数々のビッグニュースで湧いた“セガフェス2018”が行われている、ベルサール秋葉原から徒歩で15分。浅草橋ヒューリックホールにて、もうひとつのゲームイベントが行われていた。TOKYO SANDBOX 2018である。

 首都圏で開催されるインディーゲームイベントとして、注目を集めるTOKYO SANDBOX 2018。会場にはおよそ70のパブリッシャーや開発スタジオが自作を出展され、来場者を待ち受けていた。当然のこと、そのスケール感では“セガフェス2018”に及ぶべくもないわけだが、負けていないのが、その熱気ぶり。いや、熱気というのとは少し違うかもしれない。各社のブースは肩肘張らず、自然体で、やさしく……と、身を浸していると、とても心地よい空間なのだ。「いい意味でのユルさがありますよね」とは、取材を担当したライター戸塚伎一の言葉だが、これがインディーゲームらしさとでもいうのであろうか。

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 その心地よさに誘われるようにコミュニケーションも弾み、会場では、そこかしこで会話が絶えない。TOKYO SANDBOX 2018開催の意図のひとつとして、“マッチング”が掲げられていたのだが、その目的は達せられていたように思う。開発者、パブリッシャー、投資家、来場者と、それぞれの立場によるコミュニケーションが積極的にとられていたようだ。何より、“お気に入りのゲームを見つける”というのが最大の“マッチング”だ。

 そして、TOKYO SANDBOX 2018に彩りを与えていたのが、ストリーマーの参加だろう。会期中は、赤石先生、ぬどん、ShoboSuke、LayerQ、J-monといった人気ストリーマーがライブストリームを行い、好評を博していた。なかには、ストリーマーさん会いたさに会場に足を運んでいた方もいた模様。

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ストリーマーも気合いが入る。前列左から、ぬどん、ShoboSuke、LayerQ。後列左からJ-mon、赤石先生。
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会場では配信も行われていたり。

 そんなTOKYO SANDBOX 2018は、明日(4月15日)も開催予定。15日はあいにくの空模様のようだが、“ステキなゲームと出会いたい”という方は、秋葉原から徒歩15分のところにある(JR総武線だったら秋葉原から2分!)浅草橋ヒューリックホールまで足を運んでみてはいかが?

 以下、出展タイトルの一部をそこはかとなくお伝えしよう。

コーラス・ワールドワイド

 TOKYO SANDBOX 2018最大規模を誇るコーラス・ワールドワイドは、先日発表されたなつかしいテイストのアクション『Videokid』と、タワーディフェンスゲーム『ノーヒーローズ・ヒア 』、360度弾幕シューティング『アペリオン・サイバーストーム』の3タイトルを出展。『ノーヒーローズ・ヒア 』は最大4名、『アペリオン・サイバーストーム』は最大5名での対戦が可能で、友だちで遊んで盛り上がりそう。会場では、コーラス・ワールドワイドのPR担当 大柳竜児氏、COO 二宮文月氏に加えて、通常日本にはいない代表 金親晋太郎氏も参加。「1年に一度あるかないかのレアな機会」とのことで、記念撮影させていただきました!

※コーラス・ワールドワイド公式サイト 

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左から二宮文月氏、金親晋太郎氏、大柳竜児氏。

架け橋ゲームズ

 パブリッシングのサポート業務を主とする架け橋ゲームズは、ブレイクダンスバトルゲーム『Floor Kids』(販売・開発MERJ Media)と、アクションシューティング『Dimension Drive』(販売・開発:2Awesome Studio)の2タイトルを出展。膨大な量のインディーゲームに関わっている同社にしては、出展2タイトルは少し控えめな印象だが、ザック・ハントリ氏によると、いま相当な数のタイトルを準備中とのこと。そのため、スタッフは5人に増員するようだ。今後の活躍にますます期待。

※『Floor Kids』公式サイト

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おなじみ創立者のザック・ハントリ氏(右端)と、UNTIESの業務もこなす伊藤雅哉氏(右からふたりめ)。ちなみに、メンバーのひとり渡辺裕美さんは産休でお休み中。

