スクウェア・エニックスより、2022年11月11日にNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)用ソフト『タクティクスオウガ リボーン』が発売された(※Steam版は11月12日発売)。本記事ではゲーム概要、オリジナル版からの変更点、注目ポイント、レビューなどの情報をまとめて紹介。
- 『タクティクスオウガ リボーン』とは?
- 『タクティクスオウガ』の特徴
- 洗練されたバトルシステム
- 多彩なユニットとクラス
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新たに生まれ変わった注目のポイントと新要素
- リボーン要素1:グラフィックの高解像度化とUIの一新
- リボーン要素2:サウンド表現力がパワーアップ
- リボーン要素3:ユニットごとのレベル管理に変更
- リボーン要素4:装備ルールのユーザビリティーを向上
- リボーン要素5:クラスのスキルのルールを刷新
- リボーン要素6:必殺技・忍術・武士舞をチューンアップ
- リボーン要素7:ショップの利用がますます快適に
- オリジナル版のエレメントが復活
- 新要素1:“チャーム”で自分好みのユニットを育成
- 新要素2:“偵察”で事前に敵の情報をチェック
- 新要素3:編成を最大5パターン登録可能に
- 新要素4:“バフカード”で形勢逆転
- 新要素5:自軍ユニットと敵軍ユニットのAIを一新
- 新要素6:ボーナスタスク達成で追加報酬ゲット
- 新要素7:軌道予測で失敗なし
- 新要素8:味方の戦闘不能と復活
- 新要素9:演習でレベルアップ
- ほかにも全体的にバランスを調整
- レビュー
- インタビュー
- 商品情報
『タクティクスオウガ リボーン』とは?
『タクティクスオウガ リボーン』は、1995年に発売された『タクティクスオウガ』に大幅なシナリオ加筆や新キャラクター、新システムを追加した『タクティクスオウガ 運命の輪』(2010年にPSPで発売)をベースに、バトルやグラフィック、サウンドなどの要素をパワーアップした作品。そのほかにも、キャラクター育成、バトルAIをはじめとするバトルデザインにまで踏み込んだ改善が行われている。
オリジナル版の『タクティクスオウガ』は、スーパーファミコンにて発売されたタクティカルRPG。名作『伝説のオウガバトル』のに続く“オウガバトルサーガ”の2作目として発売された同作は、前作からシステムを一新。高低差のあるフィールドで敵味方が入り乱れて行うバトル、プレイヤーの選択で幾重にも分岐するマルチストーリー&エンディングで描く重厚な群像劇、そして底の見えないやりこみ要素が多くの人を魅了した。
『タクティクスオウガ』の特徴
タクティカルRPGの金字塔として、いまも多くのファンに愛され続ける『タクティクスオウガ』の魅力を、物語とバトルからひも解いていく。本作から初めてプレイする方はもちろん、オリジナル版やPSP版のファンも必見!
民族紛争をテーマにした重厚な物語
物語の舞台はオベロ海に浮かぶヴァレリア島。古来より海洋貿易の中継地として栄えたこの島では、その覇権を巡って民族間で紛争が絶えなかった。そうした永い戦いに終止符を打ったのが、後に覇王と呼ばれたドルガルア王である。王は民族間の対立を取り除くことに努め、ヴァレリアは半世紀にわたって栄えることとなる。
しかし王の死後、その後継を巡って貴族階級のバクラム人、人口の大半を占めるガルガスタン人、少数民族のウォルスタ人の三民族が覇権を争い、ヴァレリアは再び内乱状態に陥ってしまう。
バクラム陣営とガルガスタン陣営が島を二分する形で一旦は沈静化したかに見えた内乱だが、それがつかの間の静寂であることを知らぬ者はいなかった……。
選択肢で変わるストーリー
マルチストーリーを採用した本作は、物語の合間に数々の選択肢が出現。主人公のデニムが選んだ行動によって、物語が分岐して多様な展開を見せていく。選択肢はデニムを取り巻く登場人物たちにも大きな影響を与え、同じキャラクターでも味方になったり、敵対して立ちはだかったりする。
CHAPTERの分岐例
- CHAPTERIII:すくいきれないもの
- CHAPTERIII:駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚
迫られる数々の選択――
プレイヤーが選ぶ答えは?
