TYPE-MOON(タイプムーン)と『Fate/stay night』のこれまでの歩みと世界観を体感できる展覧会“TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-”の第3期“Heaven's Feel”(以下、HF)が、2020年2月27日(木)~4月5日(日)にソニーミュージック六本木ミュージアムで開催される。
本記事では、第1期“Fate”と第2期“UBW”を体験した記者が、第3期“HF”となって変更されていたエリア・展示をメインにリポートする。展示エリアの9割が撮影不可だったこともあって、いくつか記憶違いがある可能性がある点だけご了承願いたい。
なお、イベントの詳細や第1期と第2期の詳しい展示内容が気になる人は、以下の記事で確認してほしい。
※各エリアの写真は第1期“Fate”と第2期“UBW”の公式宣材写真。“HF”のものが到着次第差し替え予定。【2/27追記】各エリアを第3期のものに変更。
OPENING THEATER
第2期“UBW”と同様に、中盤からPC版や劇場版の素材を使用した“HF”の映像に切り替わる。映像の前半部分と最後のラストエピソードの一部アニメーション部分に変更はなかった。
“HF”ルートの映像だけあって、PC版未プレイの人にとっては「おや?」(衛宮士郎の投影シーンなど)と思うシーンも少しだけある。TM展の前にアプリなどで予習するか、劇場版の最終作を見てから訪れるのもいいだろう。
Kinoko Nasu’s WORK SPACE
第2期よりページの一部が確認できるようになった、アクリルケース内で展示されている『鉄の紋章』TRPGルールブック。“HF”では開かれているページが変わっていた。中には“獅子王”というワードも。世界観設定のページも一部確認できる。
この他、奈須きのこ氏の当時の仕事場を再現したエリアに置いてあったパソコンの画面(一太郎で開かれたFateの原稿)が桜のシーンに変わっていたり、展示されていたプロット部分が変更されている。
今回新しく展示されていた資料は以下の通り。
歌詞の内容や込められた意味は受け手側で想像・考察するしかないが、今回の展示は歌詞の世界観を読み解く助けになるだろう。
TYPE-MOON MEMBERS
TYPE-MOONのオフィス、全スタッフの机の様子を確認できるエリア“TYPE-MOON MENBERS”では、武内崇氏の生原稿の内容が変わり、スタッフへの一問一答の内容が一新されていた。
今回の一問一答の内容は以下の通り。各スタッフの影響を受けた作品などを知ることができる。
- 自分の創作や価値観に強く影響を与えてくれた作品
- こっそり教えてあげるTYPE-MOON小話その3
- これだけは絶対に無理と思うこと
- 仕事のこだわり
- あなたの宝物は?
個人的には、奈須きのこ氏の無理と思うことを見て、心の中を“戸馬的”というワードが満たした。(※そのワードを思い描いただけで、実際に書いてあったわけではない)
また、毎期変わっているこやまひろかず氏のカラーイラスト色紙が今回も変わっており、スカサハ(ランサー)と宮本武蔵のツーショットの後ろからちょこんと顔を出している間桐桜、という内容となっていた。(かわいい)
FRAGMENTS
主に左壁面の展示が“HF”ルートのものに変わっており、非常にカッコいいライダーの全身イラストも確認できた。また、アクリルケース内に展示されている『Fate/stay night』の設定資料(テキスト資料)も桜のページに変更されている。
ENSEMBLE
劇場版『HF』キービジュアルの制作工程が展示されているほか、PC版とPS Vita版オープニング映像の絵コンテが展示されている。武内崇氏による桜の胸に対するコメントで少しニヤけてしまった。
MATERIAL
左と右の壁面はほぼ変わらないが、中央にアプリ『Fate/Grand Order』の制作資料が展示されている。初期設定やイラストの生原画など、書籍『Fate/Grand Order material』にも載っていないものも確認できた。
どんな資料が掲載されていたのかというと、
- 千子村正の原画が数枚(内容は既存のもの)
- 今とは違う男&女主人公、ロマニの設定画
- 今よりもおじさんっぽいヘクトールの初期設定
- 清姫の設定画
- もっとゆるふわお姉さんで髪の色も違うマタ・ハリのイラスト
- フォーマルクラフト衣装の設定画
- メディア・リリィの設定画
- ビリー・ザ・キッドの設定画(コートを着たバージョンなど)
- 宮本武蔵の設定画(髪を下ろしたイケメン顔の武蔵が超ステキ&好み)
- ロムルスっぽいダレイオス三世の設定画
- スカサハ=スカデイの別パターンデザイン
- ニトクリスの別デザイン
などなど。『FGO』ユーザーとしては気になる内容が多く、ここでかなりの時間を消費してしまった。
TYPE-MOON ART GALLERY
全展示イラストが変更され、10周年時の記念イラストや『月の珊瑚』、『Fate/Zero』、『DDD』などの大判イラストを確認できる。
ROUTE
左の壁面には“HF”ルートの日付別フローチャートが掲載。結末まで描かれているので、“HF”ルートをまだ体験していない人は要注意だ。
