2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018。会期中に行った、『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)(仮題)』開発者へのインタビューの内容をまとめてお届けしよう。

 2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018。会期中に行った、『Ghost of Tsushima(ゴーストオブ ツシマ)(仮題)』(以下、『Ghost of Tsushima』)開発者へのインタビューの内容をまとめてお届けしよう。

 『Ghost of Tsushima』は、『インファマス』シリーズなどで知られるSucker Punch Productionsが開発中のオープンワールドアクションゲーム。13世紀、モンゴル軍の襲来(元寇)を受けた対馬を舞台としており、念入りなリサーチをもとに、中世の日本を緻密に再現しているという。
 E3 2018で公開されたトレーラーでは、リアルでありながら幻想的な映像や、緊迫感溢れる戦闘シーン、重厚な人間ドラマの一端が披露され、大きな話題となった。

 TGSのタイミングでは、残念ながら新情報の公開はなかったが、このインタビューと合わせて、改めてトレーラーをじっくり鑑賞しつつ、つぎなる展開に期待してほしい。

片見 龍平氏

『Ghost of Tsushima』プロデューサー。 San Mateo Studio所属。

Jason Connell氏

『Ghost of Tsushima』クリエイティブ&アートディレクター。 Sucker Punch Productions所属。

――E3トレーラーは、非常に印象的で大きな話題となりました。反響をどのように受け止めていますか? 欧米と日本では、反応に違いはあったのでしょうか?
片見反響の違いというのはそれほど大きくなかったですね。全体的に、とてもポジティブな反響がありました。日本でも、「細部までのこだわりを感じる」、「すごくしっかりとリサーチして作っているみたいだ」といった感想が寄せられていて、我々としても非常にうれしく思っています。
――想定していた反応と違う、意外な反応などはありましたか?
Connellどんなトレーラーでもそうですが、実際に出してみるまでは、どんな反応が返ってくるかはまったくわからないんです。ただ自分たちにわかるのは、自分たちが満足できるトレーラーを仕上げられたかどうかということ。その点においては、我々が成し遂げたものを誇りに思っていますし、自分たちと、開発の途上で出会った新しいパートナーやサポートしてくれた人々とで、この映像を作り上げられたことがうれしかったです。そして映像をリリースしたあとの反応は本当に衝撃的で……こんなに皆さんが興奮して、喜んでくださっていることを本当にうれしく思っています。
片見社内でも、制作途中では不安の声もあったのですが、反響を受けて、みんなの自信になりました。

――あの映像で伝えたったことを、改めて教えていただけますか。
ConnellE3のトレーラーで成し遂げたかったのは、まず、私たちが作ろうとしている、理想化された中世の日本を味わっていただくこと。そして、本作の主人公であるサカイ・ジンをご紹介すること。あとは、戦闘の一部をお見せして、本作の非常に泥臭く、血まみれの戦闘の一端を感じていただくことでした。

 また、本作ではオープンワールドを探索する体験は非常に重要なものです。それを、たとえば丘の上にジンが立ち、そこから眼下に広がる風景をざーっと見渡すシーンなどから感じていただけたらな、と思っています。それから、日本の美しい風景を皆さんにお見せしたいとも思っていました。

Connellそれと、E3トレーラーについて、多くの方がご存じでないおもしろい点としては、あのトレーラーのミッションというのは、メインストーリーの一部ではなく、サイドミッションのひとつに過ぎないんです。あまりにも力を入れて作ってあるので、誰もがメインストーリーに違いないと思い込んでしまっているようですが(笑)。
――あの濃密なシークエンスが、メインストーリーではない!?
Connellいくつかのインタビューでもお話ししているんですが、あまり知れ渡っていないんですよ。
――そうでしたか。では改めて、しっかり記事にしておきます(笑)。つぎに、戦闘について可能な範囲で教えてください。映像を見る限り、戦闘はとても緊迫感があり、カウンターで一閃、といったシビアなものに見えたのですが、かなり難度の高い、熟練したゲーマー向けのものになるのでしょうか?
ConnellこれはSucker Punchが作るすべてのゲームに言えることですが、私たちのゴールは、誰もがプレイできるゲームを作ることです。コントローラを握って少し遊べば、すぐにコントローラを持っていることを忘れるくらい自然に操作できるような、そんな体験を目指しています。
 ただ、私個人はハードコアなゲーマーで、私たちのゲームのファンにも、やはりハードコアなゲーム体験を求める方もいらっしゃいます。ですのでいま、チームとしては、入門は易しく取っつきやすいけれど、同時に、熟練したプレイヤーにとってはチャレンジがあるような、そんなゲームを開発しようとしています。
片見同時に、時代劇からたくさんのインスピレーションを受けていますので、戦闘ではむやみやたらにボタンを連打して、ひたすら斬りまくるようなアクションではなく、緊張感を持って戦えるような戦闘を目指しています。
――しっかり狙ってボタンを押すようなスタイルで、それでいて誰にでも遊べるものを、というゲームデザインは、非常に難しいのではないですか?
Connellおっしゃる通りで、そもそも近接戦闘というもの自体、デザインするのが非常に難しいものです。それをうまくデザインできている作品は、それほど多くはないと思います。私たちもそのたいへんさはわかっていますが、同時に、そのチャレンジをとても楽しんでいます。E3のデモで見ていただいた通り、一撃で相手を倒す瞬間は、非常にサムライらしいと感じてもらえると思います。何度もガンガン斬りつけるのではなく、一閃で相手を倒す、そんな体験を皆さんに味わっていただくことを目指して開発しています。

