『AVA』を愛知県尾張旭市の市長にアピール(前編)

公開日時:2014-03-07 00:00:00

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▲尾張旭市のご当地キャラ・あさぴー。かわいい。

 オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、AVA)の実力派クラン・DeToNatorとGalacticのマネージャーを務めるMaxJamさんが、愛知県尾張旭市の市長に挨拶に行くという。

 MaxJamさんは尾張旭市で自営業を営んでいる。まぁ、大人ならそういう機会もあるだろう。

MaxJamさん「ユースケさんも来ませんか?」

 と聞かれ、

ユースケ「そうですね。行きます」

 条件反射的に了承してしまった。冷静になって考えると、なぜ僕が?

★僕が呼ばれた理由

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▲あまり取材したことのないタイプの状況。

 話を整理しよう。

 MaxJamさんはクランを率いて世界大会での優勝を目指しているほか、尾張旭市の市民祭に『AVA』体験コーナーを出展するなど、地道な普及活動も行っている。

 尾張旭市には文化の振興に力を入れる“文化スポーツ課”というセクションがある。『AVA』のように競技性の高いゲームは“e-Sports”と呼ばれており、広い意味ではスポーツの一種だ。

 『AVA』の普及もスポーツ振興につながる。そういう流れで、文化スポーツ課を通して市長に時間を割いていただけることになった。

 要はスポーツ選手による表敬訪問の『AVA』版だ。表敬訪問にはマスコミの取材がつきもの。それで僕にお声がかかったというわけである。

 マスコミ代表として、がんばります。

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▲基本的にはついて行くだけなんですけどね。

★食レポ記事になる危険性は回避してほしい

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▲名古屋着。

 新幹線で名古屋駅に到着。

 MaxJamさんに電話をすると「桜通口まで来てください。うちの若いやつに迎えに行かせますから」と言われた。“若いやつ”なんて表現、仁侠映画以外で初めて聞いた気がする。

 今回の訪問にはDeToNatorのDarkよっぴー選手とGalacticのSyaNha1選手も同行。ふたりとも、それぞれのクランのリーダーだ。

 迎えに来てくれたDarkよっぴー選手と合流し、MaxJamさんの車まで案内してもらう。MaxJamさんはスーツ姿だった。

 尾張旭市役所まではMaxJamさんの車で移動することに。

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▲ドキュメンタリー番組みたいな構図。こういうインタビュー、あるよね。

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▲後部座席にはDarkよっぴー選手。車が苦手なSyaNha1選手はひとり電車で移動中。

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▲僕は助手席。

 MaxJamさんたちは何をしに行くのか。報告である。『AVA』とはこういうゲームで、私たちはこういう活動をしていますと、市長に知ってもらうために行くのだ。

 彼らはひとつのスポーツとして『AVA』に真剣に取り組んでいるし、僕もそれは理解している。だが、多くの人にとってゲームはただの遊びだ。

 それは、知らないからだ。ゲームがコミュニティーの活性化やプレイヤーの人間的な成長にひと役買っていることを知らないからだ。

 それなら知ってもらえばいい。だから説明しよう。ものすごくシンプルな発想である。その相手にいきなり市長を選ぶMaxJamさんもすごいが、それに応じる市長の懐の広さにも驚かされる。

 自治体の長にゲームの魅力を理解してもらえれば、こんなに心強いことはない。今回の表敬訪問がきっかけで、ゲームを真剣にプレイすることへの理解が広がるかもしれない。

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▲市役所前でSyaNha1選手とも合流。

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▲少し時間があったのでMaxJamさん行きつけの洋食屋さんでお昼ごはん。

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▲食べながら「話が盛り上がらなかったら愛知のグルメレポート記事になるかもしれないからがんばって」と、選手ふたりにプレッシャーをかける。

★市長とご対面

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▲やるぞ!

