2020年5月22日にTripwire Interactiveより、海外向けにプレイステーション4、Xbox One、PCにて発売された『Maneater』。本作はプレイヤーが主人公であるサメを操作し、人間に復讐するために海を駆け巡るオープンワールドサメアクションだ。

 そんな『Maneater』が2020年12月17日、日本語ローカライズを一新した、真の日本版としてDeep Silverよりリリースされる(意味の詳細は後述)。プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox One、Xbox Series X|Sにて発売され、価格は5480円[税抜]。なお、Nintendo Switchも2021年に発売を予定している。

 本作は下記記事にてレビューされているので、かいつまんでにはなるものの、正式日本語版ということで改めてレビューをお届けする。なお、筆者はPC版にて『Maneater』クリアー済み。そして、今回のプレイはプレイステーション4版となっている。

『Maneater』食って暴れてデカい鮫に育て! オープンワールド鮫クションでストレス発散!

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サメゲー『Maneater』正式日本語版レビュー。翻訳はバッチリ! 強化骨格電磁サメとなり、海の生物や人間どもを喰らい尽くして食物連鎖の頂点を目指せ!
この記事はKoch Mediaの提供でお送りします。

オリジナル版は変な翻訳が多かった

 まずは“真の日本語版”とはどういうことなのか、解説していこう。海外版『Maneater』も、じつは日本語字幕が搭載されている。そのおかげもあり、海外版ソフトを購入し、『Maneater』をすでに遊んだという人も少なくないはず。筆者もPC版を購入してクリアーした。

 ただ、その日本語が正直ちょっと怪しかった。いや、ちょっとどころじゃない、だいぶ怪しかった。たとえばおそらくヨットを指す言葉は“世っと”、アザラシは“密閉”、シャチ(オルカ)はなんと“オクラ”と表示されていた。いやもうそれがある意味、本作の味として楽しめる部分ではあったのは確かなことだが……。さすがにボス敵であるオルカが“オクラ”と表示されたときは、拍子抜けしたのが正直なところ。

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オクラだ!(※画像はPC版)

 クエスト系の言葉も「ん?」と思うような部分も多かったし、何よりカットシーンでの会話劇は、人間たちの立場などは反映されていないし、ぶっきらぼうな悪役たちも敬語で会話したりとメチャクチャ。という部分で、たしかに日本語として意味は咀嚼できるのだが、飲み込むのに苦労するテキストが多かったのだ。

 そして今回の正式日本語版は、しっかりとローカライズし直された、いわば完全版ということ。謎の存在であった密閉も、今回しっかりとアザラシと表示されるのだ。ちょっとゲーム全体から漂うおバカ度が減ってしまったものの、正式日本発売となったら、まあ直して当然だろう。

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密閉が……(※画像はPC版)
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アザラシに!

 なんだか怪しいフォントはそのままで、カットシーンの字幕があまりにも小さいことを除けば、概ね読みやすいテキストで『Maneater』を楽しめる。

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カットシーンの字幕はメチャクチャ小さいが、ゲーム画面の字幕は問題なし

サメ映画的な展開が見どころ!

 ここからは本作を知らない人向けに、改めてゲームの特徴をお伝えしていこう。前述の通り、主人公はサメ。ゲーム冒頭で母親サメを操作するシーンがあるが、チュートリアルを終えると、すぐにサメハンターの“スケイリー・ピート”に捕えられて殺されてしまう。

 しかし、母親サメの胎内には赤ちゃんサメがじつは存在しており、その赤ちゃんサメこそが主人公。サメは本能の赴くままに海生生物を喰らい、サメハンターたちと戦い、成長していく。そして母の仇である、スケイリー・ピートを殺すため……というのが主なストーリー。

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吊り上げられた母親サメ
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無理やり胎内から取り出された赤ちゃんサメこそが、主人公サメだ。
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 ストーリーは全体的にサメハンターに密着したドキュメンタリー映像風の作りとなっており、主人公の行動に合わせてサメ雑学などを披露してくれる(本当の話もあるけど、嘘くさい話が多いのもミソ)。

 最初はふつうにサメとして成長していくが、何の因果なのか、放射性物資的な何かのせいか。進化の仕方で電気を放ったりと、ハチャメチャなサメに成長できるのが本作の魅力。いわゆる“サメ映画”好きにはたまらないものとなっている。

