『ソニック』最新作が早くもセール開始!
2022年は“ソニック”イヤーだった。
映画2作目となる『ソニック・ザ・ムービー ソニックVSナックルズ』が公開されて世界興行収入は驚愕の4億ドル(約540億円)を突破。アメリカでのゲーム原作映画史上最高額の記録を叩き出した。
11月8日には『ソニック』では5年ぶりとなる最新作『ソニックフロンティア』がついに発売。そう、新作が発売されたのはつい先月のことなのだ。発売前、僕は本作を試遊し「これは俺のゲーム・オブ・ザ・イヤーになるかもしれないなあ!」と感じた。その予感は当たっていた。
『ソニックフロンティア』は “俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022”だ。
“俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー”。これは僕の中でもっとも栄誉あるゲームアワードなのだ……なのだといってもなんなのだ、という感じだけど、ほら最近あるじゃない“俺のフレンチ”とか“俺のイタリアン”とかってお店が。この記事はああいうちょっと気軽な雰囲気で読んでほしい記事なのだ。それでいいのだ。
さて、その『ソニックフロンティア』、大盛況を受けて年末年始の割引セールが始まった。
年の瀬になると「月日が流れるのは早いなあ」と思うものだけど、このセール開始はいかにも早い。ソニックの速さは音速レベルと言うけれど、それに勝るとも劣らない素早さだ。音速セールと名付けたい。
対応ハードはNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)。どのバージョンもセールとなっている。割引率はSwitch版とPS版が25%、Xbox、Steam版が30%とけっこうなお買い得価格に!
- Nintendo Switch『ソニックフロンティア』セールページ
- PS5&PS4『ソニックフロンティア』セールページ
- Xbox Series X|S『ソニックフロンティア』セールページ
- Steam『ソニックフロンティア』セールページ
本稿では、本作が俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022を受賞した理由を説明する形で現在セール中の『ソニックフロンティア』の魅力を解説。このチャンスに年末年始はぜひスターフォール諸島へ旅立ってほしい。
本作がどんなゲームなのかについて、ファミ通.comではすでに何本かのレビュー記事も掲載されているのでそちらもご参照いただきたい。
また、島のマップ付きガイドブックも発売中だ。
攻略本『ソニックフロンティア 超音速プレイングガイド』(Amazon.co.jp)『ソニックフロンティア』は気持ちいい
“俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022”受賞理由その1は「『ソニックフロンティア』はオープンゾーンが気持ちいいからです」、だ。
本作はワールドマップ自体にアクション・ギミックや謎解き要素をふんだんに盛り込み、遊べるワールドマップ“オープンゾーン”として進化させている。広々としたフィールドを縦横無尽に走り回ることができるのが最大の魅力だ。いわゆるオープンワールドのゲームと比べると少し狭めのフィールドだけど、感覚としては十分広い。
そのフィールドが、本作が持つ唯一無二の気持ちよさを生み出す。
この“気持ちよさ”というやつは言葉で説明するのがとても難しい。つまりは“広々とした島々をソニックで走り抜ける、縦横無尽に駆け回る快感”なんだけど、すぐれたアクションゲームの特徴として、それが非常に感覚的に仕上がっている。
ソニックが訪れる島々には、多くのギミックがあって、ソニックはレールで高速移動したり、バネを使って高く跳ねたり、敵がいて攻撃を加えられたりする。それがテンポよく、プレイヤーが気持ちよくなるように配置されている。
たとえばちょっとした移動でもギミックの流れに乗って動くだけでこんな操作になる。
ダッシュ(R2)、バネを見つけてアタック(□ボタン)、空中で加速(R2)、壁を走って加速床で高速になりぐるっと一回転、バネでジャンプ、空中で風船にアタック(□→□→□)、空中で加速(R2)、立て続けに敵にアタックして移動(□→□)、目的地で着地(◯ボタン)。
※操作はPS5、PS4版のもの。
こうして書き出すと難しく見えてしまうかもしれないけど、プレイ中は直感的にボタンを押しているだけでむしろ何も考えていない。どのボタンを押しても気持ちのいいSE(効果音)とリアクションが用意されていて、ボタンを押す快感とリアクションの快感に酔いしれている。
