2022年7月28日に配信されたNintendo Switch用ソフト『スーパー野田ゲーWORLD』。本作は前作の『スーパー野田ゲーPARTY』の続編で、今回は“世界進出”をテーマに、オンラインプレイなどにも対応。その制作に関わったのが、“野田ゲー”の始祖であり、超おもしろ総監督を務めるマヂカルラブリーの野田クリスタル氏だ。

 本記事では野田クリスタル氏へのインタビューをお届け。開発秘話をお聞きするとともに、収録タイトルの魅力についてたっぷりとうかがった。前作『スーパー野田ゲーPARTY』の反響や、ゲームのルーツを探る以前のインタビューもお見逃しなく!

※『スーパー野田ゲーWORLD』発売記念特番、7月29日配信!

【マヂラブ生出演】『スーパー野田ゲーWORLD』発売記念特番 今後のアップデート内容など大発表!! 【ゲスト:田口尚平ほか】

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『スーパー野田ゲーWORLD』インタビュー。野田クリスタル氏が語る“出オチを越えるおもしろさ”を生む苦労と、収録タイトルの魅力。次回作もすぐに始動?

野田クリスタル 氏(のだ)

吉本興業所属。本作の超おもしろ総監督。お笑いコンビ・マヂカルラブリーのボケ担当。(文中は野田)

インタビュー:ストアランキング1位を目指して

――いよいよ配信を迎えますが、じつはかなり直前までゲームを調整していたそうですね。(編注:インタビューはゲームの配信前に行われました)

野田なんとか、なんとか提出できました。いやもうギリギリと言いますか……、ギリギリのギリでした。本当にキツかったですね。前回の『スーパー野田ゲーPARTY』の何倍もヤバかったです。何がダメだったのかも正直わからないんですが、もうもうギリです。

――ギリギリになってしまった理由も、具体的にはわからないと(苦笑)。

野田うーん。たぶんですが、まずはボリュームが前作のゲームよりも大きくなったから、かもしれません。もう1個1個が膨らみすぎて、「これはもうミニゲームと呼べるのかな?」というくらいになってしまって。あと、本作はこれまでの“野田ゲー”から引き継いだタイトルもありますが、今回からの新規タイトルも多いです。新作は、やはりこれまで見たことがないゲームを作りたかったために、どれくらいの作業量になるかも予想できなかったので、どうすればいいんだろうと模索していましたね。

――そのあたりを探り探りで作っていったと。

野田ゲームのアイデアを思い付いたとして、まずバランスがわからないんですよね。もしかしたらこれまで本当に誰も思いつかなかったアイデアなのかもしれませんし、それとも思いついたけどバランスが絶対悪くなるのでやめていたパターンもあると思います。とはいえ僕にはそこがわからないので、1回作ってみないといけなくて。で、できたら「これバランス終わってんじゃねぇか!」と知ったり(笑)。バランス調整は細かくやってます。

――失礼な言いかたかもしれませんが、そこまでシビアにバランス調整を気にするのが意外に感じました。そこは対戦のことなども考えて、しっかりやっているんですね。

野田本作はオンラインプレイにも対応していますし、対戦はランクマッチがあります。また、eスポーツ的な展開として、大会も本気で開催したいんですよ。ですので、やはりゲームバランスは整えておかないといけないなと思っていました。とはいえ、一応調整しました……程度だと思ってください(苦笑)。

『スーパー野田ゲーWORLD』インタビュー。野田クリスタル氏が語る“出オチを越えるおもしろさ”を生む苦労と、収録タイトルの魅力。次回作もすぐに始動?

――野田ゲーとしてのおもしろさと、ゲームとしての本来のおもしろさのバランス感覚も難しそうですね。

野田“野田ゲー”は出オチのまま終わると進化しないので、いつかはこういうゲームを作らないといけなかったと思っていたんですが、その時が来たなと(笑)。結果的には、野田ゲーでありつつ、ゲームとしても遊べるものができたかと思っています。

――想像以上に苦労点が多かったと。

野田じつは調整が簡単なゲームは、ほぼなかったです。楽だったのは、村上がただご飯を食べるだけの“やせちゃうよ?”くらいですかね(笑)。あれは本当に1時間で作ったゲームを対戦できるようにしたので、かなりコスパがよかったですね。それでいてけっこう楽しいんですよ。同じように短時間で作った“おたけ さいこっちょーゲーム”よりも遊べます(笑)。

――(笑)。本作は“WORLD”ということで、海外展開も視野に入れているのかと思いますが、海外発売の予定はあるんでしょうか?

