『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、『FFVII リメイク』)発売を控えた2020年2月某日、スクウェア・エニックスにてメディア向けにプレビューイベントが実施。プレビューでは、ゲーム冒頭のCHAPTER 1のほか、八番街の探索、アプス戦、エアバスター戦がプレイできた。本稿では、そのプレビューの内容と動画をお届け。発売を前に、徐々に見えてきた『FFVII リメイク』の魅力をたっぷり紹介します! なお、本日はディレクターとコンセプトデザインを担当する野村哲也氏へのインタビューも同時公開。そちらも併せてチェックしてみてください。
なお、本記事、プレビュー動画でのネタバレにご注意ください。
『FF7 リメイク』の予約購入はこちら(Amazon.co.jp)新たな(?)一面を見せるクラウドさん
『FFVII リメイク』は、その世界がリアルに再現され、“新たな物語”として生まれ変わる作品。大きく変わったバトル、再設計されたミッドガルや魔晄炉などの紹介の前に、まずは本作のクラウドについて紹介したい。オリジナル版のクラウドは、本当は不器用で繊細なんだけれど、「オレ、ソルジャー・クラス1stだし。エリートだし」といったオーラを出しつつ、クールを気取って近寄りがたい男を演じ、でもみんなには認められたい、といったような、友だちだったらちょっと面倒くさいタイプのキャラクターだった。
当然、その基本は変わってないのだけれど、本作ではバレットはもちろん、ティファやエアリス、アバランチのジェシーなどのイジりに困惑した様子が垣間見えたり、おだてられたら一瞬はにかんだり、自意識過剰のために変な勘違いをしたり、クールを演じつつも滲み出てしまうクラウドの天然っぷりに好感度も爆上がり。そういったクラウドの新たな一面(オリジナル版からじつはそうだったかもしれませんが)が楽しめるのは、繊細な演技を付けられるグラフィックの進化や、現在の感覚で描かれる『FFVII』だからこそ。アバランチのメンバーの出番も多く、とくにイケメン好きのジェシーは人気が出そう。
冒頭のハイライト! 壱番魔晄炉爆破ミッションに挑戦
では、ここからはプレイできた内容を順番に紹介。まずCHAPTER 1では、オープニング後、壱番魔晄炉の爆破ミッションから脱出までが描かれる。
オリジナル版やプレイステーション3の技術デモでも描かれた、クラウドが列車から飛び降りる有名すぎるオープニングから操作パートに移ると、チュートリアル的に神羅の警備兵などとのバトルに突入。傭兵としてアバランチに雇われたクラウドひとりで蹴散らしながら本作のバトルを学んでいく。
バトルの特徴は以前にもリポートした通り。『FF』らしいコマンドバトルと直感的なアクションが融合した新感覚のバトルになっている。ひとりのキャラクターを操作し、状況に応じてリアルタイムに操作キャラクターを切り替えて戦えるが特徴のひとつだ。
ATBゲージは時間経過のほか、攻撃のヒットなどで増加し、通常攻撃では消費せず、アビリティや魔法、アイテム使用時に消費する。
見た目はアクションゲームのような臨場感のあるバトルとなっているが、コマンドを選択する際は、時間の経過が止まっているかのようにかなり遅くなり、RPGのように戦略を考えて戦うことができるので、アクションが苦手な人もご安心を。
各操作キャラクターには△ボタンで発動できる固有アビリティがあり、クラウドは攻守のバランスに優れた“アサルトモード”と、攻撃に特化した“ブレイブモード”を切り換えることができるモードチェンジ。 ブレイブモードになると移動速度が遅くなる代わりに、 □ボタンによる“たたかう”が“強撃”に変化し、与ダメージがアップするなど攻撃が強化される。
