PSクラシックはプレイステーション25周年記念のファンアイテム! PS2の復刻版、PSの周辺機器対応は? SIE織田氏合同インタビュー【TGS2018】

プレイステーション クラシックや、今後のプレイステーションの展開について、SIEの織田博之氏へのインタビューをお届けする。

 2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。先日発売が発表され、東京ゲームショウ2018の初日に実機の展示、および、予約についての発表が行われたプレイステーション クラシック、そして、日本でのプレイステーションの展望について、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2018年12月3日発売予定のプレイステーション クラシックについて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)シニアバイスプレジデント 兼 日本ビジネスオペレーション部門 部門長の織田博之氏のメディア合同インタビューが行われた。本記事では、下記の抜粋版に続き、織田氏へのインタビューの模様をお届けする。

PSクラシックの収録タイトルは日本と海外で異なる、携帯機の新型については現時点で発表の予定なし。SIE織田氏合同インタビュー抜粋【TGS2018】

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)シニアバイスプレジデント 兼 日本ビジネスオペレーション部門 部門長の織田博之氏のメディア合同インタビュー抜粋版をお届けする。

[2018年9月20日22時45分修正]タイトルの発売年など、一部誤植があったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。

プロフィール

織田博之氏(おだ ひろゆき)

ソニー・インタラクティブエンタテインメント シニアバイスプレジデント 兼 日本ビジネスオペレーション部門 部門長。(文中は織田)

“プレイステーション クラシック”はプレイステーション25周年記念のファンアイテム

ーープレイステーション クラシックを発売するきっかけは何だったのでしょうか。

織田 1994年の12月3日にプレイステーションを発売させていただきましたので、今年(2018年)の12月3日以降、25年目に入ります。そうした節目の年であることが理由のひとつです。また、プレイステーション4(以下、PS4)の販売も累計8000万台を突破しており、たくさんのファンの方に喜んでもらえるアイテムを出すタイミングとしては今年が最適だと考えました。

ーーメインターゲットとしてはどのような層をお考えですか?

織田 やはり復刻版ということで、発売当時に遊んでいただいた方に楽しんでいただきたいと思っております。ですが、プレイステーションの発売はいまから24年前になりますので、遊んだことがないという方もいらっしゃると思います。まさにそういったお客様から「この機会に遊んでみたい」というお声をいただいておりますので、ぜひ幅広いお客様に遊んでいただきたいです。

ーー任天堂が発売した“ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ”などでは、収録タイトルが海外版と日本版でやや異なっていましたが、プレイステーション クラシックではどうなっていますか?

織田 本日は5タイトルのみのご紹介で、すべてのタイトルをお見せすることはできませんでしたが、多少違いがあります。

ーーだいたいいくつくらい異なるのでしょうか?

織田 残りの15タイトルに関しましては、発表方法も含めて検討中ですので、追ってご案内いたします。

ーー収録された20タイトルはどういう基準で選定をされたのですか?

織田 プレイステーション初号機の復刻版ということで、プレイステーションを代表するような作品が数多く存在します。そうしたファンの皆様からの人気なども踏まえたうえで厳選を重ね、準備をさせていただいております。

ーー未発表の15タイトルについては、順次発表されるのでしょうか? それとも、発表会などをされる予定があるのでしょうか?

織田 順次発表させていただきます。

ーー出荷台数はどれくらいを予定していますか?

織田 今回は数量限定の出荷にしておりまして、台数は公表しない予定です。

ーー数量限定販売とのことですが、ファンとしては抽選漏れの懸念もあると思います。

織田 たくさんの人に遊んでもらえるように数は用意しているつもりですが、昨日発表させていただいてから、弊社の予想を超えるほどの反響をいただいております。それも踏まえて抽選という形で対応させていただきます。

ーー人気商品の数量限定販売となると、どうしても転売という言葉が脳裏をよぎります。何か対策などは取られているのでしょうか。

織田 PS Plusのメンバーに限定しての抽選とさせていただいております。PS Plusの会員ナンバーをもとに抽選いたしますので、基本的にはおひとり様1台までの販売になります。

ーー抽選に関しては、加入時期などは関係ないのでしょうか? たとえば、いまから無料のコードなどで会員になっても、平等な抽選結果を得られるのでしょうか?

織田 はい。

ーー店舗での販売はされないのですか?

織田 店舗での販売に関しましても、追ってご案内いたします。

ーー今後、プレイステーション2などの復刻版は考えておられますか?

織田 今日の段階ではプレイステーション初号機以外の復刻版に関するご案内はございません。

ーー周辺機器やセーブデータに関してはプレイステーション クラシック独自のものなのでしょうか? それとも過去に販売されていたものが使えるのでしょうか?

織田 プレイステーション クラシックはまったく新しい設計をしておりますので、過去に販売していたコントローラーやメモリーカードなどの周辺機器はご使用いただけません。

ーー初代プレイステーションにあった拡張スロットが、プレイステーション クラシックにもあるようですが、こちらは何に使うのでしょうか?

