アニメ『鬼滅の刃』を題材にした鬼殺対戦アクション『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』。無償アップデートでバーサスモード“対戦”用のキャラクターとして鬼が追加されることは当初から発表されており、ラストとなる第3弾でサプライズが待っていた。
2021年12月16日から、魘夢(えんむ)に加えて、愈史郎(ゆしろう)と珠世(たまよ)のコンビが登場するのである。相手を昏倒させる魘夢の技は楽しそうだ。そして何より、愈史郎と珠世の参戦に驚いた人は多いだろう。筆者はつい「珠世様は今日も美しい きっと明日も美しいぞ」と喜びの声を上げてしまった(メインで戦うのは愈史郎だが)。
『鬼滅の刃ヒノカミ血風譚』無償アップデート第3弾・“魘夢”紹介映像
『鬼滅の刃ヒノカミ血風譚』無償アップデート第3弾・“愈史郎・珠世”紹介映像
本稿では先行プレイで見えてきた彼らの特徴を紹介。魘夢はやっぱりいやらしかったし、珠世様はやっぱり美しかったことを先にお伝えしておきます。
※記事内のボタン表記はプレイステーション5版のものです。
基本的な特性はほかの鬼と共通
まずは鬼の基本をおさらい。これまでに実装された累、猗窩座、矢琶羽、朱紗丸と同じく、以下のような特性を備えている。
- ペアを組んでの共闘はできず、単独で戦う。
- L1ボタンで“共闘技”のかわりに“特殊技”を使用できる。
- L2ボタンで発動する開放・全開放ではパワーアップするだけでなく体力が回復する。
ただし、最初から2人1組の愈史郎・珠世だけは少々事情が異なる。基本的には愈史郎が戦い、鬼特有の特殊技の際に珠世がサポートしてくれる。
珠世様が前線に立つことはないので危険にさらすことはない。愈史郎も安心の設計である。
なお、王道的な性能を備えた累と猗窩座、遠距離攻撃が得意な矢琶羽と朱紗丸と来て、魘夢と愈史郎・珠世はなかなかトリッキーだった。
彼らの参戦によって、対戦ゲームとしての幅が広がるように思える。
魘夢
強大な力を持った“十二鬼月”のひとり。本編では夢を使った悪趣味な戦法で炭治郎たちを苦しめたが、そのいやらしさはプレイアブルキャラクターとしても健在だった。
肉の手を伸ばしたり声の弾を飛ばしたりと、リーチは全体的に長め。一定時間後に破裂する技(弐)“囁きの響き”を罠のように設置し、しびれを切らして接近してきた相手は出始めに無敵時間のある技(参)“肉の手”で迎撃。
のらりくらりと戦うさまは、いかにも魘夢らしくてたまらない。
それ以上にいやらしさ全開だったのが、ふたつの特殊技“血鬼術 強制昏倒催眠の囁き”と“血鬼術 強制昏倒睡眠・眼”である。
どちらも相手を眠らせる技で、何とガード不能。攻撃範囲と発動タイミングが異なり、押し返しで相手の攻撃をしのいだ後やあえて攻撃をガードさせたときに使うのが効果的だった。とくに後者。反撃の出鼻をくじくのがおもしろい。
友だちと対戦する際に「お眠り~」と高めの声で言いながら放ってばかりいると、友情に亀裂が入るかもしれないので注意してほしい。
個人的に気に入ったポイントがもうひとつある。掴み技だ。リーチが長すぎてほぼ遠距離攻撃なのである。
吹っ飛ばした敵にも届くため、コンボの締めとしても便利。顔のアップから入る掴み技演出もいい。魘夢使いたる者、やはり相手の神経を逆なでするように戦いたいものだ。
奥義 血鬼術 強制昏倒催眠の囁き・悪夢
肉の手で敵を拘束した後に大量の眼で血鬼術を浴びせ、悪夢へと叩き落す。
愈史郎・珠世
鬼舞辻無惨の手で鬼に変えられた女性・珠世と、彼女に鬼にされることで救われた青年・愈史郎。先述した通り、2人1組で戦う異色のキャラクターだ。
前線に立つ愈史郎は、魘夢とは別方向のからめ手を得意としていた。ときには相手の攻撃を避け、ときには受け流して攻撃に転じる。
扱いやすかったのは技(弐)“転身攻め”。スティックを入れた方向へのステップ後に接近して攻撃する技だ。
相手の攻撃を回避しつつ隙を突けるので一石二鳥である。
また、技(参)“打ち崩し”はうまく決まると飛び抜けて気持ちよかった。相手の攻撃をいなしながら打撃を放つので、冨岡義勇の“凪”やほかの格闘ゲームで言うところの“当て身”技の感覚に近い。
とはいえ、攻撃を受けなくてもこちらの攻撃自体は発動するので、いわゆる当て身技より扱いは楽。上空から叩きつけるように攻撃して相手をバウンドさせることで、コンボの起点としても優秀だった。
やや玄人向けな性能もさることながら、いちばんの特徴は珠世、いや珠世様の特殊技だ。とくに特殊技(弐)“惑血 視覚夢幻の香”がおもしろい。
これは魘夢と同じガード不可のダウン技。モーション中に攻撃を受けると中断してしまう魘夢とは違い、愈史郎自体はノーモーション。ボタンを押してから1テンポ置いた後に登場し、静かに技をくり出す。
動き回りながらでも発動できるのは、鬼以外のキャラクターの共闘技と同様。つまり、対戦相手に発動タイミングを覚られないのである。
距離を取る素振りを見せて相手に追撃させ、珠世様のテリトリーに誘い込む。さすが珠世様。前に出すぎることのない戦いかたが奥ゆかしい。そして美しい。
奥義 惑血 視覚夢幻の香・組み討ち
愈史郎の連続攻撃を珠世様がサポート。美しさに見とれた後に、渾身の掌底で敵を上空に吹き飛ばす。愈史郎の顔芸がとてもいい。
※鬼舞辻無惨の「つじ」は一点しんにょうが正しい表記です。