壱番魔晄炉の内部に侵入するとバトルにバレットが加わる。バレットは右手のギミックアームから放たれる遠距離攻撃が得意なキャラクター。□ボタンを長押しすることで銃による連射を行う。高所にいる敵にはバレットに切り替えると戦いがスムーズ。固有アビリティ“ぶっぱなす”は、ATBゲージが大きく溜まる高威力の攻撃を放つ。再発動までにチャージ時間が発生するが、△ボタンを押すことでチャージ時間を短くすることができる。
本作で再設計された魔晄炉内部はかなり広くなっておりトラップなどのギミックも多数。
ようやくたどり着いた壱番魔晄炉の中心に爆弾を仕掛けると最初のボス、ガードスコーピオン戦に。ここからはプレビュー動画その2も参照してください。
敵のHPゲージの下にはバーストゲージがあり、攻撃を与えてこのゲージを最大まで溜めると敵はバースト状態になって無防備になる。その隙に一気にHPを削っていけるので、バースト状態にできるかできないかで、感じる難易度も変わってくる印象だ。
バースト状態の前段階として、特定の攻撃や一定ダメージを与えると、敵が大きく体勢を崩すことがあり(ゲージには“HEAT”と表示)、この隙にアビリティや魔法を当てると敵のバーストゲージが一気に溜まって、すぐにバースト状態にすることができる。アビリティや魔法、敵の性質などによりバーストゲージの増加量は変わるので、効果的な攻撃はどのキャラの何の攻撃を模索するのもRPG的な感じだ。
ガードスコーピンを倒すと、時限爆弾のカウントダウンが始まるので、急いで壱番魔晄炉から脱出を目指す。魔晄炉内部はガードスコーピンの攻撃の余波で爆発前から崩壊が始まっており、脱出する道中ではガレキに足を挟まれたジェシーを助けたり、手強い敵が行く手を阻んだり、魔晄炉自体も広くて複雑な構造をしていてカウントダウンもどんどん進んでいき、最初のハイライトからすでにクライマックス感も漂う大仕掛け。脱出のシーンでは神羅の策略が伺えるシーンもあり、物語もより深みを増している印象を受けた。
再構築され、よりリアルになったミッドガル八番街の探索
壱番魔晄炉を爆破した後に訪れる八番街。オリジナル版では数ブロックをサラッと通り過ぎることなるが、本作ではかなり大きな規模の街に。壱番魔晄炉爆破により、高速道路が崩れ落ちたり、何かが爆発したりと八番街も崩壊気味。それにより、目指す八番街ステーションへも迂回を余儀なくされたり、アパートの屋上から別の道に降りたりと迷路を進むかのよう。
道中では神羅の警備兵が壱番魔晄炉爆破の犯人を捜索しており、各所で警備兵とのバトルに。警備兵が持つシールドにはバスターソードが弾かれてしまうので、戦略を練る必要があったりする。
※八番街の動画は、下記のアプス戦の動画に収録しています。
ティファとエアリス、そしてイフリートも参戦! ド迫力のアプス戦
アプス戦にはパーティはクラウド、ティファ、エアリスで挑む。バトルフィールドは地下下水道のため、時折噴射される濁流に飲まれるとダメージを受けるため、立ち位置も重要となる。
アプスは左右のツノが弱点の様子。本作のボスには部位が設定されており(すべてのボスにあるのかは不明)、それらを攻撃することが攻略のポイントになっているようだ。
エアリスは□ボタンの“たたかう”でMPを消費せず遠距離の魔法攻撃を行い、連打もしくは長押しをすると連続で魔法を放つことができる。△ボタンで発動できるエアリスの固有アビリティは“テンペスト”。テンペストは、長押しでチャージすることで威力が増していき、最大まで溜めた状態で放たれた攻撃は敵へ着弾後、強力な連続爆発を起こす。
ちなみに、魔法には魔法ランクが設定されており、マテリアは使うと成長し、ファイア→ファイラ→ファイガといったように使用できる魔法がパワーアップする。
アプス戦では召喚獣が発動可能で、今回のプレビューのバトル時にはイフリートのマテリアがセットされていた。召喚獣はサモンゲージが溜まると呼び出すことができ、サモンゲージがなくなるまで自動で戦ってくれる。そして帰還時には固有の超必殺技を発動して去っていく。ボスと召喚獣が戦っている様子は怪獣映画のような重量感で迫力も抜群。召喚獣はいつの作品でも頼りになります……。
