FPS『DOOM Eternal』の開発インタビューで、シリーズ最新作に迫る。

 海外発売日が11月22日に決定した、FPS『DOOM』シリーズ最新作『DOOM Eternal』。パブリッシャーであるベセスダ・ソフトワークスのブースで本作を遊んだ後、本作のエグゼクティブ・プロデューサーであるマーティ・ストラットン氏とクリエイティブ・ディレクターのヒューゴ・マーティン氏にインタビューを行った。

 本作のE3デモの内容については先日行われたベセスダ・ソフトワークスのイベントの会場でプレイしたリポートをすでにお届けしているので、もしよければそちらを参照して欲しい。

 さてここでインタビューを読み進めてもらう上でのポイントをあらためて簡単に説明すると、今作の特徴は大きく分けてふたつ。

 まずは移動アクションを駆使して進む3Dプラットフォームアクション的な要素や設計が増えていること。難しい場所にちょっといいアイテムが置かれていたり、シークレットエリアに入れたりもする。

 もうひとつはインタビュー中にも出ている通り、前作の戦闘システムがリファインされ、敵を特定の方法で倒すことによってそれぞれ回復や弾やアーマーなどの必須アイテムが手に入るようになっていて、敵の倒し方がそのままリソース管理に繋がるようになっている。

 いずれにしても、地獄のデーモンとの高速で血まみれの死闘はそのままに、アクションゲーム的な要素の比率が大きく上がったFPSと言えるだろう。

マーティ・ストラットン

『DOOM Eternal』のエグゼクティブ・プロデューサー。

ヒューゴ・マーティン

『DOOM Eternal』のクリエイティブ・ディレクター

――まずは本作のコンセプトについて教えてください。なぜ“エターナル”なのでしょう?

ヒューゴ いろいろな意味が込められているんだ。善と悪の終わりなき戦いとか、ドゥームスレイヤーのデーモンとの終わりなき戦いとか。他にもいろいろあるけど、そのふたつが大きいかな。

――ゲームプレイのコンセプトはどうでしょう? 2回遊んだんですけども、プレイしたらちょっとアーケードっぽい感じがあって面白かったです。

ヒューゴ 確かにそういう所もあるね。グラフィック面では機能的な部分を優先した部分もある。すべてが高速で、脅威がプレイヤーに向かってあらゆる方向から迫ってくるゲームにしようという事が決まっていたので、ユーザーに対する表示をはっきりとデカく出さなきゃいけない。じゃないと大事なメッセージを気付いてもらえずにやられちゃったりするから。

 だから回復や弾などのアイテムをデカくカラフルにして、周囲から際立って目立つようにした。そのおかげで高速に動き回ってデーモンを大量に血祭りにあげている最中でも近くのフロアーに何が落ちてるか瞬時にわかって、「あ、アレ取ろう」「コレは後に取っておこう」と判断できる。ビジュアルスタイルとしての選択ではなく、ゲームプレイのための機能的な選択をやったんだ。

例えば床に落ちている鮮やかな緑の破片はアーマー。いかにもアイテム然としていて、遠目でもわかりやすくなっている。

――ジャンプとエアーダッシュを組み合わせて進むとシークレットが取れたりする3Dプラットフォームアクションみたいな面もあって、ゲームのトーンは相変わらずヘビーなのにすごく楽しかったです。

マーティ すべては楽しさに振り切った。マリオでもDOOMでも、フィールドの中を探索するのは楽しいもんだ。ちょっとしたテクが要求される所を解いたりね。カンファレンスでもその手のいろんなチャレンジを集めた映像を流したけど、回転しながら燃えるチェーンをくぐったり、連続エアーダッシュで進んだり、壁をぶち破ったりといった場面だ。

 そしてそういったものが新しい遊びをもたらしてくれた。戦闘そのものはおなじみの『DOOM』だけれども、その戦いの間の空間の使い方が今回は違ってくる。戦いの空間を魅力的な意味あるものにするためにかなりの力を注いだよ。

この浮き島のような部分を移動アクションやジャンプパッドを駆使して進んでいったりする。

ヒューゴ マーティが言ったように今回はレベルデザインに力を入れている。空間を戦闘と同じぐらい魅力的なものにしたかったんだ。その両者を組み合わせている所もあって、そこでは(3Dプラットフォームアクション的な)空間のチャレンジと、FPSの戦闘のチャレンジの融合を狙っている。

 単なるアリーナで戦うだけの戦闘ではなく、もっといろいろな角度で魅力的なものにしたかったから、そのためにいろいろツールを作って大分試行錯誤したね。

マーティ プレイしている間はガッツリ遊んで欲しいんだ。戦闘の間だろうと、フィールドの中のそうではないパートにいようと、ダラダラとするような所は作りたくなかった。

――チャレンジモード的なものはありますか?

マーティ いわゆるチャレンジモードとは違うけれども、難度設定に前作と同じくウルトラナイトメアモードを用意してあって、そこではひとつのライフで最高難度のゲームをプレイしてもらうことになる。それとエクストラライフモードというのも考えていて、そこではプレイ中に1UPで取ったライフだけで進んでいくことになる。

 それとインベージョン(侵入)要素もあって、それを許可するとキャンペーンモード中に他のプレイヤーがデーモンとして侵入できるようになる。これはある種のチャレンジになるんじゃないかな。ストリーマー(配信者)が「侵入して倒してみろや」とかやったら面白いと思う。

――それは『ダークソウル』シリーズみたいで面白いですね!

