年が明けて、2022年! 昨年も数えきれないほどのゲームが世に出ました。みなさんも、まだまだ遊んでいない作品がたくさんあると思います。もちろん、私もです。あの名作もこの良作も、遊ぶ時間もお金も足りない! もう、いいゲームばかり出るから「遊びきれない!」と、うれしい悲鳴をあげている真っ最中ですよ。

 そんな私ですが、今回は2021年に遊んだタイトルのなかから、オススメのインディ―ゲームを紹介していきたいと思います。2021年の総まとめということで個人的に心に残った作品や、歴史に残ると感じた(すでに名を刻んでいる)作品を集めてみました。

※記事の最下部に『Inscryption』の内容に関するネタバレが含まれます。

2021年おすすめインディーゲーム7選

『ツクールシリーズ 魔女と66のキノコ』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PC(Steam)
  • 価格:各660円[税込]
  • 発売:Steam版はPLAYISM、Nintendo Switch版はGotcha Gotcha Games
  • 開発:ドットゾーゲームス
【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?

 プログラムができなくても、素材さえ用意すれば誰でもゲームを作れるツール『アクションゲームツクールMV』。もちろん、おもしろくなるかどうかは作る人次第ですが、根気さえあれば自分でゲームを作り、さらにGotcha Gotcha Gamesさんのパブリッシュで製品として世に売り出せるという夢のようなツールです。

 すでに多くのゲームがNintendo Switchで販売されていますが、本作はその中でも先陣を切ったタイトル。もともとは、アーリーアクセス版がリリースされたときにサンプルゲームとして簡易版が発表されていたのですが、その完成版になります。『アクションゲームツクールMV』なら、これくらいのメトロイドヴァニアが作れるよ……という見本として出たゲームではあるのですが、見本どころか完成品! とにかく、クオリティーがトンデモないです。最初に出たサンプルゲームなのに、コレを越えることはなかなか難しそう……と思ってしまうほどによくできています。もちろん、発売中のツクールシリーズ作品には『LA-MULANA』の楢村匠氏が手掛けた『ツクールシリーズ MEDIUM-NAUT』や、ニチアサ風アニメアクション『ココロクローバー』シリーズといった、本作に負けない良作がつぎつぎと生まれていますし、いまもどんどん世に送り出されていますが、それを踏まえても上位に位置すると思います。

 中身は、おとぎ話のような世界を冒険するメトロイドヴァニア(探索型アクション)系のアクションアドベンチャー。大掛かりなメーカー製タイトルと比べると小粒でそこそこのボリュームなのですが、頭を使って攻略するギミック。絶妙に構成されたマップ。66のキノコを集める収集要素。できることがどんどん増えていくアクション。楽しいボス戦……と、メトロイドヴァニアとしての魅力がギュッと凝縮。演出もユーザビリティも考えられていて、そんじょそこらの同ジャンルでは太刀打ちできないくらいの完成度です。魔女なのでホウキに乗って移動したり、変身したり、ドット絵によるかわいらしいアクションを見ているだけでも心がなごみます。キノコを全部集めようとすると、多少難しいアクションや面倒な部分もあるにはありますが、理不尽で意地悪過ぎるほどではありません。

 サクッと遊べて、サクッと終わって、楽しいゲーム。これくらい出来のよい探索アクションが『アクションゲームツクールMV』なら作れちゃう! 本当に夢のあるゲームですよね。お値段もお手ごろ価格。セールではなく、定価でも安すぎると思います。この手のアクションが好きならイチオシ!

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
『ツクールシリーズ 魔女と66のキノコ』ニンテンドーeショップサイト 『ツクールシリーズ 魔女と66のキノコ』Steamサイト

『Eastward(イーストワード)』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PC(Steam)
  • メーカー:Chucklefish
  • 価格:各2680円[税込]、パッケージ通常版 4400円[税込]、コレクターズエディション版 8250円[税込]
    • ※パッケージ版はNintendo Switchのみ発売
  • 開発元:Pixpil

 6年以上にわたる開発期間を経て世に送り出された、素晴らしいピクセルアート(ドット絵)のアクションアドベンチャーです。開発を手掛けたのは中国・上海のスタジオPixpil。発表時から、あまりにも緻密で雑多なアジアンテイストの街並や、荒廃した世界の表現に魅せられた人もいると思いますが、静止画だけで驚いてはいけません。主人公はもちろん、街の住人に至るまで、たった1回しか使わないモーションがふんだんに用意されており、クルクルと表情豊かに感情を表現しています。キャラクターの動きが細かく、生き生きとしているのです。

 ピクセルアートだけでも芸術の域に達している美しさなのですが、それはあくまでもキャラクターと世界を伝えるための手段。後半にかけて考察が必要な面もありますが、物語自体も魅力的です。義理の親子の素敵な冒険物語であり、キャラクターの感情が心に響きます。無口だけど心優しいジョン。彼に拾われて育てられた、天真爛漫な少女・珊(サン)。ふたりの親子が冒険する世界は、謎に満ちていてときどき残酷。それでも、元気で明るいサンを見ていると心が温かくなりますし、無口でもサンを大切に思っていることが伝わるジョンとの関係が微笑ましいです。ジョンが食事を作り、出会った人たちと食卓を囲むシーンが入るのも好きな点。ジョンが作る料理は回復アイテムになりますし、見た目もおいしそうなんですよ……!

