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これは長編SFの実体験だ
昨日から本格的に、スパイク・チュンソフトから発売されたばかりの話題作『サイバーパンク2077』をプレイしている。
品切れのショップも出てきたし、ネット上のゲーム関連の話題も『サイバーパンク2077』で持ちきりになっているしで、その人気のデカさに正直ちょっと面食らっている。というのも、
- 海外ゲー
- 一人称視点オンリー
- CERO Z
- やることが無数にあるオープンワールド
という、ともすればマイナスにもとらえられる要素が満載だってのに、そんなことはまったく意に介さず売れまくっているから。
俺がファミ通に入ったばかりの1990年代半ばは、“洋ゲー”というだけで色眼鏡をかけて見られがちで、これほど話題になり、市民権も得るゲームなんてほぼほぼ存在しなかったからな。
まあ中国発の『原神』が大ヒットしているのを見るにつけ、ゲームにおける国境は日に日に薄くなってきているんだなぁ……と思っていたけど、『サイバーパンク2077』のような、
「ワタシ、バリバリの洋ゲー代表ですッ!!」
って感じのタイトルがこれほど受け入れられるとは……!
もとより、海外発のゲームが大好きな俺としては非常にうれしい傾向だが、それにしたって……『サイバーパンク2077』の“それっぽさ”は際立ってる。
何が言いたいかというと、まるで、フィリップ・K・ディックやディーン・R・クーンツ、ブライアン・オールディスなどなど伝説的なSF作家が綴った重厚長大な長編SFをそのままインタラクティブにしたかのような作り込みが凄まじくて、
「俺……本当にこの世界で暮らしているんじゃねえの……??」
なんていう錯覚にすら囚われてしまうのである。
ここまでの没入感を生じさせる最大の理由は、やっぱり……一人称視点のこだわりなんだろうなぁ。
三人称視点だとどうしても、モロに「ゲームをしてますいま!!」という気持ちが強くなって、世界観の中にそのまま入り込んだ……という感情を覚えることが少なくなると思うのである。ゆえに、『サイバーパンク2077』は一人称視点にこだわったし、それが理外の効果と結果をもたらしている……と、思いっきり3D酔いしながら確信している次第である(苦笑)。
我がゲーム史における事件
そう……。
「もしかしたら、いつの間にか酔いやすい体質は改善され、一人称視点のゲームもサクサクこなせるようになっているかもしれないゾ!!」
という淡い期待を抱いて『サイバーパンク2077』を遊んでいたんだが……やっぱり1時間も続けると限界に達する。でも、このサイバーな世界は息をつかせぬ目まぐるしさで「アレをやるといいよ!」、「こんな依頼もあるよ!」と俺に呼び掛けてきて、
しかもそのどれもがすこぶる楽しいがゆえに、
「や、休もうと思ったけど……いいよ!! やるよ!! あとちょっとだけね!!! うっぷ」
と、身体と精神のせめぎ合いの後に後者が勝利し、ついついゲームを続けてしまうのである。
これ……俺の40年にわたるゲームの歴史における、かなり大きな“事件”だったわ。
自分が一人称視点のゲームに向いていない体質と気づいて以来、意識してそれらのタイトルから距離を取ってきた……と前回の記事で書いたし、『サイバーパンク2077』も思いっきりそのカテゴリーに入っているんだけど、まさかそれを押しのけてすらプレイを続けて、
「もっと先の展開を見たい!! もっともっと遊びたい!!」
こんな気分にさせられるとは思わなんだ。どんだけのパワーを持ったゲームなんだコレは。
とはいえ、ガンガンと突き進んでいるであろう一般のプレイヤーとは一線を画し、少しずつゲームを進めているのは老骨ゆえのことと許していただきたい(苦笑)。そもそも、覚えることも膨大にあるゲームなので、それほどのスピード感は望めないのである。
それでも、徐々にストーリーは動き始めている。
この世界観では絶対に避けては通れないであろう凄惨な事件や銃撃戦、ハッキングやステルス戦闘もこなすようになった。
ファミ通.comの攻略記事やガイドなんかを読むと、クラフトやステータスアップにこの世界を生き抜く神髄があるようだが(たぶん)、
それは……もうちょっとゲームを進めて、立ち回りの基本を身に付けてからになりそうだな。
とりあえず今日は……この居心地のいい自室で休んで、
明日からの活動に備えようと思う。
続く!
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元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。2017年に独立。編集部時代から現在に至るまでゲームエッセイを精力的に執筆し、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』、『折れてたまるか!』など、多数の著作がある。