2018年4月14日~15日、東京・ベルサール秋葉原で開催された“セガフェス2018”。4月15日に行われたステージイベント“クラシックゲームステージ”にゲスト出演した謎のアーティスト、MC8bitさんのインタビューをお届けする。

 ゲームをフィーチャーしたラップグループ・ファミリーコンティニューの一員として楽曲制作をしたり、ニコニコ生放送でレトロゲーム番組『MC8bitのファミコン心拳』を配信したりするなど、“レトロゲームLOVE”な活動をくり広げているMC8bitさんだが、その正体は謎。しかしながら、流れるようにセガ、そしてレトロゲームへの愛情を語る姿はホンモノ。では、その言葉に聞き入ってみよう。

MC8bitさんがセガ愛を熱く語る、“SEGA AGES”に寄せる大いなる期待_01

MC8bit

ゲームを題材にしたラップグループ・ファミリーコンティニューのメンバーとして音楽活動を行う(もうひとりはFAMICOM-MAN)。詳しい経歴は不明だが、KICK THE CAN CREWとして活躍しているアーティスト・MCUさんの地元の後輩であるらしい。

中学生のころから“セガっ子“

――“SEGA AGES”のステージを終えてのお気持ちはいかがでしょう?

MC8bit セガが大好きなので「嬉しい!」という言葉しか出ないですよ。それ以上を語ると安っぽくなるんじゃないかと。「ここがマニアック!」とか語りたいわけじゃなくて、単純に嬉しいってことだけですよ。

――ステージでも「セガっ子です」とおっしゃっていましたが、いつくらいからセガファンに?

MC8bit のめり込んだのは中学校のときくらいですかね。マークIII、メガドライブにハマって、後追いでSG(-1000)ですかね。その後もサターン、ドリームキャストとプレイしていました。アーケードの大型筐体にも憧れましたね。

――どんなタイトルをプレイしていましたか?

MC8bit パッと思い浮かぶのは、『アレックスキッドのミラクルワールド』や『ファンタジーゾーン』。メガドライブでは『レンタヒーロー』が好きでしたね。

――ジャンルにとらわれず、幅広く遊ばれるんですね。

MC8bit そうですね。セガさんは曲もいいですよね。とくに『ファンタジーゾーン』のサントラ(編注:セガ・ゲーム・ミュージック VOL.2)とかよかった。

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“SEGA AGES”発表のステージに出演したMC8bitさん。レトロゲーム愛あふれるトークで盛り上げた。

“SEGA AGES”のラインアップにはいずれも思い入れが……

――今回“SEGA AGES”のラインアップとして5タイトルが発表になりましたが、それぞれのタイトルに思い入れはありますか?

MC8bit 『アレックスキッドのミラクルワールド』は、配管工のおじさんに対抗していきなり縦スクロールから始まったりといった対抗意識が、いい意味でセガらしいですね。それから、1面の背景の青さ……“セガブルー”がとにかく好きですね。『アレックスキッド』に限ったモノじゃないですけど、僕がセガが好きな理由の半分くらいは“色合い”が占めているんじゃないかなって。なんか(心に)クるんですよね。つぎはMSXのブルー。あとは、まさかのじゃんけん勝負ね。一見平和でいいですけど、負けたら残機が減っちゃう(笑)。

――昔はハードごとに出力される色合いにも個性がありましたね。

MC8bit 『ゲイングランド』は曲が一番好きかもですね。曲がステージごとに変わっていって、たしか林 克洋氏(編注:当時はファンキーK.H.名義)が作曲をしていて。ゲーム性としては、シンプルといえばシンプルだけど奥が深いのがいいですよね。いまでも友だちと「なんかふたりプレイのゲームをやろう」となったときにチョイスするくらい好きです。すっごい地味ですけど(笑)。

――『サンダーフォースIV』はいかがでしょう。

MC8bit リアルタイムで遊んだ当時も思いましたけど、アーケードゲームに近いな、と思いました。背景の多重スクロール具合とか、すばらしくこだわりを感じる。僕『II MD』が好きなんですけど、『IV』も人気ですからね。ただシューティングゲームがヘタなので、どれもクリアーしたことがないんですよね。好きなのと上手なのは、相対しないというか(照れ笑い)。

――『ファンタシースター』は?