Hanaji Games

 日本人のアートデザイナー HARA氏と、アメリカ人のプログラマー アルヴィン・フー氏らからなるHanaji Gamesは、フー氏が英語圏を、HARA氏が日本語でのプロモーションを手掛けることで、ワールドワイドのPRを幅広くフォローしている。「日本のインディーゲームは、ワールドワイドを視野に入れるべきだと思います」とHARA氏。TOKYO SANDBOX 2018では、高速回転寿司パズルゲーム『Peko Peko Sushi』などを出展していた。

※『Peko Peko Sushi』公式サイト

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左がアルヴィン・フー氏、右がHARA氏。

Kumasystem Inc.

 ハムスターを引っ張って転がし、フィールド上のアイテムなどを集めながらゴールを目指す『はむころりん』を出展。代表のEIKI’氏は、大手ゲーム会社を辞してKumasystem Inc.を設立した気概の持ち主。今後のインディーシーン注目の存在となりそう。

※『はむころりん』公式サイト

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エイコードバンク

 「なんか見たことある人だなあ……」と思って近づいていくと、旧エンターブレイン(現・Gzブレインの前身)のシステムまわりを担当していた斎藤雅昭氏。エンターブレイン後、システム関係の業務をこなしながら、もともと好きだったゲーム作りに邁進。ただいま本業とは別にゲーム開発の会社(エイコードバンク)を立ち上げたという。まさに、インディーゲームのひとつのカタチか。にしても、こんな出会いがあるのもインディーゲームかも……。TOKYO SANDBOX 2018で出展していた『アビスアンドダーク 賢王の盟約』は、『ウィザードリィ』を思わせるダンジョンRPG『アビスアンドダーク』の続編。ダンジョンRPG好きにはたまらない1作。

※『アビスアンドダーク』公式サイト

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求道庵

 記者が密かに「江戸時代の男前な傘張り職人にそっくり……(失礼!)」と思っている求道庵の田口求道氏が、まさにその名のごとくゲームへの求道のように9年間(!)もかけて作っているという辛口アクションアドベンチャー『吾妻邸くわいだん』。メディアスケープの“Play,Doujin!”プロジェクトにて、プレイステーション4向けにリリースされることが決定している同作だが、いよいよ発売も間近な様子。いよいよか! ちなみに髪の毛を切って傘張り職人感は薄れたようです(余計な感慨ですが)。

※『吾妻邸くわいだん』公式サイト

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Onion Games

 『Million Onion Hotel』の開発を終えた木村祥朗氏が、TOKYO SANDBOX 2018に出展したのは『BLACK BIRD』。2016年のBitSummit 4thで発表された本作は、「舞台となる世界の徹底破壊」をコンセプトにしたシューティング。『Million Onion Hotel』を優先したため、開発がストップしていた同作だが、いよいよ再始動となるようだ。ただし、今回出展していたのは2016年時のバージョンらしい。今後の進捗に期待。

※Onion Games公式サイト

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room6

 room6は京都にスタジオを構えるデベロッパー。2010年に設立したスマートフォンアプリ開発会社subakolabから、2014年にゲーム開発専業の会社として独立。以降、『たまぴんびゅーん』や『とっとこダンジョン』などのスマートフォンアプリを開発。2018年4月にNintendo Switch向けに配信された『サリーの法則』は、高い評価を受けたNANALI Studios開発によるスマートフォンアプリ版を、room6がコンシューマー向けに開発したパズルアクション。代表の木村征史氏は、インディーゲームの現状に対して、「もっと公的機関などのサポートが必要だと思います」とのことだ。

※『サリーの法則』公式サイト

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 TOKYO SANDBOX 2018の会場をぐるりとまわって、担当が気になったタイトルの詳報は、追ってお伝えする予定だ。

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トイディアのローグライクRPG『ドラゴンファングZ』も出展。
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“TOKYO SANDBOX MIXer ”でプレゼンが行われた よむネコのVRタイトル『Gargantua(ガルガンチュア)』も注目作のひとつ。