2019年6月11日~13日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大規模のゲーム見本市、E3 2019でプレイアブルが出展された『ファイナルファンタジーVII リメイク』。世界のメディアが選ぶ“Game Critics Awards: Best of E3 2019”では、大賞ともいえる“Best of Show”に輝き、“Best Console Game”と“Best RPG”も同時受賞。8月にドイツ・ケルンで開催された欧州最大級のゲームイベントgamescom 2019でも大好評。
そして、9月12日から15日(12日、13日はビジネスデイ)まで開催される東京ゲームショウ2019では、日本語版のプレイアブルが満をじして初出展。スクウェア・エニックスブースでは、多数の試遊台はもちろん、ゲーム内に登場する実寸大のハーディ=デイトナ&バスターソードの撮影が可能なフォトスポットも用意されているとのこと。プレイできる機会をいまかいまかと待っていた方は、ぜひ東京ゲームショウに足を運んでいただきたい。でも、相当競争率は高そう……。ちなみにプレイステーションブースにも試遊出展される。
今回は、そんな『FFVII リメイク』のTGSプレイアブルバージョンをプレイ動画とともにプレビューをお届け。
そのまえに、少しだけ『FFVII リメイク』をおさらい。『FFVII リメイク』は、その世界がリアルに再現され、“新たな物語”として生まれ変わる作品。生まれ変わるのは物語だけではなく、バトルも一新。アクションベースのバトルに“ウェイトモード”によるRPGライクなコマンド選択も可能なハイブリットなバトルになっていて、戦略性もより高くなっているのが特徴だ。
今回の試遊版の内容は、E3 2019やgamescom 2019同様、クラウドとバレットが壱番魔晄炉の爆破を目指す序盤のシーン。最後にガードスコーピンが待ち受ける。
下動画は、そんな東京ゲームショウ2019出展バージョンのプレイを3分に編集したものです。日本語のセリフが吹き込まれたキャラクターの熱演にご注目を(とくにバレットの弾けっぷり)。
スタートするとまず、アバランチのメンバーのひとりジェシーが爆弾を仕掛ける場所を教えてくれる。話かけると、「あれ? わたしと居たい?」と、クラウドをからかう“らしい”ひと言もあり、思わずニンマリ。
ガードスコーピン戦の前には、警備兵などの雑魚的で基本操作がゲーム内で解説される。道中には神羅印の箱があり、破壊するとポーションやMP回復などのアイテムが入手可能。宝箱もあり。
操作マニュアル
- △……フィールドアクション
- □……たたかう
- ○……コマンドメニュー
- ×……回避
- +……上下で操作キャラクターチェンジ、メニューカーソルの移動
- L1……ショートカットコマンド
- L2……パーティメンバーコマンド
- L3……ダッシュ
- 左スティック……キャラクターの移動
- R1……ガード
- R2……パーティメンバーコマンド
- R3……ターゲットロックオン
- 右スティック……カメラ操作
最下層で魔晄炉に爆弾を仕掛けるイベントシーンでは、クラウドが見る幻覚として、黒い羽が1枚、ひらりと舞う演出も。現世代機で表現が豊かになったイベントシーンは見どころたっぷり。
バトルは先ほども述べた通り、アクションとコマンドRPGのハイブリット。基本は、□ボタンの“たたかう”で攻撃する。“たたかう”のボタン連打でコンボとなり、長押しすると、技が変化する。
クラウドは近距離戦、バレットは遠距離戦が得意なため、ガードスコーピンが地上にいるときはクラウドで、壁に張り付いたらバレットで、と距離によって操作キャラクターを切り替えると戦いがスムーズ。キャラクターの切り替えは、方向キーの上下でシームレスに行うことができる。
ATBゲージは時間とともに溜まり、攻撃がヒットすると溜まりが早くなる。ATBゲージが溜まると、各種アビリティが発動可能になる。今回の試遊では、下記のアビリティがセットされていた。
TGS試遊Verにセットされていたアビリティ
<クラウド> ※( )内はショートカットに割り振られていたボタン
- ブレイバー(□)……敵を一刀両断し、大ダメージを与える
- バーストスラッシュ(△)……鋭い突きをくり出し、間合いを一気に詰める。バースト効果:大
- ラピッドチェイン(○)……周囲の敵に高速移動して3回斬りつける。複数敵ヒットで威力アップ
<バレット> ※( )内はショートカットに割り振られていたボタン
- ド根性(□)……一定時間、被ダメージが減少し、ひるみにくくなる
- フュエルバースト(△)……ATBを全消費し、高エネルギーの弾を放つ。バースト効果:大
- ブレットバラージ(○)……ATBを全消費し、無数の弾を一気に打ち込む
ちなみに、リミットブレイク(リミットゲージが溜まると発動可能。リミットゲージはダメージを受けると溜まる)は、クラウドが凶斬り(その剣が導く運命は凶、敵を無慈悲に斬りつける)、バレットがグレネードボム(エネルギーを圧縮し、広範囲に爆発する弾を放つ)。
ガードスコーピオン戦の流れ
バトル中は、クラウドとバレットが憎まれ口を叩きながら会話し、「メカは いかずちに弱い」など、その会話でさりげなくガードスコーピンの弱点などがわかる。試遊版では、バレットがサンダーの魔法を所持しており、たしかにサンダーはかなり効果的にダメージを与えられる。ただし、アビリティと同様、魔法とアイテムを使用するとATBゲージを消費するため(魔法はMPも消費)、アビリティや魔法を連発してATBゲージが溜まっていない場合、回復もできなくなるので注意が必要だ。
