12月から国内でもクローズドβテストを開始する“GeForce NOW”。テスターの2次募集も

 ソフトバンクとNVIDIAの協業で提供される、NVIDIAのクラウドゲーミングサービス“GeForce NOW Powered by SoftBank”(以下、GeForce NOW)。2019年12月中旬からクローズドベータテストが開始される予定だが、それに先駆けて報道関係者向けの先行体験会が行われた。

 クラウドゲーミングサービスというと、やはりプレイの手触りに関わる遅延が気になるところ。そのあたりも含めて、体験してわかったことをお伝えしていこう。

 なお、体験会で撮影した“遅延の程度を確認できる動画”も掲載しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。

 体験会に先駆けて、ソフトバンクの新規事業推進部部長の金子雄喜氏より、改めて“GeForce NOW”の特徴、そしてクローズドβテストのスケジュールについて説明された。

 “GeForce NOW”のひとつ目の特徴は、“デバイスや場所に縛られずにPCゲームができる”というもの。

 これはもうクラウドゲーミングサービスの基本スタンスとも言えるものだが、GeForce NOWではPCゲームをスペックが足りないPCでプレイしたり、スマートフォンやタブレットでもプレイができる。

 具体的な必要動作環境としては、Windows PCは“Windows7 64bit以上”、Macは“10.10以上”、スマートフォンやタブレットは“Android5.0(L)以上でメモリを2GB以上搭載”しているものが対象と、かなり低め。

 マルチプレイにも対応していて、この日も『フォートナイト』や『Dead by Daylight』といったオンラインマルチプレイタイトルをGeForce NOWでプレイできた。

 ゲームのセーブデータはクラウド上に自動保存されるほか、いままで自分のPCなどでプレイしていたセーブデータを引き継いで使うことも可能となっている。

 PCでGeForce NOWを利用しているときには、グラフィックボード用ツールでPCゲーマーにはおなじみのNVIDIA Highlightsの機能が使用可能。プレイ映像を自動で記録してくれて、動画サイトへのアップロードもサポートされる。

 GeForce NOWのふたつ目の特徴は、“自分が購入したPCゲームを遊べる”というもの。

 SteamやEpic Games Storeなどの第三者のデジタルストアで購入したPCゲームがあれば、そのゲームをGeForce NOWを使ってクラウドストリーミング越しでもプレイすることができる。所有しているPCゲームをより快適に、場所に縛られずに遊ぶための方法がGeForce NOWとも言えるわけだ。

 GeForce NOWは、クラウド上にあるハイスペックなPCを借りて使うようなイメージのサービスになっていて、ユーザーはそのクラウド上の仮想PCに自分が所有しているPCゲームをインストールしてプレイする、というような流れになっている。

 対応タイトルとして、GeForce NOWの公式サイト等では現在15タイトルほどが紹介されているのだが、これは動作確認が取れているタイトルを掲載しているだけで、実際にプレイできるタイトルはその限りではないとのこと。GeForce NOWは北米・欧州では何年も前からβテストが行われているが、そちらでは500タイトル以上のPCゲームが動作している。

 「日本のβテストでもぜひ所有しているPCゲームをGeForce NOWで試してみてほしい」(金子氏)とのことだ。

 そんなGeForce NOWのクローズドβテストだが、最大1万人が参加できる第1次クローズドβテストは2019年11月30日で締め切り。当選発表が12月中旬までに行われ、12月17日から2020年2月末までテストを実施するとのことだ。

 また、それに少し遅れて、最大3万人が参加できる第2次募集も行われる。第2次募集は12月2日から2020年1月中旬まで受付けて、2月上旬からクローズドβテストに合流できるという流れになる。

操作レスポンスは『SEKIRO』などのアクションジャンルをそれほど不満なくプレイできるほどに良好。やはり安定した回線が大事

 それでは実際に体験プレイしてみた感触をお伝えしよう。

 会場にはWindows PC、MAC、Androidの端末が用意されていて、プレイできるタイトルは台によって異なってはいたが、

 この中から、まずは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をプレイしてみた。

GeForce NOWアプリはこのような画面。ここからタイトルを起動する。

 GeForce NOWのアプリケーションからゲームを選択して起動すると、読み込みの表示が出た後に画面が切り換わる。そこでは、Steamでゲームを起動したときのダイアログが表示されていく。

 これは目の前のPCでSteamが動いているのではなく、すでにクラウド上のPC画面になっていて、“クラウド上のPCでSteamが立ち上がり『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を起動している画面”をストリーミング映像で見ているという状態とのこと。なかなか難解だが、GeForce NOWはストレートにPCゲームを動かしてクラウド越しに伝えているというわけだ。また、Epic Games StoreのタイトルならEpic Launcherが同様にクラウド先で動いてゲームを起動していくことになる。

 こうした処理がありつつおよそ15秒ほどで『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』が起動した。用意されていたゲームパッドでプレイしてみる。まずは操作確認がてら操作に対するレスポンス、つまり遅延がどれぐらいあるかを確認していったのだが、レスポンスは良好で問題なくプレイできると思えるものだった。