選択をやり直せる“運命の輪/W.O.R.L.D.”
“運命の輪”はPSP版で導入されたシステム。マルチストーリーは多様な展開が楽しめる一方で、タクティカルRPGというジャンルの特性上、すべてのストーリーを体験しようとすると膨大な時間がかかってしまう。この問題を解決したのが“運命の輪/W.O.R.L.D.”で、このシステムを利用すると簡単に異なるルートでやり直せる。
洗練されたバトルシステム
戦闘は、バトルフィールド上に自軍と敵軍のユニットがそれぞれ配置されてスタートする。移動や行動は、各ユニットが持つ“WT(ウェイトターン)”を消化した順に実行可能。このWTは武具の重量やクラス、行動によって算出されるため、ユニットの行動順はつねに変化する。WTを導入したことで、敵味方の攻防が入り乱れる中、高い戦術と深いドラマが融合した臨場感溢れるバトルが堪能できる。
多彩なユニットとクラス
デニムの騎士団に所属し、ともに戦う団員たちはユニットと呼ばれ、さまざまなクラスについている。ユニットは、バトルを通してレベルアップしステータスが成長するほか、武具や魔法を装備したり、スキルをセットしたりすることで能力を強化できる。
自軍を勝利に導け
戦闘に影響するバトルフィールドの多彩な要素
バトルフィールドには、天候や地形など戦闘に影響するさまざまな要素が存在し、これらを活用すると戦いを有利に運べる。また、戦闘中に特別な会話が発生したり、埋もれた財宝を入手できたりとイベントも盛りだくさんだ。
敵の勧誘で自軍を強化
バトルフィールドでは敵ユニットの勧誘も行える。勧誘を成功させるには、対象ユニットに応じた説得スキルが必要になり、クラスによって勧誘できる種族が異なる。また、人間だけではなく、モンスターを勧誘して育成することも可能だ。
任意のターンにさかのぼる“運命の輪/C.H.A.R.I.O.T.”
戦闘中に任意のターンまでさかのぼってやり直しができるシステムが、“運命の輪/C.H.A.R.I.O.T.”だ。非常に便利だが、巻き戻せる手数は決まっているので過信は禁物。ゲームの序盤は10ターン前までさかのぼることができ、ゲームの進行に応じて増えていく。結果を変えたい場合は、巻き戻して行動を変化させてみるといい。
新たに生まれ変わった注目のポイントと新要素
新たな『タクティクスオウガ』として、プレイヤーが物語やバトルをより楽しめるように、『運命の輪』をベースに“リボーン(生まれ変わった)”した本作。どこがパワーアップしているのか、注目ポイントや新要素をまとめた。
リボーン要素1:グラフィックの高解像度化とUIの一新
オリジナル版から比類なきクオリティーを誇っていた、キャラクターと背景の描写をさらに高解像度化。このゲームの持ち味となっている、“緻密に描かれたピクセルアート”の風合いを活かした形で表現を強化している。また、UIも高解像度化したうえ、情報把握のしやすさや操作手順の簡略化を考えて一新した。
リボーン要素2:サウンド表現力がパワーアップ
カットシーンをフルボイス化することで、重厚な群像劇への没入感がますます増したほか、バトルシーンの臨場感もアップ。音声は日本語と英語を収録しており、いつでも切り換えられる。さらに、コンポーザーの崎元仁氏が、すべてのBGMを生演奏で再レコーディングしている。
リボーン要素3:ユニットごとのレベル管理に変更
オリジナル版と『運命の輪』で好評だった点を採用したうえで、数々の新要素を取り入れてバトルデザインをリメイク。『運命の輪』で採用していたクラスごとにレベルを管理するシステムから、ユニットごとにレベルを管理するシステムに変更したのも本作で生まれ変わったポイントだ。
リボーン要素4:装備ルールのユーザビリティーを向上
