2018年2月13日(現地時間)よりカナダ・モントリオールで開催中のPC版『レインボーシックス シージ』のプロリーグ“Six Invitational 2018”。本大会は、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、アジアの各地域で優秀な成績を出した16チームが、カナダ・モントリオールに集い、ワールドチャンピオンの座を賭けしのぎを削る、いわばプロリーグの最終決勝戦だ。日本からはシーズン3アジア太平洋地域代表として、チーム“eiNs”が参戦した。

 ファミ通.comでは、全日程を終えたeiNsのShiN選手とPapilia選手にインタビューを敢行。そのほか、ファンアートが飾られた会場の模様や、本大会に出場したオールスターによる東西線についてのフォトリポートを掲載する。

「チームとしての今後の活動は未定だが、挑戦はし続けたい」

『レインボーシックス シージ』日本チーム“eiNs”とSix Invitationalを振り返る ドリームマッチ出場やブースの模様をお届け_31
Papilia選手(左)、ShiN選手(右)

――全日程が終了しましたが、いま一度振り返ってみてのお気持ちはいかがでしょうか?

ShiN選手 やはり、「すごいイベントに来たな」という気持ちが一番強いです。

――プレイオフは3日間ありましたが、どうやって過ごされていたのですか?

ShiN選手 毎日会場に足を運んで、片っ端から試合を観戦していました。やっぱり映像で見るより生でみたほうが会場の雰囲気や選手の表情や叫びが分かりますから、会場で試合を観戦することは大切だと改めて実感します。

――オフライン会場の雰囲気や選手の表情を間近でみるだけでも、試合を見えかたはかなり違いますよね。

Papilia選手 国内のオフライン大会は何度か出場しているので場慣れしていると思っていましたが、実際に国際大会にきてみると印象がまったく違いました。実際にオフライン大会に慣れている選手たちを見ることでいい刺激になりました。

――そういえば、ほかのチームの選手とは交流はされましたか?

ShiN選手 僕はオールスター戦に出場させていただいたので、オールスターメンバーと交流しました。

――オールスター戦はいかがでしたか?

ShiN選手 ボイスチャットでのやりとりが、とにかくおもしろかったですね(笑)。「お前このラウンドは、おもしろいことをやれ」といった具合に、チーム内であんなことやろう、このオペレーターをピックしようとワイワイ盛り上がってプレイしました。

Papilia選手 いいな~(笑)。

ーーどちらかというと、ShiNさん側のEastチームは終始おもしろプレイに走っていましたね(笑)。タチャンカをピックしたときは会場が沸いていましたよ。全員ピックオペレーターがリクルート(新兵)だったときも、皆さん爆笑していました。

ShiN選手 毎ラウンドごとにチームメイトが「つぎはタチャンカやろうぜ! 次はあえて屋外で戦おうぜ!」と提案するので、結局終始ネタプレイになってしまいました(笑)。リスキル(リスポーンキル)をたくさんしたのは僕です。

※オールスター戦は2:00:00~から

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オールスター戦に出場した選手にしか配られない特別なユニフォーム。「世界に10枚しかないTシャツです」ShiN選手

――リーグ戦ではできない、オールスターならではの楽しみですね。ところで、オールスターはSix invitational出場選手による投票で選ばれたそうですが、選ばれたときに率直なお気持ちを教えてください。

ShiN選手 あの舞台に立てることは本当に光栄です。つぎはオールスターではなく、予選を勝ち上がって選手として立ちたいですね。

――ぜひ、Six invitationalの大舞台でeiNsの戦う姿を見たいです。ですが、「今後のeiNsの活動については、後日お話しします」というTwitterの投稿を目にしたのですが……。

ShiN選手 どうしても、Year3シーズン1の3ヵ月間は僕がゲームをプレイする時間が作れないので、シーズン2で活動を再開したいと思います。ただ、チームメンバーそれぞれの活動もありますし、メンバー全員がeiNsに残るかはまだ未定です。
※後日、SuzuC選手とAroer1na選手、Okamotoコーチの脱退が発表された。

ーー今後のチームとしての活動は未定だが、挑戦はしつづけたいと。

ShiN選手 はい。その通りです。

ーーPapilia選手としては、今後の活動内容や目標はすでに決まっているのでしょうか?

