エレクトロニック・アーツとコーエーテクモゲームスが贈る、新作和風ハンティングアクション『WILD HEARTS』(ワイルドハーツ)。中世の幻想的な日本を舞台に、さまざまな武器とクラフト要素である“からくり”を駆使して、獣たちに挑んでいく。

 PVの公開にあわせて、本作のディレクターを担当している平田氏、枝川氏(コーエーテクモゲームス)にインタビューを実施。コンセプトから傘や変形する刀、敵となる自然と融合した獣までのゲーム内容を深堀していく。

WILD HEARTS Official Reveal Trailer

平田氏(ひらた)

コーエーテクモゲームス/『WILD HEARTS(ワイルドハーツ)』ディレクター

枝川氏(えだがわ)

コーエーテクモゲームス/『WILD HEARTS(ワイルドハーツ)』ディレクター

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ユニークな武器種×からくりを駆使して自然と融合した獣に挑め!

――『ワイルドハーツ』は、コーエーテクモゲームス(ω-Force)とEA Originalsが組むことが決まったあとにゼロから生まれたゲームだったのでしょうか?

平田私たちがEAさんとパートナーシップを組む前に、ω-Forceのブランドで『討鬼伝』(2013年に発売されたコーエーテクモゲームスの和風ハンティングアクション)のノウハウを活かした、新世代機向けのハンティングゲームを作ろうという企画が立ち上がっており、すでに進行していました。その中で制作中のビルドをEAさんに見ていただき、共同で制作することが決まりました。

――コンセプト部分は生まれていたのですね。そのコンセプトというは、クラフトとハンティングゲームを組み合わせたものでしょうか?

平田既存のハンティングゲームと差別化し、いまだから楽しめる遊びをどう作るかを考えた結果、プレイヤーがオブジェクトを作り出して有利な戦場を作る狩りというものがコンセプトとして挙がりました。

――本作は最大何人でプレイできるのでしょうか?

枝川最大3人です。マルチプレイ人数は3~4人でかなり議論したのですが、“からくり”というプレイヤー有利に働く要素がマルチプレイにおいてシナジーが強く、ハンティングゲームとして緊張感を保つには3人が適切だと考えました。

 また、マルチプレイのマッチングを考えた時に4人よりも3人のほうがマッチングしやすいなどの遊びやすさも考えています。これは後付けですが、EAさんのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)も3人というのがありますので……(笑)。

『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り
『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り
『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り

――映像ではさまざまなからくりが見られました。クラフト要素のからくりについて特徴や使用用途を教えてください。

平田からくりは狩りの戦闘や探索の自由度や可能性を広げることを目的としたクラフト要素になります。戦闘中に即座に作り出し、プレイヤーの性能を引き上げる効果を発揮するものから、組み合わせて巨大な壁や槌を生み出し獣に対する防御手段や攻撃手段として機能するものもあります。

 また、ハンティングゲームの大きな要素である探索も、からくりを使うことで移動手段の幅を大きく広げることができます。ハンティングゲームの重要な部分にからくりが機能するように設計しました。

――カラクリを作るのに条件はありますか? 素材が必要だったりと最初からなんでもできるわけではないですよね。

平田基本的にはフィールドにある素材を入手して、そのリソースを利用して作り上げるイメージです。また、獣を攻撃することでからくりのリソースを手に入れることもできます。

――足場が作るのが得意なプレイヤーもいれば、攻撃に特化したからくりを作れるプレイヤーがいたりと、クラフトできるからくりの種類はプレイヤーによって異なるのでしょうか。

平田一度に持っていけるからくりの種類には限りがあり、装備するからくりによってプレイスタイルが変わっていきます。そのほかそれぞれ仕様が異なる武器も用意しており、その武器とシナジーが発生しやすいからくりとそうでないからくりがあったりするので、武器によってもからくりの分担も変わってくると考えています。

――PVで傘を使って戦っているシーンがありましたが、あれは武器なのでしょうか?

平田傘はユニーク武器のひとつです。いくつかの武器種がある中で「傘を採用したい」というのは早い段階から決めていまして、EAさんもかなり気に入ってくださりました。海外の方からしても傘で戦うというのはかなりユニークな印象だったそうです。

 特徴としては武器の中で唯一、獣の攻撃を受け流すことができます。コンセプトとして舞うように戦うというのがあり、うまく立ち回ることで獣の攻撃をかわし続けることができます。本作はからくりをメインに楽しんでほしいという想いがあり、基本的には防御手段や回避手段はからくりに用意しているのですが、その中では傘はテクニカルで特徴のある武器になっています。

――そのほかの武器種はなにがありますか?