たとえて言うなら“自分が動かすピタゴラスイッチ”で、これがこうなって、つぎにこうなって、ああこうなるのか! と、いつも驚きと快感がある。
いまは移動を例に挙げたけど、そのほかのアクションについても『ソニックフロンティア』は“気持ちいい”で満ち満ちている。謎解き、ボスとのバトル、電脳空間のスピードラン、レールでの高速移動……。
そのどれもがテンポよく、小気味よいアクションで楽しめる。
たとえば初めて自転車に乗ったとき、どこまでも行けそうな気がして友だちと走り回った思い出。たとえばスキーで急角度の坂を直滑降するスリル。たとえばジェットコースターで一回転しながら思わず出てしまう笑い声。
種類としてはそういうことを思い出す快感で溢れている。
とくにR2(加速)が気持ちいいよ。ふだん歩いていても「R2押してダッシュしたいな」と思う。できないけど。人混みを歩くときは「2段ジャンプしてからR2で空中加速したいな」と思う。できないけど。
『ソニックフロンティア』は寄り道が最高だ
島の中で移動するとき「あの方角へ行こう」と決めて走り出すと、必ずと言っていいほど“ちょっと気になるもの”が目に入る。レールやジャンプ台や加速床や、宝箱のマーク。当初の目的地からちょっとズレてそれを踏んでみると、そこにもリアクションが用意され、ストーリー進行に役立つアイテムが手に入ったり、ちょっとした敵がいたりする。
「ここに行ったらどうなるんだろう?」と思って行ってみると、ジャンプ台に跳ねられレールに乗せられジャンプ台に飛ばされて、思いもよらなかった地点に行ってしまうことがある。ちょっと迷子になってしまうこともあるんだけど、それが楽しい。
寄り道の喜びがある。
単に目的地点に行くだけじゃない膨らみというか、探究心が刺激されたり、冒険心がくすぐられたりする仕掛けになっている。
ただ、これは人によってはちょっとデメリットかもしれなくて、「私としてはひたすらに効率的に短時間でストーリーの消化を目指したくそれ以外の要素は蛇足に過ぎないのです邪魔なのです人生の無駄なのです」という、世界を救う物語を仕事のようにこなしたいタイプの人には「なんでいちいちこんなことを……」と感じる点かもしれない(そういう場合は釣りのミニゲームを使うと効率的な進行ができるよ)。
とはいえ僕としては、寄り道が楽しいのはうれしい。小学校の下校時にもまっすぐ家に帰らずにわざわざ人の通らない山道から帰って親に怒られていた。僕は筋金入りの寄り道好きなのだ。だいたいファミ通編集部なんてところは人生の寄り道が大好きな輩が集まっているのだ。
ところどころにある“電脳空間”でもタイムアタック的に何度もやり込んで楽しめる。電脳空間では物語の進行に必要なエメラルドキーを集めるのだけど、課題は全部クリアーしなくても物語は進行する(前述の釣り場で集めたっていい)。
だけど、何度もくり返してプレイしたくなる、やりこみ甲斐があるコースが用意されている。ストーリーのクリアー後には電脳空間だけプレイできるアーケードモードがあるのもありがたい。
というわけで“俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022”受賞理由その2は「『ソニックフロンティア』は寄り道が最高だからです」、だ。
『ソニックフロンティア』は泣けるぜ
よりアドベンチャー要素が重視され、ストーリー性が深まっているのも本作の魅力。
冒頭、ソニックはいっしょに行動していたエミー、テイルスとばらばらになってしまい、仲間たちを探しに行くところから始まる。道中で謎の遺跡を見つけ、謎の少女・セージ(声:林原めぐみ)と出会うのだが、じつはこの遺跡と彼女には大いなる秘密が隠されている。
ソニックの仲間たちそれぞれが抱える問題や不安が、冒険を進めることで解決されたり前向きな気持ちになったりするという構造になっていて、シリーズのファンでも本作から『ソニック』を始めた人でも、キャラクターたちの葛藤やその昇華は深く楽しめるはずだ。
中でもセージは、なにやら島に残る古代人の遺跡についても詳しい様子。セージは当初、ソニックと敵対するのだが……。
なにしろセージのボイスは林原めぐみさんだ。声優名に詳しくない方でも『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの綾波レイ役だと言えばきっと声の感じも伝わるだろう。セージは本作のCMでもナレーションを行っている。
本作はボスの造形などところどころに『エヴァ』っぽさを感じるポイントがあって、このセージもそのひとつなのだけど、クライマックスには思わずぐっとくる。最初はつんけんしていたセージが、ソニックと触れ合うことで真に未来のことを考えて行動する展開には胸が熱くなった。やっぱりそうこなくっちゃな!
“俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022”受賞理由その3は「『ソニックフロンティア』は林原めぐみさん演じるセージがいじらしくて泣ける」から、というわけだ。
『ソニックフロンティア』は長期間にわたる大型アップデートも予定!
と、ここまで『ソニックフロンティア』が俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022である理由を説明してきた。最後に今後の予定を軽く紹介。
本作は3度のアップデートを予定している。
新たなチャレンジモードやプレイアブルキャラクターの追加、シナリオの追加も予定されているというから、けっこうな規模のものになりそう。
それぞれの時期は明かされていないものの、アップデート第2弾に記載されている“ソニックのバースデイ”を見てみると、ソニックの誕生日が6月23日なのでそれがアプデ第2弾ということは、全体としてはかなり長期間にわたりアップデートが行われると考えられそうだ。
体験版も配信開始!(Switch版のみ)
2022年12月15日から、Nintendo Switch版の体験版が配信開始された。上に書いた通り本作の何よりの魅力は“触って気持ちのいいアクション”。それに直接触れられる体験版は、購入を検討している方にぜひ試してほしい。
とはいえ体験版は15分の制限時間があって、実際にプレイできるのは冒頭のチュートリアルをスムーズに終えても島を数分探索できる程度。島をウロウロする寄り道も大きな魅力の本作なので、もうちょっと長くてもいいんじゃないかなと思うけれど、魅力の一端は感じられるはずだ。
どのハードで買う?
多くのハードで発売されている本作。
おすすめなのはやはりハイフレームレートで遊べる性能の高い最新ハードや高性能PCでのプレイだけど、Nintendo Switch体験版で実際に試してみたら僕がふだんプレイしているPS5版と比べても意外なほど差は感じなかった。
厳密に言えば、シンプルにグラフィックだけを見ると多少のポリゴン数の少なさや島内のギミックが表示されるラグ(これはPS5版にもある)は感じるけれど、TVモードでプレイするぶんには支障はない程度。フレーム数も差があるはずだけど意識しないとあまり感じない。どのハードでも、全体としては同様の『ソニックフロンティア』体験が味わえそうだ。
これはもともと多機種版の開発がしやすいというソニックチーム謹製“ヘッジホッグエンジン”によって作られていることによる成果でもあるだろうし、チームスタッフによるていねいな調整がなされているおかげでもあるはずだ。
携帯モードではメニュー画面などの文字の小ささが気になるものの読める範囲。とくに年末年始の帰省時や旅行の移動時なんかに遊ぶときはSwitch版の携帯モードは大きな魅力になるしね。
まとめ
『ソニックフロンティア』が“俺のゲーム・オブ・ザ・イヤー2022”を受賞した理由を解説した。とくにアメリカで強く愛される日本生まれの“スーパーヒーロー”、ソニック。先月発売になったばかりのその最新作をお得に遊ぶチャンスだ。
いましかない!(とソニックも言っている!)。