ヒューゴ キャンペーンにこれまでの『DOOM』にはない動的な要素をもたらせると思う。ちなみに、有効にしたくない場合はオンにしなければいいだけだからね。

――ドゥームスレイヤーが大砲に入って自分を砲弾として撃ち出して移動するシーンがありましたけど、本作のシリアスなバカバカしさも好きな所です。

ヒューゴ 馬鹿げた前提のことを平然と実行するのがキーになってるね。この作品世界にはいろんな面白いキャラクターがいて、クールな場所があって、そこでクレイジーなことをする。でもバカバカしいけど楽しい。ああいうシーンは、これはビデオゲームなんだから楽しくやろうぜというメッセージなんだ。

 自分を平然と人間砲弾にして、しかも無事に移動完了する野郎がいるゲームなんてそうないんじゃないだろうか? でもドゥームスレイヤーはそれをやってのける。まったくいいキャラクターだと思うね。

――ドゥームスレイヤーは左肩にキャノンをつけています。これについてコンセプトを教えてください。

マーティ あれはそもそもは「銃を撃っている間も使える装備が欲しい」というアイデアから始まった。それでいろいろ詰め込んだんでものすごく多機能なものになったけども、これもまた面白さ優先、そして戦闘の火力優先で決まった設計だ。

 だからグレネードを発射できて、アイスボムがあって、それともちろんフレイムベルチ(火炎放射器)を使える。“チェーンソーで倒すと弾が手に入って、グローリーキルを決めると回復を落とす”というのは前作にもあったけど、あの関係がリファインされてより強力になった。

マーティ アーマーをどうやって手に入れるかが最後のピースだったんだ。デーモンを燃やしてダメージを与えることでアーマーが落ちてくる。これでヘルス、アーマー、弾の3つの要素をデーモンから手に入れられるようになって完璧になった。戦闘中にアグレッシブにリソースを回収できるんだ。

ヒューゴ もっと細かく言えば近接攻撃の“ブラッドパンチ”でも回復は手に入るけど、ここで大事なのは戦闘中に重要な3つの要素すべてを敵から回収できることだ。もちろん依然としてマップ内にも落ちてるけど、その数は減っていて、だからこそより意味があるものになっている。

マーティ いろいろなものをちゃんと意味があるものにしたいんだ。戦闘中にしくじってリスタートする時、あれがまずかったな、これが尽きているのに気づけばよかったなと思うことがある。

 回復が欲しいなって時に回復を敵から生成できる、アーマーが削れてきたって時にアーマーを自主的に狙いにいけるというのはすごく満足できる。レベルデザイナーがそこに置いてなくてもリソースを手に入れられるかもしれない方法がまだあるというのは力強い。

ヒューゴ このシステムがゾンビ連中に新たな性質を与えたと感じている。ゾンビの群れがリソースを得るチャンスのように見えてくるんだ。実際、火炎放射器で一気にシャワーのようにアーマーが湧いてくるのはすごく気持ちがいいよ。

――これまでに公開されている素材ではデーモンや地獄とはちょっと雰囲気が違う連中や場所がありますが、あれは?

ヒューゴ エンジェルのことだね。このゲームには地獄だけじゃなく天国も出てくる。地獄とデーモンがあるなら、天国とエンジェルもいなきゃね。

――エンジェルと戦って殺せるんでしょうか?

ヒューゴ まだそこは詳しく話せないけれども、あれらがエンジェルであり天国だというのは間違いない。

――今回は自作マップを作って共有できるスナップマップシステムはありますか?

マーティ あれはクールなシステムだし誇りを持っているけども、開発リソースをキャンペーンをより大きく、もっと凝ったものにするのと、マルチプレイの“バトルモード”をスタジオ内で開発するために断念した。

 前回はマルチプレイの開発は外部のスタジオに出したわけだけど、今回はキャンペーンに並ぶもうひとつの柱として自社内で手掛けたかった。そのためにリソースの集中を行ったんだ。

――その“バトルモード”は、ドゥームスレイヤー側とデーモン側の1対2で戦う対戦になっています。

ヒューゴ 『DOOM』の戦いをソーシャルなものにしたかった。ユニークで遊びやすく、でもちゃんと競争的にプレイできるものになっていて、見ていて楽しいよ。デーモンでプレイするのはドゥームスレイヤーでプレイするのと同じぐらい楽しいようになっている。両者の体験はまったく違うのでやりがいもある。

マーティ 試合のペースもいい具合に仕上がっているし、やられてもちゃんと「あれまずったな」という学びがある。

――試合の決着はラウンド制ですか?

マーティ そう。3勝した方の勝ちだ。

――では最後に、今回一番好きな武器は?

マーティ ミートフック(グラップリングフック)つきのスーパーショットガンだね。人がプレイしているのを見ると、使ってみた時にすぐアレが楽しいものになるのを気付いてくれている。上にいる敵に向かって使って飛んで、ジャンプでキャンセルしてからエアーダッシュを入れてさらに先に進んでいくなんていうこともできて、すごく楽しい。

ヒューゴ 自分も同じなんだけど、それ以外ではプラズマライフルのマイクロウェーブモードかな。ビームを放って黒焦げにして爆発させられる。

マーティ あれは機能的にも面白くて、マイクロウェーブが当たると敵の動きを制限することができて、捉えたかのように一気にダメージを与えられる。速くて動き回る敵に手こずる時はオススメだね。

左がマーティン氏。右がストラットン氏。