エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)において、2022年11月2日(日本時間)よりシーズン15“エクリプス”が開幕する。
本稿ではメディア向けに実施されたオンラインプレゼン&開発者へのインタビューにて判明した、シーズン15より参戦する新レジェンド・カタリストの戦術アビリティやアルティメットなどの能力詳細をまとめて紹介する。
Apexコインやグッズの購入はこちら (Amazon.co.jp)カタリストはトランスジェンダーである初のキャラクター。同じく惑星“ボレアス”出身のシアとの掛け合いに注目
カタリストは、外出禁止令が発令されるほど過酷な惑星“ボレアス”で生まれ育ったキャラクター。衰退の一途をたどる惑星で、どこにも行くあてのない日々を送っていた彼女だったが、同じような境遇に置かれた人々と仲良くなっていく。そこで出会った親友のマルゴに励まされ、カタリストは自身がトランスジェンダーであることを受け入れることに。
ある夜、レブナントをロボットにした企業でもある“ハモンドロボティクス”のとある計画を不信に思っていたマルゴは、計画を阻止するべくカタリストとハモンドの研究施設に侵入。そして、施設に爆弾を取り付け、カタリストに止められるもマルゴはそれを聞き入れず施設を爆破してしまい、それにより離れ離れになってしまう。
その後、カタリストは“クレオ”で月の修復や回復に務めるテラフォーミング組織に入る。そこで磁石に吸い付く性質を持つ液体・磁性流体の扱いを身に着ける。それから、“ボレアス”の環境が安定したことで故郷に戻ってきたカタリストはかつての友人たちとの再開を喜んでいた。そんなある日、“ボレアス”でApexゲームが開催されることが決まり、居場所が奪われてしまうことを聞かされる。それに怒ったカタリストは、賞金の発生するApexゲームを逆手に取り、仲間たちが暮らしていく賞金を稼ぐため、ゲームに参加することを決意したというのが大まかなストーリーになる。
そんなカタリストは初のトランスジェンダーとして登場し、ゴスな見た目の全身黒の服装でデザイン。磁性流体の発生させる装置には、磁力を使うMRIの機械などといった既存の技術も参考に設計されている。
ゲーム内での関係性については、故郷から人が追い出されるきっかけを作った、同じ“ボレアス”出身のシアとは緊迫したやり取りが見られるようだ。そのほか、中性的なブラッドハウンド、時を遡ったことにより多くの人生を経験しているホライゾンとの会話にも注目したい。
磁性流体を自在に操る防衛型のレジェンド。ダメージとスロー効果を与えるトラップを仕掛けたり、スキャンを無効にする大きな壁を生成
カタリストは、中・長距離から磁性流体によるトラップや大きな壁で味方のカバーができる防衛型レジェンド。トラップと聞くと、現状では建物内での戦闘が得意なコースティックやワットソンもいるが、カタリストはどういった立ち回りが求められるのだろうか。
ここからは気になるパッシブアビリティ、戦術アビリティ、アルティメットアビリティの詳細を解説していく。
カタリストの紹介 | エーペックスレジェンズ キャラクタートレーラー
パッシブアビリティ:バリケード
磁性流体でドアを補強できる能力。補強できるのは、格闘攻撃で壊せる扉が1枚もしくは2枚のドアが対象。キングスキャニオンのバンカー入り口のようなドア、そしてランパートの増幅バリケードやニューキャッスルのキャッスルウォールといった設置物を補強することはできない。
補強後のドアの耐久値は、通常より2倍(4回蹴ると壊せる)となっているため、戦闘中にダメージを負ってドア越しに回復する際や味方を蘇生するときには役立つ能力だろう。アークスターやフラググレネードといった投げ物からの耐久値はどのようになっているのか気になるところだ。
戦術アビリティ:スパイクストリップ
磁性流体のボールを飛ばしてトラップを設置する。着弾後、磁性流体が横に広がり触れた敵にダメージとスロー効果を与える。ダメージは15とそこまで多くはないものの同時に相手の動きも制限できるので、建物の入り口に仕掛けておくのが有効だろう。
トラップを設置するコースティックやワットソンと比べ、少し離れた場所まで届くため味方へのカバーにもってこいな戦術アビリティではないだろうか。
アルティメットアビリティ:フェロバリケード
発動すると、磁性流体がカタリストの前方を這うように流れていき、30秒間大きな壁を展開。壁は触れてもダメージを受けず、通り抜けることはできるが視界を奪う効果があり、ブラッドハウンドやシアのスキャン、ヴァンテージのパッシブなども無効化される。ただ、ヒューズのナックルクラスターや銃弾といった物理的なものは貫通するようだ。
現環境では、ブラッドハウンドとシアのスキャン能力が特に強力だったので、その対抗策となるアルティメットの実装により環境が変わるかもしれない。そのほか、リングが小さくなった終盤で、上手くリング内を分断することで有利に立ち回ることなども考えられるだろう。
建物が多い印象な新マップ“Broken Moon”での活躍やプロ選手たちによる競技シーンでの立ち回りにも注目していきたい。
ウルトの壁はホライゾンやヴァルキリーで飛び越えられる? 気になるQ&Aをピックアップ
今回、新レジェンド“カタリスト”に関する開発インタビューも実施。カタリストのコンセプトから能力の詳細まで、プレイヤーが気になる点をリードデザイナーに聞いた。
キャラクターについて
――新レジェンド“カタリスト”のコンセプトを教えてください。初のトランスジェンダーとのことですが、なぜこの設定にしたのでしょうか?
