2018年4月14日、15日に東京・浅草橋ヒューリックホールにて行われたインディーゲームのイベント、TOKYO SANDBOX 2018。イベントには国内外からさまざまなインディーゲームが並び、そのすべてが実際に遊べる形で展示されていた。
本記事では会場で出会った選りすぐりのアクションゲームタイトル4つを紹介していく。プレイヤーに新たなゲーム体験を届けてくれるVRタイトルから、感情が揺り動かされる世界観やストーリーを持つタイトルなど、どれも必見!
『メデューサと恋人』(ship of EYLN)
見たものを石化させてしまうメデューサの少女と、その恋人の剣士を切り替えながら敵を倒すVRタイトル『メデューサと恋人』。今回の展示では、実際に開発中のゲームを遊ぶことが可能で、両手に持ったコントローラーでそれぞれメデューサと剣士を操作するひとり用のモードが体験できた。
“VRロックオン・パートナー・アクション”と銘打たれた本作では、プレイヤーはメデューサとして、視界の照準を合わせることで敵を石にするという独特の攻撃方法を採用している。コントローラーで移動し、首を回して敵を見つけるという遊びは新鮮。進んでいくと巨大な敵も登場し、弱点を見つめて攻撃して倒すのも爽快だった。また、攻撃し続けると呪いが進行するため、それを防ぐために目を瞑るのだが、その時は視界も真っ暗になって状況が分からなくなるというアイデアも秀逸。この呪いというシステムは進行すると攻撃が強力になる反面、メデューサの理性がなくなってしまうそうで、そのままゲームを進めるとペナルティーが付いていまうとのこと。なお、2Pプレイの場合は、ゴーグルを付けている側はメデューサを操作し、コントローラー側ではテレビを見ながら剣士を操作する仕様になる。
そんな本作の開発者に開発意図を伺うと、VRゲームタイトルはひとりで遊ぶものが多く、家族や友人、恋人などふたりで遊ぶタイトルを作りたかったというのがそもそもの発端なのだそう。そんな経緯もあり、ゲーム自体の難度は優しい作りにしたいとのことだった。本作のプラットフォームはプレイステーション VRを予定。今年中のリリースを目指して開発が進んでいるそうだ。
『吾妻邸くわいだん』(求道庵)
屋敷を舞台に3種の神器を駆使して妖怪たちを退治する辛口アクションと、カーソル操作で謎を解いていくポイント&クリックアドベンチャーを融合させた『吾妻邸くわいだん』。今回の体験では、ほとんど完成した状態のゲーム冒頭部分を遊ぶことができた。
アクションパートでは敵の動きなどを理解しつつ、敵に対応する神器に切り替えながら戦うことで、ただ単調な戦闘にならない工夫が感じられた。敵や罠の配置などゲームバランスに関わる細かい部分へのこだわりも見え、トライ&エラーで攻略していく楽しさも冒頭から味わえた。
約9年にも及ぶ開発期間となった本作だが、開発者の話によると近々プレイヤーの元へ届けられそうとのこと。現時点でのプラットフォームはPCとプレイステーション4での配信が予定されている。
『サリーの法則』
本作は絵本作家を夢見る少女のサリーと、影から愛娘を見守る父親の物語を描く横スクロールパズルアクション。2016年に配信され好評を博した本作だが、つい4月5日にNintendo Switch版がリリースされたばかり。会場では、そのNintendo Switch版を遊ぶことができた。
娘の心情と父親の心情が交互に描かれ、成長する娘を気にかける父親の姿が多くの人の胸に染みる本作。Nintendo Switch版では、サリーと父親のそれぞれを操作しての2Pプレイが可能に。操作もスティックでの移動と、ボタンでのジャンプのみというシンプルなものとなっており、それこそ子どもと親でプレイできそう。筆者もいつか娘とプレイする自分自身を想像しながら、「この子もいつか、サリーのように家を離れて、社会の荒波に揉まれる日が来るのかなあ」としみじみ感慨にふけるなどという妄想に浸ってしまった……。それくらい心を突き動かされる。
そのほか、Nintendo Switch版では、2Pプレイに合わせたステージの調整を始め、オープニングとエンディングの追加やキャラクターの見た目が変更できる“着せ替え”などの機能が追加されている。
『ガルガンチュア(GARGANTUA)』(よむネコ)
オンラインでの4人プレイも可能なVR剣戟アクションRPG『ガルガンチュア(GARGANTUA)』。今回はひとりプレイ用の“コンバットプレビューデモ”を遊ぶことができ、迫力の戦闘を体験した。
今回個人的にもっとも驚いたのが、戦闘のスピード感と臨場感。敵の動きも思っていた以上に素早く、“ゲームの敵”というよりは、いかにも人間らしい動きをしているので、本当に剣を持って戦っているような感覚に浸ることができた。武器は使用していると壊れてしまうため、プレイ中は順次、落ちている剣を拾う必要があるのだが、そのときには「後ろから敵が近づいてきていないか」、「攻撃されたらどうしよう」という恐怖も湧いてきたほどだった。
また、本作はVR酔いに対しての対策も研究されていて、画面が大きく動くときには画面の周りが少し暗くなるなどの工夫がされているそうだ。まだまだ完成まで半ばという本作だが、製品版では敵の剣を奪ったりするようなリアルな戦闘が実現できるように開発が進められているとのこと。リリースは今年中を予定していて、その前には無料の体験版も配信する予定とのことだ。Oculus RiftとHTC Viveの配信を予定している。