 ゲームとしてはけっこうオーソドックス。ゲーム慣れしていないと少し難しく感じるかもしれない謎解きや、時間制限がたいへんなギミックなどもありますが、高難易度という程ではありません。遊ぶうちになんとかなるはず。ファミコンカセット(なぜか画面はゲームボーイ風)のようなカートリッジを差して遊ぶRPGのミニゲームや、ガチャガチャから出てくるフィギュアの説明文からも世界観を考察できる要素があり、散らばった要素を集めながら考察するタイプのゲームです。一本道で後戻りできない構造なのですが、アップデートによってチャプターセレクトが追加されたので、クリアーしてから気になる部分を読み返せるようにもなりました。余裕を持って、噛み締めるように遊んでいただきたい!

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
『Eastward』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『Eastward(イーストワード)』ニンテンドーeショップサイト 『Eastward(イーストワード)』Steamサイト

『ドキドキ文芸部プラス!』(Doki Doki Literature Club Plus!)

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PS5、PS4、Xbox One、PC(Steam)
  • メーカー:Serenity Forge(Xbox One、PC(Steam))、PLAYISM(Nintendo Switch、PS5、PS4)
  • 価格:Steam 1520円[税込]、Xbox One 1750円[税込]、Nintendo Switch、PS5、PS4 パッケージ版 4200円[税込]、Nintendo Switch、PS5、PS4 ダウンロード版 1980円[税込]
  • 開発元:Team Salvato

 アメリカのTeam Salvatoが開発した“ドキドキする”ギャルゲー(ビジュアルノベル)。という情報まで知ったら、もうつぎの紹介まで飛ばしちゃっていいです。それ以上のネタバレを知る必要はありません。何も知らないで遊んだほうが、純粋に楽しめます。インディ―ゲームには、このような紹介に困るゲームがたくさんあるんですよね。ユーザーを驚かせる仕掛けは語りたくない。“驚く”という情報すら、もうある意味でネタバレですから。






 え? それでも知りたい? 仕方ないですね。このゲームは文芸部に入った主人公が、4人の美少女と交流するビジュアルノベルです。単語を選んで詩を作り、交流していくと……? なぜ、全世界の人々が絶賛しているのかがわかるでしょう。それくらい、驚くようなストーリーが展開します。そもそも、ゲームを買おうとしてストアを覗くと、公式な説明文で“全世界が絶賛したサイコホラーゲームへ、ようこそ!”とか“全世界で賞賛されたサイコホラーストーリー”と書いてある時点でおかしいじゃないですか? でも、なにがどうサイコホラーゲームなのか。それは、実際に遊んで確かめてください。

 よく“PC版を遊ぶべき”とか“無印を先に遊ぶべき”などとも言われますが、私はコンシューマー版の『ドキドキ文芸部プラス!』だけでも十分楽しめると思います。コンシューマーならではの工夫がありますし、この形だからこそ感じる物もあるでしょう。ただ、追加要素のサイドストーリーやメールに関しては、先にゲームをクリアーして全体像を知ってから遊んだほうが、より楽しめると思います。もう、これ以上は書きません。遊んでください。

 ちなみに、私は以前の週刊ファミ通(2021年10月7日発売号)で、このゲームの10ページ特集を担当させていただきました。「雑誌でネタバレを書けるわけがない!」ということで、ゲームと同じように表紙から紹介文まで初見でも問題なく読めて、クリアー後に読むとまったく印象が違う記事になる特集にしています。このゲームをプレイして気に入った方は、ぜひ電子書籍などでそちらも読んでみてください。

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『ドキドキ文芸部プラス!』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ドキドキ文芸部プラス!』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ドキドキ文芸部プラス!』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ドキドキ文芸部プラス!』ニンテンドーeショップサイト 『ドキドキ文芸部プラス!』PS Storeサイト 『ドキドキ文芸部プラス!』Microsoft Storeサイト 『ドキドキ文芸部プラス!』Steamサイト 週刊ファミ通 2021年10月21日号(Kindle)の購入はこちら (Amazon.co.jp)