 『SEKIRO』をプレイするのは久しぶりで敵の配置を忘れていて、不意に襲われてしまったという場面もあったのだが、そんなときにもとっさの弾きがちゃんと間に合う。それぐらい反射的な操作もちゃんと成立するぐらいになっていた。

 百聞は一見にしかずということで、体験会で撮影した操作と画面のレスポンスを収めた動画を下に掲載するので、そちらをご覧いただきたい。

撮影機材の都合でゲーム画面に黒い線が入っていますが、実際の画面はこのような見え方ではありません。ご了承ください。

 プレイしていると、瞬間的に映像がカクついたのを感じたりはたまにするのだが、逆に、そういうときにストリーミング映像越しのプレイであることを思い出すぐらいで、とても良好だった。さすがに実機と変わらないとは言えないものの、シビアなアクションジャンルでも問題を感じずにプレイできる。そういう水準になっていた。

左上にステータスを表示しているのだが、23Mbps出ていてくっきりキレイな映像が出ている。これぐらいの通信速度なら快適にプレイできる。

 ただし、この体験会に限定した話ではあるのだが、ときおり回線が不安定になってビットレートが低下して画面表示が乱れるときもあった。というのも、この会場には光回線が引かれているものの、10人以上が同時に数10Mbpsの帯域を使ってクラウドゲーミングをプレイしまくっていたので、さすがに1台あたりの帯域が不安定になってしまったのだ。

 また、この日のGeForce NOWの接続先は研究開発を行っていた九州の拠点だったそうだが、その東京-九州間のインターネット網にも何らかの障害が発生していたものと思われる。そんなわけで体験会のコンディションとしてはかなり運が悪い状況だったようだ。ちなみにクローズドβテストでは接続先は東京のサーバーになるそうだ。

 というわけで回線の乱れによる影響が出ていたのだが、これは逆に“回線が不安定になったとき、GeForce NOWはどのような挙動になるのか?”を知れるチャンスとも言える。

 そういう目線で様子を見てみると、だいたい15~20Mbpsで通信しているときにはフルHD、60fps前後が安定して出ていたが、10Mbpsを下回ってくると画面右に黄色いアンテナマークが出現。グラフィックスの質が落ち、ブロックノイズがかなり出てくる。さらに5Mbpsを下回ってくるとアンテナマークが赤くなり、速い動きの画面がモザイク状になっていった。安定してプレイするには15Mbps以上は欲しいところだ。

 ただ、映像が可変式に乱れていっても接続が切れたり落ちてしまうことはなかったし、操作のレスポンスもつねに安定していた。これについてNVIDIAのマネージャーである鈴木悠里氏にその場で質問してみたところ、「基本設計として、回線が不安定になっても、ゲームプレイが継続できるようにすることが重視されています」とのこと。不安定になったときでもゲームプレイを途切れさせないよう操作レスポンスを保持して、回線が安定するのを待てるようにしているというわけだ。

こちらは会場の回線が不安定になって2Mbpsほどまで通信が落ちているところ。解像感がかなり下がったし、動くとブロックノイズがかなり出る。だがそれでも操作レスポンスは変わらず良好だった。

 GeForce NOWアプリのオプションを見てみると、ストリーミング品質の項目が“バランス”、“データセーバー”、“コンペティティブ”、“カスタム”と4種類あった。

 “バランス”はビットレートは自動で解像度は1920×1080、フレームレートは60fps。

 “データセーバー”は名前のとおりデータ量を抑えた設定で、ビットレートは12Mbpsで解像度は1280×720、フレームレートは60fps。

 “コンペティティブ”はフレームレート重視の設定で、ビットレートは自動で解像度は1280×720だが、フレームレートは120fpsとなる。

 “カスタム”はすべて手動で設定でき、ビットレートを最大で50Mbpsにすることもできた。

 ちなみに、GeForce NOWアプリにゲームを追加するのは、アプリ上部にある検索バーから行える。そちらに文字列を入れると、ゲームタイトルの候補がずらりと表示されていく。所有しているゲームをここから登録していけばいいというわけだ。そうすることでGeForce NOWが所有しているPCゲームのクラウドライブラリ的なものになっていく。

GeForce NOWアプリでゲームを検索すると候補のゲームタイトルがずらっと表示される。基本的にはどのPCゲームも動作はするはずということだ。

 クラウドゲーミングサービスのGeForce NOW Powered by SoftBankを体験プレイしてみたが、操作レスポンスはアクションゲームでも十分に許容範囲のものだし、回線状況を考慮してのオプションもしっかり整えられていて、長く海外でβテストを行っているNVIDIAの積み重ねと技術を感じられるものになっていた。

 所有しているPCゲームをそのまま使って、よりいろんなシチュエーションやデバイスでプレイできるようになるという魅力はやはり大きい。PCゲームに興味はあるもののゲームをプレイできるスペックのPCがないという人が、まずはGeForce NOWからPCゲームに触れていくのもありだろう。

 興味を持った人はぜひ、クローズドβテストに応募してもらいたい。

Android端末とBluetoothコントローラ-の組み合わせでもPCゲームをプレイできる。LGデュアルスクリーンでは、写真のようにコントローラーのUIを手前の画面に操作することも可能だ。