人狼系のデジタルゲームと言えば『Among Us』や『Goose Goose Duck』、『Feign』など、多人数で遊べるタイプが人気。しかし、人狼系ゲームとして忘れてはいけない作品のひとつが『グノーシア』です。
ファミ通.comでも、何度となくレビュー記事などで取り上げてきた名作。もともとPS Vita、Nintendo Switch、Steamなどのプラットフォームで展開されていましたが、2023年12月14日にプレイステーション5、プレイステーション4、 Xbox Series X|S、Xbox One、Microsoft Store版が発売されました。
新たなプラットフォームでの発売を記念し、初見ライターによるレビューをお届けします。
※本稿はPLAYISM提供によりお届けしています。
※本稿の画像はすべてSteam版のゲーム画面を撮影したもの。
数年前から気になってはいた『グノーシア』を始めたら数時間ぶっ続けでプレイしていた
2019年に『グノーシア』が発売されてから約4年半。筆者は「ちょっと気になってるんだよな、『グノーシア』」と、ネタバレを避けながらいつか遊ぼうと過ごしてきたので、今回が初見プレイです。
舞台はとある宇宙船。乗組員の中に人間を襲う“グノーシア”が紛れ込んでしまったので、みんなで議論をしてグノーシアを特定、追放しよう! というのが基本的な流れ。このあたりは人狼ゲームと同じルールなので、役職なども含めて、人狼ゲームを遊んだことのある人はすぐに入り込めると思います。
1ゲーム10分程度で終了しますが、なんとこのゲーム……ループします。しかもループすることに気づいているのは主人公と、セツというキャラクターだけ。毎回乗組員や役職も変わるので、“前回の推理”を持ち込んでしまうと大変なことになります。
おもしろいのは、ランダムなのはゲーム性だけじゃない、という部分。ループの合間にランダムイベントが発生し、SF小説のような味わい深いストーリーも組み込まれているのです。
陣営が負けてしまえば悔しくてすぐ再走してしまいますし、勝ってもイベントを回収したくてまた別の陣営、役職でプレイを始めてしまう……。気づいたら数時間は経っていました。1周10分のゲーム、軽く30周くらいしてました。そのくらい手軽で、かつ飽きないゲームシステムなんですよね。
相手の嘘がわかるってなんかかっこいいじゃないですか
本作をプレイするにあたり、最初に主人公の設定を決められます。名前や性別、アイコンなどを選んだら、ステータスを割り振ります。
- カリスマ:みんなが自分と同じ行動を取りやすい
- 直感:相手の嘘がわかる
- ロジック:相手を論理的に説得しやすい
- かわいげ:投票でコールドスリープに選ばれにくい
- 演技力:嘘が見破られにくくなる
- ステルス:グノーシアから標的にされにくい
本作では人間側の陣営、グノーシア陣営、そのどちらでもない第3陣営などが存在。それぞれの陣営、役割で必要となるステータスも変わってきます。
たとえば人間陣営だったら直感やステルスが大事です。逆にグノーシア陣営なら相手を言いくるめるためにカリスマやロジック、演技力が必要になってきますし、生存が勝利条件となる“バグ”はかわいげ、ステルスを伸ばす必要があります。
筆者は相手の嘘をわかりやすくするため、直感をゴリゴリに伸ばしました。だってほら、かっこいいじゃないですか。「あなた、いま嘘をつきましたね。私にはわかるんですよ」とか言ってみたいじゃないですか。
相手の嘘がわかったときは最高に気持ちがいい。しかし、嘘を見破ったからといって、追放に繋がるとは限りません。カリスマやロジック、かわいげのステータスがないと「逆に怪しい」と追放されてしまうこともしばしば。
「こいつ嘘ついてます! グノーシア確定です!」、「ではその根拠は?」、「え、いや、勘……ですけど……」の流れを何度見たことか。直感のステータスはグノーシア陣営にはほぼいらないので、その効能も一長一短です。
ステータスを伸ばしていくと、議論を少し有利に進められるコマンドを取得することがあります。