Papilia選手 僕は現在eiNsとSengoku Gaming Extasyに所属していますが、今後のeiNsの継続についてはメンバーとの調整段階です。僕自身は今年から就職することが決定しており、海外遠征を含めた活動はいま以上に厳しいと思うのですが、本大会でたくさんの刺激を受けたので機会があれば今後も挑戦し続けたいです。

ーー配信でのコメントを見ると、eiNsの今後の活動に期待しているファンも多くいらっしゃいました。

ShiN選手 応援してくださっているサポーターの声援は選手の力になります。今後eiNsはオフライン大会での活動は約3ヵ月間はできませんが、また戻ってきたいと思っているので、ぜひお待ちいただけると幸いです。

ーープロライセンスはほぼ全員が取得したとのことですが、プロとして活動する予定もあるということでしょうか?

ShiN選手 プロゲーマーという枠ではなく、僕のプレイスタイルがほかのプレイヤーにとって見本になるような選手にはなりたいとは思っています。僕たちが見本になる、先駆者となるという意識です。今回こういった国際大会に出場したことを糧にして、国内の大会で世界レベルのプレイを見せてぜひほかのプレイヤーに刺激を与えられたらいいなと思っています。

――プロライセンスについての印象はどうでしょうか?

ShiN選手 僕はプロライセンスについてそこまで深く考えたことはありません。別に批判的でもありませんし。

Papilia選手 “ライセンスを所持していればプロゲーマーである”という考えについては、考えさせられる部分はあります。難しい問題ですね。プロゲーマーとして活躍する傍ら、ストリーム配信でお金を稼いでいる方もいます。ただ、僕自身としてはこういった大会に出場して第一線で活躍しているプロゲーマーに、敬意を払うべきだと感じました。日本のプロゲーマーの定義はまだ明確にはなってないと思います。私自身も含めて、国内のプロゲーマーとしての姿勢や在り方を示していけたらいいと思っています。

――ライセンス取得は、その第一歩となるわけですね。

Papilia選手 はい。そうなります。

ーー分かりました。では、今日のファイナル(PENTA esports vs Evil Geniuses)の感想をお願いします。

ShiN選手 世界最高峰のレベル、熱い試合をオフラインで観戦できて感激です。序盤はEvil Geniuses2-0で優位だったので、このまま押し切るのはないかと思っていましたが、PENTA esportsが巻き返してきたのには痺れました。最後の海岸線マップでは、4-1からの逆転でどちらが勝つか分からない接戦でした。今シーズンいち、いい試合が展開されたとおもいます。

Papilia選手 最後までどちらが勝つか分からない手に汗握るような試合でした。『レインボーシックス シージ』はほかのFPSタイトルのように単純明快ではなく戦術とスキルが必要なゲームなのでとても複雑なのですが、その最高レベルを示してくれるような試合だったと思います。とても刺激を受けました。

ーーファイナルは試合数が多かったですね。接戦だったのでラウンド数も多くなり長時間に及ぶ試合でしたが、あれだけの試合数をこなすのは集中力も体力もかなり消費するのでしょうか。

ShiN選手 そうですね。最後まで自分たちのプレイスタイルを崩さす冷静な判断をするとなると大変だと思います。その状況でお互いどれだけミスを減らしていプレイを続けていけるかが重要なポイントだと思います。

――チーム内でのコミュニケーションも必要になってきますよね。

ShiN選手 その通りです。試合中の状況報告もですが、ラウンドが終わったら励ましあったりするのは大事だと思います。長時間の戦いになると無口になることもありますからね。

――eiNsは初戦のFaZe Clan戦でコミュニケーション(声出し)に苦労したと仰っていましたが、eRa Eternity戦ではよい雰囲気がチーム内に流れているように見えました。

ShiN選手 FaZe Clan戦での反省を踏まえて、eRa Eternity戦とENCE戦はコミュニケーションを重点的に意識しました。今後の課題も見えてきたので、この経験から強くなっていきたいです。

ーーなるほど。eiNsは3ヵ月前のブラジルで行われたシーズン3 ファイナル大会からチームメンバーを変えて本大会に臨んだわけですが、プレイオフ出場は残念ながらできませんでしたね。それについてはどう考えていらっしゃいますか?