――本作が発表されて以降、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『仁王2』などが発表され、サムライブームのような様相を呈してきた感がありますが、そのあたりはどのように感じていますか?
Connellこれはゲームそのものの魅力として言えることですが、ゲームは、空想でしかなれない何かになれるメディアだと思います。それは、過去のものでも、未来のものでもありえて、たとえばスペースマリーンだったり、中世の騎士だったり、超能力者やスーパーマンにもなれるんですよね。その中でもサムライというのは、自分にとっては最高にカッコイイ戦士なんです。でも最近はサムライを題材にしたゲームがあまり作られていなかったということもあり、この作品を作ることにしました。きっと同じように感じたデベロッパーの方々が、サムライのゲームを作ろうと考えて、それが最近続々と発表されることになったのではないかと思います(笑)。
 あとゲームだけではなく、テーマパークを舞台にしたドラマ『ウェストワールド』でも、第2シーズンはサムライをテーマにしていますよね。いま、サムライの魅力を掘り起こすトレンドがあるのかもしれませんね。
――ではそんな中で、『Ghost of Tsushima』で表現されている、本作ならではの魅力というと、どんなものなのでしょうか?
Connell確かに、そういったトレンドがある中では、より自分たちの個性、特徴を出していくことが大事になると思います。個人的には、ほかのゲームもとても楽しみにしていますし、きっといい作品になるだろうと思っていますが、では自分たちの強みはなんだろうかと。ひとつは、ファンタジーや空想に走るのではなく、リアリスティックな感覚があるものですね。血や鉄、汗、泥の臭いがするような体験ができること。もうひとつは、オープンワールドで、非常に自由に探索できることですね。そういった部分が特徴だと思います。
片見海外のスタジオが作る日本を題材にしたゲームを通して、世界中の人たちに、日本に興味を持ってもらえたら、成功だなと思います。
――先ほど、トレーラーのシークエンスが、ひとつのサイドストーリーにすぎないというお話がありましたが、本作はメインとなる大きな流れがあり、その周囲にサブストーリーがあるという構造なのでしょうか。
Connell基本的にはそうですが、強調したいのは、トレーラーに登場したマサコも含めて、すべてのキャラクターたちは、モンゴルの侵攻という大きな出来事に巻き込まれていて、彼らの生活もそれによって破壊され、大きな変化を迎えているんです。そういった大きな流れの中で、すべての物語、人々が動いているということです。
――トレーラーでは寂寥とした印象で、あまり人の気配が感じられませんでしたが、作中にはマサコ以外にも多くの人物が登場するのでしょうか?
Connellそれについては、ふたつお伝えしたいことがあります。ひとつは、侵攻を受けているので、当然多くの人々が命を失っていて、ふだんの生活を営んでいるような状況ではないんです。でも同時に、マサコのような、皆さんの興味を引くような脇役キャラクターも登場させたいと考えています。プレイヤーはメインストーリーに集中することもできますが、興味を持ったら、ほかのキャラクターのサイドミッションも遊ぶこともできるような構想を考えています。

――開発は順調ですか? ゲームファンは皆、新しいトレーラーや、実際に遊べる日を待ち遠しく思っているのですが……?
Connell残念ながら、今日の時点ではお見せできるものはないのですが、開発は非常に順調に進んでいて、進行状況や、できあがっているものについてはとても満足していますよ。
――楽しみにしています! 最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
Connell非常にたくさんのリサーチをして、熱を入れて開発を進めています。ぜひ、私たちが作り上げる美しい中世の日本と、そこでサムライになる体験を、皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。
片見本作はスタジオにとっても新しいチャレンジで、サムライゲームとしても、すごくチャレンジをした内容になっています。少しでも早く皆さんに遊んでいただけるように、がんばって開発していますので、楽しみにしていてください。