま受付中の事前登録に15万人とか20万人ぐらいの応募があったら、一度受付を止めるということもあり得るのでしょうか?

金子 それは、どれぐらいの人数を受け付けて大丈夫なのか状況を見ながらということになりますね。状況によっては、少し利用開始を待っていただくこともあるかもしれないですが、基本的にはこれまでの推移を見る限りは大丈夫だと考えています。いずれにせよ、ユーザー様が快適にプレイできることを重視して受付することになりますね。

――“SoftBank 5G 新商品・新サービス発表会”ではGeForce NOWの正式サービスの利用料金が月額1800円と発表されました。この料金について反応などいかがですか?

金子 SNSの反応など見ているのですが、やはり「高い」という声がありますね。ただ、あの価格は利益が出るようなものではなく、ギリギリのところで出しているものなんです。

 一般的に、クラウドサービスとしてみたときに1800円は高いとなるのはわかります。一方で、高価なグラフィックボードを買ったり、それこそいちからゲーミングPCを用意するのに比べたら適正な価格なのではという感想もいただいていますので、月額料金への感想は人それぞれに差があるなというところです。

 まずは1800円の月額料金で提供しつつ、なにかしら特典を出していきたいなと考えています。すでに事前登録をしていただいたユーザー様には特典をつけることは決定していて告知していますが、いまはその内容を検討中です。そういったところも込みで料金をまた検討してみてもらいたいなというところですね。

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――GeForce NOWは海外でも提供されているので海外の利用料金と比べてしまうところもありますが、国ごとにネットワーク周りの提供会社が異なるわけで、それが日本だとソフトバンクさんがパートナーというわけですよね。各国それぞれに使われている回線のクオリティやインフラコストが異なっているでしょうから、価格の単純比較はできないのではと思うのですが。そういう認識であっているのでしょうか?

金子 NVIDIAさんが各国で組んでいるアライアンスパートナーごとに価格などが変わっていくので、おっしゃる通り海外での提供価格と単純比較はできないです。ただ、ユーザー様からすると「同じGeForce NOWなのに日本の料金はちょっと高い」と思ってしまうのはわかりますので、そこは真摯に受け止めて何らかできないかというのを検討していきたいと思っています。

――GeForce NOWは“NVIDIA RTX T10-8”というGPUが使われているんですよね。知られていない GPU なのでおそらく企業向けの GPU でしょうから比較ができないものの、ゲーム用のハイエンド GPUを買うのと月額1800円で使うのを考えると、高くはないとも思えるのですが。そういう風に理解をしてもらうのがポイントになりそうですね。

金子 そうですね、そういうところをより知ってもらうことも我々がすべき努力だろうと考えています。

 とは言え、ファーストインプレッションとしての月額1800円は高く感じるというのはわかりますので、サービスを広げていき、運営を継続できる価格と、ユーザー様の意見とを、バランスを取りつつやっていきたいというところですね。

――なるほど。サービス加入時には無料期間が設けられるんですよね?

金子 正式サービスは6月から開始していきますが7月末までは無料期間にいたします。

――ベータテストに参加できなかった人もまず試せるというのは嬉しいですね。先ほども少し話がありましたが、8月以降も無料の試用期間というのは設けるんですよね?

金子 はい、用意します。まだ試用期間は1週間なのか2週間なのか、それとも1ヵ月にするのかというのは決まっていないのですが、まずサービスをちゃんと利用できるか見てもらう期間は設けますので。

――料金に対するお得感という点では、たとえば、登録ユーザーさんにPCゲームを定期的にプレゼントするといったアプローチは考えられているでしょうか? それこそグラフィックボードにPCゲームがバンドルされるということもよくありますし、GeForce NOWは既存のPCゲームをプレイするというものですから、無料タイトルも数多くあるとはいえ、やはりPCゲームを別途購入する必要がありますので。

金子 どうなんでしょう。喜んでいただけるならやりたいなという気持ちはあるのでゼロではないですが。ユーザーさんの好みもそれぞれにあるでしょうから、悩ましいところですね。そのように特典をだしていくのがいいのか、そうした特典に費用をまわさずにわずかでも月額料金を下げたほうがいいのか、どちらがいいのかはまだ検討しているところですね。


※事前登録の特典についてはインタビュー後に発表があり、半年間半額(月額900円)でプレイできるとのアナウンスがあった。

[関連記事]クラウドゲーミングサービス“GeForce NOW Powered by SoftBank”が6月よりサービス開始。事前登録すれば半年間半額の月額900円に!

正式サービスではサーバーを増強!

――今後についてですが、ベータテストから正式サービスになることで何かサービス内容などに変化はあるのでしょうか?

金子 ベータテストでは東京にクラウドサーバーを設置していたのですが、正式サービスからは関西にも増やします。やはりユーザーさんとサーバーまでの物理的な距離によってレイテンシーに差が出るんですよね。九州や沖縄の人だと東京のサーバーに接続するのだとレイテンシーに影響が出ていましたが、関西のサーバーに繋ぐようになると改善されるかと思います。

――西日本に接続サーバーが増えるのは嬉しいですね。

金子 そのほかですと、基本的には大きく変わるところはないかと思います。ただ、今日お話させていただいたように初回の登録周りのUIやフローを見直して整えたりなどブラッシュアップを継続して行っていきますので細かなところは変わっていきますね。
 対応タイトルも週に10本といったペースで増えていっていますが、正式サービス以降も順次増やしていきます。

――対応タイトルを増やしていくための検証であったりゲームメーカーさんとの交渉というのは、どのように行われているのですか?

金子 そこはNVIDIAさんがおこなわれています。先日もバンダイナムコエンターテインメント様の『鉄拳7』、『エースコンバット 7 スカイズ・アンノウン』、『ソウルキャリバーVI』が対応タイトルになりましたが、そちらもNVIDIAさんとバンダイナムコエンターテインメント様とでお話しいただいて、対応入りいたしました。

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ソウルキャリバーVI』もGeForce NOW Powered by SoftBankに対応。

――なるほど。そうした交渉はいまも随時進められているわけですよね。

金子 随時おこなっていますね。もちろん日本ではNVIDIAさんだけでなくソフトバンクからも働きかけて、ゲームメーカーさんと何かしらをやっていくということができたらいいと考えていますので、オープンにフラットにお話していきたいですね。

――日本のGeForce NOWユーザーに向けたキャンペーンなど、そういった取り組みですね。利用料金のところでもお話ししましたが、そういったところを期待したいですね。

金子 なにかしらユーザー様に喜んでいただけるものを模索していきたいです。

――わかりました。現在は事前登録を受け付けていますが、事前登録者には特典もあるということですよね。こちら特典の内容は後日に発表されるということですが、どのようなものになりそうでしょうか。

金子 そちらも鋭意検討中です。発表自体は、事前登録受付の終わり間際とかではなく、もう少し早いタイミングでアナウンスしたいと考えていますので、期待してお待ちいただければと思います。
 7月末まで全ユーザー様の月額料金が無料ですし、まずはお気軽に事前登録をして特典も受け取ってください。


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