MC8bit マークIIIで出たときの箱の大きさが印象深いですよね。「なんでこれだけデカいんだ?」って、いまでも収納に困ったりはするんですけど(笑)。でもパソコンゲームからそうですけど、パッケージはデカいほうがいいですよね。それと、ステージで「ひらがな混じりのメッセージになる」って言ってましたけど、やっぱりオリジナルのカタカナオンリーのイメージが強かったですよね。最初は読みにくいけど、後々あれがないと『ファンタシースター』っぽく感じない。

――そして『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。

MC8bit いまさら僕がなにも言うことはないんじゃないですかね。これまでずっと新作が出続けているヒットシリーズです。最近出た『ソニックフォース』も楽しく遊びましたね。『ソニックマニア』もダウンロード購入したんですけど、難しかったですね(苦笑)。

『アレックスキッドのミラクルワールド』Tシャツとコラボ!

――ステージでは、アパレルブランド・ゲームスグロリアースさんとのコラボTシャツを発表されました。

MC8bit ゲームスグロリアースの代表とは、もともとレトロゲーム好きどうしでつながっていたんです。それで昨年の10月くらいから「いっしょに何かやりたいね。どうせだったらふたりとも好きな『アレックスキッドのミラクルワールド』がいいよね」と言っていて、今回セガさんの協力もあって実現したんです。僕が着ている『アレックスキッドのミラクルワールド』のTシャツですけど、13版(多色刷りで13種の色をくり返しプリントする製法)なんですよね! それもあって、セガブルーをはじめとする色合いがすごくキレイに出ている。いい意味でのクレイジーさを感じる。

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ステージイベントで初披露した『アレックスキッドのミラクルワールド』のTシャツ。タイトル画面がゲームそのままの色合いでプリントされている。

――公式ショップ限定版に、MC8bitさん制作の楽曲を提供することになった経緯というのは?

MC8bit せっかくふたりで好きなものに関われるんだから、「だったら曲を作るよ」って。歌詞には“セガ精神”を込めましたね。“熱い塊を吹っ飛ばして”とか、ゲームの説明だったりを入れつつ。サビは、みんなでいっしょに歌えるようにポップな感じにしました。

――ツイッターではゲームファッションのコーディネートを披露されています。

MC8bit 最初は自分で好きで着ていたのですが、そのうちゲームをテーマにしたアパレル会社さんからプレゼントしていただける機会も増えてきて、いただいてばかりでは申し訳ないのでSNSに投稿するようにしたら止まらなくなりましたね。僕のファンのみんなもゲームファッションを身に着けてくれるようになったので、レトロゲームが広まってくれるのは嬉しいなと思います。たぶん何のゲームかはよくわかってないと思うけど(笑)。

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MC8bitさんのコーディネートには欠かせない腰のROMカセットホルダー。この日の中身はもちろん『アレックスキッド 天空魔城』!

[2018年5月10日午後8時46分]当初『アレックスキッドのミラクルワールド』と記載しておりましたが、『アレックスキッド 天空魔城』の誤りでした。お詫びして訂正します。

――そうしてレトロゲームの輪が広かってくれるのはゲームメディアとしてもうれしいです。“SEGA AGES”の話に戻ります。今後シリーズでいろいろなタイトルが出てくることが予想されますが、「これが遊びたい!」というタイトルがあったらお聞かせください。

MC8bit まだ何が出るかが聞いてないのでアレなんですけど……。『レンタヒーロー』が出てくれたら嬉しいし、あとは『ヘルツォーク・ツヴァイ』が遊びたいですね!

――シブ好みですね。

MC8bit あとはね、マークIIIの『孔雀王』とか『ハイスクール奇面組』、『ジリオン』や『あんみつ姫』みたいなキャラクターゲームも遊んでみたいですよね。ビッグタイトルも好きなんですけど、そうした“味のあるタイトル”にもスポットを当ててほしいです。

――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

MC8bit 「ラッパーがちょっとゲームやっています」っていうレベルのゲーム好きじゃないんで、ゲームファンの皆さんには温かく見守っていただきたいなと思います。僕も皆さんといっしょに盛り上がって楽しんでいけたらいいなと思っています。

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