
銃で戦うソウルライク。ヘッドショットがすべてを解決しない戦略性に満ちたタイトル
パリィのタイミングは、しっかりと明示される。敵が武器を構えると、こちらに向いた銃口がチカッと光り、カチャリという装填音が響く。これが合図だ。パリィを発動すると、なにやら頑強そうな腕が攻撃を弾き、敵の体勢が崩れると同時にわずかなスローモーションが発生。反撃の糸口が作られる。


コーデックスを手に持ったまま敵と対峙すれば、該当のページが開き、敵の情報が書き込まれる。剣呑な敵を目の前にして本をめくる。物騒な世界でなんとも間の抜けた光景だが、この一見のんきなギミックこそが、本作の探索と戦闘を結ぶ要になっている。

この仕組みが真価を発揮するのがボス戦だ。苛烈な攻撃を必死にかわし、パリィの機を窺い、コーデックスに従って順番に部位を撃ち抜き、弱点を露出させる。そこまでして下準備を整えてからの弱点攻撃は、通常攻撃とは比にならないほどのダメージを叩き出せるため、その快感はひとしお。凄まじいカタルシスが得られるようになっている。パリィ、敵の調査、順序立てた攻撃。本作の戦闘は、この3つの歯車が噛み合って完成する、じつに練り込まれた設計なのである。
一人称視点だからこその緊張感
三人称視点であれば、自キャラを中心に周囲の状況も冷静に見渡しながら、敵の攻撃をさばくことができる。ところが一人称視点ではそうはいかない。
視界は自分の目線ひとつ分しかなく、背後から迫る敵に気付きにくいのだ。加えて本作には銃で遠距離から攻撃してくる敵も登場する。つまり、正面の敵と向き合っているあいだも、どこから撃たれるか分からない。戦闘中だろうが移動中だろうが、つねにビビリながら歩くことになる。


敵の倒しかたを理解するまでは、何度もゲームオーバーになることもあるだろう。しかしソウルライクではおなじみの“死んで覚える”経験をくり返していけば、確実にプレイヤースキルは成長する。またコーデックスを読んで弱点を知る“読んで覚える”という成長も、ここに重なる。本作は経験と知識、2段階の成長を積み重ねることで、プレイヤーとしての強さを確かなものにしていくゲームと言えるだろう。難しいが、投げ出させない絶妙なバランスがそこにはあった。
いつ、どこでリロードするかも重要な戦略に
今回の試遊で使用できたのは、6発装弾のリボルバーと威力が高く遠距離も狙える単発ライフル。
リボルバーはリロードの際に、弾を1発ずつ丁寧に排莢し、1発ずつ弾込めをし直す仕様。またライフルも1発撃つごとに排莢と再装填をしていくことになる。

つまり、いつ、どこでリロードをするかもめちゃくちゃ重要な判断になるのだ。対戦FPSを遊んでいる人の中には「ちょっと撃ったらすぐリロード」という癖がついていることも多いと思うが、それを本作でしてしまうと逆にきつくなる。残弾で敵を倒せるか、どこでリロードを挟むか。本作ではリロードすらも戦略に入ってくるのだ。
ライフルも同様だが、こちらはリボルバーとは用途が異なるように感じる。ライフルは遠距離を攻撃でき、その一発の威力は破格。そのため長距離の敵を射抜いたり、敵の弱点が露出してから、キメの一撃として使用することになりそうだ。常用する銃として使い回すには不便だが、知識と適切なタイミングが強い快感を生む一撃をもたらしてくれる。バランスを考えて設計されているのを感じた。

死んで覚え、読んで覚える。人を選ぶが、刺さる人には深く刺さる
正直に言えば、本作は人を選ぶ作品だと思う。ベースはFPSだが、気軽に流し撃ちで進めるタイプのゲームではなく、トリガーハッピーなプレイができるわけでもない。ステルス性が求められるFPSとも異なり、気付かれないようにサクサクと敵を倒していくことも不可能。いや、熟達した腕前になったらできるのか……?
ともかく、このゲームの核にあるものは、敵をよく観察し、覚え、冷静に実行する、まさしくソウルライクなのだ。そこに正確に弱点を射抜くエイムも求められる仕様。合わない人にとっては、ストレスに感じる場面もあるだろう。
しかし、その分だけ、乗り越えた先にある達成感は本物。肌に合えば、夢中になって遊べる。実際筆者も、本作をちょっと試遊させてもらい、なかなかうまく立ち回れなかったが、いまこうして原稿を書いていて、リベンジしたくなってきた。製品版の発売が待ち遠しい。ひと筋縄ではいかない敵を、知識と腕と冷静さで打ち破ったときの快感を味わいたい人にとって、『ガンズ・オブ・エスカトン』は間違いなく刺さる一本になるはずだ。
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