ついに発売された『ファイナルファンタジーVII リメイク』。現代の技術で作られた新しい『FFVII』は、グラフィックやバトルはもちろん、音楽も生まれ変わり、新規の楽曲も多数追加され、大幅にパワーアップ。そのオリジナルサウンドトラック『FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack』は2020年5月27日に発売予定となっている。

 本稿では、その『FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack』の発売を記念して、『FFVII リメイク』の音楽に携わった開発スタッフへのメールインタビューを実施。

 インタビューから伝わる細やかで多岐にわたるこだわりを通じて、開発スタッフの『FFVII リメイク』への並々ならぬ想いを感じたり、それらを知ることでゲーム体験がより深く、豊かなものになれば幸いだ。

 第5弾は『FFVII リメイク』のコンポーザーのひとり浜渦正志氏。

※これまでに公開したインタビューはこちら

浜渦正志(はまうずまさし)

1971年ドイツ・ミュンヘン生まれ。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。『ファイナルファンタジー』シリーズなど数々のゲーム音楽を手がけ、ヨーロッパ、北米各国でのオーケストラコンサートなど世界的に活動している。またテレビアニメ、劇場映画、CM等、さまざまな媒体に多数楽曲を提供しており、欧州を中心に数多くの室内楽曲・現代音楽も発表している。自身がプロデュースする音楽ユニット“IMERUAT”では音楽制作のほか、映像作品、アートワークなども手がけ、国内外でのライブ活動も精力的に行なっている。監督・脚本・編集を担当したミュージックビデオ「暗殺したい!」は、世界各国の映画祭で最優秀賞など多くの賞に選ばれている。

――浜渦さんは初めて関わった『FF』がオリジナル版『FFVII』とのことですが、それが20年以上経ったいま、『FFVII リメイク』として開発され、その作品のコンポーザーとして携わることについての思いをお聞かせいただければ。

浜渦オリジナル版は少しお手伝いさせていただいた程度だったのと、昨今はゲームでもアニメでもリメイク作品というもの自体が珍しくはなくなってきていたので、最初はそれほど特別というほどの感覚はなかったのですが、北瀬さんや鳥山さん、植松さんという当時のメインスタッフの方とまた同じ空間を共有するのかと思うと、とても感慨深いものがありました。ただ、開発が始まるとほとんど会うことはなかったのですが。

――サントラは7枚組の大ボリュームで、浜渦さんも多数の曲を手掛けていますが、曲は当初からこれだけのオーダーがあったのでしょうか?

浜渦今回は曲数が決まっておらず、だいたいの量さえもはっきりしていませんでした。鳥山さんからは「なるべく出来るだけ」という感じで、また多くのシーンの開発が同時進行で進んで行くので、開発終盤までボリューム感が掴めず苦労しました。また、大半の曲が一曲を複数に分割してどこからでも繋がるシームレスの仕様で作っているので、分割用データをカウントに入れるとかなりの数になります。これらをどのように使用するか、どこで分割するか、どうバージョンを増やすかは刻一刻と変わっていくので、作曲よりも管理がたいへんで、本当に最後の最後まで数える余裕もなかったです(笑)。開発後に数えてみたら、事実上制作した楽曲数そのものは45曲ほど、シームレスデータを含めると100以上になっていました。

――『FFVII』のアレンジ曲あり、鈴木光人さんやほかのコンポーザーが担当する曲もありと、多くの方が楽曲作りに参加していますが、統一した方向性やテーマのようなものはあったのでしょうか?

浜渦方向性やテーマの指定はとくにはありませんでした。リメイクであるということで、すでに一度完成した世界があるので、必要がなかったのかも知れません。むしろ、鳥山さんには初期のデモ提出時に「もっと好きにやっていい」という感じで仰っていただきました。また、担当した箇所がほとんど新規のシーンだったことや、フィーラーなど新しく強い要素も次々と登場してきたこともあって、オリジナルに引っ張られたりすることはなかったですね。むしろ、エアリスのテーマのアレンジをするときなどは逆に懐かしさでホッとする感覚でした。

『FF7 リメイク』は複数の作曲家が参加したオムニバスのような作品――音楽関連インタビューその5:浜渦正志氏_01

――今回、作った曲の中でとくに手応えを感じている曲は? また、苦労した曲や印象深い曲などもありましたら、その理由とともに挙げていただけると。

浜渦シームレスのシステムに予想外に苦戦しました。データ数が多くてそれを鑑みたレコーディングや楽譜制作が必要になるほか、一曲の中でどこから切ってもなるべく繋がるよう前後の辻褄を考えなければならなかったので、これまでのRPGでいつもやってきた調性や拍子などを次々と変えていく手法がなかなか使えず、たいへんでした。また、個人的には暗めの世界観はあまり得意ではないので、とにかくその殻をどう打ち破るかが課題でしたね。それでも最後に我慢できなくなってシームレスをほぼ無視し、さらに後半明るさも含む展開の戦闘曲を作らせてもらいました。その曲がお気に入りです(笑)。

――そのほか、作曲をするうえでエピソードなどがありましたら。

浜渦鳥山さんはいつも「浜渦さんはいつも言うことを聞いてくれない」と笑って仰います。発注通りに作って来ないという意味です(笑)。そういう認識でいてくださっているのに、今回も依頼を頂けたのは本当に光栄でした。『FFXIII』の開発中、鳥山さんに次第に「任せます」と言ってもらえるようになったのを思い出しました。ゲーム音楽には基本的には音響監督(どんな曲が必要かを発注する仕事も含む)がいないので、言われた通りに作るだけでなく、逆に提案するのも大事な仕事だと改めて感じました。

――サントラを楽しみにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。

浜渦今回はたくさんの素晴らしい作曲家の方が参加しているオムニバスのような作品になっています。裾野が広がっていく新しい『FFVII』の世界を楽しんでいただければと思います。

『FF7 リメイク』は複数の作曲家が参加したオムニバスのような作品――音楽関連インタビューその5:浜渦正志氏_02

浜渦正志氏のサイン色紙を1名様にプレゼント

 『ファイナルファンタジーVII リメイク』のコンポーザーを務めた浜渦正志氏のサイン色紙を1名様にプレゼントします。

『FF7 リメイク』は複数の作曲家が参加したオムニバスのような作品――音楽関連インタビューその5:浜渦正志氏_03

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