PSの型番の浅いものは、写真左側のフタの中に拡張スロットが存在した。

織田 これは、デザインとして実装しているもので、とくに何かに使うものではありません。

ーー今後、ファンの期待に応えて増産するという可能性はあるのでしょうか?

織田 プレイステーション クラシックに関しましては、数量限定アイテムということで発売させていただきます。ファンアイテムという性質上、記念版として数量限定で発売させていただくのがベストだと思っております。

ーープレイステーションが24年前ですから、ゲームとともに育ってきた世代がだんだんと年齢を重ねつつあります。シニア層というと乱暴な言いかたかもしれませんが、そうした年配のゲームファンについてはどのようにお考えですか?

織田 24年前にプレイステーションを手に取って遊んでいただいたお客様、長いあいだ遊んでいただいているお客様には引き続きプレイステーションを楽しんでいただきたく思います。これは私個人の感じかたかもしれませんが、シニア層とおっしゃられたような古くからのゲームファンの方々は非常にお元気で、新しいものに何も抵抗なく手を出していただける方が多いと感じています。ですので、昔を懐かしむような遊びかたももちろん大歓迎ですし、最新のタイトルも年齢を問わず幅広いお客様に楽しんでいただきたいと思っています。

PS4はまだまだ現役。引き続きさまざまな楽しみかたを提案していく

ーーPS4の発売から5年が経ちました。コンソールサイクルの終盤に入ってくる中で、新たなコンソールが発売されるまでにユーザーをつなぎとめておくための戦略を教えてください。

織田 PS4は現在オンラインに特化した機能が強化されておりまして、オンラインマルチプレイヤーなどの新たな楽しみかたが増えてきています。弊社としましては、PS4がプラットフォームの終盤であるという見かたはしておりません。これからも、いろいろなゲームの楽しみかたを提案していきますので、引き続きPS4を楽しんでいただければと思います。

ーーこの5年をふり返って、日本市場というのは欧米と比べてどういう特徴があるのか教えてもらえますか?

織田 比較というわけではないのですが、昨年には日本の国民的タイトルとも言える『ドラゴンクエストXI』が、そして今年は『モンスターハンター:ワールド』が発売されました。こうしたタイトルは日本では非常に根強い人気を持っていまし、世界でも好評でした。改めてそれぞれのIPが持つ力の強さというものを感じました。

ーーこれまでもいろいろなユーザーさんとのコミュニケーションをとってこられたと思います。これから先はどういう風にコミュニケーションを取っていこうと考えておられますか?

織田 9月10日に“PlayStation LineUp Tour”というイベントを初めて開催させていただきました。昨年以前は東京ゲームショウのタイミングに合わせて、ビジネスサイドのお話を皆さんにご紹介する場を設けていたのですが、今回は初めてエンドユーザーの方にも会場にお越しいただいて、新しいゲームをご紹介させていただきました。これにはたくさんのユーザーさんからポジティブなフィードバックをいただいております。やはりゲームにとっていちばん大切なのは遊んでいただけるゲーマーさんです。そのゲーマーさんとのエンゲージメントを高めるためにも、こうした機会を設けて新しいゲームを直接ご紹介できるよう、より力を入れていきたいと思っています。

サプライズ発表された名越監督の『JUDGE EYES:死神の遺言』など初公開タイトル多数! “PS LineUp Tour”で紹介された圧巻の44タイトルを一気に振り返る【PSLineUp】

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2018年9月10日に配信したライブショーイベント“PlayStation LineUp Tour”。同イベントで公開された44タイトルを一気に紹介。

ーーコンソール、PC、スマートフォンと、ハード自体に性能差はなくなってきているのかなと感じます。その中でもPS4を選んだほうがいい理由、おすすめできるポイントを改めて教えてください。

織田 プレイステーションでしか遊べないユニークなタイトルをお客様に提供できるという点がいちばん大きいと思います。弊社のタイトルになりますが、2018年9月7日に発売しました『Marvel's Spider-Man』は日本も含めた全世界から好評をいただいております。プレイステーションならではの高画質、プレイステーションだからこそ遊べるユニークなタイトル。これがいちばん大きな差別化であると考えています。

PS Vita後継機発表の計画はなし。PS VRは今後も普及に注力

ーープレイステーション Vita(以下、PS Vita)については、今後どういう展開に持って行こうと思っていますか?

織田 携帯型コンソールゲームに関しましては、PS Vitaの後継機、携帯機の新型については発表の計画を持っておりません。PS Vitaそのものも、2019年度まで生産を継続して、以降は国内の出荷を完了する予定です。ゲームソフト自体は、タイトル数のボリュームこそ少なくなっていますが、PS Vitaを所有しているユーザーさんに向けてタイトルを出していく予定です。

ーー撤退するということはありますか? もしくは、将来的に新商品を出される可能性がゼロということではない?

