スクウェア・エニックスが本日(2022年11月11日)配信した『ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター』(以下、ミンサガ リマスター)の生放送番組“ミンサガリマスター まるわかり生放送”の内容をリポートする。
本番組は、2022年12月1日に発売されるプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)、PC(Steam)、スマートフォン(iOS/Android)向けソフト『ミンサガ リマスター』のすべてがわかる公式番組。開発者への50の質問を交えて、本作の詳細が紹介された。
なお、河津秋敏氏の動画インタビューも配信されたが、その内容は後日別の記事でリポートをお届けする予定だ。
▼11月12日12:20追記。河津氏動画インタビューの書き起こし記事を追加。
【出演者】(敬称略)
- MC:ペンギンズ ノブオ(芸人・タレント)
- 『ミンサガ リマスター』プロデューサー:三浦宏之
- 『ミンサガ リマスター』ディレクター:上野真史
- “サガ”シリーズ総合ディレクター:河津秋敏(動画コメントで出演)
【12月1日(木)発売】 #ミンサガリマスター まるわかり生放送
各プラットフォーム版の詳細が公開
PS5、PS4、Nintendo Switchは、映像系の設定はフルHD、フレームレートが30fps固定(※)となる。
Steamはその性質上、PC環境に依存することになるため、コンフィグの画面設定で描画設定などを変更できる。
※ムービー部分は原作どおり15fps。
iOS/Androidは実機プレイでUIなどが公開された。
画面下にマップアビリティのアイコンが並べられており、タップで選択、ダブルタップで使用できる。移動の操作は仮想パッドを使用、メニュー部分のUIはコンフィグで位置を変更できる。
また、メニューの階層が深くなるにつれて操作しにくくなるため、PS5版などでは2階層目にあるメニューなどが1階層目に出ている様子を確認できた。メニュー画面のキャラクターもタップで選択可能だ。
リマスター版で遊びやすくなった部分を紹介
番組で新たに判明した、リマスター版で遊びやすくなった部分をまとめて紹介。これまでに公開された新規要素は、ファミ通ドットコムの情報まとめ記事で確認してほしい。
進行設定に“超ゆっくり”と“超早い”が存在
本作はゲーム内で時間が流れており、戦闘を繰り返していると知らぬ間にイベントが終わっている、といった状況に陥ることがままあった。
リマスター版では、進行設定をオプションにて“普通”と“ゆっくり”から選べることは既報のとおりだが、新たに“早い”、“超ゆっくり”と“超早い”を選べることが判明した。
“超ゆっくり”と“超早い”はゲームを一度クリアーすることで選べるようになる。多くのイベントをこなしたい人は“超ゆっくり”に、2周目以降で早くサルーインと戦いたい人は“超早い”などを選ぶとよいだろう。
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普通
- オリジナル版と同じ。原作日本語版基準。
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ゆっくり
- 原作北米版と同じ、原作日本語版よりもゆっくりの進行速度。
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早い
- 普通の2倍の進行速度。
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超早い
- 普通の4倍の進行速度。
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超ゆっくり
- 普通の0.5倍の進行速度。
UIを再構築
フィールドマップでは、画面の左右にクイックセーブやオートランのメニューが用意されている。
原作では毎回ポーズを押さないと全体マップを確認できなかったが、画面右上のミニマップを拡大していくことで、画面中央に全体マップを表示でき、表示したまま移動できるようになった。
また、原作のメニューでは装備やスキルなどが同じ階層で並んでいたが、細かいスキルは一階層深くし、かつ横並びにして見やすく再構築している。
アイテムを預けられる倉庫が追加
原作ではアイテムを99個所持できたが、ある程度長くダンジョンに潜っていると、知らぬうちにアイテム枠がいっぱいになっていることがよくあった。
リマスター版では新たに“倉庫”が追加され、アイテムを1000個まで預けられるようになっている。
冒険に持っていける99個の上限はそのままだが、その上限を突破してしまうと原作の“リソース管理”のおもしろさが損なわれてしまうため、今回の仕様になったそうだ。
なお、倉庫はギユウ軍に話しかけると使用できるが、とある理由によって一度もギユウ軍に話しかけたくないという人も安心してほしい。ショップで倉庫を利用できる。アイテムの売買にも便利だ。
セーブの仕様が変更
原作ではメニュー内でクイックセーブ、宿屋でメモリーカードに記録する本セーブが可能だった。
リマスター版では、原作のクイックセーブの位置にセーブが配置されている。なお、宿屋セーブも残されており、これはダンジョン中にマップアビリティの回数が0になり、積み状態となってしまうことを避けるためだ。
また、メニューから簡単にロードも可能。スマホ版ではソフトリセットが難しいため、メニュー画面からすぐにロードできるようになっている。
バトル画面のUI変更と新仕様
バトル画面では、画面右上に武器種アイコンが追加され、何回ボタンを押せば使いたい武器を選べるかわかりやすくなった。
また、所持しているすべての技と術を確認できるALLも存在。多くの属性の術を習得すると左右のページ切り替えが多くなってしまうが、それをALLで解消できる。