『Ikenfell(アイケンフェル)』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PS4、Xbox One、PC(Steam、Microsoft Store)
  • メーカー:Humble Games
  • 価格:Nintendo Switch、PS4、PC(Steam) 1980円[税込]、Xbox One、PC (Microsoft Store) 2000円[税込]
  • 開発: Happy Ray Games
  • ローカライズ:ハチノヨン (8-4)

 昨年遊んだインディーゲームのなかでも、個人的に1、2を争うくらい大好きなほど印象深い作品。海外での発売は2020年なのですが、今年になって日本語版が出ました。なぜ、自分がこの作品を推すのかと問われれば、それはとても優しくて温かみのあるゲームだからです。戦闘を1発でスキップできるコマンドを設定できたり、人によっては辛いと思われる場面が入る前には警告が入ったり、細かいオプションまで配慮に満ちています。もちろん、ストーリーも優しくて愛に満ちたお話。

 人と人が深く付き合うことで傷つくこと。他人から見た一面だけでは、その人の本質はわからないこと。誰かと支え合うこと。それぞれに傷や悩みを抱えるメインキャラクターたちが、優しく寄り添い、お互いを知る物語がとても美しく、素敵です。ノンバイナリーや性的マイノリティの人たちが登場しますが、自身のセクシャリティを説明することもありません。テーマとして置かれず、ごく普通で自然な物として描写されているのも、本作の好きなところですね。ユーザーに押し付けることなく、人が人を愛することの豊かさと多様性の大切さを自然に描いています。

 カナダ・バンクーバーのHappy Ray Gamesが描く、自然で温かみのある物語こそが、本作最大の魅力です。見た目はゲームボーイアドバンス風ですが、中身はいまを切り取った最先端のタイトル。主人公のマリットと仲間たちも素敵で、彼女たちが直面する悩みや葛藤。それを乗り越えるために、助け合う姿も愛おしいです。エンディングまで走り抜けて、とても満足できるRPGでした。

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
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『Loop Hero』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、PC(Steam)
  • メーカー:Devolver Digital
  • 価格:各1520円[税込]
  • 開発:Four Quarters

 世間的にも大人気。個人的にもオススメしたいのがコレ。タイトルの通りにループするフィールドをグルグルと回りながら、主人公を強化して戦うRPGです。なんと、プレイヤーは主人公を操作できません! 主人公はオートで移動し、敵がいるマスに入ると自動で戦闘を開始します。延々とフィールドを周回し続けて、一定の時間が経過するとボスが出現。倒すと新たなステージに挑める流れです。

 これだけ聞いても不思議ですよね。自動で戦っているのを眺めているだけなのに、なぜおもしろいのかと。それが違うんですよ。戦うのは主人公ですが、プレイヤーにも介入できる要素があります。世界を作って主人公を陰からサポートするという重要な仕事が!

 この世界は、死神に滅ぼされてしまった暗闇の世界。最初にループを開始した状態では、無人の荒野とスライムしか存在していません。そこに地形を配置して、世界を作っていくのはプレイヤーのお仕事。主人公が敵を倒して手に入れた“牧草地”や“山”などのカードを配置して世界を作り、戦いに有利な地形を生み出してあげたり、村やヴァンパイアの館を配置してイベントを起こしたりと、ループする戦いを見守りながら世界を構築していくのです。

 手に入れた装備品で主人公の能力を強化することも忘れてはいけません。レア度の数字が高い武器や盾、鎧を更新して主人公を強化しながら、ぐるぐるぐるぐる……。ハッ! また時間が溶けてしまった!! というゲームになっています。もちろん、カード(地形)を配置する時には時間を止められるのでご安心を。通常は4倍速。装備や地形の配置時はじっくり考える……なんて遊びかたが可能です。レアな装備だと攻撃力や防御力だけではなく、攻撃速度アップや自動回復効果がついているので選定し出すと止まりません。素材を持ち帰って拠点を強化する要素もあり、延々とループするように遊んでしまうでしょう。

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
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『王立 穴ポコ学園』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch
  • メーカー:エインシャント
  • 価格:2800円[税込]

 突然ですがみなさん、世代交代するRPGは好きですか? 私は大好きです。『ロマンシング サ・ガ2』や『俺の屍を越えてゆけ』など、世代を越えて受け継がれる想いと能力値の積み重ねにロマンを感じますよね。本作は、そうした世代交代型RPG。依頼をこなしながら生徒たちを育成し、3年後の卒業とともに武器や職業の経験を残していく。世代交代系RPGが好きな人にはたまらない作品です。俺の成績を越えていけって感じかな?

