「将棋のプロ棋士を取材したい」e-Sportsトークショー“Gのから騒ぎ”に出演【TGS2015】

公開日時:2015-09-24 16:00:00

 東京ゲームショウ2015が閉幕した。来場者数は歴代2位。盛り上がったようで何よりである。

 今年は取材をしつつ、3本のステージイベントにお呼ばれした。大きな舞台に立つことはあまりないので、貴重な経験ができておもしろかった。

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▲ちゃぶ台を囲んでサイコロトーク。

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▲記事の下のほうにコンパニオンさんの写真も載せてます。

★★★僕がe-Sportsを語ってもいいのだろうか★★★

 ひとつ目はLogicool Gブースでの“Gのから騒ぎ”。e-Sportsに関わる6分野の人を招いたトークセッションで、僕はメディア枠で登壇した。

 わりと気軽に依頼を受けたものの、ひとつ困ったことがあった。僕には「このままの勢いでe-Sportsを盛り上げていくぞ!」みたいな強い意思はないのだ。

 世界規模のe-Sportsタイトル『League of Legends』で日本チームが国際大会に参戦したり、一見すると、日本のe-Sports事情は成功の道を歩んでいる。だが、いまの盛り上がりは一部のコア層に依存しているように感じている。僕らメディアに必要なのは、裾野を広げる努力だと思うのだ。

 すでに一定の興味を持っているライトユーザーをミドル層以上に引き上げる努力も重要だが、僕が見据えたいのはもう少し手前。興味のない人をファンに引き上げる努力だ。そうやってファンを増やしていかないと、先細りになると危惧している。先細りになると僕の仕事が減る。それは困る。

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▲僕(左)以外にNumber Webさん(中)とGame*Sparkさん(右)が登壇。

 僕はできれば競技性ゲームに無関心な人の興味を引きたい。ひとつ目のトークテーマ「いま一番取材したい人」では、僕は「将棋や囲碁のプロ棋士」と回答した。

 “スポーツ”という語感が先行すると、野球やサッカーなどの“フィジカルスポーツ”と比較されがちだ。「ゲームは野球やサッカーみたいなもの」という主張には反発する人もいるだろう。肉体的な強さを崇高なものと考える人の気持ちも分かるし、そこに真正面からぶつかる必要はないと思う。

 ならば、「ゲームは将棋を始めとする“マインド(頭脳)スポーツ”に近い」とするのはどうだろう。「ゲームを将棋と一緒にするな」と言う人もいそうだが、将棋だって一種の盤上ゲームだ。フィジカルスポーツよりはデジタルゲームに近いと認識してもらえるのではないかと思う。

 それに、歴史の長い勝負の世界に身を置く人たちにデジタルゲームの現状を説明したらどういう感想を抱くか、単純に興味がある。

 プロ棋士は社会的地位を得ているだけでなく、何だか“雲の上の存在”みたいなイメージもある。もしプロ棋士の方々が競技性ゲームの現状に興味を持ってくれたら、それだけでゲームのイメージアップにつながると思うのだ。

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▲大会を増やすとか選手の魅力を押すとか、直球なやりかたも大事だけど、たまには変化球もからめたほうがいいだろう。

 トークテーマはサイコロで決めたのだけど、“e-Sportsの可能性”の目が出たら、「だめっすね」と言うつもりだった。もちろん、完全にだめと思っているわけではなく、「いまのままでは」という前置きがつく。

 コアにいる人たちがコアに向けて施策を打つと、すごく盛り上がっているように錯覚してしまう。それは危険だ。

 盛り上がりの外にいる人たちを、どうやって内側に誘うか。手を変え品を変え、ときには真正面から、ときには裏側から、いろいろな見せかたを提案していきたいので、よろしくお願いします。

 ウォーゲーミングさんのステージにも出演した。そのときの模様は別の記事にまとめる予定です。

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▲ウォーゲーミングさんのステージはすごくでかかった。

 真面目なことを語ってしまい、恥ずかしい。ひとり語りだけを読んでもらうのは悪いので、コンパニオンさんたちの華やかな写真をどうぞ。

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e-sportsトークセッション“Gのから騒ぎ”
※配信ページはこちら
4:30:00頃から出てます。

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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