平田日本刀の形をしたからくり刀があります。真っ向斬り、袈裟斬り、居合斬りといった日本刀らしいアクションがベースなのですが、特定の条件を満たすことで刀のからくりが作動して、ジャバラに変形して敵を切り刻むことができます。

 作ったからくりと武器の組み合わせによって攻撃方法が異なるのですが、からくり刀はその種類がいちばん豊富で強力です。

――からくりと武器の組み合わせた異なる攻撃方法とは?

平田たとえば、作り出した箱を積んでそれを駆けあがりジャンプ攻撃することで、通常では発生しないジャンプ斬りに変化します。そのほかだと空中からの奇襲なども地上ではでないアクションだったりします。獣の大きな隙に、からくりを利用した強い攻撃をくり出すのが本作の醍醐味のひとつでもあります。

『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り
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――かなりグラフィックが美しい印象ですが、日本の景色を落とし込むように意識されているのでしょうか?

枝川フィールドは日本の四季を意識してます。獣たちが自然を侵食する力があるため、春らしい獣が住んでいるから春のようなフィールドになっているといった感じで、人間が住んでいた文化を自然が侵食していったイメージで作っています。

――プレイヤーが探索できるフィールドはオープンワールドのようなイメージなのでしょうか?

枝川オープンワールドのようにシームレスに探索できるようには作っていません。限られたフィールドで短時間の連続した狩りを楽しむものと考えて、ゾーン制を採用しました。なのでフィールド自体は区切って春、夏、秋、冬と分けています。

 ただ、ひとつひとつのフィールドは広大で、またからくりで自由に探索できるので、フィールド内のほとんどの場所に自由にいけるので探索の楽しさもあります。

――プレイヤーの目的として、探索のようなサブミッションなども用意されているのですか?

枝川おもな目的は狩りではありますが、フィールド内には隠されたアイテムや採取要素などは散りばめられているので、探索要素もかなり楽しめると思います。からくりを使えば探索の自由度も高くなるのもポイントです。

――敵対する獣は、『討鬼伝』に登場しそうな敵もいました。デザインは日本にいる動物をベースにされているのでしょうか?

平田敵として登場する獣は、猿と岩が融合していたりと自然と動物を組み合わせたデザインにしています。モチーフとなるものは日本にいる動物です。

 獣たちは、自然を侵食できる能力があります。たとえば、PVで木の根っこと融合しているイノシシが登場しましたが、それは木の根をはることでフィールドを塗り替える能力を持っています。プレイヤーはからくりを駆使して戦闘を有利にしようとしますが、同じように獣も自然を侵食させて自身の有利な地形にするように動いてきます。

――敵にとって有利な地形とはどのような場所でしょうか?

平田獣を追い詰めると自然侵食を始めて、からくりが一時的に機能しなくなるフィールドを作る場合があります。自然侵食の能力もさまざまで毒のフィールドを展開する獣もいれば、地面にマグマを生み出してプレイヤーのHPを減らす獣もいます。その中でプレイヤーはできることを選び、安全な足場を作ったり、パラソルで空から奇襲したりと対策していきます。

――では最後の質問です。本作を遊ぶプレイヤーがもっとも楽しめる本作ならではの要素は、どういった点になりますか?

平田プレイヤーのひらめきがプレイに直結し、獣に対する有効打になる点です。たとえば、ふだんは届かない空を飛んでいる敵に対して、箱を積み重ねたりすることで空への対抗手段が生まれます。絶対的に避けれない攻撃をバネのようなからくりで切り抜けたりすることも可能です。

 そのほかからくり同士を組み合わせるシステムもあります。からくりで作り出した箱を組み合わせて巨大な壁を作り出して防御手段を生み出したりと、プレイヤーが考えたインスピレーションが勝利へのカギに繋がるというところが大きな魅力です。

『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り
『ワイルドハーツ』EA×コーエーテクモの新作和風ハンティングアクションインタビュー。プレイヤーのひらめきによるクラフト要素がカギとなる本作の内容を深堀り