 世代を交代するおもしろさに加え、バトルの戦略性も高くハマります。キャラの見た目とゆる~いシナリオに反して、システムはゴッツイくらいの骨太。S・RPGとローグライクを合体させたようなターン制のバトルとなっており、トラップを仕掛けて敵の侵入を防いだり、スキルを駆使して素早く撃破したりと、考えることが盛りだくさんです。戦闘画面に移行せず、フィールドでそのまま戦うシステムなので、四方からつぎつぎと新たな敵が乱入してくることも。毎月の小課題も、ストーリーが進む大課題も、1回、1回のシナリオが総力戦です。じっくり長く遊べるRPGを求めている人にピッタリ! 難易度はいつでも変更できるので、小課題はカジュアル。大課題はガッツリ本格的に……と変えるのもアリですよ。

 イラストは『ぶんぶくティーポット』シリーズや『みっちゃんとアルバート』といった、愉快な漫画を描いている森長あやみさん。もともと好きな漫画家さんなのですが、課題をクリアーするごとに新作の4コマ漫画も読めてオトク過ぎます。これだけで元が取れちゃうくらい。『ぶんぶくティーポット+』とのコラボで、主役キャラ4人が生徒として参戦してくる(たまに入学してくる)のもファンには嬉しいですね。私はコラボ元の漫画だと、りさ(オザキ)ちゃんとお兄ちゃんが絡む回が好きです。いかん、ぶんぶくのほうの話になってしまった。ゆるくて楽しいストーリーと、手ごわいバトルの合わせ技。ボリュームがあって、長く遊べるRPGを探している人にもオススメですよ!

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
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『Inscryption』

  • プラットフォーム:PC(Steam)
  • メーカー:Devolver Digital
  • 価格:2050円[税込]
  • 開発:Daniel Mullins Games

 最後は、またまたネタバレ禁止と言われるゲームです。昨年、物凄く話題になりましたね。遊んだ人が口々に「ネタバレできないから、まずやってくれ」と言ってしまう程の作品ですし、実際のところ何も知らずに遊んだほうが良いゲームです。しかし、今回は私があえておもしろいと感じた部分をオススメしたいので、中盤までのネタバレを少しします。本当に、何も知らずに遊んだほうがよい名作なので、気になる方はこれ以上読まないこと。大丈夫。これ以降、ゲームの紹介はありません。この作品でラストです。 

 スクリーンショットを含むネタバレ防止のために、ここから少し記事のスペースを開けますね。

 いいですか?

 書いていいですか?

 本当に書いていいですか?

 書いちゃいますからね!

 では、
 行きますよ?

 はい、続けます。

 本作は、デッキ構築型のローグライトカードゲーム……と一般的には紹介されています。山小屋の中で、レシーと名乗る謎の存在とカードゲームを行いながら、彼に打ち勝つことが目的。しかし、実際に遊んだ人は、すぐに何かがおかしいと気が付くはず。コンティニューからしか始められない初回プレイ。プレイヤーに話しかけてくるオコジョのカード。このゲームが、単なるカードゲームではないことに気付き始めると……そこからがヤバイ! レシーに勝つために椅子から立ち上がって小屋を捜索したり、金庫を開けようとがんばったり、脱出ゲームの様相も帯びてくるのです。

 世間一般で『Inscryption』を紹介するときは、たいていの人がここまでの話しかしません。それは、さらに先の展開を自分の目で見て、実際に驚いてほしいから。このゲームは、とにかくスケールが大きい。ローグライトゲーム&脱出ゲームでレシーと戦っているうちなんて、まだまだ入口に過ぎません。プレイしていくうちに、このゲームがどれだけ奥深いかを知るでしょう。それどころか、どこで終わるのかもわからなくなるかも。それなのに、ずっと遊んでいたくなる衝動に駆られるのです。下にあるスクリーンショットは、見たことがない人も多いはず。ネタバレ防止のために、多くの人がこれ以前のシーンしか張らないからです。でも、ここは私が一番好きなゲームの要素なのであえて張らせていただきます。もちろん、これもまだゲームの一部に過ぎません。いったい、どういうこと? そう思ったあなたは遊ぶべき。ネタバレを恐れず、ここまで読んでしまったとしても楽しめると思います。いますぐ、Steamを開いて購入してください!

【2021年おすすめインディーゲーム7選】『Loop Hero』や『Inscryption』などの話題作はもちろん、アクツクの良作『魔女と66のキノコ』や12月発売の『王立穴ポコ学園』を遊び忘れていませんか?
『Inscryption』Steamサイト

 今回紹介するゲームは、以上。まだまだオススメしたいゲームはいくらでもありますが、ここまでにしておきます。2021年の振り返りということで、ある程度有名なタイトルを多めに取り上げましたが、これでも全然紹介できていません。マイナーな物から、みんなが期待していた話題作。GOTYとして各サイトが取り上げる作品まで、インディーゲームの世界はあまりに広い! そして、2022年も1月から注目作が大量に出ています。ゲームが好きなら、ずっと幸せに遊び続けていられるよい時代ですね。みなさんも、自分にあったゲームを見つけて素敵な2022年にしてください!