ShiN選手 前回のシーズンの敗北を受けて、『レインボーシックス シージ』をもう一度いちから理解することを心掛けました。作戦であったり個人の立ち回り、連携を練り直して本大会に挑みました。ただ、いま振り返ってみるとチーム内でのコミュニケーションが足りなかったとは思います。選手ひとりひとりが何をやりたいのかを明確にして、何を練習すべきなのかを把握するべきだったかなと……。ほかにも、仕事や学校で疲れていると練習をしてもあまり意味がないので、そうであれは休息してよいコンディションにするべきですし、そういったところからチーム内でのコミュニケーションが足りなかったかなと思います。

――今回、Papila選手が新たに加わったわけですが、チームとしてどう変わりました?

ShiN選手 Papilaさんには、なかなかポイントに突入できない状況で突破する力を持っていると思い、チームに加わっていただきました。

ーーPapilia選手自身は、役目を果たせと思いますか?

Papilia選手 ShiNさんの評価はまだわかりませんが(笑)、いままでやってきたことを活かせたとはおもいます。eiNsに加わってから、練習の質は上がったと思います。これまで僕は感覚でプレイしていた部分があったのですが、eiNsでは理論的でロジックに作戦を組み立ててゲームを進行していくスタイルなので、大変勉強になりました。『レインボーシックス シージ』について、いちから学ぶ機会を得られましたし、僕自身成長できたと思っています。

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会場フォトリポート


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エントランス。入口を抜けると、すぐに物販スペースが広がる。土日は、長蛇の列ができあがっていた。
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こちらのTシャツは、UBI公認R6SファンアートイラストレーターShinoさんによる作品。即完売の人気商品だった。
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ホール外のメインロビーには、ファンアートを展示。展示されている作品は約50点。ちびキャラといったかわいらしいデフォルメデザインのイラストから、ドクとカベイラの大人な関係を匂わせるものも。ってことは、次回はタチャンカとフィンカの絵が増えるかな?
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ブラックビアードとスレッジを発見。このほかにもパルスやスモークなどオペレーターのコスプレイヤーはかなりの数がいらっしゃいました。ビアードが本物レベル。
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オールスター戦入場シーン。オールスター出場選手は、本大会に出場したチームが各3票投票し決められたとのこと。そのうちのひとりがShiN選手となる。ShiN選手はTwitterでたびたび海外選手と交流を図っていたそうで、そのため名前を覚えてもらえたそうだ。
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ShiN選手がタチャンカをピックするなんて……。
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Year3シーズン1で配信される無料Co-opモード“Outbreak”のパネルでは、Outbeakのテーマ曲のオーケストラ演奏も。和太鼓も編成に入っていた。
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Outbeakでは、アッシュ、テルミット、タチャンカ、ドクのエリートスキンが実装される。タチャンカは相変わらず素顔が見えない。
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ファイナルマッチは超満員。うしろの通路で立ち見がでるほどの盛況ぶり。観客のほとんどがEvil Geniusesサポーター(Evil Geniuses側リーダーのCanadian選手はその名の通りカナダ出身)のため、終始「EG!」コールが響く。
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これまで選手は防音のために特別なボックス席でプレイしていたが、今回はアリーナ中央に設けられたステージでプレイ。観客の熱いコールを背に受けてプレイする。
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スーパープレイができるたびにスタンディングオベーションが起こる。これがオフライン会場でしか見れない光景のひとつだろう。PENTA esports、Evil Geniusesどちらがスーパープレイが見せても、観客席からは凄まじい声援が上がる。
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見事アウェーを跳ね除け優勝を勝ち取ったPENTA esports。優勝が決まった瞬間、チームメイトと抱擁し嬉しさあまり涙を見せる選手の姿も。