本作の大型の敵には、バーストゲージがあり、特定の攻撃や一定ダメージを与えると大きく体勢を崩すことがある。その際にアビリティや魔法を当てるとバーストゲージが一気に溜まり、敵をバースト状態にすることができる。バースト状態になると、動きが止まり、与ダメージも大きくアップする。ガードスコーピンをバーストさせ、ガンガン攻撃を叩き込めるのはかなり快感だ。
ガードスコーピオンは、しばらくすると防御システム(いわゆるバリア)で身を固めてくる。防御システムの解除は、ガードスコーピオンの腹部後方にあるバリアコアへの攻撃が有効。
バトル後半、反撃に出るガードスコーピオンは、尻尾からレーザーを放ってくる。レーザーは障害物に身を隠して過ごし、レーザー後の隙を突いて攻撃していく。
終盤は自己修復機能で回復を図るガードスコーピオンに、アビリティやリミットブレイクを叩き込んで一気に攻撃! ATBゲージやリミットゲージを溜めてド派手に倒してやりましょう。
このように段階的にガードスコーピオンの状態が変わるので、それに対応していくおもしろさや、攻撃が激化していく中で床が燃えたり、火の粉が舞ったり、鉄骨が落ちてきたりとステージもダイナミックに変化したりと、ガードスコーピオンのバトルひとつを取ってもかなりドラマチックだ。
アクションとコマンドバトル、さらに『FFVII リメイク』ならではの味付けでバトルは唯一無二のプレイ感覚に
アクションの臨場感と臨場感が味わえ、コマンドRPGのようにじっくりと戦略を練ることもできるというのが大きな特徴の『FFVII リメイク』のバトル。
アクションは、たたかうボタン連打でコンボがくり出せる簡単操作。アクションスピードは、ガチガチのアクションほど忙しいものではなく、とはいえもっさりした感じもないほどよいスピード。そこに鋭い突きをくり出し、間合いを一気に詰めるバーストスラッシュ、周囲の敵に高速移動して3回斬りつけるラピッドチェインなどのアビリティを使っていくと、自然とメリハリの効いたバトルスピードになる感じ。敵の攻撃も慣れると予備動作を見て回避やガードなど対処でそう(筆者はキャラクターの操作に必死で今回はそんな余裕はありませんでしたが)。
コマンドメニューを開くと超スローになるウェイトモードは、アクションが苦手な人への救済というレベルに留まらず、アクションバトル中は確認不足になりがちなHPやMP、ATBゲージやリミットゲージの確認・管理にも便利。
よく使うアビリティや魔法などショートカットに割り振ると、ウェイトモードに移行せず、バトル中にすぐにそれらを発動できるので、アクションに特化したプレイも可能。この自由度の高さもうれしいところ。
本作では、プレイヤーキャラクターをシームレスに切り替えられるのも特徴(カメラアングルもヌルッと変わるので、何気に気持ちいい)。ガードスコーピオン戦では、壁に離れた際はバレットの遠距離攻撃が有効だったが、状況や敵との相性によってキャラクターを切り替えていく、といったシチュエーションはほかの敵でも多く用意されそうだ。ひとつのバトルでバスターソードでガシガシ斬りつけたすぐ後に、バレットのガトリングガンで撃ちまくる、という異なる攻撃が流れのままにつながる感覚はなかなか新鮮。
操作していない仲間キャラクターはAIにより、状況に応じて行動してくれるが、L2ボタン、もしくはR2を押すと操作キャラクターはそのままに、仲間キャラクターのコマンドが表示される。そこでコマンドを選択すれば、即座に仲間がそのコマンドを発動したり、アイテムを使ってくれたりする。
つまり、バトルに関しては、ショートカットを使ってアクションに特化することもできるし、コマンドRPGのように時間を使ってつぎの行動を決めてもいい。キャラクターを切り替えて特徴の異なるバトルを楽しむこともできるし、キャラクターを切り替えず仲間へは使わせたいコマンドを指示して、ひとりのキャラクターで戦い続ける、といったことも可能。このプレイスタイルに応えてくれる自由さの高さ懐の広さは、今回プレイして実感した部分だ。
ひと通りプレイした印象は、「ウェイトモードがあるので最初からある程度カッコよく戦えるのでは?」と思っていたけれど、ガードスコーピンの攻撃はなかなか激しく、何も考えずに戦うとダメージを受けまくり、回復魔法、アイテムを使ってATBゲージを消費してアビリティを使うどころではなくなってしまう。しかも、アビリティやリミットブレイクの発動中に敵の攻撃を食らうとゲージだけ消費して、こちらの攻撃はキャンセルされてしまい、結果、グダグダな戦闘になってしまいがちに(なので、アクションゲームっぽくアビリティやリミットブレイクの使うタイミングも重要)。
そうならないために、敵の予備動作を観察して防御や回避を意識したり、クラウドやバレットのHPゲージやATBゲージをチェックし、敵の状況を見つつキャラクターを切り替えたり……とやっていると、選択肢がいろいろあって慣れないうちは混乱しがち。そんなときこそ、あってよかったウェイトモード。
アクションには爽快感、臨場感があり、コマンドを選択したり、キャラクターを切り替えたりという独特の操作も楽しめる『FFVII リメイク』。ガードスコーピオン戦だけでも何度もやりたくなる、すごく奥深いものを感じるバトルになっていた。最高峰の映像により、物語への没入感もハンパない。まさに現代の技術と創意工夫で生まれ変わった『FFVII』。新しさの中に懐かしさも感じられる要素も詰まっていて、個人的な期待値はMAXに……いやそれ以上に振り切れました。あとは2020年3月3日の発売を待つだけ!