たとえば直感のステータスを上げていくと、人間かどうか宣言してもらうコマンドが追加。そのコマンドで確定に至ることは少ないですが、ちょっと怪しいかも……くらいまでグノーシア候補を絞ることもできます。
また、NPCにはそれぞれ得意なステータスが存在。性格や役職についたときの傾向もそれぞれ違うので、ループを重ねていくごとに見極めやすくなるでしょう。
ときには、特定のNPCと共同戦線を張ることもできます。俺はお前を信用するから、お前も俺を信用しろ的なやつですね。
筆者は、とあるループでシロイルカのオトメちゃんと信頼関係を築きました。ひとり、ふたりと人間が減っていき、あと何人グノーシアが残っているのか、その恐怖と戦いながらオトメちゃんと朝を迎え……。
オトメちゃん……この回グノーシアでした……。でもかわいいんだよな……。
こんな風に、共同戦線を張ることが自分の首を絞めることにも繋がります。直感で相手を信じてもいいですし、一匹狼で突き進むのも手でしょう。
ラキオ、君はどうしていつも追放されてしまうんだい
ラキオというNPCがいるんですけれども、この子、つねに言動がアレ(第3陣営ムーヴ)なせいで、たいてい1日目にコールドスリープ行きにされちゃうんですよね。
本当に、とんでもなく高確率で1日目、2日目にコールドスリープ行きか、グノーシアに消されてしまうんですよ。実際にラキオがグノーシアだった回もたくさんあるんですけど、もちろん潔白なときもあるわけで。なんとかして生存させてやれないか、考えてみることにしました。
ふたりでグノーシアになってみる
自分が人間陣営だとラキオも疑わないといけないので、いっそふたりでグノーシアをやってみることに。
けっこういいアイデアだと思っていたんですが、よくよく考えれば、私の相方はすぐ疑われるヤツだった……。結局、怪しい発言をくり返し、初期にコールドスリープ行き。ひとりになって機動力の落ちた私は、人間陣営に負けてしまいました。
ふたりで留守番組になってみる
“留守番”は、白確定(人間陣営)の役職。グノーシアは宇宙船の外に行ったら感染するので、宇宙船から出ていないと証明できれば人間確定なわけです。
つぎは、その留守番をラキオとふたりでやってみました。この役職は人間陣営に無条件で信用されるので、どんなに疑われやすいラキオでも大丈夫なはず……!
結果は……グノーシアに消されてダメでした。留守番は白確なぶん、今度はグノーシアに狙われやすくなってしまうんですよね。
みなさんの世界のラキオはどんな感じの生存率なんでしょうか。ちょっと気になります。
絶賛されていた理由が4年越しにわかってスッキリ
めちゃくちゃおもしろいです、『グノーシア』。
役職やNPCがランダムだから何度やっても新鮮だし、ループしているけれど1本道の重厚なストーリーがある、NPCもみんな個性的でいい。
1ゲーム10分くらいだけど、すごい濃密なんですよ。かなり頭を使うからでしょうか。「AくんとBくんとCくんがいます。3人のうちひとりは善人、ひとりは悪人、そしてもうひとりは嘘つきです。つぎの会話を見て嘘つきは誰か答えなさい」みたいな問題を延々と解いてるような……。論理パラドクスの問題集に近いのかも。
プレイしたことがない人はぜひ、この機会にやってみてほしいです。たぶん既プレイヤーは感想を待っているんじゃないでしょうか。とりあえず、私はプレイ済みの友人にラキオの生存率について聞いてこようと思います。
『グノーシア』
- 対応プラットフォーム:プラットフォーム5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、Microsoft Store
- 発売元:PLAYISM
- 開発元:プチデポット
- 発売日:2023年12月14日発売
- 価格:パッケージ版/5280円[税込]、ダウンロード版/2750円[税込]、オフィシャルストア特典付き豪華版/9900円[税込]
- ジャンル:アドベンチャー
- 対象年齢:CERO 12歳以上対象
- 備考:PS Vita版、Nintendo Switch版、Steam版は発売中