『運命の輪』では、武器や鎧などの武具、HP回復薬などの消耗品、魔法を使用するためには、ユニットのレベル制限や専用スキルが別途必要になるなどのルールがあった。本作ではこれらルールを撤廃し、入手したものはすぐに装備して使用できる。
ただし、ナイトは弓を装備できないなど、クラスによって装備できる武具や防具が異なる点は前作と同じ。
リボーン要素5:クラスのスキルのルールを刷新
ユニットはレベルが上がると、スキルと呼ばれる特殊な能力が使えるようになる。ユニットが装備できるスキルの数は、消耗品や魔法と同じく最大4つ。本作では、スキルの組み合わせを考えてバトルに挑む楽しさを体験できる。また、各クラスの特性を生かしつつ、さらに戦略の幅を広げるために、新しいスキルの追加や効果の調整も行われている。
リボーン要素6:必殺技・忍術・武士舞をチューンアップ
ユニットは一定条件を満たすと強力な必殺技を習得できるほか、ニンジャ/クノイチは忍術、ソードマスターは武士舞という特殊なコマンドが使える。『運命の輪』では、これらを使用するには“TP(テクニカルポイント)”や特定のアイテムを消費していたが、本作では“MP消費”に統一され、戦術が組み立てやすくなった。
リボーン要素7:ショップの利用がますます快適に
ショップでは、武具や消耗品、魔法などの売買が行えるほか、新たなユニットを雇用できる。バトルを進めていくうえで必要不可欠なショップも、快適にプレイできるように調整が行われている。UIが一新されて情報が把握しやすくなり、武具や消耗品の性能を強化できる合成は、つねに100%成功するようになった。
100%の成功率でストレスフリーに
オリジナル版のエレメントが復活
オリジナル版に搭載されていたエレメントが復活したのも本作のポイント。エレメントは、火、水、風、土、闇、光、雷、氷の8属性が存在し、ユニットごとに設定されている。ユニットのエレメントと使用する魔法や武具の属性を組み合わせると高い効果を発揮できる。
新要素1:“チャーム”で自分好みのユニットを育成
ユニット育成の新要素として、本作から導入されたアイテムが“チャーム”だ。このアイテムは編成画面でユニットに対して使用でき、その効果はエレメントを変更する、経験値を付与する、パラメーターを恒久的にアップするなど多種多彩。このチャームを活用すれば、レベリングの手間を省いて、より手軽に自由の高い育成が堪能できる。
多種多彩なチャームでユニットを育成しよう
新要素2:“偵察”で事前に敵の情報をチェック
出撃ユニットの編成を行うアタックチーム編成画面にも、新要素が追加された。これから戦うバトルフィールドと敵の編成(配置、レベル、クラス、装備内容など)を事前に確認できる“偵察”コマンドもそのひとつ。アタックチーム編成画面では、ユニットのクラスチェンジや装備の変更が行えるので、地形や敵の情報を参考にアタックチームを編成しやすい。
新要素3:編成を最大5パターン登録可能に
『運命の輪』では、編成可能なアタックチームの数が1だったのに対して、本作では最大5パターンのアタックチームを編成可能に。出撃ユニット数やクラスの構成など、バトルのシチュエーションに応じて異なる編成パターンを登録しておけば、偵察で得た情報を踏まえて、その戦闘を攻略しやすい最適なユニット編成を選んで、すぐにバトルに挑める。
新要素4:“バフカード”で形勢逆転
本作では戦闘中、ユニットを強化できるアイテム“バフカード”がバトルフィールドに出現する。バフカードの効果は、攻撃力のアップやクリティカル発生率のアップなどが存在し、1ユニットにつき最大4つまでスタック可能。同系統で重ねがけもでき、スタックするほど効果が上がる。
敵軍よりも先にゲットせよ!