野田はい、海外でも発売します。ただ、日本版のリリースより少し先になります。オンライン対戦も世界中とマッチングするはずですので、本当にワールドワイドで、野田ゲーを通した対戦が楽しめると思います。

――続報をお待ちしています! 本作の開発は、前作である『スーパー野田ゲーPARTY』を発売後、すぐに始まったのでしょうか?

野田そうですね。前回同様にクラウドファンディングも立ち上げまして、「こういうゲームが作りたいです」と、事前に皆さんにお伝えしながら、ゲーム情報ありきで資金を募集しました。開発期間は前作よりも半年以上伸びまして、やはり時間が掛かりました。

『スーパー野田ゲーWORLD』インタビュー。野田クリスタル氏が語る“出オチを越えるおもしろさ”を生む苦労と、収録タイトルの魅力。次回作もすぐに始動?

――やはり、オンライン対応などがあるので開発期間が長かったのでしょうか。

野田それもあるんですが“邪道バース”などなど、パロディ先の皆さんたちに確認を取る必要があって(笑)。いくつかのゲームは「これでいいでしょうか?」と提出し、それが返ってくる大人の時間が発生してしまいました。

 前作の“おたけ さいこっちょーゲーム”はひとことくらいの確認で終わってたのに、本作の“信~NOBU~”はしっかり千鳥・ノブさんにも何をしていいのかは確認しましたから。ゲームの全体は見せていなくて、配信日のつぎの日に見せるんですが(笑)。

――ドッキリ的な(笑)。確認を提出したのち、何か要望があったりしましたか?

野田皆さん何も言われなかったです。「好きにやってください」という感じでした。

――皆さんの心が広い! クラウドファンディングは、前回集めた金額の3倍以上となる約4245万円で、出資者は5254人となりました。プレッシャーはありましたか?

野田……ありましたね。なにより、まずサイゲームスさんが500万円出資してくれたことがスゴすぎて、スタッフ全員で足がガクガク震えました(笑)。

――金額もそうですが、ゲーム会社からの出資という重圧もものすごいですね(笑)。オンライン対戦は5本のみですが、今後アップデートでオンライン対戦が追加されるタイトルが出てきたりはするのでしょうか?

野田まずは、どれだけオンラインで遊んでもらえるのかを見て判断します。やはり、オンライン対戦できるゲームがたくさんあると、あればあるほど各ゲームにプレイヤーが散らばって対戦しにくくなり、結果的にオンライン人口が減ると思うんですよ。それもあって、いまは5本のみの対応となっています。

――なるほど。また、前作では20000本が成功ラインと言っていたところ、約10万本を売り上げるヒットとなりました。今回の目標は何万本になるのでしょうか?

野田前作の販売本数は超えたいです。プロジェクト自体、売れれば売れるほど次回作の予算が増える仕組みです。本作は前作の3倍近くの予算で作れたので、さらに3倍の予算で次回作が作ってみたいです。目標としては、Nintendo Storeのダウンロードランキング1位を狙いたいです。8月中に取れないと2022年9月9日に『スプラトゥーン3』が発売されて、絶対勝てないんですよ(笑)。

 ほかにも『ゼノブレイド3』があったりと、ビッグタイトルに囲まれながらの発売なので、もう1位取れないんじゃないかって会議では言ってるんですが……。とはいえ言うだけならタダですから、1位は取りたいですねぇ。

――ライバルが強い……! 3倍の予算で次回作、というお話がありましたが、すでに次回作の予定はあるのでしょうか?

野田じつは8月からまた、つぎの新作に向けた話題を出そうと思っています。どういうゲームを作るのかはわかりませんが、まずは本作の結果からの予算で決めていこうかなと。

――予算まで考えるとなると、本職のゲームクリエイター並みですね。

野田作りたいものは山ほどありますし。いつかはMMORPGを作りたいんです。それには予算が40億必要、と言われましたが(笑)。まずは本作のアップデートで加わる野田ゲーと、次回作に注力していきますので、ぜひご期待ください。

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最初に遊べる野田ゲー13本を解説!