開発トランスジェンダーのキャラクターは何年も前から制作しようと考えていました。ただ、きちんと疑いのない本物のトランスジェンダーを作りたかったので、時間がかかることを言い訳にして先延ばしにしていました。しかしシーズン15の新レジェンドを作るにあたって、「ここでやらなきゃいけない」、「このタイミングで登場するのが最高だね」とチーム全員で決めて、最終的にこのシーズン15で制作することになりました。
――磁性流体を駆使したレジェンドにしようというのは、どのくらい前から決めていたのでしょうか?
開発磁性流体を駆使したレジェンドは、かなり早い段階に考えていました。新たなレジェンドを考えるときはさまざまなコンセプトやアイデアを出して、試しながらひとつのコンセプトに落とし込みます。
そこで今回は、“なにも存在しないフィールドに構造物を作り出す”という考えが最初にありました。構造物というのは、氷でも岩でもよかったのですが、最終的に形状の変化が自由にできる磁性流体に決めました。磁性流体自体が未来的というのもポイントですね。
――未来的というコンセプトは、月がテーマである新シーズンとあっているようにも思えます。
開発そこはただの偶然かもしれません。とはいっても、ゲーム内では別の理由がきちんとあるので、それはぜひプレイしてみてのお楽しみです。
いろいろな新レジェンドの要素を検討して、そのなかで月という言葉が何度も出てきました。そのとき、このレジェンドは月に住んでたらどうだろうと思い、そこから一気にシーズン15の内容を固めていきました。
――カタリストのヒットボックス(体の大きさ)はどれくらいなのでしょうか?
開発大きすぎず、小さすぎないサイズです。ニューキャッスルのように大きなキャラクターでもないですし、レイスのように小さなキャラクターでもないです。ホライゾンと同じくらいになります。
――ほかレジェンドとの掛け合いが用意されていると思いますが、カタリストと関係深いレジェンドは誰になるのでしょうか?
開発カタリストがもともと住んでいた月から、人を追い出すきっかけを作ってしまったシアとはかなり緊迫した関係が楽しめると思います。そのことでカタリストはシアを恨んでいますからね。
そのほか、ブラッドハウンドは中性的なキャラクターなので、ふたりのあいだで「私たちちょっと似たようなところあるよね」といった会話はあります。ホライゾンとも興味深い会話も聞けるのではないでしょうか。
パッシブについて
――パッシブスキルで扉を補強できるようですが、扉が片方または両方壊されてしまった場合でも補強できるのでしょうか?
開発片方または両方壊されてしまった場合でも補強できます。あまり多くの人がまだこの有効性に気づいていませんが、かなり強力だと思います。
――パッシブスキルでランパートのバリケードなども補強できるのでしょうか?
開発補強できるのはドアだけです。縦に開くドアも補強できません。実は、開発中にはランパートのバリケードも含め、マップ内のさまざまな構造物を補強できるようなことも試したんですが、最終的にいまの仕様に落ち着きました。
戦術アビリティについて
――戦術アビリティやアルティメットは敵にダメージを与えることはできますか? その場合、敵に与えられるダメージはどのくらいになるのでしょうか?
開発戦術アビリティは1種の罠のようなもので、この上を歩くと動きが遅くなりダメージを受けます。1回につき15ダメージとそんなに多くはありません。
アルティメットはダメージがありませんが、貫通すると動きがゆっくりになって視界が遮られます。
アルティメットについて
――アルティメットの壁はどのくらいの高さまで展開されるのでしょうか? ホライゾンのグラビティリフトやヴァルキリーのジェットパック、オクタンのジャンプパッドで超えることはできるのでしょうか?
開発そう簡単に超えられませんが、ホライゾンのグラビティリフトやヴァルキリーのジェットパック、オクタンのジャンプパッドでは可能です。ただ、壁の向こうの状況は分からないので、すぐに飛び越えることはあまりおすすめしません。
――アルティメットの壁は、ブラッドハウンドやシアのスキャン、ヒューズのナックルクラスターなど、ほかレジェンドのアビリティは貫通するのでしょうか?
開発かなり早い段階から、このレジェンドのアルティメットは視界をブロックする、壁のむこうに何があるか見えないようにすることが基本コンセプトでした。なので壁の向こうに何があるか見えない、すべてのスキャンも無効化するというのがスタート地点でした。実際、ブラッドハウンドやシアのスキャンも効きません。
そのほか、クリプトのドローンによるスキャンやヴァンテージのパッシブもすべて、壁を貫通することはできません。ただ、ナックルクラスターや銃弾などの物理的なものは貫通します。ただ、壁の向こう側が見えないので当てるのは非常に難しいです。
――アルティメットの壁は建物内で展開した場合、どのような形になるのでしょうか? 建物を貫通して屋外まで展開されるのでしょうか?
開発アルティメットを使うと、レジェンドの前方に這うような形で壁ができます。キャラの前に坂や階段があると、それにあわせて壁が伸びることになりますが、天井があると止まってしまいます。なので、建物を貫通して屋外に伸びることはありません。
ただ、屋内で使うことの価値が落ちることはないと思います。たとえば、外で壁を作った場合、敵はその壁を乗り越えたり外側を回ったり、そういったことはできますが、屋内で使った場合は絶対にその壁を通過せざるを得ない状況になりますからね。
――戦術アビリティやアルティメットなどの磁性流体は、クリプトのアルティメット“EMPリブート”で壊すことはできるのでしょうか?
開発磁性流体が発生している装置というものがないので、アルティメットは壊すことはできません。戦術アビリティは、コースティックのトラップのように装置のコアを破壊することで消すことができます。なので、アルティメットは壊すことはできないけれど、戦術アビリティは壊すことができます。
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