バトルカードは3種類
バトルカードは、バフカードのほかにリセットカードとパラメーターカードが存在する。前者は、ユニットが取得したバフカードの効果をリセットでき、入手と同時に発動する。強化された敵をノックバック攻撃で強制的に移動させ、リセットさせる戦術が考えられる。また、後者はユニットのパラメーターを恒久的にアップさせることが可能。
新要素5:自軍ユニットと敵軍ユニットのAIを一新
自軍ユニットをオートで動かすときのAIタイプを、本作では4種類用意。アタックチーム編成画面やバトル中に、自軍の全ユニットを対象に一括でAIによるオート操作が行えるうえ、手動操作に切り換える便利な機能も搭載されている。また、敵軍のAIも一新し、地形やプレイヤーの動きに合わせて対応してくるように。
新要素6:ボーナスタスク達成で追加報酬ゲット
バトルのクリアー条件とは別に、新たに“ボーナスタスク”が導入された。バトルごとに“アタックチームにナイトを入れて勝利”や、“バフカードを獲得”といった目標が提示され、これらを達成できるとチャームや武具などの自軍の強化につながるアイテムを獲得できる。コンプリートを目指すやり込み要素としても楽しめる。
新要素7:軌道予測で失敗なし
弓や弩などの武器は、離れた場所にいる敵にも攻撃できるが、自軍ユニットに誤射してしまう欠点があった。本作では弓や弩はもちろん、デッドショットなどの直線弾道に投射される魔法を使う際も、軌道予測が表示されるので誤射を防げる。
新要素8:味方の戦闘不能と復活
ユニットはHPが0になると戦闘不能になるが、頭上の数字0になる前に消耗品や魔法を使うと何度でも蘇生できる。蘇生したユニットは、復活後すぐに行動可能になったので、移動やHP回復などを行うことで不利な状況を立て直しやすくなった。
新要素9:演習でレベルアップ
本作では、ワールドマップ上を移動時にランダムで発生したエンカウントバトルが廃止され、特定の拠点で演習に挑めるようになった。演習ではユニットが死亡することがないので、自軍のレベル上げをより安全で効率的に行える。
ほかにも全体的にバランスを調整
ここまで紹介してきた生まれ変わった要素や新要素はほんの一部。クラスや武具、消耗品、魔法、スキル、必殺技、ステータス異常などを調整しているほか、自軍全体のレベルを表すユニオンレベルが導入された。
このシステムはユニットのレベルキャップシステムの役割を担っており、レベルを極端に上げて力押しする攻略はできないものの、演習やチャームのおかげで初心者でも安心してプレイできる。
ユニオンレベルの導入でバトルの難易度をキープ
レビュー
ファミ通.comでは、担当ライターによる序盤のインプレッションと少し踏み込んだネタバレありのレビューを掲載している。本作のことをもっと詳しく知りたいという人はこちらもチェックしてほしい。
インタビュー
ファミ通.comでは、本作の発表時に『タクティクスオウガ』の生みの親である松野泰己氏や同作のサウンドを手掛けた崎元仁氏をはじめとする開発スタッフ6名のインタビューを掲載している。こちらでは、『タクティクスオウガ リボーン』開発経緯やこだわりのポイントなどが語られているので、要チェック!
商品情報
- タイトル:タクティクスオウガ リボーン
- 対応機種:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、PC(Steam)
- 発売日:2022年11月11日(金)
※Steam版の発売は2022年11月12日(土)。 - 価格:
- 通常版(パッケージ):5480円[税込]
- スタンダードエディション(ダウンロード):5480円[税込]
※PS5版、PS4版は5478円[税込]。 - デジタルプレミアムエディション(ダウンロード):8780円[税込]
※PS5版、PS4版は8778円[税込]
- プレイ人数:1人
- ジャンル:タクティカルRPG
- CERO:B(12歳以上対象)