 ここからは、本作配信時に遊べる野田ゲー13タイトルを、野田氏自ら解説。それぞれのゲームに関する開発秘話などもお聞きした。

みんなのつり革

野田あの“つり革”が最大20人のオンライン対戦に対応しました。もともとは100人対戦を実現したかったのですが、20人で遊ぶだけでも自分がどれなのかもわからないくらい見難いので、無理でした(笑)。ルームマッチもありますし、絶対オンラインで遊んでほしいです。

 遊べる路線(ステージ)は国内外から募集したものもあるのですが、皆さん地元の路線を挙げることが多くて、マニアックすぎて全部知らない路線が入ってます。一応調べて、どんな電車の揺れ具合かを想像したものを収録しました。

 あと、新幹線ステージなどもあります。新幹線はつり革がないですし、両サイドに座席があるので、ゲーム的には足元が見えないステージになっています。また、ネタで使用した“箱根登山鉄道”も収録しています。10秒も持たないくらい難しいですよ。海外プレイヤーに日本の電車が勘違いされそうです(笑)。

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大乱闘 ブロックくずして

野田4人対戦が可能になり、今回はかなり自由に動けるようにしてみました。ブロックを崩したところにも入れますし、デッカチャンが小さくなるアイテムなどもあり、案外駆け引きが大事です。僕が初期に作ったゲームなので思い入れも強いですが、前作の時点でかなり完成はしているんですよね。

 ですので、純粋にパワーアップしたという感じです。ギミックもたくさん増えたので、より難しくはなりましたが、パーティーゲームとしてさらに笑えるかと思います。

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邪道バース

野田すごいゲームになりました。カードゲームを知らなくても、プロに勝てるカードゲームを目指して作ったので、ベースのカードゲームのルールはとてもシンプルです。カードの効果自体もほとんど影響なく、カードのステータスによるバトルがほとんどを占めています。

 その中で、気づいたら自分のカードが捨てられていたり、ドロー枚数がしれっと増えていたりと、イカサマができるわけです。つねに画面内で手が動くので、イカサマをしてもしなくてもいいんですよ。これがとにかく惑わされます。プレイヤーはカードを見る暇もないし、相手のイカサマも見ないといけなかったりと、もう目線が散ってしかたないです(笑)。イカサマは現行犯で指摘されるとイエローカードとなり、3枚溜まると敗北してしまいます。2枚もらったときの緊張感も独特です。

 このゲームをやり込んでいくとどうなるのか、今後気になるところです。ある程度イカサマの定石があるのはわかったんですが、もしかしたらイカサマも使わないほうがいい、みたいな結果になるかもしれません。煮詰まった対戦をぜひ見てみたいですね。

 ちなみに、サイゲームスの木村唯人さんから「カードゲーム作るのめっちゃムズいからね」って聞いてたんですが、本当にメチャクチャ難しくて苦労しました。なんとかうまくできたと思うので、本家『シャドウバース』と並んで、eスポーツ大会“RAGE”への参戦も狙いたいです!

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ナガイアス​

野田とても長い画面でくり広げるシューティングゲームですが、これもまた新しいゲームになったなと思います。ボスに弾が届くので、ステージ序盤の部分でパワーアップをしていたら、気づいたらボスが倒せちゃった、なんてこともあったりします。ステージが進むと段数が増えて、メチャクチャ見難いです(笑)。

 オンライン対戦が可能で、とくに対戦が盛り上がると思います。ステージの端と端からスタートして撃ち合うのですが、パワーアップをして遠距離から撃ち続けたり、前進して攻めるのもいいでしょう。シューティングファンにぜひ遊んでもらいたいです。

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The 連写

野田ただ連射速度を競うゲームなんですが、案外こういうシンプルなもののほうが好まれやすいんですよね。連射さえできればいいので、誰でも対戦できちゃうのがいいんですよ。また、コンピュータの高橋名人とも対戦できますし、かなり盛り上がれるゲームになりました。

 いまの子どもって、じつはゲームから連射を求められなくなったり、タッチ操作のボタンレスゲームを遊んでいるので、“連射”の存在自体を知らなかったりするんですよ。小さい子に遊ばせてみたら、6連射くらいで終わったりしてしまって。“コスリ連射”など、入力方法からしてわからないようです。お子さんの基本的な連射力を鍛えるツールにもなると思います。

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将棋III

野田怒られそうなものですが、“将棋II”も怒られず、今回も問題ないようです。将棋の駒が爆発するなんて超怒られそうですけども、まあ可能性としてはなくはないわけで!

 将棋の駒の動きが、爆発の範囲となっています。飛車や角は攻撃範囲が広いのですが、そのぶん自分もコントロールが難しいです。やはり最大火力は自分を巻き込んでしまう可能性がありますからね、某ボンバーなゲームのように(笑)。と、将棋シリーズはさらに問題作となりました!

