2019年6月8日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて“KINGDOM HEARTS Orchestra -World of Tres-”が開催された。“World of Tres”は2019年4月に日本で幕を開け、11月30日の大阪公演へ向けて各国を巡っていく『キングダム ハーツ』(以下、『KH』)シリーズのオフィシャルコンサート。

 本稿では、アカデミー賞の授賞式などで有名なドルビー・シアターが会場となったロサンゼルス公演の模様をリポートする。

著名なミューシャンのコンサートも行われるドルビー・シアターは、ハリウッドの観光名所にもなっている。

 “World of Tres”は、過去のシリーズ作のメドレー曲がメインのPart1と、2019年1月25日に発売された『KHIII』の楽曲が主体のPart2で構成。休憩を含んでトータル約3時間のコンサートとなっている。

 Part1は、『Dearly Beloved from KINGDOM HEARTS III』からスタート。冒頭で抑えきれない歓声が上がったものの、すぐに静まり聴き入るファンたち。静かで張りつめた空気の中に、ファンの「ついに始まった!」という期待感が感じられる。 

 曲が終わると、『KH』シリーズのコンポーザーである下村陽子氏が登壇し、それをファンが歓声と拍手で出迎えた。ちなみに公演中、下村氏が登壇するたびに「愛してるよ!」「好きでーす!」と、海外のファンから日本語で声援が飛び、下村氏も「Me too!」「Thank You!」などフランクに謝意を返していた。

『KH』シリーズのコンポーザー下村陽子氏
指揮者は東京公演と同じくジャン・ドロワイエ氏。
演奏は“スカラ・アド・カエルム オーケストラ”、コーラスは“スカラ・アド・カエルム コーラス”が担当した。

 公演の内容やセットリストは東京公演と同様のため仔細は割愛させていただくとして、下記では会場の雰囲気や、ファンの様子などを紹介していこう。

 以前取材した別の海外コンサートでは、ファンがとにかく「いっしょに楽しむぜ!!」というスタイルで盛り上がりまくっていたのに対し、“World of Tres”ではロサンゼルスのファンも日本のファンと同じく“基本的に静かに鑑賞し、感動は曲終わりの拍手で伝える”比較的落ち着いた雰囲気(思わず興奮したファンたちに向けて、「シー!」と制する声も)。

 しかしやはり、映像のコミカルなシーンに笑い、シリアスなシーンで嘆息を漏らすといった、感情豊かなリアクションがあり、それぞれが映像や曲に引き込まれ、楽しんでいる様子がうかがえる。ちなみに、穴につかえて動けなくなったプーをみんなで引っ張り、結果勢い余ってプーが空高く飛んでいく『Music from KINGDOM HEARTS』中に流れたシーンなどがウケていました(笑)。

 コンサートが進行すると、前半の少し緊張した空気がほどけてきたのか、リアクションや歓声も大きくなっていく。Part2では『Face My Fears -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-』や『光 -KINGDOM Tres Orchestra Instrumental Version-』といった宇多田ヒカルさんの楽曲冒頭で期待に満ちた歓声が。宇多田さんの曲が『KH』シリーズの象徴のひとつであることは、やはりどの国も同じようだ。

 なお、本公演では下村氏とともに『KHIII』のコンポーザーを務める石元丈晴氏と関戸剛氏は登壇しなかったが、下村氏は「おふたりの楽曲が入ったことで『KH』の音楽の幅が大きく広がったと思っています。そんな音楽の幅や表現の違いにも注目してみてください」とファンに語りかけていた。

 そして終盤、下村氏があと1曲でコンサートが終了となる旨を告げると、会場からは残念そうな溜息が。しかし、下村氏がみずからピアノを演奏することがわかると、暖かい歓声が会場を包んだ。そして『Rhapsody in Tres for Piano, Chorus and Orchestra』が終わると、観客は一層大きな拍手とともにスタンディングオベーション!

 鳴りやまぬ拍手に一度下がった下村氏が再び登場すると、ここで特別なゲストを迎えるとのこと。名を呼ばれたのは、『KH』シリーズのディレクターである野村哲也氏! その瞬間、会場からは悲鳴交じりの爆発的な歓声が湧き上がった。

 スタンディングオベーションで迎えられた野村氏は、コンサート当日にロサンゼルスに着いたとのことで、「荷ほどきもしていなくて、うっかりサンダルで来てしまいました」とファンの笑いを誘っていた。続いて東京公演で一部情報が公開された有料DLCについて触れ、「今日はこの場の方にまず観ていただきたいということで、用意してきました」と、世界初公開となる映像を公開!

 映像が終わると、拍手喝采! とくに反響が大きかったのは、プレイアブルキャラクターの追加、なかでもロクサスの操作が可能という部分。また、最後のルクソードとシグバールの会話でもファンがざわめく様子が見て取れた。
 
 野村氏と下村氏の降壇後、コンサートは終幕へ。エンドロールとともに演奏される『誓い -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-』で、多くのファンを魅了したロサンゼルス公演は幕を下ろした。

 会場にはコスプレをしたファンがたくさん! 最後にそんなファンたちの姿をどうぞ。