織田 現時点では、発表の計画がないということです。

ーープレイステーション VR(以下、PS VR)について、国内の現状や、新型機など今後の展開について教えてください。

織田 PS VRは発売から3年が経ち、新しいゲームの楽しみかたとして着実に受け入れてもらっていると思います。本日も東京ゲームショウの会場に初めて『みんなのGOLF VR』を試遊できる形で展示させていただいておりまして、どんどんソフトも増えています。今後の後継機などに関してましては、ご案内できる情報はありません。

ーーPS VRは当初の市場の期待よりは下回って推移しているように感じます。BtoB方面に広げていくのもやりかたのひとつかと思うのですが、どういった施策を考えているのか教えてください。

織田 PS VRはこれからも時間をかけて普及に取り組んでいきたいと思っています。たとえば、すでに“PlayStation LineUp Tour”で発表しておりますが、宇多田ヒカルさんのコンサートツアーをPS VRでお楽しみいただけるなど、ゲーム以外のコンテンツも用意しています。また、ゲームについても『キングダム ハーツ』をVRで楽しんでいただけるようになります。このように、魅力的なコンテンツをたくさん生み出していくことが、コンソールの普及につながっていくと思いますので、より一層力を入れていきます。

ーーPS VRではプレイステーション Moveのコントローラーが長く使われています。専用コントローラーがあったほうが体験の質は上がると思うのですが、コントローラーなどの周辺機器の展開についてお聞かせください。

織田 タイトルそれぞれがどういう遊びかたを想定されているかということが重要で、それによってより周辺機器が充実していくのだと思います。FPSのタイトルでは、PS VR エイムコントローラーの使い勝手がいいと思います。これからもいろいろなタイトルによって新たな周辺機器のご提案は続けていきたいと思っています。

esportsはゲームを“観戦する”楽しみを生み出す

ーー東京ゲームショウ2018ではesportsへの注目度が高まっていますが、esportsがゲーム業界にもたらすビジネスチャンスをどのように捉えていらっしゃいますか? また、今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

織田 esportsに期待することは、ゲームの楽しみかたが増えるということです。これはユーザー自身がesportsのプレイヤーになるだけではなく、プロゲーマーのプレイを視聴し、応援するという、まさしく野球やサッカーのようなスポーツと同じ楽しみかたができるようになるのではないかと思っています。こうした楽しみかたが浸透すれば、非常に幅広い方々にゲームを楽しんでいただけるひとつの大きなきっかけになるのではないかと期待しています。それから、この東京ゲームショウ2018内で9月22日に行われる『コール オブ デューティ ワールドウォーII』プロリーグの決勝戦は弊社が主催をします。これからのesportsを盛り上げるため、弊社としましても、大会の主催など、できる限りのことをしていきたいと思っています。

ーーそれはビジネスとしてはどういったメリットがあるのでしょうか。

織田 いまのところesportsそのものをどのように事業化するかというところまでは、弊社の方からご案内することはありません。まずは、やはりたくさんの方にゲームという文化に触れていただけるということが、非常に大きな意味を持つと思います。

ーーesportsに関してはとくに海外での盛り上がりが大きいと感じます。日本のゲームメーカーとしてesportsに関して必要なことは何だと感じておられますか?

織田 日本esports連合(JeSU)というものができたばかりですし、プロゲーマーによるesportsのトーナメントも始まったばかりです。ハードウェア、ソフトウェアの供給元である弊社としましては、その模様を放映することによって、それを視聴するという新たなゲームの楽しみかたが生まれ、より市場が広がっていくことを期待しています。

ーー市場が広がることが今後ビジネスを成立させるために必要だと?

織田 観て、応援していただく中で、「自分もやってみたい」という風にたくさんの方が思っていただければ、販売にも期待が持てるのではないかと思っています。

ーー今後、スマートフォンゲームとコンソールゲーム、両者のスタイルの違いによってゲームのトレンドはどうなっていくと考えられていますか?

織田 やはりゲームの遊びかたというのは、スマートフォン、コンソール製品も含めて、いろいろな楽しみかたを提供し、その中からユーザーさんに選んでいただくことが理想だと思います。ですので、さまざまな楽しみかたをご提案させていただくことはこれからも頑張っていきたいと思いますし、それによってより多くのユーザーさんにゲームそのものを楽しんでいただければと思います。

ーーインディーゲームのサポート体制は今後どうなっていくのでしょうか?

織田 インディーゲームのクリエイターさんやインディーゲームそのものを、いろいろなゲームの楽しみかたを提案するという観点からサポートをさせていただいております。引き続きいろいろなアイデアをゲーム化するインディーの活動には注目し、かつサポートを続けていきたいと思います。また、東京ゲームショウ2018でもインディーコーナーのオフィシャルスポンサーになっております。

ーーアメリカで行われているブラックフライデーなどのお買い得なキャンペーンと比較すると、日本でのキャンペーンは正直物足りなさを感じます。国内のプロモーションの考えかたについてお聞かせください。

織田 グローバルに合わせるという形ではないのですが、6月にDays of Playというキャンペーンを行い、PS4を通常価格より安い価格で販売させていただいたところ非常に好評をいただきました。ですが、ブラックフライデーのような商慣習は日本にはなく、それよりも年末年始やボーナスなど1ヵ月くらいに渡る市場でお買い上げいただけるお客様がたくさんいらっしゃいます。こうした日本独特の購買市場に合わせた形での魅力的なプロモーションは鋭意準備しております。