TYPE-MOON(タイプムーン)と『Fate/stay night』のこれまでの歩みと世界観を体感できる展覧会“TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-”の第2期“Unlimited Blade Works”(以下、UBW)が、2020年1月23日(木)~2月24日(月)にソニーミュージック六本木ミュージアムで開催される。

 本記事では、第1期“Fate”を体験した記者が、第2期“UBW”となって変更されていたエリア・展示をメインにリポートする。9割のエリアが撮影不可だったことや、第1期・第2期ともに観覧時間が限られていたこともあって、いくつか記憶違いがある可能性がある点だけご了承願いたい。

TYPE-MOON展“UBW”(第2期)を先行体験。“Fate”からの変更点をリポート_06

第2期“UBW”の展示内容を変更点メインにリポート

TYPE-MOON展“UBW”(第2期)を先行体験。“Fate”からの変更点をリポート_01
TYPE-MOON展“UBW”(第2期)を先行体験。“Fate”からの変更点をリポート_02

※各エリアの写真は第1期“Fate”の公式宣材写真。“UBW”のものが到着次第差し替え予定。【1月23日追記】“UBW”の写真に差し替え。

OPENING THEATER

 第1期“Fate”のOPENING THEATERでは、『Fate/stay night』の全ルートの名場面と“Fate”ルートのゲーム・アニメーション含む映像、最後に『Realta Nua』で追加されたラストエピソードの一部アニメーションが上映された。

 第2期“UBW”では、前半とラストエピソードの部分は変わらず、後半部分がまるっと“UBW”ルートに差し替えられていた。

HEROINE AREA

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 各ヒロインの大判パネル内に展示されていた生原画の内容が変更されていた。

Kinoko Nasu’s WORK SPACE

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 ここの変更はかなり大きい。まずは、アクリルケース内で展示されている『鉄の紋章』TRPGルールブック。……なんと、ページが開かれている! 世界設定の一部やルーン・マジック、フェアリー・マジックのページを確認できた。

 さらに、同人コピー誌版の『空の境界』は裏表紙を確認できる。裏表紙には、“タナトス”や“rose”といった各章のイメージタイトルを確認することができる。

 奈須きのこ氏の仕事場を再現したエリアの右手に存在した『Fate/hollow ataraxia』のプロット、『DDD』の読み切り『宙の外』のプロット、『Fate/stay night』の企画書は展示場所の変更によってなくなり(後述)、代わりにテレビアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』最終話のプロット、偽聖杯の設定案、葛木宗一郎とキャスターの会話追加案が新たに展示されている。

 アニメ『Fate/stay night [UBW]』最終話のプロットでは、遠坂凛視点のロンドン編、さらにロンドン編を描かなかった場合のアイデアが確認できた。葛木とキャスターの会話追加案は、主に葛木の過去についてキャスターに語る内容だった。

TYPE-MOON MEMBERS

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 TYPE-MOONのオフィス、全スタッフの机の様子を確認できるエリア“TYPE-MOON MENBERS”では、武内崇氏の資料展示の内容全変更、スタッフコメントなどが一部変更されている。

 武内崇氏の資料展示では、漫画『勇者部ただいま活動中!!』の原稿のほか、ワルキューレが登場する同人誌の生原稿が展示。さらに色紙のイラストが凛に変化しており、その下には『月姫』、プロトセイバー、両儀式と黒桐幹也のツーショットのイラストなどを確認できた。

 メッセージボードの内容もおそらく一部が変更されており、奈須氏と武内氏の“TYPE-MOON小話その2”を確認。こやまひろかず氏の色紙には『DDD』主人公・石杖所在と迦遼海江のカラーイラストが描かれていて、思わず心の中で「キター!」と叫んでしまう。

 この他にも、プログラマー・kiyobee氏のスタッフコメント部分では、おそらく『月姫R』のアルクェイド・ブリュンスタッドとの会話シーンと思われる内容のスクリプト作業画面と、その左側にも『月姫R』と思われるスクリーンショットをいくつか確認できた。

 筆者は視力がかなり低いためスクショの内容をほぼ認識できなかったが、心の中で「やべえよやべえ」と連呼し、若干挙動不審となっていた。2人以上で訪れていたならば、確実にこのエリアで盛り上がっているだろう。

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FRAGMENTS

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 第1期“Fate”ではKinoko Nasu's WORK SPACEに展示してあった『Fate/stay night』の企画書が“FRAGMENTS”エリアに移動している。

 本エリアのほうがスペースが広いため、“Fate”の時よりも渋滞が緩和されるかもしれない。久遠寺凛などの設定を再度確認するチャンスだ。

ENSEMBLE

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 PS2版『Fate/stay night [Realta Nua]』主題歌の楽譜やサウンドトラックなどが展示されている“ENSEMBLE”エリア。

 第2期“UBW”では、PC版『Fate/stay night』とPS Vitab版『Fate/stay night [Realta Nua]』(UBWルート)のオープニングアニメの絵コンテが展示されている。もちろん、設置されているモニターでは完成版が交互に流れているし、その隣には原画に赤入れをした武内氏のコメントも確認できる。

MATERIAL

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 MATERIALエリアは“TYPE-MOON MATERIAL”となり、大幅に変更されている。

 まずは右手の『Fate/hollow ataraxia』制作資料の展示エリアにKinoko Nasu's WORK SPACEで展示されていた『Fate/hollow ataraxia』の設定資料が置かれ、読みやすくなっている。