ただならぬ臨場感、スケール感……圧倒されまくりのエアバスター戦
伍番魔晄炉に潜入したクラウド、バレット、ティファを待ち受けるエアバスター。ここでは道中で、エアバスターに搭載されるアイテムを廃棄することでエアバスターの整備不良が狙え、搭載する弾数や特定の攻撃の使用頻度などを抑える、といったことも可能に。
また、メンバーでタイミングを合わせてロックを解除したり、椅子に座るとHPが回復したりと、さまざまな遊びや要素が盛り込まれている印象だ。
ハイデッカーのホログラムに見守られながらのエアバスター戦は、今回のプレビューでもっとも激しい戦いに。
エアバスターの動画でも大活躍しているティファの特徴ここで少し紹介すると、ティファは□ボタンの“たたかう”で素早い格闘攻撃を行い、 連打することでコンボがつながっていく近接戦闘タイプ。 △ボタンで強力な固有アビリティ“秘技”が発動。秘技は、アビリティの“秘技解放”を行うことで、強打→爆裂拳→掌打ラッシュと3段階の強化が可能となっており、 それと同時に“たたかう”のコンボ数も増加する。また、本作では武器アビリティが存在し、 その武器を使って熟練度を上げると、 ほかの武器を装備したときでも使えるようになる。“正拳突き”や“かかと落とし”もそんなアビリティのうちのひとつ。
エアバスターは3段階に戦闘フェーズが移っていく。第2段階以降に使ってくるバスターキャノンは画面も揺れるほどの極太ビームをぶっ放す危険は攻撃。T字になったバトルエリアでは避けるスペースも少なく、予兆が見えたら走って退避、戻って攻撃! 左右の腕が飛び道具としても機能し、多方面から攻撃を放ってくるので、つねに気が抜けない激しいバトルに。
そして最終フェーズのエアバスターは飛行し、遠距離からも攻撃してくる。遠距離ではバレット、近づいてきたらクラウドとティファでと、攻撃スタイルの違うキャラそれぞれ輝く時間がある。
また、エアバスター戦でも召喚獣の呼び出しが可能で、ここではリヴァイアサンを召喚。召喚獣が加わると、バトルがさらにカオスになってとんでもないことに。臨場感とスケール感がハンパなく、ただただ圧倒。
ガードスコーピン、アプス、エアバスターのボス戦はいずれも段階によって攻撃が変化し、バトルエリアの形状も変わっていき、どのボス戦もクライマックス感は尋常じゃなく、撃破したときの充実感、満足感は格別。どのキャラの攻撃が有効かを模索し、攻撃だけではなくガードでダメージを軽減しつつATBを効率よく溜め、バーストを狙って一気に攻撃を叩き込む。というプレイが初見ではなかなか難しいアクションゲームのようでもあり、キャラが切り替えられることにより、攻撃手段の選択肢も多岐にわたり、ATBゲージの溜まり具合も管理して攻撃のタイミングを計るRPGらしさもありで、本作ならではのバトルシステムは歯応え十分。何度も挑戦したくなる奥深さを感じるものになっている。
最後に、プレビューした範囲の中では神羅の兵士が「あの剣は……」といった、バスターソードについて過去のできごとを臭わすセリフがあったり、アバランチメンバーのキャラクターがより掘り下げられていたり、神羅の陰謀が垣間見えたり、再構築されたミッドガルのリアルさに説得力があったりと、世界観や物語もより深いものなっていて、「ああ、そうだったな」と懐かしい気持ちになりながらも、新作を遊んでいるような不思議な感覚に。
発売まであと1ヵ月余りの『FFVII リメイク』。未経験者の人は『FFVII』というゲーム史に残る名作をまっさらな状態で楽しめ、オリジナル版をプレイした人は、経験しているからこそ楽しめる部分もあって(原曲のアレンジもいいんですよ)、もはやすべてのエンタメ好きにオススメしたい作品。発売が待ち遠しい!