右の壁面には、劇場版『HF』第二章までの原画や台本、絵コンテが大量に展示されている。
FUYUKI REVIVAL
筆者お待ちかねのプロジェクションマッピングエリア。ここの変更点はとんでもない。
まず、ボイスが流れるようになっており、声がなかったこれまでのものとは臨場感などが一線を画す。最後まで見終わると、“HF”ルートをクリアーした時の気持ちが蘇り、なんとなく、劇場版完結編を見終わったような気分になってしまった(笑)。こちらも最終決戦までのネタバレ全開なので、“HF”ルート初見の人は注意してほしい。
プロジェクションマッピング部分も、士郎と桜が雨の中で抱き合うシーンで冬木全体に投影された雨の映像が美しく、“マキリの杯”関連のシーンでは冬木市が黒く染まっていく演出が恐ろしい。大空洞でのセイバーオルタとの戦闘や宝石剣の光などは迫力満載だ。
『Fate/hollow ataraxia』部分は内容は同じだが、やはりボイスが付くと印象がまるで違う。すでに見ている人も、もう一度訪れる価値があると言える。
PHANTASM
関係者による色紙部分がすべて変わっている。すべてが素晴らしいが、今回も個人的に印象に残ったものをお伝えすると
- 虚淵玄さんからのお祝いメッセージ
- Niθさんのジル・ド・レェ
- AKIRAさんのゴルゴン三姉妹
- toi8さんの芥ヒナコ
- saitomさんのブラダマンテ(セイバーコス)
- pakoさんによるめちゃくちゃカッコいい間桐慎二
- 須藤友徳監督の桜
- 小清水亜美さんのカレンのイラスト
- 門脇舞以さんのイリヤのイラスト
- 西前忠久さんのバーサーカーのイラスト
- 寺島拓篤さんの色紙(真っ黒で笑った)
ほかにもまだまだまだまだ注目の色紙がある。なお、色紙は撮影のみ可(SNSへの掲載禁止)なので、個人で楽しむために撮影しておくことをおすすめする。
来場者ノベルティ
来場者にプレゼントされるノベルティはメモリアルチケット・小冊子2種。まず、チケットと小冊子“ガイドブック”のイラストが桜のデザインに変更されている。ガイドブックの中身で変更されているのは、下屋則子さんのインタビュー部分だ。
もう一方の冊子は、“Making of TYPE-MOON Exhibition”と題して、TYPE-MOON展がどうやって企画・設計・デザイン・完成したのかを知ることができる資料となっている。
ジオラマや1/1セイバーの制作過程や各エリアに関する奈須氏や武内氏、開発スタッフ、声優陣のコメントも掲載されている。
新グッズ
描き下ろしミニキャラ アクリルキーホルダー vol.3
望月けいさん描き下ろしのアクリルキーホルダー。全6種あり、価格は各600円[税込]。
描き下ろしミニキャラ コレクション缶バッジ vol.3
望月けいさん描き下ろしのコレクション缶バッジ。全6種(中身はランダム)あり、価格は400円[税込]。
展覧会記念ピンバッチ
会期中限定発売となる“Heaven’s Feel”展覧会記念ピンバッチ。価格は800円[税込]。
カフェメニュー更新
オリジナルノベルティのコースターが一新
オーダー1品につき1点もらえるオリジナルノベルティのコースターが一新される。書籍『Return to AVALON -武内崇 Fate ART WORKS-』に掲載されているイラストがコースターとなった。全13種(ランダム)。
士郎の和食膳 一部変更
士郎の和食膳のメニューがさば味噌から肉じゃがに変更された。
ラテアートカフェのキャラクターが一新
TYPE-MOON展 概要
開催概要
- タイトル:TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-
- 会場:ソニーミュージック六本木ミュージアム(東京都港区六本木5丁目6-20)
- 期間:2019年12月20日(金)~2020年4月5日(日)
- “Fate”:2019年12月20日(金)~2020年1月20日(月)
- “Unlimited Blade Works”:2020年1月23日(木)~2020年2月24日(月)
- “Heaven’s Feel”:2020年2月27日(木)~2020年4月5日(日)
- 時間:10時00分~20時00分(最終入場:19時30分)
- 休館日:2019年12月31日(火)~2020年1月2日(木)、2020年1月21日(火)・22日(水)、2月25日(火)・26日(水)
- アクセス:東京メトロ“六本木駅”より徒歩7分、“麻布十番駅”より徒歩10分
チケット情報
チケットは入館時間が決まっている日時指定制。購入した時間内に入館すれば滞在時間の制限はない。
- 入館時間:(1)10:00~11:30、(2)12:00~13:30、(3)14:00~15:30、(4)16:00~17:30、(5)18:00~19:30
- 前売:2300円/当日:2500円
- 販売:日時指定前売券は、ローソンチケットにて販売中。当日券は、前売券の販売状況に余裕がある場合にミュージアムで販売。
※6歳未満(未就学児)は入場無料
※当日券は前売券の販売状況に余裕がある場合にミュージアムで販売します。 ウェブサイトをご確認の上、 お越しください。