 中央部分では、『月姫』、『歌月十夜』、『カプセルさーばんと』、“TYPE-MOONムービーエース2”のフェイト/エクストラ劇場コンテ、一部エイプリルフール企画の資料が展示されていた。『月姫』『歌月十夜』の資料は主に登場キャラクターの生原画などで、『カプセルさーばんと』は各ユニットのモーション設定が展示。

 エイプリルフール企画の展示では、“路地裏さつき ヒロイン十二宮編”の設定資料を確認できた。

TYPE-MOON ART GALLERY

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 全展示イラストが変更されている。

 内容は、テレビアニメ『Fate/stay night [UBW]』Blu-ray Disc BoxIIのイラストや、『TYPE-MOON エース』VOL.8と9の表紙イラスト、『Newtype』2019年2月号の付録イラスト(着物姿のセイバーオルタ)、『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』のキービジュアル、『空の境界』通常版BD-BOXのパッケージビジュアルなど。いずれも大判サイズで確認できる。

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ROUTE

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  壁一面に展示されたシナリオフローチャートが“UBW”ルートに変更。反対側の壁には、テレビアニメ『Fate/stay night [UBW]』の原画や、17話Aパート&25話Aパートの台本、0話・1話・20話・24話の絵コンテが展示されていた。

FUYUKI REVIVAL

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 前半部分の『Fate/stay night』の映像が“UBW”ルートに変更。作中2月12日の衛宮士郎と凛の背中合わせで座っているシーンなど、名シーンを盛り込んでいた。

 特筆すべきは無限の剣製のシーンと最終決戦シーン。無限の剣製シーンでは詠唱が終わるとともに、固有結界の光が冬木市全体に広がる演出がいい。また、最終決戦では全長13メートルのジオラマの両端からギルガメッシュが放つ王の財宝“ゲート・オブ・バビロン”の大量の金色の光と、その反対側から射出された贋作の光がぶつかり合うシーンは鳥肌もの。やはりこのエリアが個人的にいちばん好きだ。

 第1期“Fate”の時には気付けなかったが、『Fate/hollow ataraxia』のクライマックスシーンで敵の数が赤い光で表現されている。この光が各サーヴァントの活躍で少し減っていくのだが、セイバーの宝具が放たれると都市全体に広がるすべての赤い光が消滅する。改めてセイバーの宝具のすさまじさを実感できた。

PHANTASM

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 寄稿色紙がすべて変更されている。特に印象に残っている色紙イラストの内容と一部所感を以下に羅列する。

  • 坂本みねぢさん:遠坂凛
  • 森井しづきさん:ランサー・凛・カレン
  • ワダアルコさん:凛
  • CLAMP:赤セイバー
  • 内藤泰弘さん:セイバー
  • 中村春菊さん:アーチャー
  • 鈴木ツタさん:ランサー(とてもかっこよくて筆者のお気に入り)
  • 渡れいさん:セイバー(漫画同様、動きがあって素晴らしい)
  • ネコタワワさん:葛木とキャスター(尊い)
  • 新納一哉さん:イリヤとバーサーカー(下書きの跡が残っていてかわいい)

来場者ノベルティの内容が一新

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 来場者にプレゼントされるノベルティはメモリアルチケット・小冊子2種。まず、チケットと小冊子“ガイドブック”のイラストが凛のデザインに変更されている。

 “ガイドブック”の中身はマップやヒストリー、奈須さん・武内さんへの15問15答は同じだが、ルートヒロインインタビューが凛役の植田佳奈さんに変わり、またART GALLERYのイラストも会期用のものに変更されていた。

 もう1種の小冊子は“Return to Avalon art material”で、これは12月25日に発売された画集『Return to Avalon -武内崇 Fate ART WORKS-』に掲載されたイラストの中から、武内崇さんが選出したイラストの線画と、そのイラストへの武内崇さん本人からのコメントを掲載したアートブックだ。

 武内さんが苦労したイラストや当時の思い、思い入れのあるイラストや好きなイラストなどをコメントで確認できる。

TYPE-MOON展 概要

開催概要

  • タイトル:TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-
  • 会場:ソニーミュージック六本木ミュージアム(東京都港区六本木5丁目6-20)
  • 期間:2019年12月20日(金)~2020年4月5日(日)
  1. “Fate”:2019年12月20日(金)~2020年1月20日(月)
  2. “Unlimited Blade Works”:2020年1月23日(木)~2020年2月24日(月)
  3. “Heaven’s Feel”:2020年2月27日(木)~2020年4月5日(日)
  • 時間:10時00分~20時00分(最終入場:19時30分)
  • 休館日:2019年12月31日(火)~2020年1月2日(木)、2020年1月21日(火)・22日(水)、2月25日(火)・26日(水)
  • アクセス:東京メトロ“六本木駅”より徒歩7分、“麻布十番駅”より徒歩10分

チケット情報

 チケットは入館時間が決まっている日時指定制。購入した時間内に入館すれば滞在時間の制限はない。

  • 入館時間:(1)10:00~11:30、(2)12:00~13:30、(3)14:00~15:30、(4)16:00~17:30、(5)18:00~19:30
  • 前売:2300円/当日:2500円
  • 販売:日時指定前売券は、ローソンチケットにて販売中。当日券は、前売券の販売状況に余裕がある場合にミュージアムで販売。

※6歳未満(未就学児)は入場無料
※当日券は前売券の販売状況に余裕がある場合にミュージアムで販売します。 ウェブサイトをご確認の上、 お越しください。