2018年4月14日、15日に東京・浅草橋ヒューリックホールにて行われたインディーゲームのイベントTOKYO SANDBOX 2018。イベントには国内外からさまざまなインディーゲームがプレアブル展示され、来場者は開発者とのコミュニケーションもとりながら最新ゲームを体験した。本記事では、出展されていたタイトルの中から選りすぐりのシューティングタイトルを紹介していく。なぜシューティングゲームにフォーカスするのかというと、もちろん、記者がシューティングゲームが好きだからです! とはいえ、会場には注目のシューティングゲームばかりで、記者もうれしくなってしまいました。
『ライバル・メガガン』(Degica Games)
カナダのバンクーバーに拠点を構えるインディゲームスタジオSpacewave Softwareが開発を担当した対戦型の縦シューティングゲーム『ライバル・メガガン』(国内でのパブリッシャーはDegica Games)。プレイヤーは画面分割された範囲で出現した敵を倒しながらゲージを貯め、貯まったゲージを消費して対戦相手の画面へ攻撃して対戦していく。ゲージが最大まで貯まると、巨大なロボ“メガガン”へと変形し、相手へ強力な弾幕をお見舞いできるのも醍醐味となっている。勝敗は2度のダメージで1セットを先取、2セットを取ると勝利となる。
今回はローカルでのプレイヤー対戦を体験させてもらったが、出現する敵の攻撃もそれほど激しくはなく、幅広い年齢層が対戦ゲームとして楽しめるゲームバランスが感じられた。もちろんローカル対戦だと対戦相手へ攻撃を与えたときには反応も見られることもあり、ド派手な攻撃を与えながら友人とワイワイ楽しめそう。
また、いかにも男の子好きしそうなレトロなアニメチックのビジュアル、ゲージを貯めて巨大ロボになるシステムなど、ロマンを感じずにはいられないゲームデザインにもかなり痺れた。なんでも、本作の開発者はADKから発売された対戦型縦シューティングゲーム『ティンクルスタースプライツ』の大ファンで、好きが高じた形で本作の開発に至ったそう。メインビジュアルは、開発者が好きな90年代のアニメをモチーフにしているそうで、まさに好きな人はとことん好きな雰囲気だった。本作はローカルでの対戦プレイのほかにも、オンラインでの対戦も可能。本作は今年の冬リリースに向けて開発中だが、現在は対戦時にプレイヤーのゲームスキルの差を埋めるためのハンディキャップシステムを搭載するかどうかが検討されているとのことだ。プラットフォームはNintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、Steamを予定している。
『Rolling Gunner』(Project Rolling Gunner)
自機の周り360度に方向が変えられる“ローリングガン”を駆使して、上下左右から来る敵を倒していく横シューティングゲーム『Rolling Gunner』。今回は完成直前版がプレアブル出展されており、ほとんど製品版と変わらない状態でプレイすることができた。
本作は敵を攻撃すると出現する勲章アイテムを取得することでエネルギーが溜まり、最大値の1000までエネルギーが溜まると自機のショットをパワーアップできる。パワーアップを使用すると、同時に弾消しの効果も発動するため、使用するタイミングも考えたくなる戦略性も癖になる。また、敵に近づいて倒せば勲章アイテムをより多く取れるので、欲を出して攻めの姿勢に出るかどうかのせめぎ合いも生まれるつくりはさすがのひと言。また、初心者から玄人までカバーする3つの難度設定ができ、ゲームスキルに合わせた遊びができるのも素直に嬉しい点だ。
サウンド面でも、元ZUNTATAの小塩広和(COSIO)氏が参加されているということもあり、アーケードゲームとしてリリースしてもまったく遜色ないクオリティーとなっていた。ゲーム自体はほぼ完成したという本作だが、現在は6月のリリースへ向けてグラフィックなどの調整をされているそう。プラットフォームはPCでの発売となり、まずはパッケージ版がリリースされ、いずれSteamでの配信が予定されている。
『The Lost Sky』(YASUDA GAMES)
めでたくイベント当日の4月14日にスマートフォン版がリリースされた『The Lost Sky』は、退廃した世界を舞台にドラゴンを操作して機械の敵と戦う2D全方位シューティングゲーム。ミッションクリアー型のシューティングで、ステージごとに決められた条件を達成するのが目的となる。クリアー後にはステージで得たポイントを使って自機を強化し、またミッションに挑むといったゲームサイクルとなっていた。
今回の試遊ではスマホではなく、PC上でコントローラーを使ってプレイすることができた。操作するドラゴンは少し動きにクセがあるものの、操作感の滑らかさは完成度の高さをうかがわせた。また、近接攻撃で集った敵をつぎつぎと倒したり、敵が集まったところに爆発する遠距離攻撃で一掃したりと、爽快なプレイも味わうことができた。現在は全7ステージとなっているが、今後はアップデートでのステージ追加や、自機の種類追加も予定しているそう。PC版でのリリースも現在進められていて、WindowsとMacに対応したバージョンを年内を目指して開発中とのことだ。
『BLACK BIRD』(Onion Games)
木村祥朗氏が代表を務めるOnion Gamesが送る横スクロールシューティング『BLACK BIRD』。本作は少女が呪いによって姿を変えられてしまった“黒い鳥”を操作し、エリアの主要な敵を倒してステージを進んでいくゲームだ。会場ではステージの1部分が体験でき、ドットで描かれたモノクロなゲームデザインと、冒頭から謎を残す黒い鳥に姿を変えられた少女など、その独特すぎる世界観に一瞬で引き込まれた。
ゲーム部分はまだ開発中とのことで、完全な状態ではなかったが、現在開発中のバージョンでは黒い鳥が姿を変えるパワーアップやUIがさらに調整されているそうだ。また、気になる物語もマルチエンディングとして描く予定ということで、完成が待ち遠しいタイトルとなりそう。プラットフォームは現時点では未定だが、コントローラーでゲームを遊べる形でのリリースを考えているとのこと。リリース時期は今年中を目指して開発が続けられており、5月中ごろには詳しい情報が公開できるように調整中とのことだ。
『VRITRA COMPLETE EDITION』(Neotro)
スマートフォン向けアプリとしてリリースされていた本格横スクロールシューティング『VRITRA』。会場では、その“COMPLETE EDITION”と銘打たれたPC版がプレアブル展示されていた。
本作は『グラディウス』をはじめとした古きよきシューティングゲームからインスピレーションを受けて制作されたという経緯もあり、作品の雰囲気、ステージ構成、敵の出現パターンなど、ゲームのいたるところから往年のシューティングゲームへのリスペクトが感じられる。また、PC版ではコントローラーに繋げての操作が可能になったということで、実際にコントローラーを握ってのプレイは、操作感からも“いつかプレイした懐かしさ”が感じられた。そんなPC版では、コントローラー操作に向けた調整がされているほか、ふたつのステージ追加がされ、全7ステージに。さらに、4つだった自機のショット性能が変わるアイテムもさらに3つが新規追加されるそうだ。ほかにも、アプリとしてリリースされていたスコアアタックも標準搭載されるとのこと。本作はSteamでの販売が予定されており、リリース時期は近日配信予定となっている。