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最初は赤ちゃんだが……
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段々と進化していき……
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威厳たっぷりのサメになったかと思えば(※画像はPC版)
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何でもありの姿に変身していくのだ(※画像はPC版)
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電気を放ちながら、橋の上の人間を襲うサメ! そんな姿に憧れる人たちにオススメのゲームなのだ!(※画像はPC版)

海を舞台にしたオープンワールド

 ゲームは海を自由に泳いで進むオープンワールドで、いたるところに生息する海生生物はすべて食べることができる。しかし、アリゲーターなどの強敵も存在し、小さいサメのころはなかなかサメらしいデカい顔はできない。こそこそと泳ぎ回ることになる。

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 また、ボートや浜辺にいる人間たちも襲うことが可能。人間たちを襲えば警戒度が上昇していき、サメハンターたちが出動。さらにサメハンターを倒していけば、その地域の有名サメハンター、いわゆるボスが登場するという感じ。ストーリー的には、有名サメハンターたちを喰らい尽くして、宿敵であるスケイリー・ピートに近づいていくのが目的だ。

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浜辺のパリピは全部サメのエサ。陸も安全じゃないワケ。
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騒ぎまくれば名のあるハンターが登場。ボス戦となる。

 サメなので地上に上がると呼吸困難となりダメージを受けるのだが、成長していけば地上で長い時間活動が可能となり、地上をペチペチと飛び回りながら人間を襲うといった芸当も可能。「もうこいつ地上で呼吸してね?」ってくらい長い時間活動できたりするが、だってサメなんだから仕方ない。

 アクションはサメらしく噛みつきから、ヒレによる斬り裂き、シッポで獲物を吹き飛ばしたり、体当たりや回避などさまざまだが、基本はガブガブと噛みつくのがメイン。進化していば、回避中に電気を放つなどやりたい放題になっていく。

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最終的には船の上に乗っかったりして襲い始める(※画像はPC版)

クエストを進めてサメを進化!

 基本的にはフィールドに存在するさまざまなクエストをクリアーしていき、各地域の達成度を上げて、ボスに挑んでいくというのがゲームの流れ。

 クエストは“ナマズを10匹食べる”といった簡単なものから、狂暴なアリゲーターを退治するといったバトル系クエストなどが基本で、クエスト自体はそこまでバリエーションがあるわけではない。達成すれば大量の経験値と進化ポイントを得ることができ、経験値を得てレベルを上げると、サメがどんどん大型に成長していく。

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 また、成長ポイントで、あご、ひれ、からだなどの多彩に用意された部位を成長させることが可能。と言っても自由に進化できるわけではなく、条件を満たすことで部位の進化が解放されるため、どちらかというと装備アイテムに近い。

 ほかにも放棄された栄養食品(プロテインなど)などを食べたり、ランドマークを発見するなど、収集要素も多く、やり応えバツグン。そこらへんにいる生物を食べても、さほど成長に影響しないのはちょっと残念なところだが、クエストを進めていけばどんどんサメが強くなる、そしてイカつい見た目になっていく爽快感は唯一無二のものだ。

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進化は自分の巣(拠点)でしかできない
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おそらくプレイヤーが最初にアンロックするであろう進化が、電気あご。噛みつくと電流が流れるのだ(何で?)。

次世代機版も同時発売

 基本的な要素は変わらないので、海外版をすでにプレイした人があえて本作に手を出すべきかというと、筆者としては非推奨。ただ、もう1度マジメにストーリーを楽しみたければアリだと思う。

 いまから本作を遊ぶ人にとっては、読みにくかったテキストと、テキストのおバカな部分が取り払われた、しっかりとしたサメゲーとして楽しめるだろう。サメの成長のおもしろさもさることながら、戦略的なアクションや、探索の楽しみなど、イチから思う存分楽しいんでほしい。もちろん、ゲーム展開や演出などで、おバカ要素もたっぷり健在なのでご安心を。

 気になるのが、次世代機版だ。今回試遊させていただいたのがプレイステーション4版なので、お伝えできないのが残念なところ。次世代機版では、レイトレーシング、ネイティブ4K HDRに対応したスムーズな60FPSでプレイできるそう。また、プレイステーション5版は専用コントローラーのDualSense(デュアルセンス)のハプティックフィードバックでより没入感のある振動を堪能できるとのこと。

 なお、プレイステーション4、Xbox One版はそれぞれプレイステーション5、Xbox Series X|S版への無料アップグレードにも対応しているので、まだ次世代機を手に入れられていないという人でも安心だ。本記事を見て興味を持った人は、ぜひプレイしてみてほしい。

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