なお、多くの技や術を覚えると今度はALL画面が縦長になり、目的の技や術を見つけにくくなるのではないかという心配もあるが、戦闘でメニューに表示する技や術をオフにする機能が追加されている。あくまで非表示にする機能であり、技を封印する機能ではない。
逃走のリスクが緩和
原作ではパーティー人数×1のLP(ライフポイント)を使用したバトルの逃走は、リマスター版では1に固定された。
また、“煙玉袋”があれば煙玉袋のEP消費(最大10EP)のみでバトルコマンドに入る前に逃走が可能。煙玉袋は使い切りではなく、薬箱のようにEPを補充できる。
<ネタバレ注意>原作プレイ済みユーザー向けの新情報まとめ
追加プレイアブルキャラクターを仲間にする方法
本作には以下の5人のプレイアブルキャラクターが新規に追加されており、彼女たちを仲間にする方法が明かされた。
- シェリル(声優:皆川純子)
- モニカ(声優:後藤邑子)
- マリーン(声優:西原久美子)
- フラーマ(声優:幸田夏穂)
- アルドラ(声優:村中知)
仲間にする方法はシンプルで、それぞれのシナリオイベントの終わり付近に新規ボイス付きの新たな分岐が追加されており、その新たな分岐に入ることができれば仲間にできる。シェリルについては3周する必要はなく、簡単ではないが1周目からでも仲間にできるという。
なお、フラーマからは火の術法を購入することができるが、仲間にすると覚えられなくなる。また、フラーマの姉妹であるフリーレは特殊なタイミングで仲間になり、原作では逃してしまうこともあった。リマスター版では、そこを逃しても戻って仲間にすることができるようだ。
アルドラは、ダークのイベントを終えて、アルドラが登場するエンディングを見たあとに新展開が待っている。
アルドライベントのゲームプレイが初公開
新規に収録されているアルドライベントは、アルドラをパーティーに入れた状態で世界各地を巡ると発生する。
その土地その土地でのミルザとの思い出や、現代のマルディアスを見て彼女がどう思ったのか語られる。
一例として、ガレサステップの太陽の祭壇で発生するイベントの冒頭シーンが公開。また、ファンへのサービスとして、騎士団領でもイベントが発生することが先行公開された。
3つの追加武器が公開
追加イベントなどにまつわる3つの追加武器が初公開された。なかには固有技があるものもあるという。
- アルドラの杖
- カルベ・ディエム
- デスサイズ
デスサイズは攻撃性能60とかなりの高性能武器になっている。こういったところで、高難度ボス追加などに対するバランスがとられているようだ。
また、デスサイズの武器タイプは“特殊”で、オブシダンソードと同じタイプ。モードによって武器の形状が変化する武器となる。
“青の剣”など原作で入手困難だったアイテムの調整は?
原作では入手が困難だった“青の剣”など多数のアイテムの入手難度が調整されており、データ上は存在したが入手できなかった“クロスクレイモア”などは宝箱で入手できるようになっている。
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財宝で入手できるもの
- 青の剣、紅孔雀、月下美人 など
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宝箱で入手できるもの
- クロスクレイモア、エスパーダ・ロペラ など
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発掘で入手できるもの
- コランダム、ダーククリスタル など
5つの追加クラスが公開
リマスター版で追加された5つのクラスが公開された。
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見習い騎士
- 先日公開された新クラス。ラファエルのクラスとなる。
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ごろつき
- 南エスタミルの住人から追いかけられなくなる能力を持っている。
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預言者
- 敵のモードがある程度視覚化される。
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トレジャーハンター
- 財宝集めが得意なクラス。
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海神の使い
- マリーンの固有クラス。
なお、もともとあったクラスにも調整が加えられている。例えば、クラスのレベルを上げてもあまり効果がなかった“鍛冶師”は、レベルが上がるほど伸びが感じられるようになっているという。
発揮するはずだったができていなかったクラス効果も、調整により本来のバランスに近づいている。上野ディレクターは、ファンからの質問に答える形で、武芸家については期待してもいいとコメントしていた。
追加された高難度の強化ボスについて
強化ボスは13体用意されており、そのうちの3体は三邪神(サルーイン、デス、シェラハ)となる。三邪神を除く残りの10体を倒すと、強化されたサルーインに挑戦できる資格が得られるそうだ。
なお、強化ボスと戦うには、“ディステニィストーン”(※)を10個捧げたときに戦えるサルーイン(通称:真サルーイン)に勝ち、つぎの周に進む必要がある。
※『ロマサガ』ではデステニィストーン表記。
難度としては、強化ボス10体は真サルーインと同等、三邪神はそれよりも強くなるように調整されている。正式名称ではないが、開発中は真デス、真シェラハ、極サルーインとスタッフから呼ばれていたそうだ。
ちなみに、真サルーインを倒したつぎの周からはステータスの数値が上限突破し、さらに強くなることができる。
番組ではスカーブ山の五合目で戦える強化ボス“血誓の刃鳥ハルパー”とのバトルも公開された。1回のダメージ量はそこまで大きくないとはいえ、1ターンに7回も行動する場面を確認できた。
パーティーをかなり鍛え、覚悟を決めてから挑まねばならないだろう。
※画像は番組をキャプチャーしたもの。