 ただ、某ゲームとはゲーム性はけっこう違うと思います。桂馬とかがおもしろくて、かなりトリッキーな爆弾として使えますからね。これなら僕も藤井聡太さんに勝てそうなので、ぜひ対戦してみたいです。

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信~NOBU~

野田いわゆる“死にゲー”で、テイストは某ソウル的なものですが、ゲームの雰囲気は某悪魔城に近いのかなと。主人公が千鳥・ノブさんなんで、「絶対テレビで使われるよな」と思いました。ですので、テレビ映えするように、わかりやすいゲーム・わかりやすい難しさを心掛けています。ストーリーがあるようでないわけですが、ノブさんはフルボイスです。

 ちなみに後日アップデートで、イージーモードを追加します。本来リリース時に入れる予定だったのですが、じつはハードモードよりもイージーモードのほうが作るのが大変で。イージーのほうが丁寧にバランス調整しないといけませんし、イージー用の技などの追加要素も必要なので。

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無理して集まらなくていいよ​ どうぶつの国

野田思いのほかFPSらしくなりました。足音や鳴き声を聞くとマークが付くのですが、それを目印に動物を撮影します。スコープを覗かないと本当に小さくて狙いにくいので、島の中でスコープを拾って倍率を上げていくのが大事です。このあたりが、某ドン勝つゲームライクになりました。

 400匹くらいの動物がいて、コンプリートするのはマジで難しいです。探すのが本当にたいへんなので、1年くらい掛かるんじゃないでしょうか。ちなみに動物はちゃんと、どこにいるのか基本的には決まっています。また、空にも動物がいます。

 基本的に送っていただいた素材は、ぶっちゃけ適当に各ゲームに散りばめたのですが、思いのほか違和感がないです。ただ“無理して集まらなくていいよ どうぶつの国”は、いただいた絶景写真を背景にしているのですが、写真なので3D表現にできないんですね。「これでいいや!」って感じで、四角い写真が背景に置かれている感じになりました(笑)。

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Ashi Kogi Racing

野田レースゲームとしての気持ちよさは詰め込みました。タイムアタックもあり、ランキングもあるので、ぜひ速さを競ってほしいです。

 最初、メチャクチャに難しいゲームで、まともに走るのも難しかったです。通常のレースゲームって、たとえばボタンを押してアクセルを踏むだけで前に進むので、あとは移動操作でステアリングすれば、それで曲がるわけじゃないですか。ですがゲーミングチェアを足で漕いで走る“Ashi Kogi Racing”は、漕いだタイミングで曲がる方向が決まるんです。

 なので、普通のレースゲームの感覚と少し違くて、カーブがすごく難しかったりして。そこは調整して、なんとかレースゲームとして成り立つようになったかと思います。発売してからどうなるのかわからないんですが、ショートカットがどれだけ見つかるのか気になっています。想定としては、かなりショートカットがあるのではと思います。

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スーパー音声衰弱

野田前回の“音声衰弱”とは、またひと味違ったゲームになりました。神経衰弱の音版なので記憶力が試されるわけですが、それ以上に耳のよさも重要になりました。本当に些細な音の違いも聞きわけられるのか、そのうえで音と記憶を結び付けられるのか、というテスト・実験作品のようなものです。前作からそうなんですが、絵柄より音のほうが記憶しやすい、という人もいたんです。どこかの研究機関に論文にしてほしいですね、このゲームを。

 あと、バイク川崎バイク(BKB)や、デッカチャンの音声のみ、などというステージもあります。BKBは強弱などの差があるんですが、デッカチャンはお願いを勘違いしたのか「デッカチャンだよ♪」だけが大量に送られてきて、そのままステージにしました。マジで難しいです(笑)。

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仕分け SHIWAKE​

野田僕のバイト経験をゲーム化しただけですが、思いのほかクオリティの高いシミュレーターになりました。実際にかなりやり込んでみたら、本当にあのときやっていたテクニックがそのまま使えたりして、当時の記憶が蘇りました。なので、バイト時のすごい嫌な思い出まで蘇ってきて(笑)。

 郵便局員の人なら、超得意なんじゃないですかね。いつかやってみたいですよ、郵便局員VSゲーマーの戦い(笑)。

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回転めし

野田流れてくる料理の写真から、目標に指定された料理を早押しでゲットしていく、瞬発力のゲームです。やっぱり野田ゲーって、『星のカービィ スーパーデラックス』のミニゲームの影響をすごく受けてるんですよ。そうなるとやはり、こういった瞬発力をいかしたゲームは外せなくて。

 料理はつぎつぎと手前と後ろのレーンに流れるので、なかなか難しいです。また、クラウドファンディングで料理を集めたこともあり、料理名と写真がいまいち一致しないこともあって(笑)。

 クラウドファンディングでは先に「料理の写真を送ってください」というお題がひとつ用意されていました。予想以上の料理が送られてきてしまい、これはもう料理でゲームを作るしかないと、素材消費目的で作ったのが、“回転めし”と“やせちゃうよ?”です。

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やせちゃうよ?