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▲選手ふたりはユニフォームに着替え、いざ市長の待つ市役所へ。

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▲失礼します。

 市役所に入ると、きれいな市長公室(公務を行う応接室みたいな部屋)に通された。

 msiさんのノートPC、DeToNatorマウスパッド、Alliance of Valiant Arms 5th Anniversary 公式ファンブック(弊社で作った本です)、代々の大会優勝者に贈られるトロフィーをテーブルに置いて市長を待つ。

 僕は万が一のことを想定してナポリタンの食レポ記事構成を考えながらカメラを準備した。

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▲デミグラスソースを使うことでケチャップの酸味を抑え、深みのある味わいを実現している。

 そしてついに市長の水野義則さんがやってきた。表敬訪問スタート。

 MaxJamさんは大人だ。緊張するそぶりを見せることなく、プレゼンを進めていく。さっすがー。

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▲右が尾張旭市長の水野義則さん。まだお若い。

 一方のDarkよっぴー選手とSyaNha1選手は、やや緊張の面持ち。今後、きみたちはこういう現場を体験していくことになるのだから、いまのうちに慣れておいたほうがいいぞ。

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▲真剣。

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▲予防接種前の子犬みたいな表情で話を聞くSyaNha1選手。

 何はともあれ、まずは『AVA』と自分たちの説明だ。ひと口に“ゲームはスポーツなんです”、“ゲーム大会で優勝しました”なんて言っても、なかなかイメージが湧かないだろう。

 なので、2013年12月28日に開催されたオフライン大会“AVAれ祭2013-後楽園の陣-”の映像を見てもらう。『AVA』の大会はテレビで放送される格闘技の大会のように、ショー要素の強い作りになっている。まずはその規模感を味わってほしい。

MaxJam「私たちが優勝したこの大会は後楽園ホールで開催されました。来場者は約1200人。チケットは有料なんですけど、数分で完売したんです」

市長「ゲームをやるためじゃなくて、見学で、ですか?」

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▲「世界を目指して活動してます」

MaxJam「そうなんです。女性や子ども連れの方もいらっしゃいますよ。大会の様子はネットで配信されて、日本だけでも5~6万人が見ています。『AVA』は世界的にサービスされていて、海外からアクセスできる配信サイトだと20万人くらいが見ることもあります」

市長「世界ですか・・・」

MaxJam「私たちは『AVA』のなかでは世界にいちばん近いチームだという自負があります」

 市長は少し驚いた様子だった。自分たちが思い描くゲーム大会とは違う。そう感じていただけただろうか。

MaxJam「プレイヤーの熱気はすごいんですけど、まだまだゲーマー層以外には馴染みが薄いんです。そこで、いろいろな企業様にも応援していただいて、ゲームを通して人が育つということを広めたいと考えています」

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▲商談の場ではないです。

 DeToNatorやGalacticのメンバーは20代前半までの若者が中心だ。『AVA』に限らず、ゲームのプレイヤーには社会を知らない若い子も多い。

 MaxJamさんはメンバーの人間性や将来も考えて活動している。大会で優勝すれば注目され、メディアの取材を受けることだってある。なので、言葉遣いが悪ければ叱るし、立ち居振る舞いには気をつけるように指導もする。

 要は、“マスコミの取材を受けるアスリートが不真面目だとかっこ悪いでしょ。だからちゃんとしなさい”ということである。チームマネージャーというよりお父さんだ。

 世間の人の多くは、注目される選手をその競技の代表者として見る。彼らが人前に立つことにより、“ゲーマーは人間的にしっかりしている”という印象を与えられれば万々歳だ。

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▲MaxJam「2年くらい前から市民祭で『AVA』コーナーを出展させていただいてまして、やっぱりお子さんには人気ですね」

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▲お子さん、みっちり。

MaxJam「今回は、私が尾張旭市に住んでいるということもあって、この場を設けていただきました」

市長「みなさんは違うんですか?」

MaxJam「ふたりとも関東住まいです。そちらの記者さん(僕)も」

市長「えっ、そうなんですか?」

MaxJam「名古屋近辺に住んでいるメンバーもいるんですけど、やっぱりまずはリーダーが挨拶をしたほうがいいと思いまして」

 この場を設けていただいたことに感謝しています。だから、大人として筋を通します。

 いいよいいよ! 熱意が伝わってるよ!

 僕はセコンドみたいな気持ちでシャッターを切った。

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▲MaxJam「これはサービス開始5周年を記念して発売された本で、このふたりも戦いかたについて監修をさせてもらってます」。いいよいいよ! うちの本をどんどん宣伝していこう!

 前編はここまで。

 後ほど公開する後編ではDarkよっぴー選手の強さの秘密が明らかに。

 あと、うまそうな写真も掲載するのでお楽しみに。

後編はこちら。

『Alliance of Valiant Arms』公式サイト

DeToNator公式サイト

Galactic公式サイト

愛知県尾張旭市公式サイト

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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