2018年4月14日~15日、東京・ベルサール秋葉原で開催された“セガフェス2018”。4月15日に行われたステージイベント“クラシックゲームステージ”では、初日のプレゼンテーションで発表された、Nintendo Switch向けの新プロジェクト“SEGA AGES”の詳細な発表が行われた。開発陣とゲストにより熱いトークが交わされた、その模様をリポートする。
今回のプロジェクトでシニアプロデューサーを務めるセガゲームスの下村一誠氏、同スーパーバイザーの奥成洋輔氏、開発を手掛けるエムツーの堀井直樹氏、ゲストにアーティストのMC8bitさんが登場してステージはスタート。まずマイクを取った下村氏が「『セガ3D復刻アーカイブス』が好評を得まして、これは継続するしかないだろう」とプロジェクト開始の経緯を説明した。また、「ワールドワイドで同時展開できるように」ということで、“SEGA AGES”のブランドで統一したのだと、ブランド名の理由を語った。
続いて奥成氏からは、プロジェクト全体のコンセプトとして「ふつうに遊べるのは当然として、いままで遊べなかったこと、あるいは気軽に楽しめるなどプラスアルファを追加したい」との説明が。その後に、14日に発表されたラインアップから、3タイトルについての詳細が説明されていった。
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』については、『3D ソニック・ザ・ヘッジホッグ』で追加したリングキープやステージセレクトなどの要素は当然ながら搭載。さらに、目玉のひとつとして、北米アーケード市場用に作られた“MEGA PLAY Ver.”を初収録するという。「簡単に言うとタイムアタックに特化した『ソニック』。通常のメガドライブ版に飽き足らない人は挑戦してほしい」(奥成氏)と語ると、来場者からは驚きの声があがった。なお、“MEGA PLAY Ver.”は高田馬場ゲーセン・ミカドで現在プレイできるとのこと。どんな内容か気になる人はぜひ足を運ぼう。
会場でプレイアブル出展された『サンダーフォースIV』は、メガドライブ 版の完全移植に加えて、サターン版『サンダーフォース ゴールドパック2』で追加された『サンダーフォースIII』の自機によるプレイ、KIDSモードなどはすべて収録。さらに、オンラインランキングや、処理落ちの“いい具合”の再現、入力遅延についても対応を進めているとのこと。「(オンラインランキングは)対応できるのかという声があるかもしれませんけど、もう機能として潰したから!」と堀井氏は高らかに宣言したので、期待も高まる。
『ファンタシースター』に関しては、プレイステーション2版『ファンタシースター コンプリートコレクション』の要素を網羅したうえで、「遊びやすさを手軽に味わえる形にしたい。今風の難易度とか」(奥成氏)。また、今回ラインアップに加えた理由のひとつに、オリジナル版のデザイナーであるセガゲームス・小玉理恵子氏がプロデューサー/ディレクターとして加わったことがあることが明らかに。原作を知るスタッフがプロジェクトに加わることで、さらなるパワーアップが期待できそうだ。
そしてここで、会場でも展示されていた『サンダーフォースIV』の実機プレイにMC8bitさんが挑戦。ステージ開始時から「ここに座っているのが夢みたいです」と緊張の面持ちであったが、ゴーグルで見づらいであろうハンデを物ともせず、KIDSモードで2ステージを難なくクリアー。「(昔の記憶が」蘇りましたね! 多重スクロール最高です」と上機嫌にコメントをした。
そしていよいよこのステージの目玉となる、追加ラインアップの2タイトルの発表が。『アレックスキッドのミラクルワールド』と『ゲイングランド』のロゴがモニターに映し出されると、ステージ前に駆けつけた濃いファンからは「おおー!」と言う声が上がった。
アレックスキッドは、ソニックが登場する以前のセガのマスコット的キャラクター。3D復刻のスタッフクレジットでその姿は見せていたが、今回満を持しての登場となる。奥成氏によると、「アレクは欧州やオーストラリアでは大人気タイトルで、Wiiのバーチャルコンソール版終了による駆け込み購入がすごかった」とのこと。“SEGA AGES”版では、ジャンプボタンと攻撃ボタンを入れ替えれるコンフィグが可能で、プレイステーション3移植時の特殊なゲームモードも収録し、さらなるおもしろさを追求するとのこと。
「ようやく縦画面の『ゲイングランド』が出せます。アーケード版です!」という堀井氏の叫びとともに発表になったのが、1988年にアーケードシーンに登場したタクティカルアクション『ゲイングランド』。3D復刻プロジェクトの移植希望でもレースゲームを除いた1位だったそうだが、解像度の問題などで移植は叶わなかった。それだけに、今回は満を持しての復刻となる。
そして、あくまで今回発表されたタイトルは、ラインアップの一部。最低でも15タイトル予定しており、反響次第ではそれ以上の本数になることもありえるとの発言も。加えて「今回の発表はメガドライブ中心ですが、アーケードタイトルはメインでたくさん用意しています!」(奥成氏)、「“SEGA AGES”は数年続けていきたい。ご支援があればセガサターンやドリームキャストなどラインアップを拡げていっていいと思う」とのコメントがなされると、来場者からはこの日一番の歓声が沸き起こった。プロジェクト開始となる、2018年の夏が待ち遠しい!
[2018年4月16日 22時15分 記事修正]
記事初出時、椿彩奈さんの名前を誤って記載していたため、修正いたしました。読者の皆様及び関係者様にはご迷惑をおかけしました。謹んでお詫び申し上げます。