野田村上にご飯をあげるだけです。痩せゆく村上に、ただ料理を運ぶのみなのですが、食べさせるとさらに痩せちゃう障害物もあるので、写真を見極めるのが重要です。本当に短時間で作った割には、意外にも対戦が盛り上がれて、本当にコスパのいいゲームでした。

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アップデートで追加予定のタイトルも!

 さらに本作は、後日アップデートでゲームを追加することが予定されている。それらのタイトルがどんなゲームになるのかもお聞きした。

動・級・生

野田動物相手の恋愛シミュレーションゲームです。男女の関係すら、相手の考えてることってよくわからないじゃないですか。相手は動物ですから、より何を考えてるのかわからないんですよ(笑)。それを味わえる、恋愛シミュレーションハードモードです。鳴き声ですから、何をしゃべっているのかわかりません。そんな中で選択肢を選んで、好感度が上下するようなゲームです。

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THE 芸人

野田芸人育成シミュレーションです。本当はリリース時にも入れたかったのですが、こだわりすぎて残念ながら後日リリースとなりました。シミュレーションゲームで有名なカイロソフトさんが素材を提供してくださって、見た目はほぼほぼカイロソフトシミュレーションです(笑)。あの感じで、かなりコツコツと遊べると思います。カイロソフトさんのことすごい好きなんで、すごくうれしかったですね。

 あの無限に育成や経営をやれる感じを、芸人の世界を舞台に……詰め込みすぎました。たとえば、じつは裏ステータスがたくさんあって、この芸人と芸人はじつは相性が悪いとか、あの先輩がMCだとこの芸人は能力が下がるとか用意しています。ちなみに、オンライン対戦があります。オンラインの賞レースにエントリーしておくと、あとで勝敗がわかる仕組みです。いくつかは実在の芸人が使用できるのも特徴ですね。

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クラウドファンタジー

野田やはりどうしても、1本はRPG入れたくなっちゃいますね。前回は“クエスト”でしたが、今回は“ファンタジー”のほうです(笑)。数で戦うゲームにしようということで、登場人物ほとんど仲間にできます。ただ、倒されると2度と使えなくなるので、仲間はすべて使い捨てです。仲間それぞれのレベルアップもあります。あとラスボスもいて、今回は明確なクリアーがあります。

 ただ、“オニオンクエスト”と違い、“クラウドファンタジー”をクリアーすると、ゲーム内でつぎに“クラウドファンタジーII”が始まるんですよ。つぎクリアーすると、III、IVとナンバリングが一生続いてくので、エンドレスで遊べるRPGとなっています。ぜひ先に“クラウドファンタジーXVII”に到達して、何かを追い抜いてほしいですね。

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コマンド長すぎだぜ!​技 出なさすぎ君​

野田これはまだしっかりとは作りだしてはいないので、どうなるのかわかりません。コマンドが超長すぎる対戦格闘ゲームという感じで、たとえば波〇拳を出すのにもメチャクチャ長いコマンドが必要になるみたいな。なので、技を出そうとするとお互い画面内でピクピクしてるだけなんですよ(笑)。もはやタイピングゲームみたいな感覚だと思いますが、まだハッキリとはわかりません。

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マッチョあつめ​

野田もともと作ろうとしていたゲームですが、プログラムがあまりにも難しくて諦めた野田ゲーです。それを今回、開発チームに投げて完成させてもらおうじゃないかと。これを作っていたときは〇〇あつめ系のゲームが流行していまして。僕としては集めるなら、猫よりマッチョだろと! じゃあ流行るなと! 猫の上位互換がマッチョですからね。本当にのんびりとマッチョを集められるゲームです。レアマッチョもいますよ。

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つめあつめ

野田同じ柄のネイルをなぞって消す、パズルゲーム“つめあつめ”。略して“つめつめ”です。ネイルを塗る要素もあって、綺麗にネイルを塗ると一気につめつめを消せたりします。対戦もありまして、消せば消すほどに相手にカニの爪などの障害物“おじゃまつめ”を送ることもできます。……ということで、じつは“将棋III”に並ぶ問題作です(笑)。

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